夜明けの紹介：2018年日本映画。是枝裕和や西川美和といった大物監督の下で助監督を務めてきた広瀬奈々子の監督デビュー作となるヒューマンドラマです。訳ありの青年と彼を拾った木工所社長が築いていく心の絆を柳楽優弥と小林薫のダブル主演で描きます。
監督：広瀬奈々子 出演者：柳楽優弥（ヨシダシンイチ／芦沢光）、小林薫（涌井哲郎）、YOUNG DAIS（庄司大介）、鈴木常吉（米山源太）、堀内敬子（成田宏美）ほか
映画「夜明け」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夜明け」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
夜明けの予告編 動画
映画「夜明け」解説
この解説記事には映画「夜明け」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
夜明けのネタバレあらすじ：起
小さな木工所を経営する涌井哲郎（小林薫）は、河原に倒れている青年を見つけて家に連れ帰りました。目を覚ました青年は、自分は渋谷から来たといい、名前を“ヨシダシンイチ”（柳楽優弥）と名乗りました。哲郎はまだシンイチの体調が万全ではないことから当分の間自宅に滞在させることにしました。
木工所ではベテランの米山源太（鈴木常吉）、若手の庄司大介（YOUNG DAIS）、鉄郎の恋人で農業と兼業で働く成田宏美（堀内敬子）が働いていました。哲郎はシンイチを東京から来た見学者ということにして、そのままここで働かせることにしました。哲郎は更に、自宅の二階の部屋にシンイチを住まわせました。そこはかつて哲郎の息子の部屋だったところで、シンイチは部屋の中にあった賞状から、息子の名前が自分と同じく“真一（しんいち）”であることに気付きました。
夜明けのネタバレあらすじ：承
シンイチが仕事に慣れ始めた頃、宏美は哲郎の過去について語り始めました。哲郎の妻と息子である真一は、実家に帰省する時に交通事故で亡くなっていたのです。その夜、シンイチは哲郎にその話を振ってみたところ、哲郎は生前の真一と折り合いが悪く、木工所の跡継ぎを拒む真一に暴力を振るったこともあったと語りました。腹を割って話し合った哲郎とシンイチの間には奇妙な絆が芽生えようとしていました。
シンイチは生前の真一に倣って髪の毛を茶髪に染め、哲郎と一緒に以前自分が拾われた川で釣りに出かけました。哲郎はシンイチがこの川で自殺を図ろうとしていたのではないかと指摘すると、シンイチは家族とのしがらみや将来の不安などを挙げ、生きている意味などないと応えました。哲郎はシンイチを拾った際に財布を拾っており、その中には“芹沢光”と書かれた運転免許書が入っていました。
夜明けのネタバレあらすじ：転
ある日、シンイチは庄司と共にガールズバーで飲んでいた時、店の女の子がシンイチを以前見たことがあると言ってきました。シンイチは女の子から写真を撮られることを激しく拒否、庄司のスマホを叩き壊してしまいます。シンイチが去った後、女の子は庄司に、シンイチはかつてとあるコンビニでアルバイトをしていたこと、そこコンビニは火事に遭って店長が死亡したこと、コンビニ跡は今ではパチンコ屋になっていることを明かしました。
哲郎は帰宅したシンイチを優しく慰め、シンイチの名が偽名であることを知ってもなぜこんなに優しくしてくれるのかと問いました。シンイチは火事の真相を語り始め、あの日ガス管からガスが漏れているにも関わらず店長に報告しなかったことを明かしました。哲郎は“芹沢光”の免許を古い財布ごと燃やし、これからは“シンイチ”として生きていくよう諭しました。その後、哲郎はシンイチを正式な従業員に昇格、新しい財布と机をプレゼントしました。
夜明けの結末
哲郎は宏美と再婚することになり、シンイチは庄司からパチンコに行こうと持ち掛けられました。ところが、そのパチンコ屋はかつての忌まわしいコンビニ跡であり、シンイチは童謡して逃げ出してしまいます。その夜、家を出ようとしたシンイチを哲郎は引き留めますが、シンイチは人々の目線や余計な詮索に疲れ果てたことを伝えました。それでも哲郎はシンイチを庇い続けますが、宏美は自分よりもシンイチに入れ込み過ぎている哲郎に不満をぶちまけ、結婚を目前にして二人の関係は悪化していきました。
結婚パーティー前日、哲郎は忽然と姿を消しました。シンイチが捜しに行ったところ、哲郎は泥酔した状態でバス停のベンチに座り込んでいました。シンイチは「このままだと誰も幸せになりませんよ」と忠告、髪の色を黒に戻しました。
結婚パーティー当日、和やかに会は進んでいきましたが、哲郎はシンイチのことを跡取りであり家族だと紹介しました。その時、シンイチはみんなの前で自分は芹沢光であることを明かし、そのまま会を飛び出して走り去っていきました。木工所の誰もが失望するなか、シンイチは夜明けの海に辿り着いていました。
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