夜明けの街での紹介:2011年日本映画。「不倫なんてバカがすることだ」そう思っていた渡部は秋葉に出会い、不倫関係になってしまう。秋葉の家では15年前に殺人事件が起きていた。累計120万部突破の東野圭吾ベストセラー小説が原作。恋愛地獄に落ちた男の苦悩をドラマチックに描く。
監督:若松節朗 出演:岸谷五朗(渡部和也)、深田恭子(仲西秋葉)、木村多江(渡部有美子)、石黒賢(新谷)、萬田久子(浜崎妙子)、中村雅俊(仲西達彦)、ほか
映画「夜明けの街で」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夜明けの街で」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
夜明けの街での予告編 動画
映画「夜明けの街で」解説
この解説記事には映画「夜明けの街で」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「夜明けの街で」のネタバレあらすじ:起
不倫を馬鹿にして生きてきた渡部和也(岸谷五朗)。ある日、友人の新谷(石黒賢)とバッティングセンターに来ていた彼は、一心不乱にバッドを振る女性・仲西秋葉(深田恭子)の姿を見つけます。渡部の会社に最近派遣されてきた彼女とは、ろくに話もしたことがなかった渡部ですが、その後カラオケに行くことになりました。
酔っぱらった秋葉を背負い、自宅まで送っていく渡部。秋葉のマンションまで来たところで、秋葉は吐いてしまい渡部のスーツを汚してしまいます。
翌日、出社した渡部はパソコンに秋葉からのメールをみつけました。そこには「仕事が終わった後に話がある」と書いてあり、仕事帰りに本屋で待ち合わせをした渡部。秋葉の運転する車に乗り込むと、スーツの仕立屋に連れて行かれます。汚したジャケットのお詫びに、上着を仕立てることでチャラにしてほしいと話す秋葉。渡部は彼女の行動に侮辱されたと感じ、「ごめんなさいも言えないのか!」と怒ります。すると「ごめんなさいって簡単に言えれば、私はこんなに苦しくない…」と泣き出す秋葉。
その後二人はレストランに行くことになりました。趣味がサーフィンだと話す秋葉に、「自分も一度やってみたかった」と嘘をつき、話を合せる渡部。久しぶりに若い女性と食事をした渡部は上機嫌で帰宅します。渡部には四歳の娘と専業主婦の妻・有美子(木村多江)がいます。まだ9月にもかかわらず、有美子はクリスマスに向けて卵の殻でサンタクロースを作っていました。
会社の食堂で、不倫について話をする部下の話に耳を傾ける渡部。男性の浮気はどこからだと思うかとの問いに、以前までは女性と二人きりで食事をしている時点で不倫だと答え、「不倫をする男性など言語道断!」と答えていた秋葉が、この発言を撤回し、「女性と二人きりで食事に行くくらいなら、不倫とは言えない」と話します。それを聞いて動揺する渡部。
その後、秋葉から日曜に湘南へサーフィンに行こうと誘いのメールをもらった渡部は、急いでメールを返します。そして日曜になり、家族には嘘を付いて家を出る渡部。あいにくその日は雨でサーフィンをすることはできませんでした。しかしその後、空はきれいに晴れて虹が出ます。車から降りて虹を見ていた渡部に、「ごめんなさい」と謝り、「あの日、一緒にいてもらえてよかった…」と話す秋葉。「すべてを許されるごめんなさいという言葉をあまり使いたくない」と言う秋葉は、「3月31日が過ぎれば…」とわけのわからないことを話し始めます。
その後、秋葉は叔母・浜崎妙子(萬田久子)のバーに渡部を連れて行きました。妙子は秋葉の母の妹です。秋葉は、渡部に家族についての話を聞きたがり、普通の家庭で育った彼をうらやましがりました。
「夜明けの街で」のネタバレあらすじ:承
バーで飲んだ後、渡部は秋葉を実家に送り届けました。その時、秋葉の父・達彦(中村雅俊)と顔を合わせます。秋葉の態度は達彦を嫌っているようで、そのことを気にする渡部。そのまま秋葉の実家に上がり、二人でワインをあけます。
すると突然、15年前に起きた事件について話しだす秋葉。渡部は秋葉に少し休んだほうがいいと促し、自分は帰ろうとします。しかし秋葉は「一人にしないで…」と渡部にすがりつき、この夜から渡部と秋葉の不倫関係は始まったのでした。
翌朝、渡部の携帯にはたくさんの妻からの着信があり、急いで家に帰ります。妻には終電を逃してカプセルホテルに泊まったと嘘を付き、会社に出社する渡部。ある日、妻から携帯に電話があり、娘が熱を出して寝込んでいるので早く帰ってきてほしいと頼まれます。上司の酒の誘いも秋葉と会う約束を断り、家に急いで帰る渡部。
その翌日、会社を休んでいた秋葉が心配になり、渡部は秋葉の実家に向かいます。家では飲み過ぎた秋葉が床で寝ており、ホッとする渡部。秋葉は、15年前に起きた事件の話を始めます。達彦の秘書だった女性・本条麗子がこの家で刺されていました。指紋は拭きとられており、犯人は見つかっていません。その時家にいたのは秋葉だけで、自分が第一目撃者であることを告げます。
時効は来年の3月31日。秋葉の母は達彦と麗子との関係のせいで自殺しており、麗子にはその天罰が下ったのだと話す秋葉。その話を聞いて、渡部は孤独な秋葉のことをほっておくことはできず、イブの夜くらいは一緒にいてあげたいと思います。そして友人の新谷に手を貸してほしいと頼みました。
クリスマスイブの日、高級ホテルに泊まった渡部と秋葉は愛し合い、そのまま朝をむかえたのですが、気が付くと秋葉の姿がありません。「友人が住むバンクーバーに行くので、正月は会えない」と秋葉のメモを見て、正月はずっと家族といっしょに過ごす渡部。
「夜明けの街で」のネタバレあらすじ:転
正月が明け、出社した渡部は久しぶりに秋葉の顔を見てホッとします。その夜、久しぶりに秋葉の家で会った渡部ですが、秋葉から「自分たちの恋愛は自由ではない」と言われ、この関係をこのまま続けるべきか悩みます。
バレンタインデーには秋葉が会社の同僚とスノボーに行くと言い出し、会社の男性社員が秋葉のことを狙っていることを知っている渡部は、そのことも気になっていました。
家に帰ると妻からバレンタインデーに一緒に実家に帰らないかと誘われ、渡部はスノボーに来ている秋葉にサプライズで会いに行くことにします。既婚者であるがゆえに、秋葉にがまんばかりさせていると申し訳なく思う渡部。二人は会った瞬間抱き合います。実は会社の同僚とスノボーに行くと言っていた秋葉ですが、それは嘘だと判明。
渡部がバレンタインデーの日に自分に気を使って、会う口実を作らなくていいように、秋葉は嘘を付いたのでした。そのことを知って、余計に秋葉が愛おしくなる渡部。正月の時も、バンクーバーに行くと嘘を付いていたことがわかり、渡部は秋葉を強く抱きしめるのでした。
後日、ホテルのラウンジで話をする渡部と達彦。これから娘との関係をどうするつもりか聞かれ、「結論は早く出したほうが、双方にとって良いのではないか」と言われる渡部。そして、渡部は新谷に離婚を決めたことを伝えます。秋葉と真剣に向き合うことを決めた渡部ですが、離婚なんてそう簡単にできないと友人から言われてしまいます。「結局みんなが不幸になるだけだ」と言われ、肩を落として家に帰ろうとする渡部。しかし結局家には帰らず、秋葉のもとに向かいました。
渡部が離婚を考えていることを秋葉に話すと、彼女はそれを喜びます。しかし「3月31日までは待ってほしい」と秋葉。その日は15年前の事件の時効日です。「その日が終われば全てが終わる…」と話し、その日は朝までずっと一緒にいることを約束しました。
「夜明けの街で」の結末
時効日前日の3月30日の夜、秋葉の実家に秋葉と渡部、達彦と叔母が揃いました。そこで事件の真相が明かす秋葉。15年前、自殺をしようと部屋で睡眠薬を大量に飲んだ秋葉は、下の階にいた麗子が自殺しているのに気が付きます。そして睡眠薬で倒れてしまった秋葉は、気が付くとベッドに寝かされていました。
目が覚めた秋葉に達彦は、「お前は死体を見て、気絶したんだ」と言います。達彦と妙子は、事件の犯人が秋葉だと思い込んでいました。しかし本当は、麗子の自殺です。達彦と妙子は不倫関係にあり、それを隠すために達彦は麗子とも関係を持っていました。そして麗子はそれを悔やんで自殺。その遺書を見つけた秋葉は、今まで隠し持っていました。
15年間麗子の遺書を隠し、何も知らないふりをしていた秋葉は、達彦を苦しめるために渡部と関係を持ったことも話します。「誰でもいいからそばにいてもらいたかった…」と話す秋葉。「これからはスタートラインに立ちたいので、もうあなたは必要ない」と言い、去っていく秋葉。タクシーに乗り込んだ秋葉は、一人しくしく泣くのでした。
家に帰り、渡部はクリスマス用に妻が作っていた卵の殻のサンタクロースがまだ飾ってあることに気が付きます。片付けようと思い、クリスマスの物が入れてある箱を開けると、そこにはボロボロになったサンタが何体もあるのを発見し、思わず崩れ落ちます。不倫に気付いていた有美子は、知らないふりをしてずっと何食わぬ顔で生活していたのでした。
翌日「話があるって言っていなかった?」と有美子から言われた渡部は「その話はもう済んだからいいんだ」と言いますが、「二人の間で解決していなと思うけど…」とにらまれ、この地獄を一生背負っていくことになる渡部でした。
以上、『夜明けの街で』のネタバレあらすじと結末でした。
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