0.5ミリの紹介:2013年日本映画。監督安藤桃子が自身の介護経験をもとに執筆した小説を題材にメガホンを取った作品。ある事件から職と金を失った介護ヘルパーと孤独な老人達の奇妙な交流を描いたヒューマンドラマ。主演の訳ありヘルパーを演じるのは安藤桃子の実妹で実力派女優の安藤サクラ。津川雅彦や柄本明、草笛光子らベテラン俳優が脇を固めています。
監督:安藤桃子 出演者:安藤サクラ(山岸サワ)、織本順吉(片岡昭三)、木内みどり(片岡雪子)、土屋希望(片岡マコト)、井上竜夫(康夫)、東出昌大(カラオケ店員)、ベンガル(斉藤末男)、ほか
映画「0.5ミリ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「0.5ミリ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
0.5ミリの予告編 動画
映画「0.5ミリ」解説
この解説記事には映画「0.5ミリ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
0.5ミリのネタバレあらすじ:起
介護ヘルパーとして働く山岸サワは派遣先の片岡家で寝たきりの老人片岡昭三の身体介助を担当しています。ある日サワは昭三の娘雪子から別料金を支払うので家に一泊してもらえないだろうと頼まれます。先立たれた妻を恋しがる昭三のために一晩添い寝してあげて欲しいというのです。金に目が眩んだサワはあっさりとこの話を引き受けます。そして片岡家に泊まる夜がやってきました。雪子が用意してくれた赤いワンピースを身に纏い、いざ同じ布団で添い寝をし始めると昭三がものすごい勢いでサワに迫ってきました。耐えかねたサワが昭三を突き飛ばすと、その衝撃で電気ストーブが倒れ、部屋の中は炎に包まれていきます。サワは昭三を引きずり部屋を脱出しますが、衰弱した昭三はまもなく息を引き取りました。助けを求めて階下へ降りていくと、雪子の息子マコトが呆然と立ち尽くしていました。雪子が首を吊って死んでいるのでした。
0.5ミリのネタバレあらすじ:承
仕事をクビになり、寮も追い出されたサワは電車の中に全財産を入れた上着を置き忘れ、無一文になってしまいました。カラオケ屋の前を通りかかったサワはカラオケをホテルと間違い宿泊しようとしていた老人康夫を見かけ、強引に一緒に部屋に入ります。老人の扱いになれているサワは康夫の心をあっという間に掴んでしまいます。康夫は妻に先立たれ遺産を狙う息子夫婦のもとに身を寄せている孤独な老人でした。サワは別れ際康夫から一万円を貰いました。サワはスーパーの駐車場で憂さ晴らしに買物客の自転車をパンクさせていた老人茂と出会います。サワは誰にも言わないからと茂を脅し、食料品を買わせた挙句、一人暮らしの茂の家に上がり込みます。茂は家事を完璧にこなすサワに徐々に心を許していきます。茂もまた娘夫婦から邪険に扱われている孤独な老人でした。さらに茂は知人の男斉藤から怪しげな投資の話を持ち掛けられました。投資話が詐欺であることを疑うサワが会社に電話したところ相手がヤクザであることが判明、ショックを受けた茂は元気をなくしてしまいます。その後サワは乗り込んできた斉藤に妻だと嘘をつき、勇敢にも斉藤を撃退してみせました。茂は突然家に帰ると言い出し、自慢の愛車にサワを乗せて出発します。着いた場所は高級老人ホームでした。茂はタンス貯金していた一千万円を使って老人ホームに入る手続きを進めていたのです。茂はサワに自慢の愛車を譲り、ありがとうと言い残してホームに入って行きました。
0.5ミリのネタバレあらすじ:転
ショッピングセンターに辿り着いたサワはベンチで時間を潰す老人真壁義男の姿を目にし、好奇心から後をつけます。本屋に入った義男は卑猥な写真集を万引きしようとしたところをサワに見られてしまいます。サワは逃げ出す義男を追いかけ首根っこを掴むと、家に連れていってと義男を脅します。義男は広い一軒家に寝たきりの妻静江と二人で暮らしていました。サワは家政婦の浜田と仲良くなり、交代で静江の介護にあたることを勝手に決めてしまいます。義男はサワを追い出そうとしますが、近所にエロ本を盗もうとしたことをバレされそうになり、仕方なくサワを家に置いてやります。その夜義男は風呂場でサワの裸を盗み見して興奮を掻き立てられてしまいます。最初こそサワを煙たがっていた義男でしたが、料理上手で若く色気のあるサワに徐々に惹かれていきます。一方浜田はサワにすっかり仕事を奪われ、不満を募らせていきます。浜田はサワが遺産目当てに義男の愛人に納まろうとしているのではないかと勘繰り始めていました。ある日義男の姪である久子が真壁家を訪ねてきました。浜田がサワのことを久子に告げ口したのです。久子は自身の親の介護に後悔が残っていることを話した後、これからは自分が叔父達の面倒を見るので後のことは心配しなくていいとサワに告げます。居づらくなったサワはその後家を出ていきます。
0.5ミリの結末
サワは町の商店で万引きをしていたマコトと再会します。母を失ったマコトは雪子の別れた夫で父の健のもとに身を寄せていました。マコトの弱みを握ったサワは今度は健の家に居つくことに成功します。サワは飲んだくれでスケベな健の世話にうんざりとしながらも、マコトとはつかず離れずのよい距離感で心を通い合わせていきます。一方健は決して声を発さず部屋で本ばかり読んでいるマコトが気に入りません。ある日泥酔した健はマコトに暴力を振るった上で身体を押さえつけて伸びた髪を切ろうとします。その姿をそばで見ていたサワは激昂して健を殴り倒すと、逃げ出したマコトをも殴りつけました。ふとサワがマコトの足元を見ると流れ出た月経の血が足をつたってスニーカーを赤く染めていました。サワはマコトが女であることを知るのでした。幼い頃から雪子に男として育てられてきたマコトは心を閉ざし、言葉を発することさえできなくなっていたのです。サワはマコトを連れてその夜ホテルで一泊しました。翌日雪子から貰ったワンピースをマコトに返そうと車のトランクを開けると、トランクの裏には茂からの餞別の100万円が入った封筒が貼り付けられていました。マコトは母のワンピースを胸に抱いて涙し、サワは大金に歓喜して涙します。サワは自分には子宮がないのだとマコトに打ち明けます。マコトは男の恰好をするのをやめました。サワとマコトは健に別れを告げて別の町へと旅立っていきます。
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