虚栄のかがり火の紹介:1990年アメリカ映画。当時続けざまに大作を手がけていたデ・パルマ監督がベストセラーとなったトム・ウルフの原作を映画化。プロデューサーとの軋轢でキャスティングなどが理想通りにゆかず、批評的にも興行的にも失敗作となった。
監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:トム・ハンクス(シャーマン・マッコイ)、ブルース・ウィリス(ピーター・ファロー)、メラニー・グリフィス、キム・キャトラル、ほか
映画「虚栄のかがり火」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「虚栄のかがり火」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「虚栄のかがり火」解説
この解説記事には映画「虚栄のかがり火」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
虚栄のかがり火のネタバレあらすじ:起
アル中のジャーナリスト、ピーター・ファローはピュリッツァー賞を受賞。一躍時の人となっています。それはある事件について取材をした結果でした。その事件とは、シャーマン・マッコイという男に絡んだ些細ともいえる交通事故です。
虚栄のかがり火のネタバレあらすじ:承
マッコイはウォール街でも一二を争うトップトレーダー。収入は驚くほどの額で、生活ぶりも豪奢そのものです。ジュディという妻もいますが、いまは派手好きな人妻マリアと浮気を続けています。ある日、マッコイは旅行帰りのマリアをケネディ空港に迎えにゆき、そのまま情事のために借りてあるアパートへ向かいます。しかし道を間違え、治安の悪いブロンクスへ。金持ちの余所者と見た黒人たちが寄ってきたので慌てて逃げようとしますが、うっかりその1人に車をぶつけてしまいます。被害者の十代の黒人はその結果、植物人間に。その時運転していたのはマリアでした。
虚栄のかがり火のネタバレあらすじ:転
無事だった仲間の黒人によって、このひき逃げ犯が「金持ちの白人」であることが明らかとなり、様々な人々がこれを利用しようと動き始めます。ブロンクスを教区とするベーコン牧師はもし公正な捜査と裁きが行われないなら暴動が起きるだろうと行政側を威嚇。彼はこの事件を人種問題として騒ぎ立てたいのです。そして地方検事エイブ・ワイスもニューヨークの市長選に出馬したい野心があり、金満家の白人と貧乏な黒人少年という対立構図を煽り立てます。彼は警察の捜査にハッパをかけることで、選挙活動で有利に使おうと胸算用しているのです。たまたま事故のことを早期に知ったファローがさらにそれらの主張を派手に書き立て、小さな事件は大きな騒動となります。
虚栄のかがり火の結末
そして世論に押された警察も躍起になって捜査。ついにマッコイを逮捕します。やがて裁判となりますが、裁判長には黒人の判事がつくことになり、マッコイの命運も尽きたかと思われます。しかし、彼はマリアが車を運転していたことを証明するテープを手に入れ、そのことで何とか無罪を勝ち得ます。無罪放免となったものの、世間の目は冷たく、妻も愛人もとっとと彼の元を去っていきました。そしてそれを報道してきたファローだけが、ジャーナリストとして栄光を手に入れるのです。
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