ペコロスの母に会いに行くの紹介:2013年日本映画。認知症の母と介護に奮闘する息子の日常を描いたコメディ&ヒューマン・ドラマ。母の症状は少しずつ悪化するが、家族は「ボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん」と前向きに認知症と向き合っていく。監督は「男はつらいよ フーテンの寅(1970年)」等で知られる森﨑東。岩松了とダブル主演を務めた赤木春恵が世界最高齢の映画初主演女優としてギネス世界記録に認定された。原作は岡野雄一の同名コミックエッセイ。
監督:森﨑東 出演者:岩松了(岡野ゆういち)、赤木春恵(岡野みつえ)、原田貴和子(若き日のみつえ)、加瀬亮(岡野さとる)、竹中直人(本田)ほか
映画「ペコロスの母に会いに行く」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ペコロスの母に会いに行く」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ペコロスの母に会いに行くの予告編 動画
映画「ペコロスの母に会いに行く」解説
この解説記事には映画「ペコロスの母に会いに行く」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ペコロスの母に会いに行くのネタバレあらすじ:認知症の母
舞台は2013年の日本、長崎。漫画と音楽を細々と続けながら働くサラリーマン岡野ゆういちは、小さな玉ねぎのような禿頭から「ペコロス岡野」という芸名で活動しています。母みつえ、息子まさきと一緒に暮らしていますが、みつえには夫さとるが他界してから認知症の症状が現れ始めていました。ゆういちとまさきは日中働きに出ているのでみつえは家に1人きりです。自宅介護に危険を感じたまさきは、介護施設へ入所させることも検討すべきだと提案しました。ゆういちは断腸の思いでみつえを「グループホームさくら館」に預けることにします。
ペコロスの母に会いに行くのネタバレあらすじ:昔の記憶
さくら館には他にも数人認知症患者が入所していました。嫌がって一緒に帰ろうとするみつえを預け、車のバックミラーに映るその姿を何度も見ながら帰っていくゆういちとまさき。みつえはさくら館になかなか馴染めず、部屋のベッドに座りながら幼馴染のちえこのことを思い出していました。幼い頃天草に奉公に出されたちえこ。その後長崎に原子爆弾が投下されました。――みつえの元に足繁く通うゆういちは、ある日みつえの妹2人を連れて行きます。みつえは喜びながらも「たかよは?」と言い出しました。みつえの妹たかよは終戦の翌年、8歳で病死していました。たかよの死を教えられたみつえは「たかよは死んだとか」と言って涙を流します。たかよやさとる、ちえことの思い出を辿るみつえは、次第にさくら館にも慣れていきました。
ペコロスの母に会いに行くのネタバレあらすじ:辛い現実
昔を思い出すことが多くなったみつえ。結婚し長崎へ越して来た彼女は、偶然花街で働くちえこと再会しました。みつえは喜びますが、ちえこは言葉も交わさず逃げるように去ってしまいます。送った手紙にも返事はありません。みつえは寂しい思いをしながら貧しい日々に耐えていました。さとるは酒乱の上に神経症で、給料が入ってもすぐに酒代に使ってしまうのです。みつえに暴力を振るうことすらあり、彼女はその度に泣いていました。家で掃除をしていたゆういちは、昔家族で行った長崎ランタンフェスティバルのチラシを見つけます。後日、いつものようにゆういちがさくら館を訪れると、みつえは悪者が来たと絶叫して暴れ出しました。親から忘れられていく現実にショックを受けるゆういち。しかし、気を取り直してランタンフェスティバルにみつえを連れて行くことにします。まさきや叔母2人、さくら館の関係者も誘います。
ペコロスの母に会いに行くのネタバレあらすじ:ランタンフェスティバル
フェスティバル当日、車椅子にみつえを乗せやって来たゆういち達。しかしほんの少し目を離した隙に、みつえが車椅子を残していなくなってしまいました。みつえはフラフラと歩きながら昔を思い出します。みつえがちえこを訪ねると、彼女は既に原爆症で死亡していました。遺品の箱の中には写真やみつえの手紙が大切に保管されています。みつえはちえことの思い出の歌「早春賦」を口ずさみながら、泣いて箱を抱きしめました。――やがて眼鏡橋までやって来たみつえ。そこへちえこやたかよ、さとるが現れました。やって来たゆういちはその光景に足を止め、まさきは写真を撮りました。ゆういちは「母ちゃん、よかったな」と笑います。
ペコロスの母に会いに行くのネタバレあらすじ:その後の家族
フェスティバルの後も、ゆういち達の日常は変わりません。みつえを車椅子に乗せ散歩に行くゆういち。季節はもうすぐ春になろうとしています。まさきの撮った写真には笑顔のみつえしか写っていませんでしたが、大切に部屋に飾ってあります。ゆういちが「ボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん」と呟き、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ペコロスの母に会いに行くのあらすじと結末でした。
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