青の祓魔師(あおのエクソシスト)劇場版の紹介:2012年日本映画。この作品は、原作・加藤和恵による漫画作品で、テレビアニメシリーズ第1期の後日談として制作された劇場版アニメです。ストーリーはオリジナルで、「青い炎が照らす遠き記憶。運命を揺るがす祝祭(カーニバル)が始まる―」、「俺だけは、ずっと忘れない。」というキャッチコピーで、祓魔師(エクソシスト)である主人公と悪魔との心の交流を描いた作品です。
監督:高橋敦史 原作:加藤和恵 声優:岡本信彦(奥村燐)、福山潤(奥村雪男)、花澤香菜(杜山しえみ)、中井和哉(勝呂竜士)、遊佐浩二(志摩廉造)、ほか
映画「青の祓魔師 劇場版」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「青の祓魔師 劇場版」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
青の祓魔師の予告編 動画
映画「青の祓魔師 劇場版」解説
この解説記事には映画「青の祓魔師 劇場版」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
青の祓魔師 劇場版のネタバレあらすじ:1.プロローグ:『忘れんぼうの村と悪魔』
「昔々、ある村のはずれに悪魔が現れました。…悪魔は少年と遊んで、そのまま村に居着いてしまいました。村人たちは悪魔のせいで、働くことを忘れて、遊び続けました。そこに祓魔師が現れ、悪魔を封じ込めました。悪魔はいなくなりましたが、村人たちは村のことを忘れてしまっていたので、村は荒れ果て、村はなくなってしまいました。やがて人々はこの村のことを忘れてしまわないよう、悪魔を祀って、11年に一度、お祭りをするようになりました。」『忘れんぼうの村と悪魔』と題されたこの絵本は、祓魔師である双子の兄弟・奥村燐と奥村雪男に、今は亡き二人の父で最強の祓魔師であった藤本獅郎が、二人がまだ子供の頃、よく読み聞かせていた絵本でした。獅郎は二人に「お前らならどうする? この絵本の悪魔に出遭ったら」と尋ねました。
青の祓魔師 劇場版のネタバレあらすじ:2.11年後、祓魔師・奥村燐と奥村雪男
それから11年後、正十字学園町は11年に1度の祭りを前に、人々はその準備に慌ただしく働いていました。活気づく街の中、正十時学園町を悪魔から守るため、上一級祓魔師・霧隠シュラと台湾から招聘された上一級祓魔師・劉成龍が結界をはり直していました。一方、燐は、弟・雪男と杜山しえみと共に、人の魂を喰らう「ファントム・トレイン」と呼ばれる悪魔討伐の任にあたっていました。祓魔師としての任務に忠実で真面目で成績優秀な文武両道の優等生雪男と違い、兄の燐は少々間の抜けたところがあり、「任務より人助け」という優しい側面を持っていました。燐はファントム・トレインに喰われた人の魂を救うため、ある行動に出ました。しかし、それが原因となり、雪男の立てた討伐計画は失敗し、ファントム・トレインに逃げられてしまいました。雪男はその戦闘中で右腕を負傷、燐は取り逃がした際に、ある祠を破壊してしまい、そこに封印されていた悪魔を復活させてしまいました。燐は祓魔師ではありましたが、同時に人間と悪魔のハーフ「サタンの落胤」でもありました。祓魔師になりきれない兄・燐に、弟雪男は「人を助けるのがエクソシストの仕事なんだろ!死んだ人のゴーストを助けるために生きている人を危険にさらしてどうすんだい」と言い責めました。
青の祓魔師 劇場版のネタバレあらすじ:3.燐と悪魔・うさ麻呂
この討伐失敗の責任をとらされ謹慎処分になった燐は、自分が復活させた悪魔を監視することを命じられました。燐はその悪魔がウサギに似ているので「うさ麻呂」と名付けました。燐は、当初は寮の自室にうさ麻呂を檻に入れて、何かと面倒をみていました。うさ麻呂は何も語らずふてくされていました。しかし、燐はうさ麻呂と一緒に暮らしているうちに、情が移り始め、うさ麻呂を檻から出し、一緒に生活を送り始めました。ある夜、うさ麻呂は燐がしまっていた『忘れんぼうの村と悪魔』を取り出して来ました。燐はうさ麻呂にそれを読み聞かせると、うさ麻呂は「嘘じゃ!」と突然怒りだしました。眠くなったうさ麻呂は、燐が眠いのを我慢して深夜まで宿題をしている姿を見て、ある力を発動しました。燐はその力で、宿題をすることを辞め、寝ることにしました。一緒にベッドで寝ている燐とうさ麻呂の姿を見た雪男は、燐を「立場がわかっているのか!」と叱り飛ばしました。雪男は燐の机の上にあった懐かしの『忘れんぼうの村と悪魔』を見ました。雪男の脳裏に、あの時、父から「お前らならどうする? この絵本の悪魔に出遭ったら」と訊かれたとき言った自分の言葉が過ぎりました。「僕、がんばってやっつける!」と。雪男は、劉成龍とファントム・トレイン討伐に向かいました。その途中、雪男は劉成龍が『忘れんぼうの村と悪魔』の祓魔師の末裔と知りました。
青の祓魔師 劇場版のネタバレあらすじ:4.うさ麻呂の力
翌日、燐は宿題などそっちのけで、うさ麻呂と遊んでいました。そこへ祓魔塾生である勝呂竜士、志摩廉造、三輪子猫丸が祓魔師の任務を終えてきました。未熟な3人は悪魔の攻撃で、体中がベトベトになり、ヘトヘトになり、風呂を借りに燐の住む寮へとやってきました。燐はうさ麻呂はすっかり意気投合し、仲良しになり、遊び呆けていました。その日、勝呂、志摩、三輪、しえみら友人たちと共に、野球をしたりしました。うさ麻呂は彼らとすっかりうち解け、楽しい日々を送りました。祭りの日が近づき、勝呂たちは「仕事がなければ祭りに行けるのになあ」と言いました。それを聞いたうさ麻呂は「仕事がなかったらいいと、町中の人が思っているのだな」と笑みを浮かべながら呟き、またある力を発動させました。その力とは、人の心・記憶などを食べて消し去っていくという力でした。うさ麻呂は人々のために良かれと思い、その力を町中に使いました。それで町のほとんどの祓魔師のたちは、悪魔討伐・警備の任務を忘れて、お祭りに興じていきました。そのために、結界を破り、学園中に大量の悪魔が集まってきました。その頃、壊れた瓦礫からほこらが見つかりました。それを見た劉はうさ麻呂が、自分の祖先が封印した記憶を食べて消す悪魔だということに気がつきました。
青の祓魔師 劇場版のネタバレあらすじ:5.辛い悲しい記憶も大切な思い出
そうとは知らない燐はうさ麻呂を連れ、お祭りを楽しみました。そして、ある神社に行き、父親との悲しい思い出を思い浮かべました。うさ麻呂は燐をその悲しい辛さからを解放させようと、燐の父親との思い出を食べようとしました。しかし、燐は大切な父との思い出を忘れたくないという気持ちから、燐の力に触れました。そして燐はうさ麻呂の力に気づきました。うさ麻呂は燐の記憶をすべて食べようとしました。その時、劉が突如現れ、時の眷属・うさ麻呂を蹴散らしました。劉はうさ麻呂を再び封印しようとしましたが、うさ麻呂は逃走しました。うさ麻呂には分かりませんでした。なぜ自分がしていることが悪いことなのかを。燐たちは逃走したうさ麻呂を追いかけました。その頃、結界のはり直ししていたシュラは、増していく悪魔によって、新たな結界をはり直すことができずの貼り直しもできず、もう彼女だけでは手に負えない状況に陥っていました。正十字学園町は悪魔で溢れかえってきました。燐は劉と雪男たちよりも先にうさ麻呂を発見しました。燐はうさ麻呂に「どんなに辛くても、悲しくても、忘れちゃいけないことがあるんだ」「悲しいことも楽しいことも、両方ひっくるめて思い出だろ」と諭しました。燐の言葉で、うさ麻呂はなぜ自分が封印されてしまったのかを知りました。うた麻呂は燐に「もう記憶を食べない」と約束をしました。
青の祓魔師 劇場版のネタバレあらすじ:6.うさ麻呂の決意
燐がうさ麻呂を説得している間、ファントム・トレインが再び復活、彼らを襲ってきました。劉と雪男は必死でファントム・トレインを退治しようと、格闘を繰り広げました。ファントム・トレインは劉や雪男の攻撃に苦しみながらも、大暴れしました。ファントム・トレインはうさ麻呂と燐を、食べようとしました。燐は怒りに燃え、剣を抜き、ファントム・トレインを一刀両断のうちに叩き切りました。しかし、町中は悪魔のコールタールで溢れかえり、もう誰にもどうすることもできない状態に陥っていました。そんな中、2人の兄弟らしい少年たちが悪魔から逃げ、架橋に逃げていく姿を、燐と雪男は目にしました。2人はその少年たちを助けに行きましたが、逆に2人は絶体絶命のピンチに陥ってしまいました。それを見ていたうさ麻呂は燐たちを助けるため、単身、燐たちのもとに向かいました。うさ麻呂は「燐!うさ麻呂は忘れないぞ。燐との思い出~」と燐に叫ぶと、「ごめんなさい。約束を守れなくて」と呟き、全能力解放し、現在から自分の封印が解かれるまでの時空を全て食い尽くしました。そして、うさ麻呂はその時空と共に消え去りました。
青の祓魔師 劇場版の結末:7.エピローグ:「俺は絶対に忘れない」
燐は夢を見ました。それは11年前、父が『忘れんぼうの村と悪魔』を読んだ後、「お前らならどうする? この絵本の悪魔に出遭ったら」と訊かれたときの夢でした。燐はその時こう答えました。「仲良くする!だって、みんなと楽しく遊んだんだろ。だったら友達じゃん」と。その夢から目が覚めると、燐は過去に戻っていました。町は何事もなかったかのように、平和な町へと戻っていました。燐以外はうさ麻呂のことを忘れていました。燐は小さな祠を見つけました。そこには劉が立っていました。劉はうさ麻呂のことを覚えていました。燐に「悪魔に心を開かせるとは…おもしろいものを見せてもらった」と言い、立ち去っていきました。燐はうさ麻呂を封じた祠の前で、「うさ麻呂、俺は絶対に忘れない」と誓ったのでした。
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