幕が上がるの紹介:2015年日本映画。劇作家・平田オリザの同名小説をアイドルグループ『ももいろクローバーZ』の主演で映画化した青春ドラマです。静岡の地方高校を舞台に、演劇に情熱を傾ける少女たちとかつて“学生演劇の女王”との異名を誇っていた新任教師の日々が描かれます。
監督:本広克行 出演者:百田夏菜子(高橋さおり)、玉井詩織(橋爪裕子(ユッコ))、佐々木彩夏(加藤明美(明美ちゃん))、高城れに(西条美紀(がるる))、有安杏果(中西悦子(中西さん))、黒木華(吉岡美佐子)、ムロツヨシ(溝口先生)、吉岡里帆(村上舞)、芳根京子(袴田葵)、伊藤沙莉(高田梨奈)、笑福亭鶴瓶(美紀の祖父)、清水ミチコ(さおりの母)、志賀廣太郎(滝田先生)、天龍源一郎(裕子の父)、松崎しげる(明美の父)ほか
映画「幕が上がる」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「幕が上がる」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
幕が上がるの予告編 動画
映画「幕が上がる」解説
この解説記事には映画「幕が上がる」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
幕が上がるのネタバレあらすじ:起
ここは静岡県のとある地方都市。この街の富士ヶ丘高校に通う高橋さおり(百田夏菜子)は、河原の空き地で演劇コンクールに使った大道具や小道具などを燃やしていました。その中には、今年の演劇コンクールで使った「ウィンタータイムマシン・ブルース」の台本がありました。
さおりの属する演劇部は、昨日の演劇コンクールで惜しくも優秀賞止まりとなっており、顧問の溝口先生(ムロツヨシ)たちは悔しさを噛みしめていました。それでも演劇部は次の目標である県大会出場に挑まなければなりません。県大会進出のためにはまず地区大会を突破することが必要であり、ここ冨士ヶ丘高校の地区では7校が参加して上位3校が県大会に進めるのです。そして県大会で優勝した学校は翌年1月に開催される全国大会への出場権が得られるのです。新たに部長に指名されたさおりは、お姫様キャラの“ユッコ”こと橋爪裕子(玉井詩織)、ムードメーカーの“がるる”こと西条美紀(高城れに)、しっかり者の“明美ちゃん”こと加藤明美(佐々木彩夏)ら個性豊かな仲間たちと共に新たな挑戦を開始しました。
幕が上がるのネタバレあらすじ:承
さおりを新部長に据えて再スタートを切った演劇部でしたが、新人勧誘のオリエンテーションでは校内の誰も関心を示さず、おまけに演劇部には稽古場となる部室すらあてがわれていませんでした。他の部室を借りるしかない演劇部は、この日は美術部の部室を借りることにしましたが、そこの顧問の吉岡先生(黒木華)は快く部室を貸してくれたたけではなく、悩める演劇部員たちに的確なアドバイスを送り、そして自ら演技を実演してみせました。その演技の素晴らしさに、さおりたちは吉岡先生こそがかつて“学生演劇の女王”とまで呼ばれた伝説の存在であることを知ります。吉岡先生は「見るだけ」と言いつつもさおりたち演劇部の指導を行うことにし、それから吉岡先生と部員たちによる猛練習の日々が始まりました。吉岡先生は「私は行きたいです。君たちと全国に。行こうよ、全国!」と檄を飛ばし、部員たちに衝撃的な一人芝居「肖像画」を披露してみせ、個々のレベルアップを図りました。そして吉岡先生は「みんなに観てもらうことが最大の練習」とまずは部員の家族ら30人ほどを教室に集めて舞台「肖像画 われわれのモロモロ」を上演、好評を得ることができました。
幕が上がるのネタバレあらすじ:転
さおりは吉岡先生の提案で脚本・演出に専念することにしました。そんなさおりが目を付けたのは、演劇の強豪校・清進学院から転校してきた“中西さん”こと中西悦子(有安杏果)でした。以前は演劇をしていた中西さんでしたが訳あって演劇を辞めており、さおりたちに中々心を開こうとはしませんでした。しかし、さおりは中西さんに誘われて東京の演劇大会にボランティアとして潜り込み、そのレベルの高さに触発されました。帰りの駅のホーム、中西さんは自身の滑舌の悪さでみんなに迷惑をかけてしまうと考えたことを理由に演劇を辞めて転校してきたことをさおりに打ち明け、さおりはこれまで演劇をしていなかった自分が演劇によって変われたことを伝え、彼女の姿勢に触発された中西さんは再び演劇の世界に戻る決心をしました。
県大会での題目は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に決まりました。演出はさおり、ジョバンニ役はユッコ、カムパネルラ役は中西さんに決まり、部員たちは吉岡先生の提案により東京・代々木の青少年教育センターで合宿、小劇団の舞台も見学しつつ連日稽古に明け暮れました。しかし、吉岡先生はとある小劇団の演出家から声をかけられていました。
幕が上がるの結末
遂に冨士ヶ丘高校演劇部は地区大会の当日を迎えました。仕込み時間は20分、本番は60分間…仕込みの間に次々と些細なトラブルが発生するも部員はさおりを中心にひとつにまとまり、そして最低限の目標である3校目に滑り込み、今まで手にしたことのなかった県大会への出場権を掴み取りました。
これから県大会へ挑もうとしていたある日、さおりたち部員は溝口先生から吉岡先生が学校を辞めたことを知らされました。吉岡先生が部員たちに託した手紙には「あなたたちに演劇を指導しているうちに、一度は消えたはずの演劇への情熱が蘇ってきました。それを決定づけたのが東京での合宿でした。ある演出家からオーディションの申し出があったのです…」と綴られていました。
吉岡先生の意志を受け継いださおりら部員たちは県大会に向けて一致団結、一方の吉岡先生も劇団のオーディションに臨もうとしていました。そして遂に県大会の幕が上がりました…。
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