散り椿の紹介:2018年日本映画。葉室麟の同名時代小説を、日本を代表するキャメラマン・木村大作が自身3作目となるメガホンを執り、『雨あがる』『蜩ノ記』を監督した小泉堯史が脚本を手掛けて映画化した時代劇です。架空の藩・扇野藩を追われた剣の達人が妻の死を機に故郷に舞い戻り、自分が追われるきっかけとなった藩の不正の真実に迫っていきます。モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞しています。
監督:木村大作 出演者:岡田准一(瓜生新兵衛)、西島秀俊(榊原采女)、黒木華(坂下里美)、池松壮亮(坂下藤吾)、麻生久美子(瓜生篠)、緒形直人(篠原三右衛門)、新井浩文(宇野十蔵)、柳楽優弥(平山十五郎)、芳根京子(篠原美鈴)、駿河太郎(坂下源之進)、渡辺大(千賀谷政家)、石橋蓮司(田中屋惣兵衛)、富司純子(榊原滋野)、奥田瑛二(石田玄蕃)、豊川悦司(ナレーション)ほか
映画「散り椿」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「散り椿」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
散り椿の予告編 動画
映画「散り椿」解説
この解説記事には映画「散り椿」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
散り椿のネタバレあらすじ:起
享保15年(1730年)の冬。瓜生新兵衛(岡田准一)は故郷・扇野藩へ向けて旅を続けていました。途中で新兵衛は刺客に襲われましたが一太刀の元に斬り捨て、そのまま黙々と歩き出しました。
新兵衛は8年前、藩の不正を訴えるも聞き入れられず、妻・篠(麻生久美子)を連れて藩を去り、以後は京都で隠遁生活を送っていました。しかし、篠は病に倒れてしまい、新兵衛にかつての盟友・榊原采女(西島秀俊)を助けてほしいこと、そして故郷の“散り椿”を自分の代わりに見届けてほしいことを言い残してこの世を去りました。采女はかつて新兵衛と平山道場でしのぎを削り合った良きライバルにして“四天王”の一人と目されていましたが、篠はかつて采女と惹かれ合っていた過去があり、周囲の猛反対により引き裂かれていたのです。
散り椿のネタバレあらすじ:承
扇野藩に舞い戻った新兵衛は、篠の弟である坂下藤吾(池松壮亮)の家に立ち寄りますが、藤吾は視線を合わせることなく冷たい態度を取りました。しかし、篠の妹・里美(黒木華)だけはそんな新兵衛に心を開き優しく接しました。
8年前の藩の不正の際、関わっていたとされるのは城代家老・石田玄蕃(奥田瑛二)と特産物・扇野和紙を専売している田中屋惣兵衛(石橋蓮司)、そして勘定方だった采女の養父であり、采女の養父は何者かに暗殺され、勘定方だった藤吾の兄にして四天王のひとり・源之進(駿河太郎)は全ての責任を取らされて切腹に追い込まれました。采女の養父を討ったのはその手口から四天王の誰かひとりとされ、新兵衛にも未だに疑いがかけられているのです。
今の扇野藩は、石田玄蕃と時期藩主側用人候補にまで上り詰めた釆女との間で権力闘争が勃発しており、釆女は翌年に藩主・千賀谷政家(渡辺大)が参勤交代から戻るまでは沈黙を守り、密かに機が訪れるのを待っていました。
散り椿のネタバレあらすじ:転
ある日、新兵衛は田中屋から呼び出され、藩の不正の事実が全て記された起請文の存在を明かされました。石田は悪事が露見するのを恐れて起請文の奪還を目論んでおり、田中屋は新兵衛に用心棒になってくれるよう依頼しました。新兵衛の真っ直ぐな生き方にやがて藤吾も少しずつ心を開いていき、いつしか二人の間には固い信頼関係が築かれていました。
そんなある日、田中屋が何者かに襲撃され、間一髪で新兵衛に助けられました。新兵衛は起請文を預かりましたが、石田は藤吾を人質に取って起請文を明け渡すよう迫りましたが、新兵衛は先手を打って起請文を釆女に渡していました。
年が明け、藩に戻って来た藩主・政家は、采女から石田の不正の事実を聞きました。しかし、鷹狩りに出向いた政家は突然何者かに狙撃され、護衛を務めていた篠原三右衛門(緒形直人)が政家を庇って銃弾を受けました。瀕死の三右衛門は藤吾に、8年前のあの日に疑念に駆られた采女の養父が采女を斬ろうとしたので自分が代わりに養父を斬ったことを明かすと、娘の美鈴(芳根京子)を託して息を引き取りました。三右衛門もまた四天王のひとりでした。
散り椿の結末
政家の襲撃を仕組んだのは石田であり、石田は警備体制の不備だとして采女に全ての責任を擦り付け、切腹か起請文を渡して藩を去るかのいずれかの選択肢を突きつけました。
新兵衛は采女を助けるため、起請文を藤吾に託して城へと向かわせました。その頃、石田は上意討ちを決行すべく手勢の武士たちを神社に結集させていましたが、そこに新兵衛と采女が乗り込んで決闘となりました。新兵衛と采女は圧倒的な剣の腕で次々と相手をねじ伏せていきましたが、采女は影に潜んでいた者の弓矢を受けて命を落としました。怒りを爆発させた新兵衛はその場の者たちを斬り捨てると、そのまま石田を一刀の元に斬殺しました。
事件は解決、起請文を受け取った政家は藤吾に坂下家と篠原家の両家復興のために励むよう激励しました。数日後、新兵衛は藤吾に全てを託し、里見に別れを告げると「また散り椿を見に戻る」と約束して再び旅立っていきました。
以上映画「散り椿」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する