手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しくの紹介:2011年日本映画。手塚治虫原作のコミック「ブッダ」の劇場アニメーション第1弾。シャカ国の王子として生まれたゴータマ・シッダールタは、生まれた時から何不自由ない生活を送っていましたが、人が生まれながらに身分の違いがある事に疑問を抱くようになります。一方最下級である奴隷の生まれのチャプラは、身分の違いから苦しい生活を送っていましたが、シャカ国に攻め込んできたコーサラ国の将軍の命を助けたことをきっかけにコーサラ国でのし上がっていきます。やがてコーサラ国の将軍となったチャプラがシャカ国に攻め込みますが、その戦場で生まれも育った環境も全く異なる2人の運命が交錯します。
監督:森下孝三 声優:ナレーション・チャプラの母(吉永小百合)、チャプラ(堺雅人)、スッドーダナ王(観世清和)、シッダールタ(吉岡秀隆)、シッダールタ幼少期(折笠愛)、チャプラ幼少期(竹内順子)、ブダイ将軍(玄田哲章)、ミゲーラ(水樹奈々)、ナラダッタ(櫻井孝宏)、タッタ(大谷育江)、マリッカ姫(黒谷友香)
映画「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく」解説
この解説記事には映画「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しくのネタバレあらすじ:起
遠い昔ヒマラヤのふもとでは、近隣諸国を征服し巨大な国家となったコーサラ国は、隣国のシャカ国を征服しようと軍を進めていました。シャカ国で奴隷として暮らしていたチャプラは、お届け物の反物を盗まれてしまい、主人から反物を3日以内に取り戻さなければ母親を売り飛ばすと脅されていました。
チャプラは、反物を取り戻そうと犯人を見つけようとしますがなかなか見つからず、ようやく反物を盗んだ犯人タッタと対峙しましたが、彼の仲間に袋叩きにされ意識を失ってしまいます。チャプラは、気が付くとタッタの家にいましたが、タッタから反物はすでに売ってしまったと言われ落ち込んでしまいました。
事情を聞いたタッタは、チャプラの母親を助けてやると言いました。次の日、奴隷市場に連れていかれるチャプラの母親の一団は、突然虎に襲われて散り散りになり、チャプラは母親を助けることができました。タッタは、意識を動物に乗り移らせてその動物を操るという超能力を持っており、母親の一団を襲った虎は、タッタが乗り移っていたものでした。
その時、チャプラ達は、コーサラ国の軍隊がシャカ国の都であるカピラ城に向けて進軍している所に遭遇します。タッタは、コーサラ国軍がタッタの村の方角に向かっていることに気づき、急いで村に戻りましたが、村はコーサラ国軍に蹂躙された後であり、タッタの母親や姉も殺されてしまいました。
コーサラ国軍に復讐を誓うタッタにチャプラは協力を申し出ました。その夜、コーサラ国軍の野営地に、タッタが乗り移った馬に乗ったチャプラが、コーサラ国軍のブダイ将軍に襲いますが、突如野営地にイナゴの大群が襲来し、それを避けようと逃げたブダイ将軍は、川に落ちてしまいます。
チャプラは、ブダイ将軍を殺そうとしますが、今の奴隷の身分から抜け出すためにブダイ将軍を利用することを思い付き、ブダイ将軍を川から引き上げました。そして、チャプラは、ブダイ将軍を野営地に連れて帰ると、ブダイ将軍は、その恩に報いるためにチャプラを家来にしました。
手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しくのネタバレあらすじ:承
そのころシャカ国では、スッドーダナ王の世継ぎである王子が誕生しましたが、その時、天から暖かい光が降り注ぎ、人間のみならず動物たちも王子に周りに集まってきました。王子の母親であるマーヤー妃は、王子にシッダールタと名付けましたが、産後の肥立ちが悪く間も無く亡くなってしまいました。
王子誕生を聞いて王宮を訪れたバラモンのアシタは、シッダールタを見て、この子は世界の王となるだろう、と言いました。10年後、シッダールタは、王子として成長しましたが、人は、儀式を司るバラモンを頂点として、武士や貴族であるクシャトリア、市民や商人であるヴァイシャ、そして奴隷や肉体労働者である最下級のシュードラの4つの身分になぜ分かれているのか、思い悩んでいました。
ある日、友人達に誘われ講義を抜け出したシッダールタは、友人たちが戯れに弓で動物を射ている事にショックを受けます。さらに、その友人の1人が底なし沼に落ちて死んでしまい、シッダールタは寝込んでしまいました。
その後、シッダールタは、将軍であるバンダカの指導の下、国王となるために嫌々ながら武芸に稽古に明け暮れることになります。
5年後、コーサラ国で行われた武芸大会において、ブダイ将軍の養子となっていたチャプラが見事な武芸を披露し、勝ち残りました。そして、チャプラは、翌日の決勝でも苦戦したものの相手を倒し、コーサラ国で最も強い勇者としての称号を手に入れました。
さらに、大臣の娘であるマリッカ姫との婚約も決まり、飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが、チャプラが最下級のシュードラであったことがばれればチャプラとブダイ将軍共に身の破滅であり、この事は絶対に秘密にするようブダイ将軍より厳命されていました。
手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しくのネタバレあらすじ:転
その頃、シャカ国では、シッダールタが立派な青年となっており、武芸でもバンダカにその実力を認めさせるほど成長しましたが、それを誇るでもなく浮かない顔をしていた。夕方、馬でカピラ城を出たシッダールタは、近侍とはぐれてしまい、貧民が集まる場所に迷い込んでしまいました。
人々に施しを請われたシッダールタは、身に付けていた宝飾品を与えましたが、後ろから来た盗賊に取られてしまいました。さらに、盗賊は、シッダールタを囲みますが、盗賊が姉御と呼ぶ少女に一喝され盗賊は去って行きました。
少女は、ミゲーラと名乗り、何も考えず貧民に施しを与えたシッダールタを批判しました。シッダールタは反論しますが、ミゲーラは、城の中で何自由なく生活しているシッダールタにはこの世の中のことはわからないと言い返しました。
そこで、シッダールタは、ミゲーラに人々が生活する場所を案内してもらい、この国の住民がどのように暮らしているか見て回りました。やがて、シッダールタとミゲーラはお互いに好意を持つようになりますが、2人の事がスッドーダナ王の知るところとなり、ミゲーラは捕らえられてしまいました。
ミゲーラは拷問にかけられ、それを知ったシッダールタは、剣に手をかけてスッドーダナ王にミゲーラを助けるよう要求したところ、スッドーダナ王は、隣国のヤショーダラ姫と結婚するならミゲーラは助けると言ったため、シッダールタはやむを得ずそれを承知しました。
ミゲーラは解放されることになりましたが、バンダカに目を焼かれ盲目となって城から追い出され、それに対し何もできなかったシッダールタは、ミゲーラを想い涙を流しました。その後、シッダールタとヤショーダラ姫の結婚式が盛大に開かれましたが、シッダールタの表情は終始沈んだままでした。
手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しくの結末
チャプラに会いにチャプラの母は、タッタやナラダッタと共にコーサラ国に訪れていましたが、今や将軍となったチャプラに会うことはできませんでした。そして、チャプラの指揮のもと、コーサラ国軍がシャカ国に攻め込みました。
シャカ国の王子がいると聞いたチャプラは、シッダールタに向かっていきますが、バンダカがチャプラに追いすがり、チャプラに毒が塗られた矢を当てました。チャプラは、それでもシッダールタに向かっていきますが、そこで倒れてしまいました。その後コーサラ国軍は帰国しましたが、チャプラは矢の毒のために重体に陥りました。
タッタの超能力によりチャプラが死の淵にある事を知ったナラダッタは、アシタから解毒の効果がある薬湯の作り方を教えてもらいました。チャプラの母は、薬湯を作ってブダイ将軍に届けたところ、それを飲んだチャプラは快方に向かいましたが、ブダイ将軍は、届けた女がチャプラの母であることを見抜きました。
ブダイ将軍は、秘密を守るためチャプラの母を殺そうとしますが、それを知ったチャプラが母を助けたため、チャプラがシュードラであったことがばれてしまいました。裁判の結果、チャプラとチャプラの母は死罪となり、槍で刺された後崖から突き落とされ死んでしまいました。
その後、シャカ国では、シッダールタとヤショーダラ姫の間に世継ぎとなる男の子が産まれましたが、シッダールタは、人間には生、老、病、死と4つのどうしもない苦しみがあることに気づき、それらを克服するためには全てを捨てる事を決意しました。
シッダールタは、寝ているヤショーダラ姫と息子に別れを告げてカピラ城を出て森まで来ると、川のほとりで髪をすべて剃り、付いてきた従者に剃った髪をヤショーダラ姫に渡すように託すと何処かへ立ち去りました。
シッダールタがいなくなったシャカ国では、バンダカがスッドーダナ王に、攻め込んできたコーサラ国軍を迎撃するかわりに王位を要求しました。スッドーダナ王がそれを承知したため、バンダカは戦場に出ていきましたが、そこで戦死してしまいました。
戦いの後、戦場を訪れたシッダールタは、バンダカの死体に合掌をしてその魂を弔うと、自らの道を求めて旅立ちました。
以上、映画「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく」のあらすじと結末でした。
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