ばるぼらの紹介:2019年日本映画。手塚治虫が1973年から1974年にかけて連載していた同名の大人向け漫画を、手塚治虫の実子である手塚眞監督が実写映画化したラブストーリーです。稲垣吾郎と二階堂ふみがダブル主演を務め、異常性欲に悩む有名小説家が酒に溺れる不思議な女と出逢い、狂気のような迷宮の世界に飲み込まれていく様を描きます。
監督:手塚眞 原作:手塚治虫 出演者:稲垣吾郎(美倉洋介)、二階堂ふみ(ばるぼら)、渋川清彦(四谷弘行)、石橋静河(甲斐加奈子)、美波(里見志賀子)、大谷亮介(里見権八郎)、片山萌美(須形まなめ)、ISSAY(紫藤一成)、渡辺えり(ムネーモシュネー)ほか
映画「ばるぼら」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ばるぼら」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ばるぼらの予告編 動画
映画「ばるぼら」解説
この解説記事には映画「ばるぼら」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ばるぼらのネタバレあらすじ:起
都会が何千万という人間を飲み込んで消化し、たれ流した排泄物のような女。それが“ばるぼら”―――。
耽美派(美しさに最高の価値を置く文芸思想の一つ)の人気小説家として成功を収める美倉洋介(稲垣吾郎)は、ある日、新宿駅のガード下でまるでゴミのように倒れかけていたアルコール中毒の女、“ばるぼら”(二階堂ふみ)に遭遇しました。
ばるぼらに興味を持った美倉は彼女を自宅に連れ帰りますが、口の悪いばるぼらは美倉の小説を読むなり、「もっとマシな話を書けよ」「綺麗ごとばかり」などとバカにしてきたことから、激怒した美倉はばるぼらを追い出してしまいました。
ある日、美倉は同期の小説家・四谷弘行(渋川清彦)の受賞パーティーに招かれました。美倉は政治家の里美権八郎(大谷亮介)の娘・志賀子(美波)と婚約しているのですが、志賀子から権八郎を紹介された美倉は気乗りせずに、パーティー会場を後にしました。
帰る途中、美倉は偶然通りかかったブティック店員の須形まなめ(片山萌美)に誘惑され、そのまま店内で体を重ねました。ところが、そこに突然ばるぼらが現れてまなめに殴りかかり、まなめの首が取れてしまいました。驚いた美倉が我に返ると、実は美倉が抱いていたのは店内のマネキンだったのです。
まなめとは美倉が作り出した妄想であり、美倉はかねてから自分の作品に起因するコンプレックスと妄想に悩まされていたのです。ばるぼらは美倉に性欲が溜まっているのではと、からかい半分で指摘しました。
ばるぼらのネタバレあらすじ:承
ある日、志賀子に呼び出された美倉は権八郎と食事を共にし、その席上で権八郎の後援会会長になってほしいと頼まれました。悩む美倉は志賀子と庭を散歩しますが、志賀子に誘惑されて庭の中で彼女を抱き始めました。
ところが、そこにも突然ばるぼらが現れて、志賀子の後頭部を殴ってきました。我に返った美倉は、自分が抱いたのは志賀子ではなく彼女の飼い犬であることに気付きました。
それからというもの、美倉は自らの妄想と異常性欲を抑制する目的もあって、ばるぼらを自宅に住まわせることにしました。すっかりばるぼらの虜になった美倉は、いつかばるぼらの小説を書くと約束しましたが、その頃から美倉は酒に溺れるようになり、小説の締め切りにも間に合わないということが増えていきました。
そんな時、権八郎が亡くなったという知らせが舞い込んできました。美倉はばるぼらが作ったものらしき呪いの人形を見つけ、ばるぼらに真意を問おうとしましたが、出逢った頃のみずぼらしい印象から打って変わって、妖艶な雰囲気をまとうばるぼらに魅せられていきました。そして美倉はばるぼらと体を重ね、結婚することまで約束してしまいました。
美倉の秘書の甲斐加奈子(石橋静河)は、彼を心配して自宅を訪れましたが、彼女が目の当たりにしたのは、これまでの落ち着いた雰囲気とは一転して落書きだらけの退廃した空間でした。加奈子は美倉と話し合いを持とうとしましたが、美倉は全く取り合おうとせず、加奈子は呆れて部屋を飛び出してしまいました。
その際、加奈子は美倉の部屋に不気味な呪いの人形があったことから、スマホでその人形を調べようとしましたが、車の事故に巻き込まれて入院してしまいました。
ばるぼらのネタバレあらすじ:転
ばるぼらとの結婚を決意した美倉は、彼女が“おっかさん”と呼んで慕っている怪しげな占い師のムネーモシュネー(渡辺えり)に会いに行きました。ムネーモシュネーが出した条件とは、今から1週間ばるぼらと会わないこと、そして結婚のことは誰にも話さないということでした。
条件を受け入れた美倉は、それからというもの、ばるぼらには会わずに一人で暮らし始めました。自堕落な生活を送る美倉を周囲は心配しますすが、美倉は「ミューズに出会った」と言い続け、周囲の話に耳を傾けようとしませんでした。
一方、美倉から一方的に別れを告げられた志賀子は、美倉が権八郎の葬式に顔も出さなかったことも相まって、彼への復讐を企てました。志賀子は権八郎の秘書に美倉の周辺を徹底的に探らせました。
そして約束の1週間が過ぎました。美倉はばるぼらとの結婚式に臨みますが、それはまさに悪魔の黒ミサのようなものでした。その時、権八郎の秘書の通報により警察が動き出し、美倉は駆け付けた警察に取り押さえられました。ばるぼらはムネーモシュネーと共に姿を消し、美倉は儀式の際に大麻を吸っていたことから現行犯で逮捕されました。
その後、執行猶予で保釈された美倉でしたが全ての連載を打ち切られてしまいました。加奈子はそんな美倉を献身的に支えようとしましたが、美倉はばるぼらを探して街をさまよい歩くようになっていきました。
ばるぼらの結末
美倉は夜の街で踊っているばるぼらを見つけました。全てを捨てて、ばるぼらと二人きりで生きていくことを決意した美倉は、彼女を連れて山の奥へと逃げ出しました。「このまま全てを失ってもいい」との美倉の言葉を聞いたばるぼらは、ならば願いを叶えてあげようと美倉の首を絞め始めました。
その際、起き上がった美倉に驚いたばるぼらは、頭を石にぶつけて流血してしまいました。美倉はばるぼらを病院に連れて行こうとしましたが、ばるぼらは「病院に行けば、おっかさん(ムネーモシュネー)にバレてしまう」と拒絶しました。
美倉はばるぼらを連れて山奥の山荘に辿り着きましたが、ばるぼらは既に息絶えていました。発狂した美倉はばるぼらを抱き、彼女との約束を果たすため小説を書き始めました…。
以上、映画「ばるぼら」のあらすじと結末でした。
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