スープ ~生まれ変わりの物語~の紹介:2012年日本映画。不思議現象の研究家でSF作家の森田健が前世を記憶する人が多く暮らしているとされる中国奥地の村を取材して執筆した「生まれ変わりの村」をベースとするファンタジー映画です。「仮面ライダージオウ」「TRICK」などの生瀬勝久が自身初となる単独主演を務め、事故死してあの世に行った主人公と現世に残された娘を通じて描かれる家族の絆や死生観などが描かれていきます。
監督:大塚祐吉 出演者:生瀬勝久(渋谷健一)、小西真奈美(綾瀬由美)、刈谷友衣子(渋谷美加(中学生時代))、伊藤歩(渋谷美加(成人後))、野村周平(三上直行)、広瀬アリス(美崎瞳)、橋本愛(西村千秋)、大後寿々花(矢野歩)、伊藤大征(石塚唯人)、田﨑アヤカ(星野千春)、みやなおこ(千春の母)、山口香緒里(美加の母)、市川月乃助(白川)、入江雅人(三上直行の父)、堀内敬子(三上直行の母)、凜華せら(後藤未来)、堀部圭亮(モリタ)、池田鉄洋(ボランティアの女につっかかる死者)、谷村美月(ボランティアの女)、山口紗弥加(花屋店主)、羽野晶紀(石田の母)、古田新太(近藤一)、松方弘樹(石田努)、塩屋俊(デザイン会社の社長)、黒坂真美(美加が万引きした服屋の店長)、蒼あんな(石田の取り巻き)、蒼れいな(石田の取り巻き)、小松利昌(美加にお祈りしようとした男)、六角慎司(三上直行の担任)ほか
映画「スープ ~生まれ変わりの物語~」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スープ ~生まれ変わりの物語~」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スープ ~生まれ変わりの物語~」解説
この解説記事には映画「スープ ~生まれ変わりの物語~」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スープ~生まれ変わりの物語~のネタバレあらすじ:起
渋谷健一はインテリア・デザイン会社に務める50歳。渋谷は妻と離婚しており、中学3年生になる一人娘の美加と暮らしていました。美加は父が母に逃げられたと思い込んでおり、常に渋谷のことを見下していました。
仕事のできない渋谷は年下上司でバリバリのキャリアウーマンの綾瀬由美をお目付役としてつけられました。綾瀬もまた離婚歴がありました。美加の15歳の誕生日、渋谷は綾瀬のアドバイスでバラの花を買いに行きましたが,なんと美加が服屋で万引きをしたとの知らせが入ってきました。
服屋に美加を迎えに行った渋谷は全く反省の様子を見せない美加に思わず手を上げてしまい、美加は部屋に閉じこもってしまいました。これから出張に出かける渋谷は,美加の部屋の前に買ってきたバラの花を置いて出かけていきました。
綾瀬と合流した渋谷は、彼女に娘に手を上げてしまったことを打ち明けました。渋谷は美加に手を上げてしまったことを後悔していました。ところがその直後、渋谷と綾瀬は出張先で突然の落雷に遭い、命を落としてしまいました。
スープ~生まれ変わりの物語~のネタバレあらすじ:承
渋谷と綾瀬は死後の世界へと辿り着きました。そこで渋谷は知人である取引先の凄腕社長で、半年前に糖尿病で亡くなった石田努と再会しました。石田は幼い頃に亡くなった母を探し続けており、渋谷と綾瀬に死後の世界のことを教えました。
死後の世界には飲むと生まれ変わることのできる不思議なスープがあるのだそうです。しかし、それはあくまでも噂であり、スープを飲んだ者は生まれ変わりと引き換えに前世の記憶を失うのですが、スープを飲んでも生まれ変わらなかったり、スープを飲まずに生まれ変わった者のいるのだそうです。
しかも、前世の記憶を保ったまま生まれ変わる方法もあるらしいというのです。美加のことがどうしても気がかりな渋谷は前世の記憶を保ったまま生まれ変わる方法を探ることにしました。
その頃、現世では美加は母に引き取られていました。そこで美加は父が母と離婚したのは母の不倫が原因だったこと、そして母は自分のことを愛していないことを知りました。渋谷が本当に心から自分のことを愛していたことに気づいた美加は、それからというもの花屋でバラの花を買っては渋谷の墓に供え続けました。
やがて美加は転校先でいじめに遭ったことから学校を辞め、家を出ていつもバラを買っているこの花屋で働く決意をしました。
スープ~生まれ変わりの物語~のネタバレあらすじ:転
その頃、綾瀬は石田と一緒になって死後の世界での暮らしを楽しんでいました。しかし、綾瀬はスープを飲んで生まれ変わることを決心し、渋谷と石田と共にスープのある場所へと向かいました。
旅の途中、石田は亡き母と再会を果たしました。若くして亡くなった石田の母は死後の世界でも若い姿のままであり、自分より年をとった石田をとうてい我が子とは認識できていませんでした。それでも過去を思い出した石田の母は我が子との再会を喜び、渋谷と綾瀬は石田親子をその場に残して旅を再会しました。
その途中、今度は渋谷と綾瀬は17歳で自殺したという少女・矢野歩と出会いました。矢野は記憶を保ったまま3度も生まれ変わったという人物・近藤一のことを知っており、渋谷は矢野の手引きで近藤に会いました。
一方の綾瀬は自分に暴力を振るていた父の記憶や就職してからの辛い人生を忘れるためにスープを飲んで早く生まれ変わろうと考えていました。しかし、渋谷の娘を想う気持ちを知り、心境に変化が生じていきました。
そこに石田が再び現れ、母はスープを飲まずして生まれ変わったことを告げました。そして石田もまた渋谷と綾瀬の目の前で光に包まれて消えていき,生まれ変わりました。渋谷は近藤から教えてもらった方法で記憶を保ったまま生まれ変わりました―――。
スープ~生まれ変わりの物語~の結末
―――時は流れ、渋谷の死から16年後。高校生の三上直行はつい最近になって前世の記憶が甦ってきていました。実は三上は渋谷の生まれ変わりだったのです。近藤から教わった方法では、前世の記憶が甦るのは生まれ変わってから15年以上経ってからということであり、それまでは何も知らずに育っていくということでした。
ある日、三上のクラスの同級生である美崎瞳が三上に「君,渋谷健一だろ」と声をかけてきました。なんと美崎はあの石田の生まれ変わりだったのです。三上は美崎の反対を押し切り、意を決して美加に会いにいくことにしました。
成人した美加は今ではかつて渋谷の墓に供えるバラの花を買っていた花屋の店長になっており、恋人との結婚式を控えていました。結婚式当日、三上は花屋でバラの花を買って式場に向かいました。「あなたの父からです」と三上からバラの花を受け取った美加は最初の内は困惑していましたが、三上は渋谷からあの時手を上げて悪かったことという伝言を託されたと話すと、美加は父のことを忘れたことは一度もなかったと伝えてほしいと頼みました。三上は美加に幸せになるよう告げ、全てを察した美加は涙を流しながら三上に抱きつきました。
それからしばらくして、三上のクラスに西村千秋という転校生がやってきました。西村は綾瀬の生まれ変わりでした。三上は何度も西村に嫌われながらも必死に交際を申し入れ続けました。
以上、映画「スープ ~生まれ変わりの物語~ 」のあらすじと結末でした。
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