ゴッドファーザーの紹介:1972年アメリカ映画。アメリカの小説家マリオ・プーゾが1969年に発表した大ベストセラー同名小説を巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が映画化した一大叙事詩にしてマフィア映画の歴史的名作であり、ゴッドファーザー三部作の第1作です。第二次世界大戦後のニューヨークを舞台に、一代で暗黒街を牛耳るボスに成り上がった男の繁栄と衰退、世代交代を壮大なスケールで描き、同年度のアカデミー賞で作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞しました。
監督:フランシス・フォード・コッポラ 出演者:マーロン・ブランド(ドン・ヴィトー・コルレオーネ)、アル・パチーノ(ミケーレ・“マイケル”・コルレオーネ)、ジェームズ・カーン(サンティノ・“ソニー”・コルレオーネ)、ロバート・デュヴァル(トム・ヘイゲン)、ジョン・カザール(フレデリコ・“フレド”・コルレオーネ)、ダイアン・キートン(ケイ・アダムス・コルレオーネ)、リチャード・S・カステラーノ(ピーター・クレメンザ)、タリア・シャイア(コンスタンツァ・“コニー”・コルレオーネ・リッジ)、モルガーナ・キング(カルメーラ・コルレオーネ)、エイブ・ヴィゴダ(サル・テッシオ)、スターリング・ヘイドン(マクラスキー)、ほか
映画「ゴッドファーザー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゴッドファーザー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ゴッドファーザーの予告編 動画
映画「ゴッドファーザー」解説
この解説記事には映画「ゴッドファーザー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゴッドファーザーのネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦の終戦直後の1945年。アメリカ・ニューヨークの裏社会は「五大ファミリー」と呼ばれる5つのマフィア勢力によって支配されていました。その中でも最大の勢力を誇っていたのは、イタリア・シチリア島出身のドン・ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)率いるイタリア系マフィア「コルレオーネ・ファミリー」であり、政治家や警察をも牛耳る力を有していました。
1945年8月下旬。ヴィトーの娘コニー(タリア・シャイア)とカルロ・リッジ(ジャンニ・ルッソ)の結婚式がコルレオーネ邸で盛大に執り行われていました。ヴィトーの元には彼を頼る来客が後を絶たず、その中の一人である葬儀屋のアメリゴ・ボナセーラ(サルヴァトーレ・コリシット)は2ヶ月前に交際相手に暴力を振るわれた娘の復讐を依頼してきました。
ヴィトーは、なぜ娘の結婚式の時にと言いつつも“友の証”を見せれば無償で引き受けると応え、ボナセーラはヴィトーの手に口づけし、ヴィトーを“ゴッドファーザー”と讃えました。ヴィトーは、養子で次期相談役の弁護士トム・ヘイゲン(ロバート・デュヴァル)に、この仕事は古参の幹部ピーター・クレメンザ(リチャード・S・カステラーノ)に任せると告げました。
結婚式には、ヴィトーの三男マイケル(アル・パチーノ)が恋人のケイ・アダムス(ダイアン・キートン)を連れて出席していました。ヴィトーの息子たちの中で唯一裏社会に入らず、軍隊に入って戦場の英雄として活躍したマイケルは、ヴィトーに忠誠を誓う用心棒兼殺し屋のルカ・ブラージ(レニー・モンタナ)やトムらにケイを紹介しました。
一方、ヴィトーの長男ソニー(ジェームズ・カーン)は妻のサンドラ(ジュリー・グレッグ)とは不仲であり、堂々と部屋に愛人のルーシー・マンチーニ(ジニー・リネロ)を呼び寄せて情事に及んでいました。
やがて式場に人気歌手ジョニー・フォンテーン(アル・マルティーノ)が現れてコニーのために歌を捧げ、驚くケイはマイケルから家族の話を聞いて更に驚きました。しかし、マイケルはケイに自分は裏社会には一切関わらないと言い切りました。
カルロはトムを通じてヴィトーにファミリー入りを打診しましたが、ヴィトーは生活の面倒は見てやると言いながらも打診を断りました。歌い終えたジョニーはヴィトーに近づき、自分は俳優に転身したいのだが映画プロデューサーのジャック・ウォルツ(ジョン・マーリー)が了承してくれないのだと相談してきました。
ジョニーの芸名の名付け親であるヴィトーはトムをハリウッドにいるウォルツの元に向かわせて交渉させましたが、ウォルツは自分が手塩にかけて育て上げた女優の卵に手を出したジョニーを決して許さないと拒絶しました。しかし翌朝、ウォルツのベッドに彼の愛馬の首が投げ込まれ、恐れをなしたウォルツは一転してジョニーの映画出演を認めました。
ゴッドファーザーのネタバレあらすじ:承
ある日、五大ファミリーの一角「タッタリア・ファミリー」の客分で麻薬密売人のヴァージル・ソロッツォ(アル・レッティエリ)が麻薬の取引話を「コルレオーネ・ファミリー」に持ちかけてきました。ソニーは他のファミリーが手を出す前にと前向きでしたが、麻薬ビジネスを頑なに拒み続けているヴィトーは提案を一蹴しました。ヴィトーはルカを「タッタリア・ファミリー」に潜入させ、ソロッツォについて探りを入れるよう命じましたが、ルカは潜入を見破られて殺害されてしまいました。
続いてソロッツォはトムを拉致、「タッタリア・ファミリー」と内通していたヴィトーの専属運転手兼護衛のポーリー・ガット(ジョン・マルティーノ)に仮病を装わせました。ヴィトーは次男フレド(ジョン・カザール)と共に買い物に出かけましたが、ヴィトーはソロッツォの手下に襲撃されてしまいました。
新聞記事で「ヴィトー死亡」との記事を見たマイケルはソニーと連絡を取り、ヴィトーは昏睡状態に陥ったものの一命を取り留めたことを知ります。ヴィトーが生きていたことを知ったソロッツォは目論見が外れ、トムを解放してコルレオーネと手打ちしようと考えました。
しかし、ソニーは幹部やマイケルを招集してタッタリア・ファミリーとの全面抗争を決意、クレメンザは部下の殺し屋ロッコ・ランポーネ(トム・ロスキー)と共に裏切り者のポーリーを粛清しました。更にソニーはタッタリアのドン、フィリップ・タッタリア(ビクター・レンディナ)の息子で後継者のブルーノ(トニー・ジョルジオ)を殺害しました。
ヴィトーの見舞いに訪れたマイケルは護衛が一人もいないことに気付き、機転を利かせてヴィトーをタッタリアの襲撃者から守りましたが、そこにマクラスキー警部(スターリング・ヘイドン)が現れ、マイケルを殴って怪我を負わせました。トムからマクラスキー警部はタッタリアに買収された悪徳警官だと聞かされたマイケルは彼への復讐を誓い、ソニーにソロッツォを始末すると告げました。
最初のうちは裏社会を嫌っていたマイケルの心変わりを笑っていたソニーでしたが、マイケルの決意が本気であることを悟ると、準備を始めました。ソロッツォはマイケルを交渉人に指名して話し合いを要求し、これを好機と見たマイケルは交渉場所のレストランに武器を隠しておきました。そしてマイケルは交渉のテーブルについたソロッツォとマクラスキー警部を殺害、ケイに黙ってヴィトーの故郷シチリア島へ高飛びしました。
ゴッドファーザーのネタバレあらすじ:転
五大ファミリーの抗争は激化の一途を辿り、意識が戻ったヴィトーはマイケルが裏社会入りを決意したことを知ってショックを受けました。マイケルと連絡が取れないケイはトムに行方を尋ねますが、トムは口を割りませんでした。その頃、シチリア島では、マイケルは島の若い娘アポロニア・ヴィッテッリ(シモネッタ・ステファネッリ)に一目惚れして結婚していました。
一方、軟派な性格が災いして未だにファミリー幹部として認められないことに不満を募らせていたカルロは、日常的にコニーに暴力を振るうようになりました。そのことを知ったソニーは激怒してカルロを袋叩きにしますが、それでもカルロはコニーへの暴力を止めませんでした。激昂したソニーはコニーの元に向かいましたが、途中で何者かに機関銃で蜂の巣にされて殺害されてしまいました。
ソニーの死に深い悲しみを覚えたヴィトーはボナセーラに葬儀を依頼、五大ファミリー幹部を収集して抗争終結のための和解の席を設けました。ヴィトーは麻薬ビジネスを条件付きで認めることで手打ちしますが、タッタリアは度胸のない小物であることを見抜いたヴィトーは、ソニー殺しの黒幕はコルネオーレに次ぐ勢力を誇る「バルジーニ・ファミリー」のドン、エミリオ・バルジーニ(リチャード・コンテ)であることを確信しました。
ソニーの死はシチリア島のマイケルにも知らされましたが、マイケルの護衛役のファブリツィオ(アンジェロ・インファンティ)はマイケルを裏切り、車に爆弾を仕掛けました。アポロニアはマイケルの身代わりになって爆殺されてしまい、マイケルはアメリカに戻って体調の優れないヴィトーの仕事を補佐するようになりました。マイケルと再会したケイは彼の変貌ぶりに戸惑うも、マイケルは5年以内にファミリーを合法化すると宣言したうえで、ケイに求婚して再婚しました。
ヴィトーは軟弱者のフレドは跡継ぎの器ではないと判断し、マイケルを正式に後継者に任じると、自らは相談役として身を引きました。クレメンザや幹部のサル・テッシオ(エイブ・ヴィゴダ)はなおもヴィトーの判断を仰ごうとしますが、ヴィトーは自分を信じるならマイケルに忠誠を誓うよう命じました。
マイケルはこれから始まる“戦争”にはトムは向かないと判断、彼を相談役から外して顧問弁護士につけました。そしてマイケルは信頼できる殺し屋アル・ネッリ(リチャード・ブライト)を側近につけ、密かにバルジーニ側に寝返っていたカルロを泳がせる目的であえて重用しました。
ゴッドファーザーの結末
コルネオーレの力は衰えたと噂されるなか、新たなビジネス展開を決意したマイケルは本拠地をラスベガスに移す計画を打ち立てました。マイケルはカジノ学を学ぶ名目で、フレドを預けているカジノ界の大物モー・グリーン(アレックス・ロッコ)にホテルとカジノの買収話を強引に持ちかけますが、コルネオーレを見限っていたグリーンは買収話を突っぱねて席を立ってしまいました。
死期を悟ったヴィトーはマイケルを呼び寄せ、ソニーは後継者の器ではなく、人を操れる統率力のあるマイケルを後継者に任じた自らの考えを明かしました。父を超える権力者になってみせると誓うマイケルに、ヴィトーは自分が死んだ後に必ずバルジーニが動くであろうこと、そしてバルジーニとの会談を持ちかけてくる身内が裏切り者であることを告げました。それから程なくしてヴィトーは静かにこの世を去りました。
ヴィトーの葬儀は盛大に執り行われました。トムはクレメンザが裏切り者ではないかと疑いましたが、マイケルはクレメンザは裏切りができるような器用な人間ではないと一蹴しました。やがて葬儀の席でテッシオがバルジーニからの会談の申し入れの意向をマイケルに伝え、マイケルはテッシオこそがバルジーニに寝返った裏切り者であることを見抜きました。
マイケルとバルジーニの会談の日は、コニーとカルロの息子マイケル・フランシス(ソフィア・コッポラ)の洗礼式の日と決まりました。フランシスの名付け親となったマイケルはロッコやアル、クレメンザやその部下ウィリー・チッチ(ジョー・スピネル)らに指示を出し、五大ファミリーのドンたちや裏切り者の粛清を指示しました。
アルは警官に扮してバルジーニを射殺し、ロッコは部下を引き連れて愛人とホテルにいたタッタリアを殺害しました。チッチは「クネオ・ファミリー」のドンであるカーメン・クネオ(ルディ・ボンド)を、クレメンザは「ストラキ・ファミリー」のドンであるビクター・ストラキ(ドン・コステロ)を暗殺しました。
更にマイケルはラスベガスにいるグリーンを部下に暗殺させ、裏切ったテッシオの命を奪いました。そしてマイケルはカルロを誘導尋問してソニー殺しに加担したことを吐かせ、クレメンザと共にカルロを殺害しました。
数日後、激しく取り乱したコニーは兄マイケルの元になだれ込み、息子の洗礼式の日にカルロを殺したこと、最初から殺すつもりで重用したことなどを問い詰め、マイケルを人でなしと罵りました。
マイケルは心配するケイに一連の件は事実なのかと尋ねられましたが、マイケルは関係ないと否定しました。ケイは安堵してその場を離れようとしましたが、彼女は新たな“ゴッドファーザー”となったマイケルに、トムやクレメンザ、アルら幹部たちが忠誠を誓う様を目の当たりにしました。
以上、映画「ゴッドファーザー」のあらすじと結末でした。
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