暗黒女子の紹介:2016年日本映画。2017年公開、秋吉理香子原作のミステリー小説を映画化。定期的に行われる文学サークル闇鍋会。その日の会はいつもと違った。サークルの会長小百合の進行の中、闇鍋をほおばりながら一人ずつ自身の書いた小説を朗読する。テーマは先日死んだ前会長であり、彼女達の通う女子高のスター的存在白石いつみに関すること。それは小百合の仕掛けた、いつみを殺した犯人を探す復讐だった。清水富美加と飯豊まりえのダブル主演で送る。
監督:耶雲哉治 出演:清水富美加(澄川小百合)、飯豊まりえ(白石いつみ)、清野菜名(高岡志夜)、玉城ティナ(ディアナ・デチェヴァ)、小島梨里杏(小南あかね)、千葉雄大(北条先生)、ほか
映画「暗黒女子」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「暗黒女子」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
暗黒女子の予告編 動画
映画「暗黒女子」解説
この解説記事には映画「暗黒女子」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
暗黒女子のネタバレあらすじ:闇鍋会
文学サークルでは定番となった闇鍋会。しかしその日の会には白石いつみの姿は無かった。代わりに会長を継いだ澄川小百合により会は進行する。皆がある程度鍋を堪能した後次の行動へと移行する。それぞれが書いてきた小説の朗読だった。テーマは小百合が用意した。「白石いつみの死」。前会長であり、彼女達の通う聖母マリア女子高等学校経営者の娘、そして学校のスター的存在だったいつみは先日謎の死を遂げいる。屋上からの飛び降り自殺。その真相を解明するため小百合による文学サークルメンバーのいつみへの感情の聞き出しだった。一人目は1年の二谷美礼。美礼は原稿用紙を取り出した。
暗黒女子のネタバレあらすじ:二谷美礼
二谷美礼は貧しい家庭ながらも成績トップで本校にやってきた。なかなか雰囲気に馴染めずにいた頃、声を掛けたのがスター的存在のいつみだった。彼女は美礼にとてもよくした。本が好きだという美礼を文学サークルに誘い、貧しい彼女に自身の家庭で家庭教師をさせるなど。二人いつしか友達以上の存在となる。ある日美礼は父親に無理やり車に乗せられるいつみを目撃する。それから数日留守にし、帰って来た時いつみは美礼に衝撃的な話を打ち明ける。父と文学メンバーの一人の志夜との仲が怪しいという。悩むいつみに同情した美礼は彼女から友情の証として「すずらんの髪留め」を譲り受ける。その後いつみは学校の花壇に横たわり死んでいる所を発見される。手にはすずらんが握りしめられていた。
暗黒女子のネタバレあらすじ:小南あかね
あかねは初め、いつみのことが苦手だった。しかしある日あかねの読書感想文が校内新聞に載ったのをきっかけにいつみがあかねに接触する。いつみが苦手だったあかねだが、サークルの部屋にキッチンがあることを知ったあかねは喜んだ。彼女の父は料亭を営んでいた。そして彼女自身も料理が好きだったのだ。しかし兄が男というだけであかねは店を継ぐことができなかった。そのため洋食に思いが膨らみ、大きなキッチンのある文学サークルに身を置くことになった。サークルで作るのはもっぱら洋菓子だったがあかねは毎日が楽しかった。初めは苦手だったいつみもあかねを慕うことであかね自身もいつみを慕い始めた。しかしある日、衝撃的な話を打ち明けられる。いつみの家に美礼が家庭教師に来てから物が無くなることが多くなったという。そしてそれはエスカレートし、ある日彼女の大事にしていた祖母の形見の「すずらんの髪留め」も無くなってしまったという。美礼ときちんと話をするといういつみだったが、その後彼女は亡くなってしまう。手にすずらんを握りしめて。
暗黒女子のネタバレあらすじ:ディアナ・デチェヴァ
いつみとの出会いはディアナの家へのホームステイだった。優雅ないつみはディアナに衝撃を与えた。まるで女神のようないつみにいつしか憧れと強い友情を抱いたディアナだったが別れが来るのは早かった。いつみが日本に帰ってから、いつみから留学生としてこの学校へ正体された。しかし来れるのは一人だけ、ディアナには双子の姉妹エマがおり、彼女が日本へ行くことになった。しかしその道中エマが不慮の事故で亡くなってしまった。そして代わりにディアナがやってきた。外国人ということもありやはり馴染むのには時間が掛かった。しかしそれもいつみの存在が忘れさせた。ディアナもまたサークルへと勧誘された。そして初めて会うあかねに挨拶をするが、彼女の腕の跡に目が行ってしまう。まるで「すずらん」のような形をした火傷の跡。あかねの家は家事で全焼してしまっていた。ディアナはその時からあかねといつみの仲に疑問を抱いていた。そしていつみは亡くなってしまった。ディアナの脳裏にはあかねの存在が色濃く残る。
暗黒女子のネタバレあらすじ:高岡志夜
志夜は女子高生でありながら在学中に書いた小説で賞を受賞していた。作家となりその本がいつみの目に留まったことで彼女もまた文学サークルへと入ることになる。いつみは志夜の本をどうしても英語翻訳したいと言った。しかし日本語に強くこだわる志夜は頑なに断った。そして断る理由はもう一つ、次の作品へ頭が向いていたのだ。そんな時彼女の前にディアナが新しいメンバーとして登場する。志夜はすぐにディアナに恐怖を感じた。まるでさっき読んでいた女性ヴァンパイアにそっくりなのだ。ある日志夜は花壇にうずくまるディアナに遭遇する。彼女は地元ブルガリアの花「すずらん」を植えていた。それはディアナいわくこの学校に自分の国を知ってもらうためだという。そして来年には新たな留学生をいつみに呼んでもらうのだと。しかし先日いつみは留学生は呼ばない旨を志夜に話していた。ディアナに少しの不信感を抱きはじめる。それからしばらく後いつみは亡くなる。手には「すずらん」が握られていたという。
暗黒女子のネタバレあらすじ:白石いつみ
全員の話が終わり、話の辻褄が合わないことを嬉しそうに小百合は指摘する。そして小百合もまた原稿用紙を持ち出し話始めた。それは小百合の物ではなく、いつみの小説。内容は全ての真実を語るものだった。いつみはサークル顧問の北条と付き合っていた。二人の恋は燃え上がる一方、いつみには何かが欠けているような気がした。短い学生時代、花が枯れるように自分達もまたすぐにこの美しさを失ってしまう。それならばこの短い学生生活を自分を主人公にした物語にすればいいのだ。その為には脇役がいる。その脇役はすぐに見つかった。援助交際をしている美礼、家に放火したあかね、姉妹を殺したディアナそして盗作をした志夜。彼女達を脅し、従えることで自身を主人公にした物語が完成した。そしていつみは北条の子を身ごもった。完ぺきだった。いつみは時期が来るまで父親にそのことを黙っていた。しかしある日、いつみの計画は崩れ落ちる。脇役たちが裏切ったのだ。
暗黒女子のネタバレあらすじ:復讐
父親にばれたのは脇役たちの裏切りによるものだった。そしていつみは無理やり堕胎させられてしまう。北条も学校を辞めさせられ失意に暮れるいつみ。しかし唯一の親友小百合がいつみに北条の連絡先を伝えた。そこでいつみは計画を考えた。脇役たちに復讐を与える。4人を屋上に呼んだいつみは彼女達に復讐の旨を伝えた。解放してほしいという4人だったがいつみにはそんな気は毛頭ない。不敵に笑ういつみの手には「すずらん」が握りしめられている。それはいつみが自身の子に付けようとしていた名前。それを持つことで4人に疑いの目が向けられるように仕組むという。そう彼女は4人の目の前で屋上から身を投げたのだ。しかしそこでいつみが死んだわけじゃない。彼女は生きていた。学校ではいつみは死んだとされていた。しかし彼女は生きてさらに4人に復讐を計画していた。クライマックスは闇鍋に仕込んだ「すずらん」だった。すずらんには強い毒性がある。4人はたちまちパニックになる。
暗黒女子の結末:澄川小百合
パニックになる4人に小百合はさらに話を続けた。小百合がいかに冷酷ないつみに全てを捧げていたか。しかしいつみが身を投げた後の北条との生活を聞いていて小百合の心情が変わった。いや変わったのはいつみだった。あんなに冷酷で残忍で美しいいつみがただの女になってしまった。クライマックスを前に生姜焼きの話を持ち出したいつみに小百合は嫌気がさした。そしていつみにすずらんの入った紅茶を飲ませ殺した。闇鍋にはすずらんは入っていなかった。電気を点けた部屋の真ん中に置かれた鍋は真っ赤だった。小百合はデザートとして一本の腕を持ち出した。次の会長は小百合。4人の学生生活は簡単には終わることはない。
この映画は女の花園を描いていますが、実は底に女のドロドロしたものが渦巻いていてラストにかけてすごく面白くなっていきます。
結末がすごく衝撃的で、嫌なミステリーって言われてる原作の映画だなーって感じました。
どんでん返しがすごいです。