幕末高校生の紹介:2013年日本映画。スマートフォンアプリ「体感ヒストリー」をきっかけに、先生と生徒3人が江戸時代末期へとタイムスリップ。高校教師と生徒たちが、勝海舟や西郷隆盛などと対面しつつ、現代へと戻ろうと奔走する様子を描くSF時代劇。
監督:李闘士男 出演:玉木宏(勝海舟)、石原さとみ(川辺未香子)、柄本時生(高瀬雅也)、川口春奈(森野恵理)、千葉雄大(沼田慎太郎)、谷村美月(千代)、吉田羊(民子)、渡辺邦斗(宮川八郎)、井上肇(神田尚志)、中村育二(木下長行)、篠井英介(徳川慶喜)、嶋田久作(薩摩屋)、柄本明(柳田龍三)、隆大介(山下利蔵)、山崎銀之丞(新門辰五郎)、伊武雅刀(大崎則篤)、石橋蓮司(長英)、佐藤浩市(西郷隆盛)、ほか
映画「幕末高校生」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「幕末高校生」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
幕末高校生の予告編 動画
映画「幕末高校生」解説
この解説記事には映画「幕末高校生」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
幕末高校生のネタバレあらすじ:起
高校三年B組の担任で、日本史の教師をしている川辺未香子(石原さとみ)。授業中に生徒達は寝たり雑誌を読んだりして、ちゃんと未香子の話を聞いていません。クラスの生徒・沼田慎太郎(千葉雄大)は獣医学部への進学を希望していますが、母親は医学部以外は許さず、三者面談の時に進路の事で慎太郎と母親の間ですれ違いが起きてしまいます。その間に入り、事をうまく収めようとする未香子ですが、結局問題は解決出来ずに慎太郎を失望させてしまいました。
そんな時、日本史の試験中に、高瀬雅也(柄本時生)がカンニングしようとしてスマートフォンのアプリ「体感ヒストリー」をインストールします。試験が終わった後、未香子が車を運転していると雅也と森野恵理(川口春奈)、そして沼田慎太郎が言い争いをして、未香子の車の前に飛び出してきます。その時、雅也の「体感ヒストリー」のアプリが光り出して、雅也がタップすると、光に包まれた4人は江戸時代末期へとタイムスリップしてしまいました。
怪しい人物として捉えられてしまった未香子と雅也。奉行に「自分たちはタイムスリップをして、この時代に来た」と訴えますが全く聞き入れられず、拷問に遭いそうになります。その様子を偶然見ていた勝海舟(玉木宏)を見て、助けを求める未香子。「あなたはスケールが大きく、偉大で男らしい人だ」と褒められ、気をよくした勝海舟は未香子たちを引き取ることにしました。
未香子と雅也をアメリカ人だと勘違いしている勝海舟。三人が蕎麦屋に入ると、客の男性たちが、薩摩軍と江戸で戦が始まる噂をしています。雅也は戦が起こるのかと心配しますが、新政府軍の西郷隆盛と旧幕府軍の勝海舟の話し合いの結果、江戸での戦は回避された「江戸無血開城」が歴史として残っているので、未香子は大丈夫だと雅也を安心させました。
その後、未香子と雅也は勝海舟の屋敷へ連れて行かれます。二人きりになり、タイムスリップした時のことを詳しく話す二人。すると、雅也は江戸へは三日前に、未香子は前日に着いたことが判明し、両者の江戸時代へ来た日が違うことがわかりました。一緒にタイムスリップしたにもかかわらず、日付が違うことを不審に考える雅也。
幕末高校生のネタバレあらすじ:承
雅也は、なくしたスマホを見つけ、勝海舟に「自分たちは未来から来た」と説明します。しかし本気にしない勝。するとなぜか未香子の車が未来からやってきます。それを見て、ようやく未香子と雅也の話を信じる勝。歴史上では、勝海舟は人としての器が大きく、偉大だとなっています。しかし見る限りでは、だらしなくて何もしようとせず、ただ待っているだけという腰抜けに感じる雅也と未香子。そのおかげで、本来ならば薩長との和平交渉が成立しているはずなのに、歴史が変わって戦が起きそうな事態になっていました。
四日後には未来に戻れそうだとわかり、ホッとしていた未香子は、「他の生徒を見つけないといけない」と、勝に話をします。そこへ刺客が現れ、刀で切られかけた勝は未香子たちを置いて逃げ出してしまいました。刺客は幕府軍が来させたもので、勝の周りには戦を起こさせようと考えている者がいます。未香子は江戸で戦は起きないと考えていましたが、この日にはすでに西郷隆盛との会談は承諾しているはずで、歴史の教科書に載っていることと違っていて混乱する未香子。もしかすると未来から来た人間が、過去を変えているのではないかと考え、そうなると未来も変わってしまうことになります。
勝海舟が西郷隆盛に送ったはずの手紙は、薩長軍と戦をして壊滅させようと目論んでいた柳田龍三(柄本明)によって実は破り捨てられていて、そうとは知らない勝海舟は、ただ西郷隆盛からの手紙を待っているのでした。
幕末高校生のネタバレあらすじ:転
未香子は恵理や慎太郎の似顔絵を作り、江戸じゅうに貼って探します。江戸総攻撃の四日前、勝海舟の家にまたしても刺客が現れ、命を狙われた未香子たち。しかも勝の妻を切ろうとしていたのは、なんと慎太郎でした。勝が家に帰ってくると、慎太郎は急いで引き上げ、事なきを得ましたが、未香子は複雑な気持ちになります。
そんな時、慎太郎の情報が入ります。慎太郎の住んでいると思われる場所へ向かうと、1年前に江戸へ来て、すでに子どももいる慎太郎がいました。一緒に未来へ帰ろうと言いますが、「元の時代へは帰らない」と拒否する慎太郎。「先生だと思ったことはない」と言われ、落ち込む未香子。「所詮、先生は何もしない」と雅也にも言われてしまい、そこでようやく自分が上辺だけの教師だと気付きます。
着々と戦の準備が整えられ、江戸では勝海舟が薩摩の味方ではないかという噂まで立ちます。そして裏切り者だと罵られる勝。しかしぐっとこらえる勝海舟の姿を見て、何を言われようが最後まで決めた事をやり抜く人だという事に気づいた未香子は、「自分はダメ教師だ…」と勝に相談します。勝は未香子に自分の考えを伝えます。その日は星がきれいに見え、勝から「未来は明るいのか?」と聞かれ、「明るい」と答える未香子に、笑顔が戻っていました。
江戸総攻撃が2日後に迫っていた日、柳田と話をしていた際に「ガチ」という聞きなれない言葉を聞いた勝海舟は、柳田の元に仲間がいるかもしれないと雅也に伝えます。実は未香子たちが江戸にくる半年前、柳田に拾われていた恵理。車の中にあった発煙筒で煙を出し、慌てて出てきた恵理と再会することができた雅也。
その日、未香子は蕎麦屋の前で偶然、西郷隆盛と遭遇します。手紙を勝海舟から受け取っていないことを知った未香子は、そのことを急いで勝に知らせ、蕎麦屋へ行きます。西郷と久しぶりの再会を果たし、二人は世間話をしただけで別れてしまいました。その後、西郷隆盛の使者から手紙が届き、翌日会談することが決まりました。
慎太郎が「一緒に未来へ帰りたい」と勝海舟の屋敷にやって来ます。しかし本当は、戦の邪魔である勝を殺害しようとするため、刺客として柳田から命じられていたのでした。勝を切りつけようとした瞬間、間一髪で未香子が守り、勝海舟は無事でしたが、慎太郎は逃げてしまいます。
幕末高校生の結末
江戸総攻撃の当日、未香子達は未来に帰ります。教師の仕事をこれからも続けると約束し、勝海舟はその未来を守ることを誓い合いました。未香子は慎太郎の家に走り、慎太郎の妻に行き先を尋ねます。すると妻だと思っていた女性は、ただの知り合いだったことが判明。川沿いに一人でいた慎太郎を見つけ、未香子は無理やり引っ張って車のある所へ向かい、4人揃って未来に戻ることができました。
その頃、江戸では戦に向けて準備が進み、勝海舟は西郷隆盛との会談に急ぎます。そこへ「徳川のため」と柳田の手下に行く手をはばかられ、一人で大勢と戦うことになった勝海舟。そこへ火消したち江戸の男たちが勝を助けにやって来て、何とか西郷隆盛と話し合いを終えることができました。こうして江戸への攻撃は、回避されたのでした。
未来に戻った未香子たちは、江戸へタイムスリップした時の場所に戻ってきていました。そこにはいつもと変わらない平和な日本があり、勝海舟が江戸を守ったことを意味していました。
歴史の授業で、生徒たちに歴史は今とつながっていることを熱弁する未香子。しかし雅也はまたしても、スマホのアプリ「歴史見聞録の明治時代」をダウンロードしてしまい、光に包まれる未香子たちでした。
以上、『幕末高校生』のネタバレあらすじと結末でした。
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