BLUE/ブルーの紹介:2020年日本映画。『ヒメアノ〜ル』『愛しのアイリーン』などの吉田恵輔監督が、自ら30年以上続けているボクシングを題材に執筆したオリジナル脚本を映画化したヒューマンドラマです。誰よりもボクシングに情熱を傾けながらも負け続きのボクサー、将来有望のボクサー、主人公の幼馴染の女性などが織りなす人間模様が描かれていきます。タイトルのブルーとは挑戦者が立つ青コーナーを意味しています。
監督・脚本・殺陣指導:吉田恵輔 出演者:松山ケンイチ(瓜田信人)、木村文乃(天野千佳)、柄本時生(楢崎剛)、東出昌大(小川一樹)、守谷周徒(洞口正司)、吉永アユリ(佐藤多恵)ほか
映画「BLUE/ブルー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「BLUE/ブルー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
BLUE/ブルーの予告編 動画
映画「BLUE/ブルー」解説
この解説記事には映画「BLUE/ブルー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
BLUE/ブルーのネタバレあらすじ:起
プロボクサーの瓜田信人(松山ケンイチ)は、ここのところ負け続けていました。爪田は誰よりもボクシングを愛し、誰よりも練習に励み、決して基礎を怠ることなくひたすら努力を続けてきたのですが、どうしても結果がついてきませんでした。それでもジムのトレーナーも務める爪田は、ジムの後輩への面倒見の良さなどから会長から高い信頼を寄せられている存在でした。
爪田のジムでの後輩でライバルでもある小川一樹(東出昌大)は、爪田が欲しがっていたものは全て手に入れたかのように順風満帆なボクサー人生を歩んでいました。小川は抜群のセンスと才能で着実に勝ちを重ね続け、ゆくゆくは日本チャンピオンのベルトも狙える位置までつけていました。瓜田の幼馴染で、爪田がボクシングを始めるきっかけとなった天野千佳(木村文乃)との交際も順調であり、ベルトを手に入れたら結婚しようと考えていました。
しかし、そんな小川も人知れぬ悩みを抱えていました。小川は試合でパンチを浴び続けたことによりパンチドランカー症候群の兆候が出てきており、時々、平衡感覚を失ったり、物忘れをしたりすることが多くなってきました。小川を心配する千佳は、爪田に小川にボクシングをやめるよう言ってほしいと頼みましたが、瓜田は「もし自分にチャンピオンになるチャンスがあるならどんな犠牲だって払う」と頼みを断りました。
そんなある日、爪田や小川のジムに新人の楢崎剛(柄本時生)が通い始めました。元々パチンコ屋でアルバイトをしていた楢崎がボクシングを始めたきっかけは職場の気になる女子・佐藤多恵(吉永アユリ)の気を引くため、多恵に気がある同僚への対抗心という軽い動機であり、同じジムの練習生である赤髪の洞口正司(守谷周徒)は明らかに楢崎をバカにしていました。それでも楢崎は爪田の熱心な指導を受け、毎日のようにジムに通っているうちにボクシングの魅力に引き込まれていき、本格的に強くなりたい、試合に出たいという渇望が強くなっていきました。
BLUE/ブルーのネタバレあらすじ:承
そんなある日、爪田と小川の次の試合が決まりました。小川は勝てばいよいよチャンピオンベルトの挑戦権が得られる重要な試合。そして爪田はこの試合も落としてしまいましたが、小川は勝利して遂に悲願の初タイトルに向けて大きく前進しました。
瓜田は小川と千佳が同棲しているアパートへ行き、タイトル戦に向けて小川のスパーリングの相手をしていましたが、下の階から苦情が来たため、小川は別のマンションに引っ越すことにしました。引っ越しの際、前の物件のエアコンのリモコンを持ってきてしまっていた小川はそれを返すため自転車を漕いでいたのですが、途中で急なめまいに襲われ、自転車ごと転倒してしまいました。小川のパンチドランカーは予想以上に悪化してしまっているようです。
小川はMRI検査の結果、医者からボクシングを辞めるよう宣告されましたが、それでもボクシングを辞めるつもりはありませんでした。小川は自分のスポンサーになっている運送業者で配達の仕事をしていましたが、トラックの運転中に体調が悪くなり、時々道端に停車して休むことが多くなりました。それでも運送業者の社長はタイトルマッチも近いこともあり、小川のことを多めにみてくれていました。
楢崎と洞口はプロテストを受けることになりました。その結果、楢崎は爪田の指導の甲斐あって合格しましたが、洞口は落ちてしまいました。ジムの会長はふてくされる洞口に、プロテストは基本ができているかを見るものであり、勝ち負けで見るものではないと諭しました。しかし、洞口は勝てれば基礎なんてどうでもいいと吐き捨て、負け続きの爪田を侮辱したことから、楢崎は洞口とスパーリングで対決することにしました。
最初のうちは優勢だった洞口でしたが、基本ができていなかったことが仇となり、楢崎に打ち込まれてダウンしてしまいました。意識の戻らない洞口は緊急入院、そのままボクシングから引退することとなりました。
BLUE/ブルーのネタバレあらすじ:転
遂に小川のタイトルマッチの日がやってきました。その日は前座試合として瓜田の試合と楢崎のデビュー戦が組まれていました。爪田の相手はプロテストに合格したばかりの30台の無名の新人でしたが、客席で見ていた小川は相手の構えからこの新人がキックボクシング出身であることを見抜きました。爪田は善戦しましたが、この試合もKO負けをくらってしまいました。
楢崎もデビュー戦で敗れ、いよいよメインイベントの小川の試合となりました。小川はこの試合に勝ち、遂に念願のチャンピオンベルトを手にしましたが、インタビューを受けた小川は明らかに呂律が回っていませんでした。
試合後、居酒屋で小川の祝勝会が開かれました。楢崎は勝てない爪田にアドバイスされても困ると八つ当たりし、千佳は楢崎に平手打ちをくらわすと「試合後でなかったらもっと叩いてるよ!」と吐き捨てました。
その後、爪田は小川や千佳と帰路につきました。別れ際、瓜田は小川に「俺はお前が負ければいいと思っていた」と本音を明かし、小川は「大丈夫っす。わかってたんで」と返しました。
翌日。爪田は誰にも告げずにひっそりとボクサーを引退しました。爪田は昨日の試合に負けたら引退すると会長に伝えていたのです。ジムのトレーナーも辞めた爪田は魚市場で働き始めました。
小川と千佳は結婚式を挙げましたが、瓜田は式場に現れませんでした。その後、小川の物忘れが酷くなっていることに気付いた千佳は次の防衛戦は中止にできないのか問いましたが、小川は戦う意思を固めていました。
BLUE/ブルーの結末
小川のタイトル防衛戦の日は前座試合として楢崎の次戦も組まれることになりました。楢崎対戦相手は爪田を引退に追い込んだ元キックボクサーでした。試合当日、楢崎は爪田から1冊のノートを送られていました。それには元キックボクサーの弱点や対策のアドバイスなどが事細かく書かれていました。楢崎は小川に、先日あれだけ爪田に酷いことを言ってしまったことを後悔していると語りました。
楢崎の試合が始まりました。爪田は最後部の座席からリングを見守っていました。最初のうちは相手のペースでしたが、楢崎は爪田からのアドバイスを思い返しながら調子を上げていき、ほぼ互角の展開を繰り広げました。試合は判定に持ち込まれましたが、楢崎は惜しくも敗れてしまいました。
小川の防衛戦が始まりました。小川は相手のパンチを受けてまぶたから流血し、それでも必死に食らいつこうとしましたが、レフェリーによりテクニカルノックアウト負けを通告されてしまいました。小川は「まだ出来る!」と叫び続けていました。
チャンピオンベルトを失った小川はそのまま引退しました。運送業者の社長ももう小川を特別扱いすることはありませんでした。小川はパンチドランカーの後遺症に悩まされ続けていましたが、ある日、仕事から帰ってきた千佳にシャドーボクシングをしているところを見られてしまいました。千佳は「まさかカムバックしようとしているんじゃないわよね」と釘を刺しました。
翌朝。千佳が目覚めた時には家には小川の姿はありませんでした。小川はランニングをしており、たまたまランニングをしていた楢崎と出くわしました。楢崎は小川はまだボクシングを諦めていないことに気付き、小川と並んで走り出しました。
その頃、魚市場で働いていた爪田は、仕事がひと段落すると人知れずシャドーボクシングに打ち込んでいました。
以上、映画「BLUE/ブルー」のあらすじと結末でした。
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