デスノート Light up the NEW worldの紹介:2016年日本映画。デスノートシリーズの前作から10年経った、正統続編としての新作デスノートは、原作にある、「人間世界に持ち込める死神ノートは6冊のみ」を使って、デスノート保有者同士のバトルロワイアルが行なわれる?そんな予感のする映画です。東出昌大、池松壮亮、菅田将暉が共演、夜神月とLの死から10年後の情報社会が舞台となる。
監督:佐藤伸介 出演:東出昌大(三島創)、池松壮亮(竜崎)、菅田将暉(紫苑優輝)、ほか
映画「デスノート Light up the NEW world(詳解版)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「デスノート Light up the NEW world(詳解版)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
デスノート Light up the NEW worldの予告編 動画
映画「デスノート Light up the NEW world(詳解版)」解説
この解説記事には映画「デスノート Light up the NEW world(詳解版)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
⇒デスノート Light up the NEW worldの簡単あらすじ解説はこちら。
デスノート Light up the NEW worldの紹介
漫画「デスノート」は2003年12月から2006年5月まで連載されたコミックス12巻の話ですが、アニメ化もされています。2006年10月から2007年6月までの37話です。そして映画は前編が2006年6月、後編が「the Last name」が11月に公開されています。特に後編はLが勝利すると言う原作では出来なかったラストを迎えたために、評価が高く、2008年2月に「L change the world 」(Lに残された23日間という映画オリジナル展開)が公開されました。なので、アニメも映画も原作が終了した後にメディアミックス化したわけです。
それから10年経って、正統続編としての新作デスノートは、原作にある、「人間世界に持ち込める死神ノートは6冊のみ」を使って、デスノート保有者同士のバトルロワイアルが行なわれる? そんな予感のする映画です。実際、どうかは、あらすじを使って説明してみようと思います。
なので、原作やアニメ、また2015年7月に放送されたTVドラマ「デスノート」の設定とは微妙に違っています。そのため、10年前の映画である、2006年版の前後編を今回の映画登場するLの後継者・竜崎によって、10年前のキラ事件を振り返る構成の特別版を「逆転の天才」という形で、映画「LNW」の公開前日に放送できました。
ネットで今回のキャラクター3人を掘り下げたドラマ「新生」「意志」「狂信」も9月から配信されています。2カ月1位を独占した「君の名は。」を2位に引きずり落とした「LNW」ですが、ネットでは酷評されることが多いです。でも、5つ星中、3.3なので66点はあるわけです。(今は変わっているかもしれませんが)
後、今回の佐藤監督は、2011年の実写版「GANTZ」前後編や2013年と2015年に「図書館戦争」の監督をしています。なので、アクションの方が得意な監督さんと言えます。また、日本テレビのゼネラルプロデューサーの奥田誠治さんは、金曜ロードショーでジブリ映画を流すようにした人であり、その娘さんは「千と千尋の神隠し」の千尋のモデルです。(当時、宮崎駿監督の小さなガールフレンド(11歳)のために作った映画と言われてた)
ジブリ映画が振るわなくなった分、今回の「LNW」の興収は息を吹き返せたのではないでしょうか?ただ、日本テレビは「君の名は。」に一切、出資してないので、放映権料は興収の10分の1という相場的に、最低でも16億円ということになりそうです。ただ、間もなく、宮崎駿監督がフル3DCG作品で復活する話もあるので、ジブリ復活もありえるのかもしれません。
デスノート Light up the NEW worldのネタバレあらすじ
■地獄の始まり
10年前、キラこと夜神月が起こした凶悪犯罪者に大量粛清により、一時的に凶悪犯罪は減少しましたが、世界的探偵Lの自己犠牲により、キラが倒されたことで、再び凶悪犯罪が増え、それは世界人口の激減に影響する物でした。死神は人間の寿命を奪うことで寿命を延ばしているので、人類に絶滅されては困るのです。それを憂慮した死神大王は、キラの後継者を探すために、6冊のデスノートによって、人口調整をはかろうとするのです。暗黒で岩だらけの死神界から6冊のデスノートが降ってきます。(人間界に持ち込めるデスノートは6冊という設定は、原作で提示されながら、使われなかった設定です。そして死神大王が、キラの後継者云々の設定は、原作者の大場つぐみ先生が新たにつけ加えた新設定とパンフに書かれています)
ロシア・ウラジオストック。雪の降る中、家に入ろうとしたアレクセイは、物音で後ろを振り向きます。それは黒いノートでした。開くとロシア語で、こう書かれていました。「このノートに名前を書かれたものは死ぬ」アレクセイは冗談かと思いました。そして、上から落ちてきたような気がして、上を見上げますが、何もいません。それでも、誰かの落し物かもしれません。拾って、一緒に持っていくことにしました。
さて、アレクセイは医者です。そして、彼の患者は、死にかけていました。その患者は言います。「殺してくれ」と、幾ら寿命がいくばくもないとしても、そんなこと出来るわけありません。そこで、デスノートのことを思い出しました。「名前を書くだけで40秒後に心臓麻痺で死ぬ」という文面を思い出したからです。「○○氏に、安らぎを与えてください」 当然、何も起こりません。信じていたわけではないので、やはりイタズラだったと思っただけですが、30秒後、患者は、急におかしなうめき声をあげて、そして、その10秒後にはピクリとも動かなくなってしまいました。アレクセイは、デスノートが本物であることを知ったのです。(安楽死させるためにデスノートを使う発想は面白いです。)
一方、日本・東京では、夜神月の父親である夜神総一郎がキラ対策本部を存続させて亡くなっていました。(よくデスノート犯罪が起こらなかった10年の間も存続していたものです。)後に、デスノート対策本部として、機能することになります。そして、通報がありました。「渋谷で、デスノートを使ったと思われる通り魔殺人が多発している。被疑者と交戦する可能性もある。各員、対策をして急行されたし。」
この対策というのは、サングラスをかけ、口元を隠すと言う物。原作では、アゴから上が隠されていた場合、死神の目が無効化され、サングラスをかけたくらいでは、対策になっていないため、マジックミラー的に内側からは透過でき、外からはスモークを張ったヘルメットで顔を隠すように対策しないといけないのですが、それでは、誰が誰やら分からないから、こーゆー演出になったのでしょう。現場では、コートのフードをかぶったホットパンツの女が、すれ違うたびに、人が倒れ、その度に「通り魔だ。逃げろ」という怒号が起きていました。キラ対策室のエース、三島は、悲鳴を聞きつけ、件の女に近づいて行こうとします。
そして、後を追いかけてきた七瀬が言います。「三島くん、デスノート保有者への発砲許可は下りていない。」しかし、スクランブル交差点では、フードの女が「キラより面白いものを見せてあげる」というと、人々が次々と倒れ、車まで爆発炎上し、阿鼻叫喚です。三島は、かろうじて銃を下すのでした。しかし、そこに黒いひょっとこの面をかぶったパーマ頭の男が現れました。三島は気づき、叫びます。「竜崎、やめろ」でも、躊躇せず、竜崎と言われた男は発砲するのです。一方で、人ごみの中で、白いパーカーのフードをかぶりノートを書いている者がいました。「青井さくら」と書かれています。黒いひょっとこの男は、倒れた被疑者に近づき、黒いノートを奪い取り、その場を去りました。
三島は警視庁で、黒いひょっとこの男に追いつき、面を奪って言います。面をはずされた竜崎は、ひょっとこ顔をします。「竜崎、何故殺した」竜崎「俺じゃねーよ。俺が撃ったのは麻酔銃。あの女が死んだのは、デスノートだな」そこに、七瀬が走ってきて言います。「亡くなった被疑者の身元が判明したわ。青井さくら・無職。被疑者の死亡原因は、心臓麻痺。そして、竜崎が撃ったのは麻酔銃だったわ。」(麻酔銃を撃たれたことによって、ショックで心臓麻痺を起こした可能性もありますが、それを言うのは野暮です。)
■死神VS人間
竜崎が回収した黒いノートを巡って、会議が開かれることになりました。竜崎はICPO(国際刑事警察機構:インターポール)から派遣された、かつてLと呼ばれた世界的探偵の後継者です。そして、10年前のLが竜崎という偽名を名乗っていたので、現在、竜崎を名乗っているのです。当然、偽名です。松田が言います。「やべー。俺、本名のままだ。」(ちなみに、先代の竜崎ことLも東都大学で、月や海砂に接近する時は、通常のひょっとこ面をかぶっていました。)
三島はデスノート・オタクというだけあって、亡き夜神総一郎から受け継いだ知識を何十冊ものノートに記録していました。竜崎が黒いノートに素手で触った時でした。流石の竜崎も顔色が変わります。そして、あらぬ方向に向かって話しかけます。「お前、名前なんて言うんだ?」他の者は竜崎が何をしているのか分かりません。竜崎は、人の悪そうな顔でノートを他の者にも触らせようとします。「俺が何をしているか分からないって? オタクの兄ちゃんなら、分からないか?」 三島は気づきます。「まさか、死神?」 竜崎「ピンポーン。ほら触ってみ」 そこにいた全員がノートにさわり、死神の姿を見て、絶叫します。
死神は黄金の仮面をかぶったオスのようです。全員が見えるようになったことで、竜崎は再度質問します。「で、お前さん。名前は?」【ベボ】「じゃー、ベボ。今、人間界にデスノートは何冊あるんだ?」【6冊だ】 そういって、ベボは6本指の手を見せます。三島も気になったことを聞きます。「それ以上、持ち込まれる可能性はあるのか?」【人間界で使えるデスノートは6冊だ。それ以上、持ち込まれても機能しない。ただし、死神自身が持つデスノートは、カウントされない】竜崎「つまり、その6冊を全て集めて、封印してしまえば、デスノート犯罪は起きなくなるんだな。じゃ、死神、何のためにデスノートを持ち込んだ?」
ベボ【キラの後継者を探すため。】全員、騒然となりますが、ベボは消えてしまいました。結局、残された1冊のデスノートは三島が責任もって封印することになります。会議はお開きとなり、竜崎が黒いバイクでマンションに帰宅します。暗い室内の電気をつけるとそこには白い異形の者が立っていました。鳥や虫を合体させ、擬人化したような割と美形の部類です。竜崎は言います。「デスノートの所有者の権利を復活させる」 無造作にテーブルにノートを放りだすと異形が話しだします。【竜崎、一々面倒臭くない、それ。この部屋から出る時は、また放棄するんだし】 竜崎「アーマ。分かってるだろ?」【死神の目を持つ者に見られても、バレないようにするためだっけ? あなた、ノート使わないし、つまらないわ。あなた自身は面白いんだけど】そういって、アーマと言われたメス死神は、マスカットを一粒拾い上げて、長い爪で食べるのでした。
ここで、竜崎がノートを触る前からデスノートの記憶があるようにみえるのは、マンション照明の電源ボタンにデスノートの切れ端を張りつけてあるからだそうです。だから、月がやっていたように、コルセットで、常にデスノートを手離さないようにして記憶を無くさないようにしているわけではなく、本当にマンションから出たら記憶をなくしているようです。
■新生キラ
数日後、突然「キラ」を名乗る男からの電波ジャックがはじまります。スマホ・PC、全てのネット通信機器に映し出されたのは夜神月の映像でした。キラは言います。「キラの後継者は、名前を書くと死ぬ世界に6冊あるデスノートを捜せ。そして、現在、キラを探そうとしているLの後継者は名乗り出ないと、全世界の人間が裁きの対象になる」と脅かすのです。
キラの思想に共感する者もいます。上流階級の女性、喜世川春奈は「キラは、この世界に必要」といって絶命しました。彼女は、金持ちのために、貧困層を排除するために必要と発言したために新生キラに裁かれたのかもしれません。キラの思想では、善人が生き残るべきだからです。私欲で他人の死を望む人間は新世界に必要ないのかもしれません。
松田もその映像を見て「月くんだ。生きていたんだ。」というのですが、その時、なぜか死神リュークの顔を見るのです。後日、電波ジャックされた映像はキラウイルスと呼ばれることになります。新生キラと呼ばれる男は、サイバーテロリストです。既に、戦争地帯の各指導者に対してデスノートによる暗殺を実施し、戦争を停戦させることに成功しています。それよりも、竜崎は返事をすることにしました。Lの映像で。「キラを名乗る男よ。あなたのやっていることは犯罪です。これ以上は、互いに歩み寄って、話し合いをしましょう。パスワードは、あなたの死神の名前です。」
それをみた新生キラは、手を叩いて笑っています。「雑コラw」竜崎が用意したのは、Lの1枚写真に合成音声をつけただけだったからです。新生キラこと紫苑に、死神リュークは話しかけてきます。【どうするんだ?】 紫苑「まずは話し合いをして、相手の出方をみようか」そして、パスワード欄に「ryuk」と打ち込み、竜崎と紫苑のチャットが始まります。
デスノート対策班は、逆探知による、居場所の特定をするのが目的です。だから、三島は、竜崎に「できるだけ会話を引き延ばせ」と指示するのです。そこで、竜崎は音声による会話を提案します。紫苑としても、自分の声で話す気はありませんから、当然月の合成音声のままです。やがて、居場所が特定されました。東京23区内です。マンションの部屋番号まで特定できました。
ただちに、松田たちが急行します。そして、踏み込むのですが、もぬけの殻でした。紫苑がさっきまで折っていた提灯型の折紙が机の上に並んでいます。松田は、別の一室から「この場所も気づかれたか」という月の声を聴きました。そっと、扉を開けるとノートの切れ端の上にボイスレコーダーが置かれていました。ノートには「12月17日16時、松田桃太、笑顔で拳銃自殺」と書かれています。松田は死神の目対策として、スモーク型のヘルメットを着用していましたが、それを脱ぎ捨てました。そして、デスノートに書かれているように、部屋に飛び込んできた三島たちの目の前で笑顔で、こめかみに銃口を当て拳銃自殺するのでした。
一方、竜崎と紫苑の会話も終わっていました。「そちらの出方は分かった。こちらも行動を開始する」
松田同様、本名のままの対策本部長の須加原準郎が、デスノート対策本部の解散を一方的に告げます。七瀬が悔しそうです。「私、松田さんに、私の本当の名前言ってない。それにキラは、私の兄を…」 残った三島と竜崎は、言い合いをしてました。竜崎「1人の死は悲しみだが、大勢の死は統計に過ぎない。元々、こっちは日本の警察をあてにしていなかった。これからは俺は一人で動く。俺一人で解決してやる」そう言って竜崎は出て行ってしまいました。(この須加原準郎が操られている可能性もあるのですが、映画の中では、その指摘も操られてる描写もありません。)
しかし三島は、竜崎の発言に違和感を感じて、チャットの内容や、キラウイルスの分析を開始します。
実は、既に4人のデスノート所有者が判明していました。でも、いずれも死亡していて、遺留品にデスノートらしきものは見つかっていません。1人目は、青井さくら。渋谷で通り魔的にデスノートで大量殺戮をやってのけた女性です。そして、その所有していたデスノートは押収して、三島自身が封印しました。2人目は、映画冒頭に登場していたロシア人医師のアレクセイ。彼の周りでは彼の患者が心臓麻痺で亡くなる人が多く、警察もマークしていました。3人目はアメリカ人投資家のロジャー・アーヴィングです。
彼の会社は、ライバル会社の重役の事故死により、不自然に売り上げを伸ばしていました。そして、4人目は最高裁判事の御厨賢一です。彼は、凶悪犯罪者以外にもネットでキラ反対主義者の顔写真と名前を集めていて、デスノートによる裁きを行なっていましたが、宅配の配達人に化けた紫苑に操られ、警視庁で、Lの後継者を要求して、宣戦布告してバタフライナイフで自刃したのです。
つまり、警視庁にある、青井さくらが残した1冊をのぞけば、4冊が新生キラがデスノートを所有していることになります。でも、現在地球上に存在しているデスノートは6冊です。残り1冊はどこにあるのでしょうか? 三島は、漸く答えにたどり着きました。実は竜崎は、Lの画像に細工していたのです。「残り1冊は俺が持っている。取引して、それで決着をつけよう」
■竜崎の決意
竜崎がいつものように、マンションに帰ってきて、デスノートの所有権復活を宣言した時でした。明かりがつき、そこには銃を構えた三島が立っていました。「竜崎、やっぱりお前が最後の一冊を持っていたか」 竜崎「何故、気づいた?」三島「Lの画像を解析した。ノートを手放せ」 竜崎「俺はノートを使わない」 三島「嘘つけ。信じられるか」 アーマ【そうよ。彼は一度も書いてないわ】竜崎「俺はLと約束したんだ。Lは、キラを出しぬくためだったとはいえ、自分の寿命を縮め、デスノートを使ってしまったことを
後悔してた。だから、俺は誓ったんだ。Lの後継者を名乗り、Lを超えるためにはデスノートを絶対使わないと」三島は竜崎を信じたわけでもないのですが、次の竜崎の発言で、見逃すことにしました。「三島。俺を殺そうとしたら、俺の忠実なる親友のアーマがお前を殺すぞ。」アーマ【そうね。彼を殺すなら、あなたを殺すしかないわね】三島は出て行きました。アーマ【ところで、私は、あなたと親友だったかしら?】 竜崎「冗談だよ。その場しのぎの嘘。お前に俺の命を救う義理はない」アーマ【そうよね】 アーマが食べようとしていたマスコットを竜崎は奪って食べて出かけて行きまいた。
一方、三島は、警視庁に帰って、すぐに拘束されていました。どうやら、竜崎が通報したようです。でも、警視庁は別の容疑で、三島を拘束・尋問する必要があったのです。実は、夜神月には隠し子がいたのです。それを育てていたのは、弥海砂の裁判を担当していた魅上という検事でした。(漫画やアニメのように眼鏡をかけていません)そして、三島が、その捜査をしていたはずなのに、何故か、月の隠し子の報告をしていないのです。それは、怪しまれても仕方ないはずなのですが、三島は全く覚えがありません。
監禁されている三島を竜崎が解放に来ました。でも、それ自体が目的ではありません。三島が封印した、もう一冊のデスノートを金庫から出させるためです。竜崎「だから言ったろ。日本警察が利用できるなら利用してやる」 三島「今から取引するのか」竜崎「そうだ。キラの行方を追跡しろ」 三島「ついでに、お前も監視してやる」 三島は都内の監視カメラを一望に把握できる情報センターに案内されました。竜崎が去った後、「動くな。三島創。独房を抜け出して何をしている?」 どうやら、警察もバカじゃないようです。ゆっくり手を上げて後ろを振り向くと、そこにいたのはデスノート対策本部の元同僚達でした。七瀬もいます。「全てが終わったら、皆で本名で話し合いたいです」 三島「皆、力を貸してくれ」 結局、七瀬は、取引現場近くでジャミングが行なわれていないかの監視を、そして、黒元と浦上は、竜崎自体の尾行をすることになりました。
■弥海砂との接触
少し時間を戻ります。キラウイルスが世間にばらまかれた頃、松田が、死神リュークの姿を見たように、かつて第2のキラ容疑者だった、弥海砂にもデスノートの記憶が戻った可能性があり、デスノート対策班は監視を強化していました。しかし、いつも通りゴスロリの衣装をまとって、撮影会の後、マンションに戻ってきました。流石の警視庁もデスノートの記憶を失った海砂を容疑者ではない、海砂のマンションの中に盗聴器や監視カメラをつけることはできませんでした。その盲点をつかれました。(海砂の撮影会の間にかかっている歌はEDを歌っている安室奈美恵さんの挿入歌「Fighter」です。EDよりも、こちらが好きという人も多いようです。)
すると、テーブルには、ポテトチップスのコンソメ味の袋が置かれていました。その中から、どうやら携帯電話の呼び出し音がしているのです。海砂は、そのまま見続けているだけでしたが、勝手に会話がはじまります。月の声です。「再会を祝して、プレゼントを用意した。受け取ってくれないか」中には、デスノートが入っていました。ノートを触ると、死神リュークが見えます。【よう、ミサ。久しぶり】海砂は。マンションを出て、地下集車場の車に運転席に乗り込みます。しかし、後部座席にグレーのパーカーを着た男が座っていました。しかし、声は月です。「よく出来てるでしょ。このボイスチェンジャー。」(ポテトチップスのコンソメ味の袋は、月がLを欺くために、3万9800円の携帯テレビを仕込んでいたもので原作ファンなら、ニヤリとするシーンです。)
海砂「月は死んだわ。これ返す。」 紫苑「キラは生きていますよ。しかし、彼に会うためには、6冊のデスノートを集めて、貴方とキラの思い出の場所に行かなければいけない。」 海砂「だったら、あなたが行けばいいでしょ。キラと話したら、その場所も教えてもらっているはず」 紫苑「キラは、あなたにも思い出の場所に来てもらいたいそうです。だから、僕には、その場所を教えなかった。僕が6冊集めます。6冊揃ったら、思い出の場所に行きましょう。」
紫苑は車を降りました。しかし、監視しているはずの警視庁の映像には、何故か、海砂の乗った車が駐車場を走り出ました。紫苑は監視カメラに近づくとリモコンで、画像を切り替えました。そして、12月18日。紫苑は海砂に連絡を取りました。「今からLの後継者に会います。あなたには6冊のデスノートが揃う瞬間に立ち会っていただきたい」 海砂は迷いませんでした。
竜崎に紫苑から連絡が入りました。竜崎「どうする?」 紫苑「まず、互いのノートが本物か確認する。そちらは、ノートの切れ端をコインロッカー横にある紙袋の中に入れろ。こちらのは、ベンチの隙間に挟んである。」 竜崎「死神が見えたら、本物ということか」紫苑「そーゆーことだ」 紫苑は相変わらず、月の合成音声で会話しています。
結果、竜崎の入れたノートの切れ端を浮浪者が確認して、アーマの姿に驚き、竜崎もベンチの隙間にあった切れ端でリュークを確認しました。その頃、七瀬はジャミングを検知し、三島もまた、警視庁の情報センターで、ハッキングによる妨害により、監視カメラの映像チェックが出来なくなっていて、互いに復旧を急ぎます。その隙に、紫苑は姿を見せて、竜崎に接近し、デスノートの取引をしようとしていました。黒元と浦上は、三島と連絡がとれなくなって、独自判断で、紫苑こと新生キラを確保しようとします。
その時でした。2人は、弥海砂の姿を見ました。だが、それは同時に彼らも見られることでした。海砂は3度目の死神の目の取引をしていたのです。(海砂の寿命が80歳まであったとして、10年前を20歳とした場合、1度目は80-20=60÷2=30で60-30=30 余命は30歳。そして2回目の取引で、30-15=15。そして10年たち、30歳になった海砂の余命は残り5歳で、3度目の取引をしても、5÷2=2.5で、2年半の余命はあったと言うことです。)
死神の目があれば、たとえ偽名であっても、名前が分かります。竜崎は、「新井正幸」と書かれ、黒元と浦上も本名を書かれ、40秒後に心臓麻痺を起こし、次々に倒れます。でも、海砂は、紫苑を助けるために、死神の目を得たのではありませんでした。
海砂「月の写真を見たけど、やはり死んでいたわ。だから私は行かない。でも、あなたは、それを持っていって、月に会いなさい。場所は和歌山県、甲羅山山頂の ホテルよ」 漸く、七瀬がジャミングを発生していた機械を蹴り倒し、三島も監視カメラの画像を回復し、その場所だけは聞きとることが出来ました。
海砂は、尚、無差別に名前を書き続け、そして、最後に自身の名前を書いて息を引き取ります。書かれていたのは「弥海砂、12月18日16時、夜神月の腕の中で死ぬ」 「月は死んだ」と海砂自身が言ったことです。だから、ありえない死因は心臓麻痺にしかなりません。それでも、彼女の死に顔は安らかでした。彼女の理想の月に抱かれて逝けたのかもしれません。
■山中の邂逅
紫苑は海砂の言い残したホテルに着きました。すでに営業を停止していて、荒れ果てています。それでも、最上階の窓際にはソファーが置いてあったので、紫苑はそこに座ります。そして、リュークに言うのです。「リューク、死神の目の取引だ」思わず、リュークも聞き返します。【紫苑、デスノートを6冊手に入れた今、これ以上、誰を殺したいんだ?】紫苑「俺をキラにしたヤツだ」 衝撃の事実です。実は、紫苑自身も真キラの意志で動いていたのです。リューク【まー、俺は面白いからいいけど、本当にいいんだな】 紫苑「ああ、頼む」 紫苑の目に赤い光が宿ります。
そして、間もなく階段を登ってくる音がします。そこに現れたのは竜崎いや新井正幸でした。何故生きている?と疑問は生じますが、それよりも先に、デスノートに「新井正幸」と書きこみます。でも、竜崎は倒れません。「俺も知らなかったが、どうやら、俺は既にデスノートで名前を書かれているらしい。だから、それまでは死ねない。さあ、手を上げて、デスノートを手放せ」紫苑「僕をどうする気だ。」 竜崎「さあね。とりあえず、お前が待っているヤツを一緒に待つさ。そいつが、お前を操り、俺の名前をデスノートに書いた真のキラだ」 実際に、紫苑が持っていたリュークのデスノートの何ページか前には、新井昌幸の死亡日が数日先の日にちで書かれていました。そして、登ってきて扉を開いて現れたのは、三島でした。
三島「竜崎、生きていたのか」 紫苑「お前がキラだと?」 竜崎「三島創。お前は、夜神月がアメリカで産ました隠し子が、魅上によって、このホテルで育てていたことを知っていたはずだ。だが、たとえ夜神月の血を引いていようが9歳で、凶悪犯罪者を裁き続ければ狂ってしまう。結果、2人は自殺し、その時にお前はデスノートを手に入れたはず。」 三島「竜崎、何を言っている?」竜崎「論より証拠。はじまりのデスノート。リュークのノートを触ってみろよ。全てわかるはずだ」
言われるままにリュークのデスノートを触ります。一瞬、ホテルが消え、山中で紫苑と竜崎が倒れ、1人三島が雨に打たれている謎のシーンがあるのですが、三島はホテルの最上階にいて、2人も生きています。どうやら、三島は記憶を取り戻したようです。それでも、月のように開き直ったりしません。呆然としています。普通の人間は、デスノートによる大量殺戮をしていた記憶が蘇ると良心の呵責で苛まれるようです。それでもお構いなしに、リュークは言います。【よう、三島久しぶりだな。計画通りだろ?】
真相は、三島がサイバーテロリストを探してほしいと言って、リュークに紫苑を捜し出させ、その間に三島自身はデスノートの所有権を放棄し、記憶をなくしていたのです。しかし、自分の精神の脆弱さは計算外でした。つまり、所有権を放棄する前に三島が竜崎の本名「新井正幸」と書いたはずで、デスノートで操れる最大現の日にちは23日なので、竜崎の寿命もあと数日ということなのです。(少し、この辺が分かりにくいです。また、三島自身がどうやって、竜崎の本名を知ったかも不明です。所有権を放棄する前の三島も目の取引をして、寿命を減らしていたのかもしれませんが)そして、月の映像データも元々は隠し子のために残された映像でした。それを編集したのも三島です。そのデータを再編集したのが紫苑です。
一方、紫苑は、頭の後ろで手を組んでいましたが、月のように腕時計にノートの切れ端を仕込んでいて、針で指先をついて、自分の血で三島の本名を書こうとしています。三島創の本名は「中上亮」です。後、一書きで完成しそうな時でした。
そこに突然、攻撃ヘリが窓の外から銃撃をはじめました。全員、窓から離れます。地上部隊も階下からホテル内に侵入したようです。「即死」とだけ、ノートの切れ端を取り出して、紫苑は言います。「リューク、久々にアレやろうぜ」 リューク【アレか、いいぜ、やろう。】 死神の目対策でスモークを張ったヘルメットをかぶった特殊部隊SWATでしたが、リュークがヘルメットの紐を切り、ヘルメットを脱がしてしまうと、紫苑にも名前と顔が見えます。その連携で、数人を殺し続けますが、多勢に無勢です。
1人の名前を書く間に数秒かかり、その数秒間に他の兵士はフリーです。その瞬間に撃たれてしまったのです。腕や足を撃たれ、紫苑はデスノートの入ったトランクを竜崎に託します。「国がデスノートを奪いに来た。まだ、お前らが持っていた方がいい」
竜崎はふぬけてる三島を引きずり、トランクを持って逃げ出します。地下に下水施設があるようで、そのトンネルのようなところを逃げるのです。
一方、紫苑は、最後に一人でも道連れにしようと、腕時計のノートの切れ端に書こうとしますが、アサルトライフルの一斉掃射によって蜂の巣になり、奇妙な踊りのような動きを見せた後、絶命しました。(自身の自殺を書きこまなかっただけ、キラとして生きただけ。月とよりマシな最期だったのかもしれません)「デスノート補修者一名、排除。三島元捜査官と竜崎は逃走中。敵は史上最大の殺戮兵器を持っている。決して油断せず、容赦するな。」
■終わりなき戦い
三島は聞きます。「竜崎、何故、俺を助ける?」 竜崎「俺はデスノートに名前を書かれてしまった。だから、お前に託すしかない」
そこに七瀬が駆け寄ってきました。「ICPOの権限で、2人の射殺命令を取り消させたわ。だから、もう大丈夫。」2人は、ホッと息をついて、地面にへたりこみました。
そして、七瀬は言います。「私の本名は白戸彩香よ。」 三島「どうしたんだ? 急に」 七瀬「全て終わったら、本名で話そうと言ってたじゃない。私の兄は確かに犯罪者だった。でも、キラ、お前は許せない。」 七瀬は三島に向けて発砲します。しかし、竜崎がかばいます。「いてー。」その時、七瀬が銃を手離し、倒れました。竜崎が気づきます。「まさか?」上を見上げるとアーマがノートを持って立っていました。アーマ【アーマは竜崎にとって最高の親友】 竜崎は泣きじゃくっています。「な、バカやろう。俺はアレだけ、デスノートを使いたくないって。お前が命をかけても、あと数日で、俺も死ぬのに」しかし、アーマは【待ってるわ】と言い残し、砂となって消滅しました。
そして、特殊部隊に取り囲まれます。でも射殺されることはありません。2人は大人しく捕まりました。三島は、2人の兵に挟まれています。竜崎はいません。竜崎は別輸送車で治療中なのかもしれません。リュークに話しかけます。「6冊は全て、集められて一カ所に封印される。残念だったな。もう、人間界でデスノートは使えない」リューク【三島、お前は人間の欲望を甘く見ている。まだ、ゲームは終わらない。それじゃーな。】
三島は収監されています。数日後、三島の独房に竜崎が黒いひょっとこ面をかぶって、入ってきました。少し身体を引きずっています。三島「何しに来た?」 竜崎「冷たいな。今日は、誰かさんが書いた俺の死ぬ日だ。」 三島「恨み言を言いに来たのか?」竜崎「だから、言ったろ。お前は、俺の後継者だ。三島創は今日、死に、お前は今から竜崎として生きていくんだ」三島「だから、俺はデスノートの魔力に負けた人間」 竜崎「でも、今はそれを反省している。お前が俺を引き継ぐしかない。先ほど、国連の中立地帯である。ワイミーズハウスに輸送中だった6冊のデスノートがテロリストに襲撃され、4冊が焼けた。死神たちがやってくるぞ。じゃあな。手続きはしてある」 三島は立ち去ろうとしますが、最後に言い残します。「俺は中上亮だ」
竜崎も言います。「俺は新井正幸。お互い、平凡な名前だな」 竜崎は、黒いひょっとこの面をかぶり直し、トイレに座りました。看守は出て行こうとする三島を止めません。本当に話はついているようです。座っていた竜崎は、やがて、ゆっくりと身体を沈ませ床に横たわりました。
EDは安室奈美恵さんの「Dear Diary」がかかります。偽名を使っていたキャラクターは赤い文字で本名が記されます。三島創⇒中上亮:東出昌大。竜崎⇒新井正幸:池松壮亮。七瀬聖⇒白戸彩香:藤井美菜という風に。最後に月が現れて言います。「計画通り」
■あとがき
映画で登場する6冊のデスノートは全て黒でしたが、原作設定では、「赤や白い表紙のノートも存在」したようなので、それらの色の物もあってもよかったかもしれません。また、今回の映画は、1本であるために、悪が勝利という展開にはなりませんでした。その勧善懲悪ぶりが気に入らないと言う人も多いようですが、それは映画では無理なので、2次創作でやってください。
少し気になるのは、アーモが消滅したことによって残ったデスノートは人間界に残っているはずなので、その処分をどうしたのか?ということ。もし次回作があるなら、このアーモの残した1冊が3冊目になることになります。三島が竜崎として、まずやるべきことは、アーモのノートの回収からかもしれません。
竜崎篇のドラマでは、ニアも阪口大輔さんの声で登場してるようなので、次回作があれば、ツッコミキャラ(銀魂の新八なので)か、原作の2代目Lのライバルキャラの立ち位置として出てきそうです。
後、原作のルールに、「生後780日(2年50日)に満たない人間にはデスノートの効果が得られない」とか「6歳に満たない人間にデスノートを渡してはいけない」とあるので、リュークが人間界に再び来たのは、3年前という計算になります。また、「所有権放棄による記憶喪失は6回までが限界」で、それ以降は、それまでの記憶が戻ることはないので、竜崎の所有権放棄も6回以内ということになります。だから映画は1週間に満たない期間の物語なのかもしれません。また「所有権放棄をした場合は、490日(1年4カ月)以内に再び所有しないと所有権を失う」というルールもあります。今回は1週間から1か月に満たない物語なので、関係しません。
■監督・出演者
監督:佐藤伸介
三島創 :東出昌大
竜崎 :池松壮亮
紫苑優輝 :菅田将暉
七瀬聖 :藤井美菜
松田桃太 :青山草太
黒元晋 :竹井亮介
浦上衛 :大迫一平
須加原順郎 :金田明夫
青井さくら :川栄李奈
御厨賢一 :船越英一郎
アレクセイ :セルゲイ・ゴンチャノ
ロジャー・アーヴィング:セルゲイ・クワエフ
死神リューク:中村獅童 (声の出演)
死神アーマ ;沢城みゆき(声の出演)
死神ベボ :松坂桃李 (声の出演)
弥海砂 :戸田恵梨香
L/竜崎 :松山ケンイチ
夜神月 :藤原竜也
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