名探偵コナン 緋色の弾丸(ひいろのだんがん)の紹介:2021年日本映画。TVアニメ「名探偵コナン」の劇場版第24弾。4年に1度開催されるスポーツの祭典「ワールド・スポーツ・ゲームス(WSG)」の開催を控えた東京では、WSG開催に合わせて世界初「真空超電導リニア」が開通する予定でした。その完成パーティに来たコナン達でしたが、会場から突如スポンサー企業のトップが姿を消すという事件が発生します。企業のトップはコナン達の活躍により無事発見されたものの、直前に同様の事件が発生していたことがわかりました。実は15年前にもアメリカでWSG開催前に3人の企業のトップが誘拐される事件が発生しており、3人目の可能性がある企業のトップから小五郎の元に捜査依頼が舞い込んできました。そして真空超電導リニア開業日、ついに事件は動き出します…。
監督:永岡智佳 原作:青山剛昌 声優:江戸川コナン(高山みなみ)、毛利蘭(山崎和佳奈)、灰原哀(林原めぐみ)、赤井秀一(池田秀一)、毛利 小五郎(小山力也)、世良真純(日髙のり子)、沖矢昴(置鮎龍太郎)、石岡エリー(浜辺美波)、井上治(鈴村健一)、白鳩舞子(平野綾)、ジョン・ボイド(楠大典、ライアン・ドリース)、アラン・マッケンジー(チャールズ・グラバー)、ほか
映画「名探偵コナン 緋色の弾丸」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「名探偵コナン 緋色の弾丸」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
名探偵コナン 緋色の弾丸の予告編 動画
映画「名探偵コナン 緋色の弾丸」解説
この解説記事には映画「名探偵コナン 緋色の弾丸」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
名探偵コナン緋色の弾丸のネタバレあらすじ:起
15年前のアメリカ、ボストン。後ろ手に縛られた男性が町中を必死に走っていました。男性は駅の改札を飛び越え、停まっていた電車の中に足を踏み入れホッとした瞬間、後ろから胸を撃たれて死んでしまいました。死んだ男性を後ろから見下ろす1人のアジア系の男性。次の瞬間、電車の扉は閉まり、電車は死亡した男性を中に入れたまま走り去りました。
そして現代の東京。東京から名古屋まで25分で走り抜けるという世界初「真空超電導リニア」の完成パーティが開催され、コナンや蘭、灰原、そして少年探偵団の面々は、WSG東京のスポンサーである鈴木財閥トップ、鈴木史郎の娘、園子のコネでパーティに参加していました。真空超電導リニアは、東京で開催予定の4年に1度開催されるスポーツの祭典「ワールド・スポーツ・ゲームス(WSG)」の開催式に合わせて開通する予定となっていました。
真空超電導リニアに最初に乗るのは、WSG東京のスポンサーのほか、元FBI長官で国際WSG会長のアラン・マッケンジー、さらに一般から抽選で選ばれた人たちでした。光彦は、園子のコネでリニアのチケットを取れないかと提案しましたが、園子は「簡単には手に入らない」と提案を却下しました。そこへ史郎がやって来て「子供達の分を頼んでみる」と言い、光彦達は喜びました。そこへ、ホテルの職員がやってきて「ここに食事のワゴンを並べる」と申し出て、コナン達は場所を移動しました。
ごちそうを前にしてテンションがあがる元太達でしたが、その時突然会場の照明が消え、会場は暗闇に包まれました。コナンは青白い光を見て、その場所に行こうとしましたが、コナンを心配した蘭に手を掴まれました。そうこうしているうちに非常灯が点灯しますが、史郎が行方不明になったことがわかりました。園子は、旧知のジョン・ボイドに声を掛けますが、ボイドは史郎が行方不明になったと聞くと、顔色を変えて会場から出て行きました。
警察も呼ばれ史郎の捜索が始まりますが、史郎の行方は分かりませんでした。コナンから青白い光の話を聞いた目黒警部は、史郎はスタンガンで気絶させられ誘拐されたと判断しました。その時、コナンと一緒に会場にやってきた元太が「うなぎの匂いがする」と言い、それを聞いたコナンは、うなぎのかば焼きなどを乗せたワゴンが無くなっていることに気が付きました。
ワゴンに掛けられた布をめくると、ワゴンの下には人一人乗せられるだけのスペースがありました。史郎をスタンガンで気絶させた後、ワゴンの下に入れてワゴンごと運び出せば、誰にも気づかれずに史郎を会場の外に運び出すことができます。
警察は、ワゴンとそれを運んだホテルの従業員を捜索しましたが、コナン達は元太がうなぎの匂いを辿ることでワゴンの跡を追い、厨房でワゴンと史郎を発見しました。幸い史郎は、ケガもなく無事でしたが、犯人の姿を見ていませんでした。コナンは警察が「史郎は三塚社長と同じ供述をしている」と話すのを聞きました。
実は少し前に史郎のゴルフ仲間である菓子メーカートップの三塚社長が、突然誘拐され、すぐにゴルフ場のトイレで発見された事件がありました。コナンは、三塚社長、史郎というWSGスポンサーのトップが相次いで誘拐されたことに違和感を覚えました。そのころFBIは、15年前に起きたWSG連続拉致事件が、今度は東京で起きていることを察知しました。
名探偵コナン緋色の弾丸のネタバレあらすじ:承
阿笠博士の家にやってきた園子は、子供達に史郎を発見したお礼として仮面ヤイバーグッズをプレゼントしました。そして園子はもう1つのプレゼントとして、リニアのチケットを6枚持ってきましたが、この場にはコナンや灰原、蘭、園子、そして、歩美、元太、光彦と7人おり、6枚では1人リニアに乗れないことになります。そこで、阿笠博士が出したクイズに正解した人が早いもの順にチケットを貰えることにして、その結果、園子がリニアに乗れないことになりました。
阿笠博士の家からの帰り道、コナンは蘭達と別れると、沖矢昴が運転する車に乗り込みました。コナンは今回の誘拐事件に関連する件として15年前のWSG連続拉致事件を挙げると、沖矢昴は表情を変えました。15年前のWSG連続拉致事件とは、15年前WSBボストンが開かれる直前に、WSBボストンのスポンサーである日系菓子メーカートップ、シカゴの財発系企業のトップ、デトロイトの自動車会社のトップが相次いで誘拐された事件で、自動車会社のトップは自力で逃げ出した後、駅で射殺されましたが、そのほかの2人は無事解放されました。
この事件の犯人は、すし職人の石原誠という男性でしたが、石原誠はFBIに逮捕された後、犯行を否認しました。トップが誘拐された企業がWSBボストンのスポンサーを降りたため、犯行は、WSGの商業化に反対するテロと見られ、スポンサーを降りた企業は、テロに屈した会社としてアメリカ中から非難されました。そして、この事件の当時のFBI長官は、現国際WSG会長のアラン・マッケンジーで、さらに、それから4年後にWSG連続拉致事件の模倣犯があり、その時のFBI長官もアラン・マッケンジーでした。
この模倣犯は、犯人や共犯者が逮捕されて解決済みでしたが、FBIはさらなる模倣犯がこの東京で発生していると見ていました。15年前のWSG連続拉致事件と今回の誘拐事件は、誘拐された1人目は菓子メーカートップで2人目は財閥系企業のトップという共通点があり、今回の事件が15年前のWSG連続拉致事件の模倣犯であるとしたら、3人目は自動車会社トップである可能性が高くなります。
昴と別れたコナンが家に帰ったところ、事務所からボイドが出てくるところを目撃しました。ボイドは自動車会社のトップで、コナンは次に狙われるのはボイドであると確信しました。その日の夕食の時、蘭が自分やコナンがリニアに乗ると言ったとき、小五郎は持っていた味噌汁のお椀を落としてしまいました。小五郎の様子を見たコナンは、ボイドもリニアに乗るため、小五郎に何かを依頼したことを察しました。
実は、ボイドはバーで酔って見知らぬ客に三塚社長がゴルフに行くことや史郎がパーティに参加することを話したことがあり、2人が誘拐されたのは自分が原因かもしれないと思っていました。そのためボイドは、警察に事情を話すこともできず、秘密裏に小五郎に捜査の依頼をしたのでした。
コナン達はリニアの乗車説明会会場にやってきました。説明会は、日本WSG協会広報の白鳩舞子、リニア開発エンジニアの井上治、リニアの乗務員石岡エリーの3人により進行されました。リニア開通当日は、名古屋国際空港に集合し、空港内の病院で健康診断を実施後、駅に移動してリニアに乗り込み、最後は、WSG東京の開会式がおこなわれる芝浜スタジアムに到着することになっていました。つまり、ボイドはリニアだけでなく空港やスタジアムでも狙われる可能性がありました。
その後、コナンはFBI捜査官であるジョディ達に会いましたが、ジョディは「今回の事件はFBIが解決した事件の模倣犯であるため、FBI捜査官である自分達が犯人を捕まえる」と言いました。そしてキャメルは、赤井に狙撃用弾丸を渡すと言いました。コナンはジョディ達が犯人を殺す気であることに驚きましたが、ジョディは「FBIにはFBIのやり方がある」と、コナンの非難を一蹴しました。
リニアで事件が発生する危険があることから、コナンは元太達に同日開催される仮面ヤイバーショーのチケットを渡すことでリニアを諦めてもらいましたが、蘭の説得には失敗し、当日は蘭もリニアに乗ることになりました。
コナンは電話で昴からWSG連続拉致事件の犯人である石原のその後について聞きました。石原は、収監された刑務所ですでに死亡しており、残された石原の妻子は、石原の死後日本に帰国していました。コナンは参加者名簿を確認しましたが、石原の妻子の名前はありませんでした。昴は「2人は証人保護プログラムで名前を変えた可能性がある」と言いました。
名探偵コナン緋色の弾丸のネタバレあらすじ:転
集合場所の名古屋空港にやってきたコナン達は、近くの病院でリニアに乗る前の健康診断を受けました。その時、突如部屋の天井にある空調設備から白い煙が吹き出し、部屋の中は煙で充満しました。灰原は、これはクエンチだと言い、「このままだと全員死ぬ」と言うと、気を失ってしまいました。その後、蘭も気を失い、そしてコナンも気を失いました。
コナンが気を失う直前に連絡を受けた昴は、緊急事態が起きたことを悟りますが、その時、駐車場から急いで出ていく車を目撃しました。昴は急いで駐車場を出ようとしますが、同じく車を追跡しようとした世良真純が運転するバイクにぶつかりそうになり、間一髪避けると、出て行った車の追跡を開始しました。
気が付いたコナンは、助けに来た小五郎からボイドがいなくなっている事を聞かされました。コナンはボイドに密かに発信機を取り付けており、発信機の位置情報を頼りにボイドの後を追いました。コナンは昴にもボイドの位置情報を伝え、ボイドを追ってもらいました。昴は、世良真純のバイクに追いかけられていることに気付きますが、すぐに振り切りました。昴はコナンの情報からボイドがいると思われる東海コンビナートに向かいますが、昴の車を見つけた世良真純もその後を追いかけました。
そのころコナンは、灰原からクエンチについて説明を聞きました。MRIに使用されている超電導磁石を低温に保つために液体ヘリウムが使用されていますが、何らかの異常で温度が上昇したとき液体ヘリウムは爆発的に気化することがあり、これがクエンチと呼ばれる事象でした。MRI室に入った灰原は、MRIに使用されていた液体ヘリウムが、意図的に起こされたクエンチにより急激に気化したことを知りました。しかし、部屋にヘリウムが充満すれば、部屋の中にいる人は数分で死亡してしまいますが、コナンや蘭、灰原など部屋にいた人は全員無事でした。
実は、部屋に充満したヘリウムがすぐに屋外に排出されるよう換気システムが操作されていたことがわかりました。つまり、クエンチを起こした犯人は、人を殺す意思はなかったことになり、先に誘拐された三塚社長や史郎にも同様のことが言えました。
そのころ、昴はボイドがいると思われる倉庫に入りましたが、外からバイクが突っ込んできて、世良真純の襲撃を受けました。昴と世良真純が戦っている隙をついて、1台の車が倉庫から出て行きました。そして、昴を追ってきたコナンが倉庫にやってきて、旧知の世良真純がいることに気付き声を掛けますが、昴は車に乗って去っていきました。
実は、世良真純もボイドを追っており、目的が一緒であることを知ったコナンは、世良真純と共にボイドがいる場所に向かいました。世良真純は騒ぎがあった時病院のロビーにおり、2台のスーツケースを乗せたカートがクエンチの騒ぎの中、平然と去っていくことに違和感を覚え、ここまで来たのでした。
世良真純は、カートを運転していた犯人の顔までは見えませんでしたが、体格から男であると断定しました。ボイドがいると思われる地点に到着したコナンは、ベンチに寝かされているボイドを発見しました。救出されたボイドは、コナンに「犯人の顔は見なかったが、車に乗った時、隣に誰かがいた」と言いました。
病院での騒ぎからリニア体験乗車は中止となりました。新名古屋駅にいた小五郎の元に、白鳩舞子が慌てた様子でやってきて「マッケンジーがいなくなった」と言いました。コナンは灰原に連絡を取ったところ、リニアの体験乗車は中止となったこと、そしてマッケンジーが行方不明となったことを聞かされました。それを聞いたコナンと世良真純は、ボイドが言っていた車の隣にいた人物はマッケンジーではないかと考えました。
コナンは、これまであった出来事を振り返り、「万一の時が来てしまった、赤井さん」と電話で昴に言うと、新名古屋駅に行くように依頼しました。それを聞いた昴は「了解した」と言うと変装を取り、赤井秀一に戻りました。
コナンと世良真純は、病院でクエンチが発生したことで警察の警備が手薄となった新名古屋駅が危険と判断し、新名古屋駅に急行しました。15年前のWSG連続拉致事件では、3人目は駅で射殺されましたが、コナンは、今回は拳銃ではなくジャパニーズブレットと呼ばれるリニアが使用されると推理しました。リニアの出発式が開催された後、リニアの扉が閉まりかけた時、コナンがホームの上空に花火を爆発させて人目がそちらに向いた隙に、コナンと世良真純はリニアの中に滑り込みました。
コナン達はリニア車内でマッケンジーを探し始めました。コナンは、甘酸っぱい匂いがすること気に気付き、これはマッケンジーが持っていた栄養ドリンクがこぼれたものではないか、と考えました。コナンは腕時計で床を照らすと、車両の奥に向かってトランクの車輪の跡が浮かび上がりました。栄養ドリンクに入っているビタミンB2は蛍光物質のため、コナンは腕時計に装備されているブラックライトで床を照らしたのでした。
コナンは電話で赤井に「少しだけ待てるか」と聞きましたが、赤井は「タイムリミットだ」と言い、コナンは「わかった」と言いました。そして赤井はライフルで、すでに走り去ったリニアに向けて銃弾を発射しました。銃弾は真空トンネルのシャッターが閉まる前にトンネルの中に入りました。コナンは赤井に、もう1つ頼み事をすると電話を切りました。トランクの跡を辿っていたコナン達は、マッケンジーを発見しました。
名探偵コナン緋色の弾丸の結末
コナン達は電話で蘭達に、ボイドとマッケンジーが病院でクエンチが発生したときに誘拐されたこと、そして、その犯人はわかっていることを伝えました。コナンはジョディに赤井経由で依頼したことを実行するように依頼しました。ジョディはリニア体験乗車の参加者名簿に載っていた電話番号に一斉に発信しました。すると、体験乗車に参加するはずだった人たち、蘭達や新幹線に乗っている人、そして、コナンやマッケンジーの電話に着信がありましたが、1人だけ着信がない人がいました。
コナンはその着信がない人の名前、白鳩舞子を挙げると、そこへ真っ青になった白鳩舞子が現れました。白鳩舞子は「バッテリーが切れているから鳴らない」と言いましたが、コナンは「病院でクエンチを起こした時にスマホが異常となったため鳴らない」と白鳩舞子の言い分を否定しました。そしてコナンは、一連の事件の犯人は、白鳩舞子であると断定しました。
白鳩舞子は「スマホが壊れただけで犯人とすることはできない」と言いましたが、コナンは「白鳩舞子という名前が、15年前のWSG連続拉致事件の犯人である石原誠のアナグラム(いしはらまこと→しらはとまいこ)になっており、これは偶然ではない」と言いました。正体がバレた白鳩舞子は、拳銃を取り出しコナン達を威嚇しました。
15年前のWSG連続拉致事件の最初の事件である日系の菓子メーカートップが誘拐されたとき、白鳩舞子は石原誠と一緒にいました。つまり、アリバイがあるのにもかかわらずFBIは石原誠を逮捕し、石原誠は無実を叫びながら獄中で死に、母親と白鳩舞子は日本に戻りましたが、母親も心労で亡くなってしまいました。白鳩舞子は父親が逮捕された後、司法取引の証人保護プログラムにより名前を変えましたが、そのとき父親の名前を利用して白鳩舞子に改名しました。そして、7年前にWSGが東京で開催されることが決定され、マッケンジーがWSGの会長になることを知り、白鳩舞子はWSG協会に潜り込み、そして、ジャパニーズブレットと呼ばれるリニアを利用してマッケンジーに復讐することを思いつきました。
白鳩舞子はこの場でマッケンジーを殺そうとしますが、コナン達がマッケンジーをかばうように立ちはだかりました。しかしその時、リニアが一瞬速度を落とし、その衝撃でコナン達は床に倒れてしまいました。邪魔者がなくなったことで、白鳩舞子はマッケンジーに銃口を向けました。マッケンジーは白鳩舞子に「危険だからもっと離れて高いところから自分を撃て」と言いました。
白鳩舞子は少しずつ後ろに下がり、高い位置からマッケンジーを狙うように銃を構えました。その時、突如後ろから弾丸が飛んできて、白鳩舞子の肩を貫通し、白鳩舞子は床に倒れこみました。この銃弾は、赤井がリニア発車直後に撃ったものでした。赤井が撃った弾丸は、銀製の特別製で、真空トンネルに入った弾丸はスピードを落とすことなくリニアに迫り、そしてリニア車内の白鳩舞子の肩を貫通したのでした。
白鳩舞子は肩を撃たれましたが命に別状はなく、犯人が確保されたことで事件は解決したように見えましたが、まだ共犯者がいました。さきほどコナン達がマッケンジーの前に立った時、リニアの速度が落ちて白鳩舞子が撃ちやすい状況になりましたが、コナンと世良真純は、これは共犯者の仕業だと言いました。
それに犯人は、マッケンジーが入ったトランクを病院からリニアまでに運び込みましたが、これは男性でしかもリニアの関係者でもないと出来ることではありません。コナンは、ここで井上治を呼びました。クエンチやリニアの速度を遠隔で操縦するような芸当は、リニアのエンジニアである井上治しかすることはできない、とコナンは断定しました。
井上治は15年前のWSG連続拉致事件の最初の被害者となった菓子メーカートップの息子でした。WSGのスポンサーを降りた井上治の父は、アメリカ中から非難されたあげく菓子メーカーを追われました。井上治の家族の運命を狂わせたWSG連続拉致事件でしたが、井上治は「FBIは間違った犯人を逮捕して事件を終わらせた」と言いました。井上治は、WSG連続拉致事件の4年後に発生した模倣犯の犯人を、父親を誘拐した犯人グループの中にいたことをFBIに証言しましたが、FBIはそれを黙殺しました。そして、失意のうちに日本に帰国した井上治は、自分と同じ境遇にいた白鳩舞子を見つけ、今回の事件を計画したのでした。
井上治は、新幹線が新湊浜駅に到着しているときに、隙を見て新幹線から逃げ出しました。コナンはジョディに井上治の追跡を依頼しました。井上治は新湊浜駅に逃走車を準備しており、小五郎の追跡を振り切って車でいずこかへ去っていきました。ジョディや赤井は、井上治がどこに向かっているか検討しましたが、その様子を見ていた赤井の車に乗っていた羽田秀吉は、井上治はリニアを追っていると言いました。
コナンがスマホであれこれ指示をしているのを見た世良真純は「スマホを見せてくれ」と言いました。世良真純にジョディや赤井の存在を知られたくないコナンは躊躇しましたが、その時井上治が遠隔操作したことでリニアに爆発が起き、リニアのスピードが上がりました。コナンと世良真純はリニアの制御室で手動制御を試みますが、リニアのスピードは落ちませんでした。リニアのスピードが落ちても、超電導磁石で浮いている限りは危険はありませんが、井上治の遠隔操作によりクエンチが起こされて超電導磁石は機能不能となっており、リニアは姿勢を安定させることが難しくなっていました。
そのころ、リニアの終着駅である芝浜駅は、リニアが駅に衝突する恐れがあることから避難勧告が出され、WSGの開会式も中止となりました。コナン達はリニアの先頭車両にあるメインの制御室で制御を試みましたが、ブレーキは動きませんでした。そこへ灰原から連絡があり、コナン達は灰原の提案に乗ることにしました。
ジョディ達は、羽田秀吉の指示で井上治の車を追っていましたが、羽田秀吉の指示は常人には理解できないものばかりでジョディ達は困惑します。しかし、将棋六冠の天才的な頭脳を持つプロ棋士・羽田秀吉の指示により、ジョディ達は確実に井上治の車を追い詰めていました。そして井上治の車は、待ち伏せしていたジョディの前に現れ、銃を構えたジョディを避けようとした井上治の車は、柱にぶつかり横転して止まりました。
世良真純は後部車両の運転席に移動しましたが、コナンは先頭車両の先端に移動していました。世良真純はコナンの合図によりスイッチを押すと、後部車両にあった万国旗のパラシュートが開き、リニアのスピードが落ちました。そしてコナンは、サッカーボールをリニアの先頭めがけて蹴ると、リニアの先頭車両に穴が開き、それにより空気抵抗が増し、リニアのスピードがさらに落ちました。
リニアの前方車両は芝浜駅に突っ込む前に脱線して、芝浜スタジアムに突っ込みました。蘭や灰原はその光景を見てコナン達を心配しますが、コナン達は脱線していない後方車両に移動しており無事でした。
井上治はジョディにより逮捕されました。井上治は「15年前のWSG連続拉致事件の犯人は石原誠ではない」と言いましたが、ジョディは「犯人は石原誠だ」と言いました。実は、石原誠は、井上治が目撃した模倣犯の犯人の共犯でした。しかし、11年前の模倣犯で逮捕された時、司法取引で15年前の事件は不問になったことから、WSG連続拉致事件は、石原誠だけが犯人として公表されたのでした。
井上治はFBIの司法取引を非難します。しかしジョディは「井上治が日本に帰ってエンジニアとなれたのは、井上治がいうFBIの薄汚い司法取引の一種である証人保護プログラムで名前を変えたおかげである」と冷静に指摘すると、井上治はうなだれました。
リニアから救出されたコナンは世良真純に、「赤井の弾丸が白鳩舞子の肩にあたったのは偶然ではなく、コナンからマッケンジーに白鳩舞子の肩に弾丸が当たるように白鳩舞子を誘導するよう依頼したから」だと言いました。コナンは、たとえ凶悪犯でも殺したくはなかったのでした。
全ての事件が解決し、コナンと世良真純は、芝浜駅に向けてリニアの軌道の上を歩き始めました。
以上、映画「名探偵コナン 緋色の弾丸」のあらすじと結末でした。
「名探偵コナン 緋色の弾丸」感想・レビュー
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世良真純良かった〜!!
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過去に起きた拉致事件と今回起きた事件は関連していて、それに気づいたコナンが推理する瞬間は鳥肌ものです。
今回も赤井ファミリーが勢揃いで、コナンとの絡みがとてもおもしろいです。
映画の終盤はハラハラドキドキです。 -
コナンシリーズはどれも面白いですが、今回は赤いファミリーをテーマの映画でした。謎の多いファミリーであり、よく分からない・・・ということも多かったので、少し謎が解けたり、進展した気がしてよかったです。
他にも、オリンピックイヤーに合わせてか、スポーツの祭典をテーマにもしていたので、延期された映画ではありますが、今年公開されてよかったです。迫力満点のシーンや、ゾクゾクするシーンなど相変わらず見どころがたくさんです。 -
コロナによる上演延期を経て、待ちに待った最新作。期待を裏切らない演出に終始釘づけにされました。
今回の鍵を握る赤井ファミリーのアクションパートは必見です。今回も壮大な爆破シーンに息が詰まること間違いなしです。
また、上映後の次回作を仄めかすシーンもファンを楽しみにさせてくれます。 -
とても有名で好きなアニメで、延期されてようやく公開され、普段のアニメでなかなか家族そろっての登場をしない赤井ファミリーがそろって事件に向かっていくのがとてもワクワクします。
赤井さんのお母さんが一体何者なのかという点も気になるところです。 -
石原誠はただの共犯者であり、主犯は一人目を誘拐した、11年前に模倣犯とされた人物だろう。WSGの商業化を批判したテロならば、犯行を否定する意味はない。
いわば巻き込まれで逮捕され、主犯は司法取引で黙殺され、失意のままに獄中死した石原誠の復讐は、許されることではないがけっして意義がないわけではない。
アランマッケンジー一人を殺せば済む話を、余計なことをしたせいでリニアを脱線させ、WSGを中止に追い込んだコナンたちの行動はとんでもない悪だ。FBIは15年前も今も悪だ。
普通に面白かったです。^_^