デモニックの紹介:2021年カナダ映画。『第9地区』『チャッピー』などを世に送り出してきたニール・ブロムカンプによる異色のSFスリラーです。過去に凶悪犯罪を起こし、その後昏睡状態に陥った母の真相を探るため、娘はアバターとして母の意識と同期したバーチャル空間へと潜り込むのですが…。
監督:ニール・ブロムカンプ 出演者:カーリー・ポープ(カーリー)、クリス・ウィリアム・マーティン(マーティン)、マイケル・J・ロジャース(マイケル)、ナタリー・ボレット(アンジェラ)、テリー・チェン(ダニエル)、カンディーズ・マクルーア(サム)ほか
映画「デモニック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「デモニック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
デモニックの予告編 動画
映画「デモニック」解説
この解説記事には映画「デモニック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
デモニックのネタバレあらすじ:起
久しぶりに故郷へと舞い戻ってきたカーリーは長らく母アンジェラと絶縁状態でした。かつて看護師だったアンジェラは勤務していた老人ホームに放火して全焼させ、さらに教会で人々に毒を盛って21人以上を殺害した罪で有罪となり服役していたのです。カーリーはあれだけ優しかった母がなぜ凶行に及んだのか未だに理解できないままでした。
カーリーには女友達のサムと男友達のマーティンがいました。しかし、マーティンはアンジェラが事件を起こした直後から彼女には悪魔が憑りついているなどと発言しており、悪魔の存在を信じないカーリーはマーティンとは疎遠になっていました。
そんなある時、カーリーはマーティンから「会って話しがしたい」とのメールを受け取りました。カーリーはマーティンに会いに行くと、マーティンは医療新興会社「セラポール社」が主宰する医療患者などの集団に対して特定の質問を行い調査する「フォーカス・グループ・テスト」対象者の中にアンジェラがいることを伝えてきました。
アンジェラは刑務所内で発生した暴行事件により意識不明の昏睡状態に陥っているというのです。
カーリーは事情を探るべく、セラポール社の科学者ダニエル(テリー・チェン)とマイケル(マイケル・J・ロジャース)に会って話を聞きました。
ダニエルとマイケルはアンジェラの意識は身体の中に“閉じ込められている”状態だと語り、対象者の意識と繋がっている仮想空間「シミュレーション」の中ではアンジェラは非常に活発に行動しており、カーリーとマーティンの名前を繰り返し呼んでいると伝えてきました。
デモニックのネタバレあらすじ:承
ダニエルとマイケルは、カーリーにも「シミュレーション」の中に入ってアンジェラの心の中に入り、会話をする気はあるのかと尋ねてきました。
カーリーは二人の提案を受け入れ、全身をスキャンしてアバターとしてアンジェラの「シミュレーション」空間内に入りました。そこは本物とCGの合成が混ざりあったようなリアリティーある世界ながらもどこか違和感のある空間でした。
カーリーは空間の中で、かつて幼い頃に住んでいた実家を見つけました。カーリーはその中でアンジェラと再会を果たし、なぜあのような事件を引き起こしたのかと怒りながら問い質しましたが、アンジェラは怯えた表情で「ここから出ていって。あなたを危険にさらしたくない」とカーリーを追い出そうとしました。
カーリーは仕方なく「シミュレーション」から現実世界に戻り、帰宅することにしました。その夜、カーリーはカラスの死骸で象られた奇妙なシンボルを見つけるという悪夢にうなされました。
カーリーはアンジェラの真意を確かめるため、再び「シミュレーション」の中に入りました。そこには最初に訪れた時にはなかったトンネルがあり、その先にはかつてアンジェラが働いていた古い療養所がありました。
カーリーはそこでアンジェラと会い、なぜ自分とマーティンを呼んだのか尋ねてみました。アンジェラは二人を呼び出したのは自分ではないと言ったところ、突然アンジェラの身体は宙に浮かび上がり悲鳴を上げ出しました。
カーリーはダニエルとマイケルから現実世界に戻るよう指示されましたが、無視して療養所の中に立ち入りました。すると奥の暗がりから鳥のような悪魔らしき化け物が現れ、カーリーに襲い掛かって腕に切りかかってきました。
カーリーは必死に逃げて現実世界に戻ると、現実のカーリーの腕にも「シミュレーション」内で受けたのと同様の傷がついていました。カーリーはダニエルとマイケルに二度と「シミュレーション」に参加しないと伝えてセラポール社を後にしました。
デモニックのネタバレあらすじ:転
カーリーはマーティンと会い、自分が「シミュレーション」の中で体感した出来事を話しました。マーティンは自分もカーリーと同じ悪夢を見たことを明かし、アンジェラは既に悪魔に取り憑かれて操られている状態ではないかと自説を語りました。
続けてマーティンは、バチカンが設立した悪魔退治の特殊部隊の話を始めました。バチカンはセラポール社のような医療会社を買収し、一見病状に苦しんでいるように見える患者の中から悪魔に取り憑かれている者を探し出して悪魔を退治しているというのです。
マーティンはカーリーにバチカンを頼ってみてはどうかと勧めましたが、マーティンの話が信じられないカーリーは話を断って帰っていきました。マーティンはカーリーが既に悪魔が取り憑かれているのではないかと疑いを抱きました。
その夜、カーリーのことが気がかりなサムは彼女の家を訪れましたが、カーリーはサムを追い出してしまいました。しかしその後、サムは鳥のマスクを持って再びカーリーの前に現れ、「森で私を探して」と告げるとマスクを被りました。
突然サムはカーリーに襲い掛かり、カーリーは寝室に閉じ籠もりましたが、クローゼットから「シミュレーション」で見たのと同様の悪魔が現れて襲いかかってきました…。
…カーリーは悪魔に襲われた瞬間に目を覚ましました。夢か現実か、カーリーは急いでサムの家に駆けつけると、そこにはダニエルとマイケルの姿がありました。実はダニエルとマイケルはバチカンの神父であり、悪魔退治の特殊部隊の一員だったのです。
ダニエルとマイケルは、昏睡状態のアンジェラに取り憑いた悪魔はカーリーを誘い出して取り憑き、カーリーにもアンジェラにさせたような凶悪犯罪を起こさせようとしているのだと語りました。サムは家の中におらず、カーリーはマーティンに助けを求めてサムを捜しに森の中へと入りました。
デモニックの結末
サムは放心状態のままで発見されました。サムはアンジェラは何者かによって療養所に連れて行かれたのだと説明し、カーリーとマーティンはサムをマーティンの車に乗せてアンジェラを捜すために療養所へと向かいました。
療養所には特殊部隊も駆け付けていましたが、カーリーたちが到着した頃には既に特殊部隊は壊滅させられ、ダニエルも瀕死の状態でした。ダニエルはマイケルが悪魔に取り憑かれて隊員を皆殺しにしたことを語り、カーリーに悪魔を退治するための“聖なる槍”を授けて息を引き取りました。
カーリーはアンジェラを救い出すため「シミュレーション」の中に入りました。そこには悪魔から解放され、元の優しさを取り戻したアンジェラの姿がありました。アンジェラはカーリーと和解を果たし、カーリーに看取られて安らかに息を引き取りました。
現実世界に戻ったカーリーは、マーティンの車が炎に包まれているのを目の当たりにしました。車に乗っていたサムは焼死してしまい、カーリーは療養所の奥に進むと、そこでは悪魔に取り憑かれたマイケルがマーティンを拷問していました。マイケルに追われたカーリーは一瞬の隙をついて聖なる槍をマイケルに突き刺しました。
マイケルは死に、悪魔は今度はカーリーに取り憑いてしまいました。カーリーは必死に憑依に抵抗し、自らの身体に聖なる槍を突き刺して悪魔を退治することに成功しました…。
…カーリーは病院で意識を戻しました。カーリーはマーティンに悪魔の話を信じなかったことを謝罪し、そしてアンジェラの墓に花を手向けました。
以上、映画「デモニック」のあらすじと結末でした。
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