エリカ38の紹介:2019年日本映画。「女の本性ってなんですか?」実際に起こった詐欺事件をモチーフに、2018年に他界した樹木希林が盟友・浅田美代子の45年ぶりの主演作となる本作を彼女の代表作とすべく自ら企画した渾身のサスペンス作品です。実年齢を20歳以上も詐称し、欲望の赴くままに犯罪を重ねていき数億円を巻き上げたひとりの女の壮絶な人生を描きます。
監督:日比遊一 出演者:浅田美代子(渡部聡子/エリカ)、樹木希林(渡部薫)、平岳大(平澤育男)、窪塚俊介(橋本弘)、山崎一(玉木亮介)、山崎静代(小島まさえ)、小籔千豊(工藤周平)、WORAPHOP KLAISANG(ポルシェ)、佐伯日菜子(玉木香代子)、真瀬樹里(中井亜紀)、小松政夫(田中収三郎)、古谷一行(竹田正道)、木内みどり(伊藤信子)ほか
映画「エリカ38」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エリカ38」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エリカ38の予告編 動画
映画「エリカ38」解説
この解説記事には映画「エリカ38」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エリカ38のネタバレあらすじ:起
渡部聡子(浅田美代子)はクラブホステスをする傍ら、海外製のサプリメントの販売も手掛けるやり手の女性でした。そんなある日、聡子はサプリの売買を通じて知り合った伊藤信子(木内みどり)という自称会社経営者の女性を介して「社団法人ルトックス」の代表を務める平澤育男(平岳大)なる男と出会いました。世界を股にかけて発展途上国の支援事業や資金管理のビジネスを手掛けているという平澤の話に夢中になった聡子は彼の事業を手伝うことにしました。
平澤は事業紹介と資金確保のためと称して定期的に“支援事業説明会 ”を催しており、平澤は巧みな話術で参加者の心を鷲掴みにして莫大な資金を集めていました。その内容は実体のない架空の投資話なのですが、平澤は聡子にも支援者の心を掴みつつもバレないよう即座に資金を回収して証拠も残さない手口やコツを仕込んでいきました。
エリカ38のネタバレあらすじ:承
クラブを辞めた聡子は本格的に説明会の資金集めを手伝うようになり、平澤とは愛人関係となっていきました。やがて聡子は裏方だけには飽き足らず、自ら説明会でマイクを手にして壇上に上がり、持ち前の妖艶さと話術で巧みに支援者たちを口説き落としていきました。
そんなある日、聡子の話術にまんまと嵌った会社経営者の田中収三郎 (小松政夫)が声をかけ、聡子とデートを重ねるとポンと3000万円もの大金を出資しました。その後も出資者から大金を巻き上げて行った聡子はブランドバッグを買いあさり、エステやネイルサロンなどに通い、高級外車を乗り回し、ホストクラブで派手に遊び回る日々を過ごすようになりました。やがて資産家の老人・佐々木修(岡本富士太)を騙して同居する豪邸を手に入れ、老人ホームに入居していた母・薫(樹木希林)を住まわせ、家政婦の 小島まさえ(山崎静代)を雇いました。そんなある日、聡子は平澤が支援者のひとりである中井亜紀(真瀬樹里)という女性と交際していることが発覚。聡子は探偵を雇うなどして平澤の動向を探ってみると、何と平澤は複数の女性と関係していました。かつて家庭を顧みなかった父の姿が平澤に重なった聡子は平澤との一切の関係を断ち切り、独自に架空の投資話で荒稼ぎするようになっていきました。
エリカ38のネタバレあらすじ:転
支援者から2000万円を騙し取った聡子はタイへ海外旅行に出かけ、本能のままに繁華街などで派手に豪遊しました。そんな時、聡子は金を盗んだ容疑をかけられたポルシェ(WORAPHOP KLAISANG)という親子ほど年齢の離れた青年と出会い、ポルシェの金を肩代わりした聡子は“エリカ”という偽名を名乗って彼と恋に落ち、蜜月のひと時を過ごしました。
ポルシェと再会する約束を交わして帰国した聡子は実年齢を20歳以上もサバ読みして“38歳”と騙り、詐欺に豪遊にやりたい放題でした。ところが、聡子に騙されたことに気付いた出資者の玉木亮介(山崎一)が怒鳴り込み、シラを切る聡子に「死んでも許さんからな」と迫りました。その後、佐々木は謎の死を遂げ、聡子が殺したのではないかとの噂が流れました。やがて聡子の元には多くの出資者が金を返せと上がり込み、玉木の妻・香代子(佐伯日菜子)は夫が首を吊ったことを告げると「あなたが憎い」と言い放ちました。その頃から聡子は資金繰りに行き詰まるようになり、まさよも豪邸を去り、電気も止められて生活に困窮するようになっていきました。
エリカ38の結末
聡子は伊藤に電話をかけましたが既に繋がらず、聡子は自分が伊藤と平澤にまんまとハメられたことに気が付きました。聡子は茫然自失となり、一時薫との心中も頭をよぎりましたが、聡子は薫を老人ホームに戻すとなけなしの金をはたいてタイに飛びました。
ポルシェと再会した聡子は再び甘いひと時を過ごしましたが、既に警察の捜査の手は聡子に近づいていました。ある日、遂に聡子は現地の警察に逮捕され、そのまま日本へと強制送還されていきました。マスコミに囲まれた聡子は悪びれることなく自分も被害者のひとりだとのたまいました。
聡子のノンフィクション本を書くことにしたライターの橋本弘(窪塚俊介)は関係者や被害者らを取材するうち、誰一人として聡子を責める者がいないこと、そして聡子もまた平澤に翻弄された被害者だったのではと思う人が多いことに気が付きました。橋本はポルシェを取材するためタイに飛ぶと、ポルシェは“エリカ”が買ってくれた豪邸に新恋人と住み、“エリカ”からもらった金で定職に就かず生活していました。
刑務所に服役している聡子はメッキが剥がれたかのようにすっかり老け込んでいました。聡子は橋本がポルシェから預かった、感謝の気持ちを綴った手紙を受け取ると、過ぎ去った日々に想いを馳せていました。
以上、映画「エリカ38」のあらすじと結末でした。
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