映画「ジオラマボーイ・パノラマガール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ジオラマボーイ・パノラマガールの紹介：2020年日本映画。『ヘルタースケルター』『リバーズ・エッジ』などの岡崎京子の同名漫画を実写映画化した青春映画です。目まぐるしく変化する東京で、高校を辞めた男と出逢い恋に落ちる平凡な女子高生。しかし、二人の前には恋のライバルが…。山田杏奈と鈴木仁がダブル主演を勤め、ドラマ『全裸監督』で注目を集めた森田望智、スーパー戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』で主演を務める駒木根葵汰らフレッシュな顔ぶれが揃いました。
監督：瀬田なつき 出演者：山田杏奈（渋谷ハルコ）、鈴木仁（神奈川ケンイチ）、森田望智（マユミ）、滝澤エリカ（カエデ）、若杉凩（マル）、平田空（渋谷ナツ）、持田唯颯（タイラ）、きいた（リューヘイ）、遊屋慎太郎（キンヤ）、斉藤陽一郎（渋谷アキヒコ）、黒田大輔（山形先生）、成海璃子（神奈川サカエ）、大塚寧々（渋谷フユミ）ほか
この解説記事には映画「ジオラマボーイ・パノラマガール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
日々目まぐるしく変わり行く大都会・東京。平凡な16歳の女子高生・渋谷ハルコ（山田杏奈）は建設ラッシュが進む東京湾岸の高層マンションで、家族四人と共に暮らしていました。ハルコは親友のカエデ（滝澤エリカ）やマル（若杉凩）とつるんでは、いつかロマンチックな恋をしたいと語り合っていました。
そんなある日、ハルコはコンビニに買い物に出掛け、その帰りの途中で同年代くらいの若い男が路上に傷だらけになって倒れているところを発見しました。男の名は神奈川ケンイチ（鈴木仁）といい、高校を辞めると決意したばかりでした。このケンイチは街で年上の女性マユミ（森田望智）と出会い、彼女とお茶していたところをマユミの知人らしき男に見つかって暴行を受けたのです。
ケンイチは救急車を呼ぼうとするハルコを制し、ハルコは帰ろうとするケンイチに買ったばかりの漫画雑誌とお菓子を渡しました。ケンイチは、このお礼はいつかすると言い残してその場を後にしました。そこにはケンイチの学生証が落ちていました。
ハルコはケンイチの学生証を元に、彼が通う高校に行ってみることにしました。その際、ハルコはカエデとマルも誘ったのですが、カエデとマルは途中で帰ってしまい、ハルコだけが残されました。結局、ケンイチは学校に来ることはなく、ハルコは次は学生証に記載された住所へと向かいました。
ケンイチの家に到着したハルコでしたが、ケンイチの姉・サカエ（成海璃子）に不審者扱いされました。何とか誤解を解いたハルコは、ケンイチ姉弟の父親は既に亡くなっており、母親も病院に入院中だと聞かされました。
ハルコはトイレに行くフリをしてケンイチの部屋に忍び込みますが、そこにケンイチが帰ってきたので咄嗟にベッドの中に隠れました。ケンイチに見つかってしまったハルコは、すっかり彼に惚れ込んでしまいますが、ケンイチが惚れていたのはマユミの方でした。
ケンイチはとあるホテルでアルバイトをしていました。同僚の外国人はテレビのニュースを観ては政情に不安を抱いていましたが、ケンイチは「世界がどうなろうと知ったこっちゃない。女がいればそれでいいんだよ」とあっけらかんでした。
数日後、ハルコはサカエに誘われて、とあるライブイベントに行くことになりました。ハルコは最初のうちは自分はまだ高校生だからと断ったのですが、ケンイチも行くと聞かされたのです。ハルコは母・フユミ（大塚寧々）にはカエデの家に泊まると嘘をつき、おめかしをしてマルと一緒に渋谷の会場へと向かいました。マルが男と話し込んでいる時、ハルコの前に現れたのはあのマユミでした。マユミはハルコに口紅を塗ってあげ、更にはイヤリングまでくれました。これまで不機嫌だったハルコは気持ちが晴れて、ウキウキとなりました。
しばらくしてその場にケンイチが現れましたが、ケンイチはハルコには振り向かずに、他の女と仲良くし始めました。そしてケンイチがその女とキスをしたのを目撃したハルコは思わず会場を飛び出し、ビルの屋上に駆け上がりました。ハルコはそこで酒を飲んでいた大学生の男を誘い、渋谷PARCOの前で興奮したように話をしました。ハルコは大学生に思わずキスをされ、我に返って逃げるように立ち去りました。
翌朝、ハルコはカエデに会い、昨晩の出来事の一部始終を語りました。ハルコは、ケンイチに女がいるかもしれないことになぜ思い当たらなかったのだろうかと振り返りました。その後、ハルコとカエデは盗んだ自転車で二人乗りしているところを警官に見つかってしまい、更にはハルコは未成年者であるにもかからわず、酒を飲んでしまったことまでもバレてしまいました。
ハルコはフユミと喧嘩をしてしまい、学校も3日間の停学処分となったうえに、決まりかけていた大学推薦話も取り消しになってしまいました。カエデはそんなハルコを励まそうと、ハルコの妹・ナツ（平田空）やその友人も交えて、建設中の高層マンションの一室を“秘密基地”として忍び込むことにしました。
カエデは実は密かにハルコに想いを抱いており、ハルコが好きでもない人とキスしたことを聞いて妬いていることを打ち明けました。ハルコはそんなカエデにキスしようとしましたが、カエデは小声で「ビッチ」と呟くと部屋を出ていきました。
一方、ケンイチもマユミとの交際を続けているかのように思えましたが、マユミは金を払う男となら誰とでも寝るような女であり、ケンイチはそのことに苦悩していました。やがてマユミは海外へと旅立ってしまい、ケンイチは深く落ち込んでしまいました。
学校でカエデと会ったハルコは、彼女から借りていた小沢健二のCDを返し、話をしようとしました。カエデはあえてその話題を避けると、ハルコの17歳の誕生日会をしようと提案しました。場所はあの建設中のマンションの“秘密基地”であり、いつもの仲間たちと共にささやかなパーティーを催していると、そこにケンイチがやってきました。
実はカエデたちはサプライズとしてケンイチを招こうと計画していたものであり、わざわざケンイチの働くホテルに足を運んで、パーティーに出てくれるよう頼んでいたのです。喜ぶハルコでしたが、ケンイチはハルコのことを覚えていませんでした。
ケンイチは仲間たちから事情を聞かされ、ようやく少しずつハルコのことを思い出していきましたが、その場は気まずそうな雰囲気が漂っていました。パーティーが終わり、ハルコとケンイチが撤収を始めると、カエデたちはそっと部屋を後にしました。
翌朝、ハルコとケンイチはこの部屋で眠っていました。一足先に目を覚ましたハルコは帰りの始発電車に乗るため駅に向かうと、そこにスケボーに乗ったケンイチが追いかけてきました。なぜ一人で帰るのかというケンイチに、ハルコは「朝が来たから」と返しました。
駅に着いた二人は始発を待っていると、ケンイチはハルコの誕生日を改めて祝うと「家と反対の方向に乗ってみない？」とハルコを誘いました。
以上、映画「ジオラマボーイ・パノラマガール」のあらすじと結末でした。
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