リバーズ・エッジの紹介:2017年日本映画。岡崎京子の同名漫画を映画化した青春ドラマです。ごく普通の女子高生とゲイでいじめられっ子の同級生を中心に、彼女らの周囲の歪んだ人間関係や欲望、そして焦燥感を炙り出していきます。
監督:行定勲 出演者:二階堂ふみ(若草ハルナ)、吉沢亮(山田一郎)、上杉柊平(観音崎)、SUMIRE(吉川こずえ)、土居志央梨(小山ルミ)、森川葵(田島カンナ)ほか
映画「リバーズ・エッジ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リバーズ・エッジ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リバーズエッジの予告編 動画
映画「リバーズ・エッジ」解説
この解説記事には映画「リバーズ・エッジ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リバーズ・エッジのネタバレあらすじ:起
高校生の若草ハルナ(二階堂ふみ)は、かねてからいじめを受けていた同級生の山田一郎(吉沢亮)を助けるために、深夜の学校に向かいます。暗い旧校舎の中を一人、山田を探すハルナ。かすかな物音がロッカーから聞こえます。ガムテープでぐるぐる巻きにされたロッカーから無事山田を救出。彼は手足を縛られた状態で閉じ込められていました。
彼氏で不良の観音崎(上杉柊平)が山田をいじめている主犯格だと知ったハルナは、翌日観音崎を問い詰めます。ハルナが山田をかばったことで、二人の関係を疑う観音崎。その後、山田は更に苛烈ないじめを観音崎から受けるようになり、ボコボコに殴られます。そんな山田を再び助けるハルナ。
山田は自分は同性愛者だと打ち明けます。しかし山田には、同級生の田島カンナ(森川葵)という彼女がいます。そのことをハルナが尋ねると、「彼女は何も知らない」と山田。田島はゲイであることを隠すためのカモフラージュでした。
山田は「助けてくれたお礼に、自分の宝物を見せる」と言い、ハルナを夜の河原へ連れて行きます。そこには、身元不明の白骨化した死体がありました。絶句するハルナに、「去年見つけた。今日みたいにボコボコにされた日、ここに泣きに来たんだ。そしたらこれがあった…」と山田。去年の秋頃にはまだ肉もついた状況でした。
しかし警察には通報していません。山田いわく、自分が生きているか実感が湧かない日々の中、死体を見ると自分が生きていることを実感できるのだと言うのです。そしてこの死体の存在を知っている人物が、山田の他にももう一人いました。それは、ハルナの1年後輩で現役モデルでもある吉川こずえ(SUMIRE)です。彼女も山田同様、偶然死体を見つけた一人でした。
その頃、観音崎はハルナの友人である小山ルミ(土居志央梨)と淫らな関係を持っていました。観音崎が持っていたクスリを使い、避妊せずに愛し合う二人。
リバーズ・エッジのネタバレあらすじ:承
屋上でハルナが授業をさぼっていると、こずえがやって来ます。校庭では男子生徒がサッカーをしていました。その中の一人を指さし「あの人が山田君のもう一つの宝物」とこずえ。
この頃学校で、河原に独居老人の残した遺産が埋まっているという、根拠のない噂が流れていました。放課後、生徒たちがスコップを持って河原へ向かいます。宝物である死体を発見されることを恐れた山田が、みんなを止めに入りました。するとみんなにボコボコにされてしまう山田。結局金が見つからず、みんなはそそくさと帰っていきます。
その夜、山田とこずえとハルナの三人で死体を隠すことに。真夜中にスコップで穴を掘り、死体を地中深くに埋めました。
休みの日、ハルナは観音崎とホテルでセックスに耽り、山田はカンナとデートで水族館を訪れます。用事があると言ってカンナと別れた後、山田は男と密会。その後、カンナとの関係に疲れた山田は、彼女を突き放す行動に出ます。突然の山田の行動に驚くカンナは、山田がハルナと親しくする姿を目撃し、二人の仲を疑うようになります。
カンナはハルナの下駄箱には「死ね」と書いた手紙が置き、無言電話を掛けるようになりました。
リバーズ・エッジのネタバレあらすじ:転
長い間学校を休んでいたルミが登校します。「今年の風邪は長引くよ」と、ハルナにはおどけて見せたルミですが、彼女には秘密がありました。何か月も生理が来ないのです。夜の河原にルミが観音崎を呼び出します。
中絶費用を請求するルミ。15万円もかかると知った観音崎は、「俺そんな金ねえよ」と絶句。しかし一部費用を出す約束をしました。するとルミが「ハルナはあんたのことなんか好きじゃないよ」と、観音崎を逆なでするようなことを言い、二人は口論となってしまいます。
殴られたルミは「あんたのことなんて誰も好きじゃない!」と言い放ち、それを聞いた観音崎が「やめろ…」とルミの首を締めました。しばらくするとルミが動かなくなり、動揺する観音崎。ふと横を見ると山田が立っています。
その頃、ハルナはこずえの家にいました。実はレズビアンのこずえは、ハルナへ密かに想いを寄せるようになっていたのです。仕事が忙しいこずえは、高校を辞めることを打ち明けます。そして過食嘔吐だと告白するこずえ。「私のこと嫌いになった?」と聞かれ、ハルナは「そんなことないよ」と答えます。するとこずえから、「私は好きよ」とキスされました。
一方山田は、ルミを埋めることを観音崎に提案。殺人を犯してしまった観音崎は強く動揺しますが、山田はいたって冷静です。二人で埋めるには時間がかかります。そのため、山田はハルナやこずえを呼ぶことにしました。
リバーズ・エッジの結末
山田から新しい死体があるので来るよう連絡を受けたこずえはうれしそうです。一緒にいたハルナと共に河原へ向かいます。
山田と観音崎がスコップを取りに行くなど穴を掘る準備を進めている間に、ルミが目を覚まします。死んだと思われていたルミですが、失神していただけでした。観音崎や山田が戻ってくる前にルミが家へ帰ります。
自分の部屋に入ると、引きこもりでオタクの姉がいました。姉が勝手に自分の日記を読んでいたことから喧嘩となり、逆上した姉がカッターナイフでルミに切りかかります。胸を切られたルミが逃げようとしますが、姉が追いかけてきて、そのまま何度もめった刺しにされました。
こずえとハルナが河原に到着。山田たちと合流しますが、ルミの死体はどこにもありません。動揺が止まらない観音崎は、ハルナを押し倒して体を求めました。呆れかえった山田とこずえがその場を立ち去ります。
直後、ハルナの住む団地で火災が発生。現場からは、高層階から転落死した損傷の激しい死体が見つかりました。この死体はカンナで、山田とハルナの関係を誤解したカンナが、ハルナの自宅に乱入。放火しようとした後に、自らが火だるまになって飛び降りたのです。
数日後、ハルナはルミのお見舞いに行きます。しかしルミに声を掛けずに病院をあとにしました。友人のルミが妊娠していたことも、姉がいたことも知らなかったハルナ。
団地にいずらくなったハルナは、母親と引っ越すことに決めます。荷物をまとめていると、観音崎が手伝いに来ました。「明日学校があるから見送りに行けない」と観音崎。彼と別れた後、山田が現れます。
山田はウィリアム・ギブスンの詩集をくれました。山田は、最近カンナの亡霊が見える気がすると話し、「生きている頃よりも、死んだ彼女のほうが好きだな」と言います。それを聞いてショックを受けるハルナ。生きている人間よりも死んだ人間のほうが好きなのかと聞かれた山田は、自分にも好きな男性がいること、それに生きているハルナの方が好きだと言いました。
橋の上にたたずむ二人。山田が「UFOを呼ぼうよ」と言います。海に向かってUFOが現れるのを願う山田。ハルナも山田の横で願うのでした。
以上、映画「リバーズ・エッジ」のあらすじと結末でした。
「リバーズ・エッジ」感想・レビュー
-
単純に面白くなかったです。
若い時は確かに 狭い世界で足掻くような事ってあるかもしれないけれど こずえと山田君と観音崎君は普通に犯罪者になる未来しか思い浮かばない。ただの変態でしょう。
ハルナはハルナで完全に思考停止してしまっているし 病気か何か?
メインの登場人物が全く理解出来ない。可哀想なのはそんな変態山田くんを好きになってしまったカンナちゃん。
この子だけは普通の子だったと思うんだけど 山田が好きでもないのに付き合ったりするから ストーカー化の末あんな結果に…こんな感想をもつ自分は まとも なんだって思ってちょっと安心できた。そんな映画。
俳優さんは全員良かったけどね。 -
二階堂ふみ、やっぱり上手いなぁ~!
読んでないけど原作はもっと尖ってて乾いてて、読んだことを忘れさせないんだろうなあ…って想像できる。
色んな監督が撮ったリバーズ・エッジを観てみたいと思った。
主題歌が小沢健二なのは最高!
好き嫌いが大きく別れる作品というか、視聴者の価値観次第では作品の意図が理解出来ない人も多いのではないかと思う。
個人的にはとても面白い作品だったが、面白いと思えない方がしあわせかもしれないとも思った。
作中の中に出てくる、「生きてる間に、もっと好きになってあげられたらよかったのにね。」という台詞に考えさせられる事が多い。
感想次第で、人間性が分かりやすく出る作品だと思った。