映画「ゴールデンカムイ」解説
この解説記事には映画「ゴールデンカムイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゴールデンカムイのネタバレあらすじ：起
1905年、大日本帝国陸軍軍人の杉元佐一は日露戦争最大の激戦地である203高地に赴いていました。鬼神のごとき戦闘力を持ち、どんなに重傷を負っても立ち上がり戦い続ける杉元はいつしか“不死身の杉元”の異名で名を轟かせるようになっていました。しかし、杉元は気に入らない上司に瀕死の重傷を負わせたことがきっかけで軍を除隊となりました。
2年後の1907年冬。杉元は一攫千金を夢見て北海道に渡り、砂金採りをしていましたが北海道内の砂金は採り尽くされて枯渇していました。そんな時、杉元は川で出会った後藤竹千代という酔っ払いの男から思いもよらぬ儲け話を聞かされました―――。
―――5年前の1902年。北海道のアイヌたちは自分たちの土地を奪った和人に復讐すべく、資金源として密かに20貫もの金塊を貯めていたのですが、ある男がそのアイヌたちを皆殺しにして金塊を強奪。したのです。その男は金塊の隠し場所を誰にも語らぬまま逮捕されて網走監獄に収監され、脱獄を阻止するために足の腱を切られたのです。しかし、男は獄中から外の仲間に金塊の在処を伝えるべく24人の囚人の体に隠し場所を示す暗号を刺青として彫り、護送の最中にその囚人たち全員を脱獄させたというのです―――。
―――杉元は最初のうちは酔っ払いの与太話だとして信用していませんでしたが、酔いの醒めた後藤は杉元を口封じのために殺そようとしました。返り討ちに遭った後藤は逃げ出し、ヒグマに襲われて殺されました。後藤を追った杉元もヒグマに襲われましたが、そこに現れたアイヌの少女・アシ?パによって助けられました。
杉元とアシリパは白いエゾオオカミのレタラの助けを得てヒグマを倒しました。杉元から金塊の話を聞いたアシ?パは自分の父が金塊を奪った男に殺されていたことから、事件の真相解明と父の敵討ちのために杉元と手を組むことにしました。後藤の死体には刺青が彫られており、それはまさに暗号のひとつでした。杉元とアシリパは後藤を含む24人の囚人の刺青は殺して皮膚を剥がす事が前提で彫られた“刺青人皮”であることに気づき、後藤の死体から刺青人皮を剥ぎ取りました。
ゴールデンカムイのネタバレあらすじ：承
杉元とアシリパは脱獄囚の情報を得るため小樽に向かいました。聞き込みをしていた杉元とアシリパは自分たちを尾行していた刺青の脱獄囚・笠原勘次郎と白石由竹を捕らえました。杉元は二人を殺して刺青人皮を剥ごうとしましたが、「人を殺さない」主義のアシリパは得意の絵を活かして刺青を模写することにしました。
その時、笹原は陸軍第七師団所属の尾形百之助上等兵に狙撃されて死亡しました。尾形は杉元に金塊探しから手を引くよう忠告しましたが、相手が伝説の“不死身の杉元”であると気づくや襲いかかってきました。杉元は尾形を崖下に投げ飛ばし、逃げようとした白石を捕らえようとして一緒に極寒の川に転落してしまいました。
杉元と白石は凍え死にそうになりましたが、白石は自分を見逃してくれることを条件に胃の中に隠していた銃弾を吐き出しました。杉元は銃弾の火薬を用いて火を起こし、暖を取りました。杉元とアシリパは約束通り白石を逃がしました。
その頃、第七師団の情報将校・鶴見篤四郎中尉は瀕死の尾形を収容し、自らが狙う金塊を“不死身の杉元”も狙っていることを知りました。第七師団は杉元とアシリパに追っ手を差し向けましたが、アシリパと二手に別れた杉元はヒグマをけしかけて追っ手を撃退させました。アシリパは追っ手の一人である元マタギの谷垣源次郎一等卒と対決し、レタラの助けを借りて谷垣を撃退しました。
杉元はアシ?パの案内で彼女の家族が暮らすアイヌコタンに身を寄せることにしました。杉元はアイヌたちと過ごすうちにアシリパをこれ以上危険な目に遭わせるわけにはいかないと考え、その日の夜にアシリパが眠っているうちに静かにコタンを離れました。
ゴールデンカムイのネタバレあらすじ：転
小樽の街に舞い戻った白石は、偶然にも同じ刺青の脱獄囚で顔見知りの牛山辰馬と遭遇しました。ただならぬ空気を察した白石は牛山のもとから逃走しましたが、白石そして牛山は第七師団からも追われることになりました。
牛山は手下たちと共に第七師団と戦い、騒ぎを聞きつけた鶴見も駆けつけました。しかし、牛山の一味が起こした戦闘行為は陽動作戦であることを見抜いた鶴見は別の場所にある銀行へと向かいました。銀行の金庫には金の他にも貴重な絵画や刀剣が収められていましたが、地下から爆破されており、名刀・和泉守兼定が盗まれていました。この和泉守兼定はかつて箱館戦争で死んだとされていた新撰組副長・土方歳三の愛刀であり、鶴見は土方が実は生きていること、そして土方こそが脱獄囚をけしかけた張本人であると確信しました。密かに箱館戦争を生き抜いていた土方こそが網走監獄から刺青の囚人たちを脱獄させた張本人であり、牛山の一味と手を組んで金塊の在処を探していたのです。
一方、杉元は単独で刺青の脱獄囚の情報を探し回っていましたが、第七師団の双子の兵士である二階堂浩平一兵卒と洋平一兵卒に見つかって捕らえられてしまいました。
第七師団の兵舎に連行された杉元は鶴見と対面しました。鶴見は日露戦争で頭蓋骨の前頭部と大脳前頭葉の一部を失う重傷を負っており、傷口を額当てで隠していました。鶴見は戦争で多数の戦死者を出したことにより帰還兵たちが冷遇されることとなり、彼らの惨状を救うべく金塊を元手に寒冷地でも育つアヘンの原材料のケシを大量に生産して軍資金をつくり、北海道に軍事政権を樹立しようと目論んでいました。
杉元は鶴見への協力を拒み、倉庫に監禁されました。二階堂兄弟は刺青人皮の隠し場所を吐かせようとして杉元に拷問を加え、杉元は反撃しようとして兵士たちに取り押さえられました。一方、杉元の行方を探しに小樽に来ていたアシリパは白石と出くわし、金塊を手に入れたら分け前を与えることを条件に協力を求めました。
白石は全身の関節を容易に脱臼させることのできる特殊な体質であり、何度も脱獄を繰り返してきたことから“脱獄王”の異名を持っていました。白石はアシリパの要望を受けてまんまと兵舎に潜り込み、杉元の拘束を解きました。杉元は倉庫内に入ってきた洋平に襲いかかり、騒ぎを聞きつけた鶴見が駆けつけた時にはその場に洋平の死体、そして戦闘により内蔵が抉り出された杉元がいました。杉元は刺青人皮の在処を話すことを条件に病院に連れて行ってほしいと頼み、鶴見は部下に命じて杉元を病院に搬送させました。しかし、鶴見は洋平の死体から内蔵が抜き取られていることに気づきました。
杉元は洋平から内蔵を抜き取り、あたかも自分が内蔵を抉られたかのように装ったのです。杉元は搬送の最中に兵士を倒し、アシリパと合流して逃走しました。
ゴールデンカムイの結末
白石は兵舎に火を放ち、兵舎は大混乱に陥りました。杉元を取り逃がした鶴見は燃え盛る兵舎に戻り、杉元は土方と同様にこれからの脅威になっていくだろうことを予感しました。そして鶴見は刺青人皮探しを杉元一味にさせたうえで最後は全て横取りすることを目論みました。
一方、杉元は密かに雪の中に隠しておいた刺青人皮を回収していました。アシリパは杉元を殴り、危険は承知だとして自分を置いていった杉元を責めました。ここで杉元は金塊を狙う目的をアシリパに明かしました。杉元の親友だった剣持寅次は日露戦争の203高地で杉元をかばって戦死し、杉元の幼馴染でもある寅次の妻・梅子は目の病気を患っていました。杉元は梅子の治療費を稼ぐために金塊に手を出すことを決意したのです。杉元とアシリパは互いの目的のために改めて手を組むことにし、兵舎を脱出した白石とも合流しました。
その頃、牛山は土方と合流していました。牛山は土方に武器弾薬を供給しているのは元新撰組の二番隊組長だった永倉新八であることを知り、たった20貫の金塊で幕末の夢を見るのかと嘲笑しました。しかし、土方はこの情報は鶴見も知っているであろうとして、アイヌたちが集めた金塊は20貫ではなく実は20000貫というとてつもない超大金であることを明かしました。土方は「まもなく北海道は戦場になる」と告げ、さらにはアシリパの父を含むアイヌ殺しの犯人である“のっぺら坊”も動き出そうとしていました。
以上、映画「ゴールデンカムイ」のあらすじと結末でした。
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