ハーメルンの紹介:2013年日本映画。2008年に撮影が開始され、幾度の撮影中止の危機を乗り越えて、5年の歳月を経て完成。小さな村で生きる人々と、豊かな自然とを静かに美しく描くヒューマンドラマ。廃校に一人で暮らしている元校長。しかし春には解体されることが決まっており、そこへ卒業生の野田がやって来るのですが…。
監督:坪川拓史 出演者:西島秀俊(野田)、倍賞千恵子(リツコ)、坂本長利(校長先生)、ほか
映画「ハーメルン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハーメルン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハーメルンの予告編 動画
映画「ハーメルン」解説
この解説記事には映画「ハーメルン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハーメルンのネタバレあらすじ:起
山の中にある廃校となった小学校に住んでいる元校長。校庭にはえている大きなイチョウの木と共に、もう使われることのない校舎を修繕しながら、一人静かに暮らしています。しかしその校舎も春には解体されることが決まっており、秋までには立ち退くことが決まっていました。
校舎にはたくさんの遺跡が保管されており、博物館の職員・野田が整理にやって来ます。この学校の卒業生である野田は、当時のままの教室を見て懐かしみます。夜、恩師の綾子先生の娘・リツコの飲食店を訪ねた野田は、綾子が老人施設に入っていることを知ります。
ハーメルンのネタバレあらすじ:承
学校で過ごすうちに昔の記憶がよみがえる野田は、閉校式にみんなでタイムカプセルを埋めたことを思い出します。しかし埋めた場所を思い出せない野田。校長から「埋めた場所は綾子先生しか知らない」と言われますが、綾子は認知症をわずらっており、場所を特定することはできません。
そんな綾子の元を一日おきに訪れるリツコ。リツコには父親の工藤がいますが、長年口をきいておらず、二人は顔すら合わせていません。そんな二人を気にする元校長。
ある日学校を訪れたリツコは、綾子が満州から持ち帰った大事な時計が無くなってしまった話をします。
ハーメルンのネタバレあらすじ:転
遺跡の整理を終えた野田が戻る日の前日、校長と一緒にビデオを見ながら工藤の話をします。昭和20年の終戦を迎えた夏、上司に左耳を銃で殴られ聞こえなくなってしまった工藤。仲間たちを戦場に送り出すために、イヤイヤ吹いていたラッパをもう吹かなくていいと思い、万歳をしたのが上司の逆鱗に触れたのでした。このことがきっかけで、一生ラッパを吹かないと決めた工藤。この話を聞き、野田はリツコに「からくり時計を盗んだのは自分だ」と告白します。
閉鎖した映画館を訪れ、工藤を訪ねるリツコ。綾子を施設から病院に移すことにした話をし、かつて使っていた自分のピアノを貰う約束をしました。そして調律師を呼び、ピアノを渡す準備をしていた工藤は、はしごを登っている途中に落ちてしまいます。そんなこととは知らず、学校では祭りが開催され、リツコたちは楽器を弾いて楽しく歌っていました。そこに、工藤が亡くなった知らせが来ます。
ハーメルンの結末
学校にトラックが来て遺跡が運び出され、立ち退きの準備が進みます。そこへリツコが綾子を車いすに乗せてやって来ました。元校長に出迎えられ校舎の中に入った綾子は「子供たちはどこに行ったのかしら?」と周りを見渡します。ゆっくりと懐かしの校舎を見てまわる綾子とリツコ。
そして季節は冬になり、校庭には雪が降り積もります。校長の葬儀にやって来た野田は、スコップで雪の下に埋まるタイムカプセルを探していました。そこへリツコがやって来て、校長からの荷物を手渡します。そこにはフィルムが入っており、昔見た人形劇の結末と、綾子の姿が映っていました。それを涙を流しながら見る野田。
以上、映画「ハーメルン」のあらすじと結末でした。
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