はなちゃんのみそ汁の紹介:2015年日本映画。西日本新聞社の記者であった夫・安武信吾とその妻で乳癌により33年の生涯を閉じた千恵の闘病生活を綴ったブログ『早寝早起き玄米生活』を映画化した人間ドラマです。乳癌と闘いながらも、愛する娘にみそ汁の作り方を教え残そうとした女性の姿を描いていきます。
監督:阿久根知昭 出演者:広末涼子(安武千恵)、滝藤賢一(安武信吾)、赤松えみな(安武はな)、一青窈(松永志保)、平泉成(松永和則)、高畑淳子(安武美登里)、鶴見辰吾(加山医師)、赤井英和(松尾陽一)、古谷一行(伊藤源十)ほか
映画「はなちゃんのみそ汁」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「はなちゃんのみそ汁」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
はなちゃんのみそ汁の予告編 動画
映画「はなちゃんのみそ汁」解説
この解説記事には映画「はなちゃんのみそ汁」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
はなちゃんのみそ汁のネタバレあらすじ:起
福岡県在住の新聞記者・安武信吾(滝藤賢一)は年下の恋人、松永千恵(広末涼子)と幸せな日々を過ごしていました。しかしそんなある日、千恵が乳癌を患っていることが発覚。手術は無事成功したものの、抗がん剤治療の影響で千恵は赤ん坊を望めない体となってしまっていました。しかし、それでも信吾の千恵への想いは変わらず、双方の両親を説得してようやく結婚の許しを得、信吾と千恵は晴れて結婚式を挙げました。
その後、千恵は自分が身籠っていることを知りました。どうやら新婚旅行中に抗がん剤治療を控えていた影響で一時的に妊娠が可能となっていたようでした。しかし、このまま赤ん坊を産めば癌の再発リスクが高まってしまうことから信吾と千恵は深く悩みましたが、千恵の父・和則(平泉成)の「死ぬ気で産め」という一言に励まされた千恵は信吾ら家族のサポートを受けて遂に女の赤ん坊を出産、「はな」(赤松えみな)と名づけました。
はなちゃんのみそ汁のネタバレあらすじ:承
信吾と千恵ははなと共に幸せな日々を送っていましたが、恐れていた事態が千恵を襲いました。乳癌が再発したのです。信吾は千恵に悟られないように借金までして千恵の治療費を工面、その甲斐あってようやく千恵の乳癌は完治したかと思われました。しかし、千恵を励ましてくれた父・和則が亡くなり、千恵は深い悲しみに包まれました。
はなが保育園に通い始めたある日のこと、千恵が病院で診察を受けると、驚くべきことに完治していたはずの癌は既に全身に転移していました。しかし、千恵は決して屈することなく、ブログを開設して自身の癌闘病記を綴り始めました。その他にも、はなの成長や療養生活を経て出会った玄米とみそ汁主体の食生活のことなども綴り、千恵はせめてはなにみそ汁の味を受け継がせたいと考えるようになっていきました。はなも母の意を汲み、自ら積極的にみそ汁作りに励むようになっていきました。
はなちゃんのみそ汁のネタバレあらすじ:転
そんなある日、千恵のブログの愛読者で、同じように癌と闘病していた女性が亡くなりました。その女性と交流を持っていた千恵は深い悲しみに包まれました。
ある時、はなは家に来てくれた千恵の姉・志保(一青窈)との遊びに夢中になり、日課だったみそ汁作りを放棄してしまいました。千恵は思わずはなを厳しく叱りつけましたが、危うく度を超えそうになった千恵は思いとどまって「みんな。いっつもいっつも、いっぱいいっぱい笑えるように丈夫で強い子になって。だけど、そのためにはまずみそ汁を作る。そして、もっともっといろんなものを作れるようになる」と優しく諭しました。その甲斐あってはなは再び台所に立ち、率先してみそ汁作りに励むようになりました。
千恵には癌になる前、歌手になりたいという夢がありました。しかし、抗がん剤の治療などによってすっかり歌を歌う気力も奪われ、今ではすっかりその夢を諦めかけていました。
はなちゃんのみそ汁の結末
しかし、はなや信吾など家族に背中を押された千恵は再び歌を歌うことを決意、プロの歌手となった友人の助けを借りて小規模ながらもコンサートを開く運びとなりました。楽屋で緊張する千恵に、はなは魔法瓶に入れてきたみそ汁を振舞い、これで勇気をもらった千恵はステージに立ち、支えてくれた信吾やはなたち家族に感謝の言葉を述べ、仲間たちのアシストを受けながら精一杯に歌い切りました。信吾の目からはとめどなく涙が溢れていました。
それから時は流れ、千恵は33年という短い生涯を閉じました。はなの手には千恵が遺した手作りのレシピ本があり、信吾はそこに千恵の書き残した「私はツイていた」という文言を見つけました。それから信吾とはなの二人だけの暮らしが始まりました。そこには千恵はもういません。この日もはなは朝から台所に立ち、母の味を思い出させてくれるみそ汁作りに励んでいました。
「はなちゃんのみそ汁」感想・レビュー
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本当に心の奥に残りました。
いろんな人に1度は見てほしいです。
実話だけに,本当に心の奥深くまで残る内容です。いずれ人は死を迎えること,これは決して避けられないことですが,今は死ねないという思いはよく分かります。しかし,そんな目の前の自分の死に正面から向き合い,何かを残すことに全精力をかけるシーンに,今をしっかり生きる力をもらった気がします。子育てに悩んでいる人も含めて,一度は観て欲しい映画です。