ホットロードの紹介:2014年日本映画。ホットロードの原作は紡木たくによる少女漫画です。「別冊マーガレット」に1986年~1987年まで連載されました。悩みを抱えながら、暴走族に憧れ、仲間に入り不良の道を進んでいく主人公・和希(能年玲奈)とバイクに命をかけ、死さえ覚悟しているような春山(登坂広臣)のラブストーリー。
監督:三木孝浩 出演:宮市和希役「能年玲奈(のん)」 春山洋志役「登坂広臣」、木村佳乃、小澤征悦、鈴木亮平ほか
映画「ホットロード」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホットロード」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ホットロードの予告編 動画
映画「ホットロード」解説
この解説記事には映画「ホットロード」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホットロードのあらすじ1
14歳中学2年生の宮市和希(以下和希)の父は彼女が2歳の時に亡くなった。現在、母子家庭の和希の家には父の写真がない。なぜなら両親達は愛のある結婚ではなかったからだ。そして、母(木村佳乃)には妻子持ちで離婚調停中の彼氏がいた。母と彼氏は高校時代の同級生だった二人はお互いに別な人と結婚して、家庭を築いていたにも関わらず、ずっと関係を続けている。和希はたった一人の家族である母から愛を感じることができず孤独に耐えていた。そして、寂しさを紛らわすため母の誕生日に万引きをはたらいた。横浜からの転校生の絵里(竹富聖花)に誘われるまま連れて行かれた暴走族の集会で春山洋志(以下春山)という少年と出会う。春山と和希。春山は和希にいろいろ話をかけるが和希は答えない。そこで春山は和希に向かっていきなり言い放つ。「おまえんち、家庭環境わりいだろ?」それに怒った和希に「オメーに関係ねーだろ!」と口ケンカを始めた。二人の出会いは最悪だった。
ホットロードのあらすじ2
暴走族達から春山の評価は信じられないくらいに高いものだった。カリスマ的存在であった。しかし、春山は和希にだけはいつも絡んできた。そんなあるとき春山は和希に「俺の彼女になれ」と言い放つ。突然こんなことを言い出す春山に和希は嬉しさよりも怒りがこみ上げてきた。春山には以前から忘れられない女がいると聞いていたためだった。和希は「俺の彼女になれなんて言う奴嫌いだし」と言う。春山が所属する暴走族集団「NOGHTS」には総勢500名の孤独感や心に傷を抱えた少年・少女がたくさん集まっていた。彼らは夜の湘南をバイクで駆け抜けていた。和希は暴走する春山の背中にしがみつきながら孤独感を打ち消していた。
ホットロードのあらすじ3
和希の心の中で春山を想う気持ちが大きくなっていった。その代わりに愛情を満足に与えてくれなかった母親への嫌悪感が強くなっていく。たまたま学校をサボったことを原因で母と口論となる。和希は不倫を続けていた母を責め、母の過去を聞かされ「汚い」と感じた。「いらない子だったら産まなきゃよかったじゃないか」言い捨てて和希は家を飛び出した。家出をした和希は春山のもとに向かうが春山は和希を受け入れない。その理由は春山自身が複雑な家庭環境で育ち中学卒業後一人で生きてきた。春山にとっては家出は甘いものでないことをわかっていたからだ。春山は和希に「帰れるうちに帰ったほうが良い」と諭すが春山の助言を聞かず友人の家を転々としていた。しかし、そんな生活は長くは続かずいく宛のない和希は仕方なく春山の家に住むこととなった。
ホットロードのあらすじ4
慣れない同棲生活を続けるうちに二人は惹かれあっていく。和希は不器用ながらも春山を愛し始めた。そんな、二人の幸せな生活が始まった矢先に「NIGHTS」の切り込み隊長の春山が大抜擢され総頭に昇進した。総頭になった春山は今まで以上に「NIGHTS」にかかりきりとなり、そんな春山の存在が自分の中で大きくなるに連れて争いが絶えない春山に生きた心地がしなくなっていく。一方春山にとっても和希は自分自身にブレーキを踏ませる存在となり、総頭の自分と和希の想いとの間で悩み苦しんでいた。そんな春山は悩んだ末に和希との別れを選ぶ。「おまえみてっとイライラする。お前といると俺ダメになる。別れようぜ」春山は和希を想い、和希の人生から危険な存在となる自分が去ることをきめた。しかし、和希は春山の言葉の真意がわからず傷つき苦しむが春山についていくことをきめた。
ホットロードのあらすじ5
春山の誕生日の日に和希は一度自宅に戻り、ずっと怖くて聞けなかったことを母に問う。「あたしのこと好き?本当に必要?」その言葉で母は涙が止まらず言葉にならない。見守る春山だったが見かねて母に問う。「おばさんこいつのこと嫌いなの?もしそうならば俺がもらってちゃうよ」と。母はそれを聞き「あげないわよ!誰にも!親が自分の子嫌いなわけないじゃないの」と言う。ようやく和希が小さい頃から欲しくてたまらなかった母の愛情を初めて感じることができたのだった。和希は春山の誕生日を機会に家に戻った。
ホットロードの結末
翌日、春山に会った和希は「ケンカに行かないで欲しい」と泣きながら頼むが春山は毅然とした態度で言う「俺がいなきゃなんにもできねーような女になるな!俺のことなんかいつでも捨てれる女になれ!」春山はすでにNIGHTSを束ねる総頭となり、和希の手の届かないところまで上りつめていた。春山はその後和希のもとから消息を経った。一ヶ月ご久しぶりに会った和希に春山は元気な姿を見せていた。しかし、その後暴走族同士の抗争中に春山はトラックにはねられてしまう。春山は意識不明の重体となる。春山が運ばれた病院に和希が駆けつて「一緒に死ぬ」と泣き叫び、取り乱した和希を母は必死に止めていた。春山は奇跡的に意識が戻った。一命は取り留めたが左半身に麻痺が残る後遺症が残った。春山の事故をきっかけに和希は暴走族を辞めた。高校にも通うようになっていた。春山は先の見えないリハビリを続け、和希は春山を支えた。
最後のエンドロール前に和希が語ります。
「今日であたしは17歳になります。今まで人いっぱい傷つけました。これからはその分、人の痛みがわかる人間になりたい。この先もどうなるか全然わからないし、不安ばっかだけどずーっとずーっと先でいい。いつか春山の赤ちゃんのお母さんになりたい。それが今のあたしの誰にの言っていない小さな夢です。」
以上、映画ホットロードのあらすじと結末でした。
ホットロードの紹介
原作者の紡木の元には今まで何度もホットロードのドラマ化や映画化の話が来ていたが、イメージに合わないという理由で全て断っていた。しかし、映画「カラスの親指」で『能年玲奈』の存在を知り「彼女なら和希の役を託してもいい」と実写化を許可しており、「能年ありき」の企画になっている。なお、能年のキャスティングは能年玲奈がメジャーになる「あまちゃん」の放送前から決定していた。2014年8月16日公開され、公開初週週末2日間の興行成績は興収3億8924万2000円、動員28万4367人で、映画観客動員ランキングで第2位に初登場しました。主演を務めた能年玲奈・登坂広臣の2人はこの映画で数々の新人賞を受賞しました。
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