映画「アイ・アム まきもと」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アイ・アム まきもとの紹介：2022年日本映画。ウベルト・パゾリーニの「おみおくりの作法」を原作に、少し風変わりなおみおくり係の男が一人の亡くなった老人の男の人生を辿っていくドラマ。阿部サダヲが「あやしい彼女」の水田伸生とタッグを組み、風変わりな男をコミカルに演じています。
監督：水田伸生 出演：阿部サダヲ（牧本壮）、満島ひかり（津森塔子）、宇崎竜童（蕪木孝一郎）、松下洸平（神代亨）、でんでん（下林智之）、松尾スズキ（平光啓太）、坪倉由幸（小野口義久）、宮沢りえ（今江みはる）、國村隼（槍田幹二）、ほか
この解説記事には映画「アイ・アム まきもと」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
省内市役所福祉課のおみおくり係で働く牧本は、48歳で独身。身よりもなく一人で暮らしています。おみおくり係では身寄りのない亡くなった方の遺体を引受けて火葬、埋葬していました。
自分のルールを遵守するが故に迷惑をかけてしまう牧本に、葬儀屋の下林もよくやるなあと呆れ顔。刑事の神代に至ってはなかなか遺体を引き取りに来ないので警察の冷蔵庫は倉庫じゃないと怒っています。
ある日、神代から牧本のアパートの向かいに住んでいる蕪木孝一郎が亡くなったと聞きます。蕪木には甥がいますが遺体を引き取りたくないと言っているので、引き取りに行くことになりました。
牧本は蕪木の家でアルバムを見つけます。それは、とうこという少女の写真でした。牧本は神代に3日だけ待ってもらい、とうこと蕪木の葬儀に参列してくれる人を探すことにしました。
唯一電話番号登録のあった魚住食品へ向かった牧本。そこで、元同僚で蕪木に世話になったと話す平光から話を聞きます。次に、元恋人で同棲していたみはるに会いに行きます。蕪木は街で喧嘩を起こして突然いなくなったようです。しかし、みはるや街の人に聞いても、皆悪い人ではなかったと話します。
福祉局長として赴任してきた小野口から、おみおくり係を廃止すると言われても、牧本はとうこ探しをやめません。そして蕪木の家族らしき人物を見つけます。津森塔子という女性でした。
彼女は一度、蕪木が喧嘩で拘留されたときに面会にやってきていました。牧本は塔子に会いに行きます。彼女はあの面会きり一度も蕪木とは会っておらず、3年前に母を亡くしていた塔子。蕪木の死を知り、少し寂しそうな表情をしましたが、自分と母を捨てた父を許せないと話します。
塔子の家には白鳥の写真がありました。塔子が好きだと言います。牧本は蕪木が好んで白鳥の写真を撮っていたのを思い出し、こういう理由があるのだと思いました。そして牧本は塔子から塔子が生まれる前に蕪木と関係のあった、槍田という人から手紙を受け取ります。
牧本は槍田を訪ね、老人ホームへと向かいます。目の不自由な槍田、働いていた炭鉱での過去の爆発事故のせいだと言います。しかし、蕪木が背負って助けてくれたため槍田の命が救われました。
蕪木は槍田にとって命の恩人なのですが、蕪木が妻子を捨てたのは自分のせいなのではないかと槍田は話します。盲目になった槍田を差し置いて自分だけ幸せになるわけにはいかないと、妻子を捨てた、そう考えたのです。
牧本は色々考えて、自分のために買っていた墓地を蕪木に譲ることにしました。役所を出たあとで塔子に会います。塔子は牧本が父のために動いてくれたことを感謝していました。
塔子は父が生前どんな人だったか知りたかったので牧本にお願いします。牧本は葬儀の後でと約束しました。帰り道、白鳥を撮ろうとしてカメラを覗いたまま横断歩道を渡ろうとした牧本は、車に轢かれてしまいます。仰向けに倒れた牧本の頭からは、血が広がります。牧本は「頑張った」と呟いていました。
蕪木の葬儀が執り行われます。牧本が会いに行った人たちも参列しました。火葬される際、堪えきれず泣く塔子をみはるが宥めます。
その頃、神代は無縁墓地に牧本の遺骨を納めにやってきていました。神代は葬儀にやってきた塔子たちを見て「牧本さん、あなたの粘り勝ちですよ」と牧本の遺影に呟きます。
蕪木の葬儀にやってきた塔子たちは、牧本が亡くなったことを知りませんでした。これまで全て取り仕切っていた牧本がいないのを不思議には思いますが、真実は知りませんでした。
神代の去った無縁墓地に、死んだ蕪木がやってきて手を合わせます。すると、次々に牧本がおみおくり係として携わった人たちがやってきては、墓地の前で手を合わせました。
以上、映画「アイ・アム まきもと」のあらすじと結末でした。
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