いつくしみふかきの紹介：2019年日本映画。名バイプレイヤー渡辺いっけいの意外にも初主演となる作品。人のことを何とも思っていない悪魔のような男と、そんな男を父に持つが未だ出会った事のない息子が、偶然にも出会い交流を深め、やがて真実を知ることになる、そんな運命のイタズラを描いています。実話をもとにしたドラマ。
監督：大山晃一郎 出演：渡辺いっけい（広志）、遠山雄（進一）、金田明夫（源一郎）、榎本桜（浩二）、平栗あつみ（加代子）、ほか
映画「いつくしみふかき」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「いつくしみふかき」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
作品紹介・キャスト
映画「いつくしみふかき」解説
この解説記事には映画「いつくしみふかき」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
いつくしみふかきのネタバレあらすじ：起
長野のとある病院で出産中の加代子（平栗あつみ）。両親は娘の無事を祈り、兄（小林英樹）も駆けつけてきます。しかし、夫である広志(渡辺いっけい)はまだ現れません。兄が広志を探していると、なんと広志は加代子の実家で窃盗を行っていたのです。
これにキレた兄が広志と揉み合いになり、銃で殺そうとしたところ、牧師の源一郎(金田明夫)が現れて諌めます。結局、広志は村を追放されてしまいました。加代子が産んだ子供は進一と名付けられます。
30年が過ぎ、進一(遠山雄)は過保護に育てられたせいか、仕事が続かない人間になっていました。言葉に出さずとも村人達は広志の事を恨み続けていました。特に叔父である加代子の兄は相当のものです。
会ったことのない父の事を言われ、気にも留めていませんでしたが、ある日、窃盗事件の濡れ衣を着せられてしまいます。これがきっかけで居づらくなった進一は、村を出ていきます。
いつくしみふかきのネタバレあらすじ：承
村を出たものの、身寄りのない進一は源一郎の教会に身を寄せることになります。一人では何もできない進一は、苦労しながら日々を過ごしていきました。
その頃、広志は実は村に戻ってきていて、舎弟の浩二（榎本桜）を引き連れて悪事を働きながら過ごしていましたが、浩二が逮捕されることになり、それは長く続かず居場所をなくしてしまいます。
そして広志もまた源一郎の教会にやってくるのでした。互いが親子とは知らないまま広志と進一の共同生活が始まります。
源一郎は本当の事は言えずに時間が過ぎていきます。お互いあまり良い印象を持てずにいましたが、教会のイベントでやる人形劇で協力せざるを得ない状況になってしまいました。セリフが飛び、真っ白になってしまった進一を広志が手助けし、事なきを得ますが、進一を見に来た加代子が広志がいることに気づき騒ぎ始めます。
いつくしみふかきのネタバレあらすじ：転
こうして思いもしない形で親子関係は白日の下に晒されることになりました。もちろん2人の関係はギクシャクし始めます。そこに戻ってきた浩二に因縁をつけられる広志、戻る場所をなくした広志を源一郎は見放さず温かい言葉をかけます。
そして、広志と進一は礼拝の宣伝チラシを2人で撒いた所、大盛況になり、ようやく2人の生活に明るい兆しが見え始めてきました。
しかし、広志は浩二たちと詐欺まがいの事をして教徒から金を巻き上げていた事が発覚、これには源一郎も激怒しますが、巻き上げた金を浩二たちと持ち逃げして去っていく広志。しかし、浩二たちに裏切られてボコボコにされた広志の前に現れたのは進一でした。
何もなくなってしまった広志は、進一に不動産をやらないかと持ちかけます。小さい頃から父の存在に苦しめられ、今もなお裏切られてきた進一は、素直に受けることができません。感情をぶつけ合い、揉み合いになりながらも、突き放すこともできませんでした。
いつくしみふかきの結末
そのまま時は過ぎていきます。相変わらずのダメっぷりを見せる進一でしたが、仕事に就き、恋人もいるようです。加代子にも恋人を紹介し、順風満帆に見える進一でしたが、心にずっと広志の事が引っかかっていました。
そんな中、進一は偶然広志と再会します。昔の事は忘れたとしらを切る広志でしたが、父とやり直す機会を諦めたくない進一は引き下がらず、明日会う約束を取り付けたのです。
ようやくやり直せると思っていた矢先、広志に裏切られたことをずっと根に持っていた浩二が、広志を呼び出し射殺してしまいます。進一の願いは最後まで叶うことなく終わってしまいました。
父の葬式では、憎しみしか持たない加代子が大暴れします。周りの人がそれを止める中、進一だけが冷静にこう語りました。「父がご迷惑をかけて申し訳ございませんでした。これからは一人で生きていきます。」
葬式を終え、帰りのバスを途中下車した進一は、広志との短い思い出や様々な思いを胸に、一人ゆっくりと歩き出しました。
以上、映画「いつくしみふかき」のあらすじと結末でした。
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