憧れを超えた侍たち 世界一への記録の紹介:2023年日本映画。3大会ぶり3度目のWBC制覇を果たした侍ジャパンの激闘に迫るスポーツ・ドキュメンタリー。2023年3月、野球の国・地域別対抗戦である「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」が開催された。名将栗山英樹氏が率いる日本代表チーム、愛称「侍ジャパン」の世界一奪還への闘いが始まる。代表選手の選考会議から宮崎合宿、試合の裏側に至るまで、チーム専属カメラが捉えた貴重な映像の数々を1本の映画に編集。日本中を感動と興奮で包んだWBC旋風を追う。
監督:三木慎太郎 出演者:侍ジャパントップチーム、窪田等(ナレーション)ほか
映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」解説
この解説記事には映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
憧れを超えた侍たち 世界一への記録のネタバレあらすじ:世界一奪還へ向けて
2023年3月。野球の国・地域別対抗戦であるWORLD BASEBALL CLASSICが開催されることになります。日本は野球の強豪国として世界にその名を轟かせていましたが、ここ3大会は優勝を逃していました。14年ぶりの世界一奪還を果たすため、日本球界の名将栗山英樹氏が代表チーム「侍ジャパン」の監督に就任します。
2021年12月2日。栗山監督は、責任と緊張感を感じていました。宝物であるトップ選手を大切にしながら、その実力を発揮して貰うにはどうすべきか頭を悩ませています。そして、世界一を狙えるチーム作りが始まりました。
2021年12月17日、第1回選考会議が開かれます。栗山監督は各コーチ陣やスタッフの前で、「みんなが見てて楽しめるチームにしたい」と希望を語りました。問題は様々な制約に縛られたメジャーリーガー達です。栗山監督は、何人かは必ず呼びたいと熱弁しました。メジャーリーガーに関しては、MLBと根気強い交渉が必要になります。
2022年7月29日、第4回選考会議。MLBと交渉した結果、メジャーリーガーは3月4日から合流して良いという通達を受け取りました。しかし、それでは宮崎合宿に間に合わないどころか3月3日からの強化試合にも出られません。栗山監督は到底受け入れられないと主張し、アメリカチームだけが優位になるのは不公平だという理由で交渉を続けるよう指示しました。
12月23日、第7回選考会議。外野手とピッチャー陣は固まってきました。スタッフは、選手には球団を通じて連絡しようと話します。しかし栗山監督は待ったをかけました。彼は、伝え方も大事だと考えているのです。感激を与えるためにも、直接魂に訴えたいと決めていました。
選考に時間がかかる一方、代表に内定した選手もいます。その1人が、シカゴ・カブスに所属する鈴木誠也選手でした。彼は栗山監督がチームの雰囲気作りをして欲しいと期待を寄せている選手です。鈴木誠也選手は侍ジャパンのユニホームに袖を通すと、撮影に臨みました。度重なる選考と粘り強い交渉を重ね、ついにドリームチームとなる30名の代表選手が発表されます。
憧れを超えた侍たち 世界一への記録のネタバレあらすじ:集う侍
2023年2月17日、宮崎キャンプイン。ついにチームが始動します。最初の全体ミーティングで、栗山監督はチームにキャプテンを置かないことを選手に告げました。選手全員が日本代表であり、1人1人にチームを引っ張っていって欲しいという希望の表れです。
栗山監督は、メジャーリーガーの中で一足早く合流していたサンディエゴ・パドレス所属ダルビッシュ有選手に、間に入って色々教えてあげて欲しいと頼みました。ダルビッシュ選手は快諾し、千葉ロッテマリーンズ所属の佐々木朗希選手をはじめ、悩む選手達に惜しみなくアドバイスをします。
チームがひとつになっていく一方、恐れていた事態が発生しました。栗山監督が主軸に据えるつもりでいた鈴木誠也選手が怪我を負い、侍ジャパンを辞退することになったのです。栗山監督が頭を悩ませる中、名古屋で壮行試合が始まりました。この日から、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が合流します。
特に日系人として初の侍ジャパン入りとなるセントルイス・カージナルスのラーズ・ヌートバー選手は注目を浴びました。合流する際は緊張したそうですが、他の選手がヌートバー選手の愛称である「たっちゃん」をあしらったTシャツを着ていたことで、気持ちが楽になったと語ります。
大谷選手はチーム全員の顔と名前を覚えるべく、積極的に挨拶して回りました。更に大阪でボストン・レッドソックス所属の吉田正尚選手が合流します。鈴木誠也選手の代わりに招集された福岡ソフトバンクホークスの牧原大成選手も加わり、侍ジャパンが本格始動しました。ヌートバー選手のペッパーミルパフォーマンスがチームにもファンにも広がり、一体感が生まれます。
憧れを超えた侍たち 世界一への記録のネタバレあらすじ:東京プール
ついに1次リーグであるWBC東京プールの試合が始まります。日本は中国、韓国、チェコ共和国、オーストラリアを相手に4戦し、準々決勝進出を目指します。先制点を取られる試合があったものの、チームが一丸となって全勝しました。しかしその裏で、怪我人が出てしまいます。
3月10日の韓国戦で、守備の要である埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手が右手小指を骨折してしまったのです。栗山監督らは源田選手に交代するよう促しましたが、源田選手はチームを離れる意志を見せませんでした。栗山監督は源田選手の意志と調子を注意深く観察し、出場させ続けることを決断します。
更に、広島カープ所属の栗林良吏選手が腰の違和感でチームを離脱。ダルビッシュ選手の提案で、皆で栗林選手と写真を撮影し準々決勝に臨みます。栗林選手の代わりにオリックス・バファローズの山崎颯一郎選手が緊急招集されました。ここからは、負ければ終わりの一戦です。
3月16日、準々決勝イタリア戦。栗山監督は不振の東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手を5番に下げ、好調な吉田選手を4番に据えました。先発を任されたのは大谷翔平選手です。大谷選手は気迫の籠ったピッチングを見せ、イタリア打線を圧倒しました。
5回、疲れの見えた大谷選手が降板した後もリリーフ陣が懸命に繋ぎ、日本は9対3でイタリアに勝利します。準決勝の切符を掴んだ侍ジャパンは、勝利の余韻も束の間、飛行機でマイアミに出発しました。
憧れを超えた侍たち 世界一への記録のネタバレあらすじ:緊迫の正念場
3月20日、準決勝メキシコ戦。ここで勝利すれば、既にキューバを破っているアメリカとの決勝戦に進むことが出来ます。しかし、準決勝は日本にとって鬼門でした。直近の2大会で、日本は準決勝で敗退しているのです。栗山監督はこの一戦の先発を佐々木朗希選手に任せました。プレッシャーに押し潰されそうになりながら、佐々木選手がマウンドに上がります。
佐々木選手は2回に打球を腹部に受けるアクシデントに見舞われましたが、無失点に抑え続けました。しかし4回、メキシコ打線に捕まり3失点。降板した佐々木選手はベンチ裏でグローブを叩きつけ、膝を抱えて悔し涙を流しました。
粘る日本打線は、7回に吉田選手が起死回生の同点ホームランを放ちます。盛り上がる日本ベンチでしたが、すぐにヒットを繋がれ点を追加されてしまいました。絶望的な状況の中、大谷選手が声を出しチームメイトを鼓舞します。メキシコにリードされ迎えた9回。日本は、先頭打者の大谷選手が気迫の激走を見せチームを盛り上げます。
続く吉田選手がフォアボールで出塁。栗山監督はこのチャンスに懸け、吉田選手の代走として福岡ソフトバンクホークスの周東佑京選手を出しました。バッターボックスに立ったのは、この日4打数ノーヒット3三振と絶不調の村上選手です。バントという選択肢もありましたが、栗山監督は村上選手を信じていました。
その信頼に応え、村上選手はフェンス直撃のタイムリーヒットを放ちます。大谷選手、周東選手がホームインし、日本は劇的な逆転勝利を収めました。村上選手が歓喜の輪に飲み込まれます。彼の一振りに救われた佐々木選手らがインタビュー中の村上選手にスポーツドリンクをぶちまけ、勝利を喜びました。
憧れを超えた侍たち 世界一への記録の結末:憧れを超えて
3月21日。ついに迎えた、アメリカとの決勝戦。試合前、栗山監督は選手達に「世界一になります さぁいこう!」と声をかけました。大谷選手は、ロッカールームで「憧れるのをやめましょう」と語ります。アメリカチームに集ったトップ選手達に憧れていては、彼らを超えることが出来ない。今日1日だけ憧れを捨て、勝つことだけを考えようとチームメイトを鼓舞しました。
大谷選手が騎手を務め、グラウンドに日本チームが入場します。アメリカチームの騎手を務めるのは、普段は大谷選手と同じユニホームに袖を通すMLB屈指のスラッガー、ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウト選手です。試合は先制点を許したものの、小刻みな継投で最少失点に抑えていきました。
栗山監督が目指した、1人1人がチームを引っ張るという理想像が実現しています。日本が1点リードで迎えた9回表。マウンドには大谷選手が立ちます。気迫のピッチングで2アウトを取り、勝利まであと1アウト。野球の神様が選んだ最後の打者は、トラウト選手でした。
皆が固唾を飲んで見守る中、フルカウント、あと1球。大谷選手が渾身の球を投げます。迎え撃つトラウト選手のバットは空を切りました。侍ジャパンが世界一を奪還した瞬間です。日本チームは雄叫びを上げる大谷選手に駆け寄り、歓喜の声を上げました。
侍ジャパンは「野球は楽しい」という想いをファンに伝え、その想いを子ども達が受け取ってくれたら嬉しいと話します。歓喜のシャンパンファイトの後、ダルビッシュ選手が代表して、また3年後皆で金メダルを獲りにいこうと語りました。日本中を歓喜と興奮で包んだ祭典が幕を閉じ、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」のあらすじと結末でした。
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