二郎は鮨の夢を見るの紹介:2011年日本映画。有名人が数多く訪れる、銀座にある寿司屋「すきやばし次郎」。ミシュラン3つ星を獲得し、日本を代表する寿司屋といっても過言ではない。店主の二郎は人間国宝の寿司職人。鮨とは何なのかを純粋に突き詰めた先には何があるのか。二郎と彼を支える人々の日常を追う。
監督:デヴィッド・ゲルブ 出演:小野二郎、小野禎一、ほか
映画「二郎は鮨の夢を見る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「二郎は鮨の夢を見る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
二郎は鮨の夢を見るの予告編 動画
映画「二郎は鮨の夢を見る」解説
この解説記事には映画「二郎は鮨の夢を見る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
二郎は鮨の夢を見るのネタバレあらすじ:起・すきやばし次郎
銀座の地下道にある小さな寿司屋、すきやばし次郎。グルメジャーナリストは、百軒食べた中でも一番だと言う。シンプルな握りのコースのみを出すこの店は、二郎と長男の禎一、そして弟子たちで営業している。
二郎は自分に厳しく、節制し、常に明日の事を考え、もっとおいしく、もっと上手になる事を常に考えている。仕事をコンスタントにやる、向上心、清潔感、短気、自分を押し通す、この五つが揃っている料理人は、数少ない。二郎もその一人だった。
二郎は鮨の夢を見るのネタバレあらすじ:承・ミシュラン三ツ星の店
禎一が行う築地での仕入れは、料理のプロと魚介のプロの信頼関係の上に成り立っている。鮨には百年以上の歴史があり、ミシュランでは三ツ星の店となった。これは、その店に行くために旅をする価値があると言う意味でもある。
次男は既に六本木に店を持ち、独立している。独立は帰る場所をなくす事と同義で、その店で頑張っていかなければならない。料理人はその味を守っていくことも、独立して出て行くのもまた苦労が尽きない。
二郎は鮨の夢を見るのネタバレあらすじ:転・改良されて来た寿司
戦後の何もない所から始めた寿司には、改良する余地はいくらでもあった。いいネタでいい仕事をするのが職人だが、まだ上あるのではと思えて、まだ完璧だとは思っていない職人気質が二郎にはあり、85歳になってもやめようという気はない。
彼の年齢はミシュランの三ツ星レストランの中でも最年長となる。二郎がいなくなれば、次郎の鮨だけでやっていくスタイルの寿司屋もなくなってしまう事を危惧し、二郎自身もいつか交代する事について考える事がある。
今では仕込みは弟子と禎一が行い、二郎が握っている。米問屋も、二郎が自分の卸ろす米を使いこなしてくれると信じて店に米を下ろしている。一見冷たく思える寿司だが、米の温度は大切で、体温と同じ。そして、寿司としての温度鮮度を考えると、出来たてを食べてもらうのが最良という。
二郎は鮨の夢を見るの結末:鮨のこれから
季節ごとに、築地に入ってくるもので次郎の握りのコースは決められる。ネタの中には乱獲により近年手に入りづらくなったものある。回転寿司や弁当で大衆化した寿司にネタが流れているのもその一因となっている。海産資源の保護を考えながら、しかし自分たちの寿司の品質を落とすわけにも行かない。
二郎は次男に六本木の店を、長男・禎一にはゆくゆくは次郎を任せようと、自分の息子たちに一番厳しく、いつか自分がいなくなってもそのまま店を続けられるように、教えている。
以上、映画「二郎は鮨の夢を見る」のあらすじと結末でした。
二郎は鮨の夢を見るのレビュー・考察:二郎の見る夢
彼の構える店は、けして大きくはない。カウンターで10人かどうか。それは鮨と言う職人が客の前で握ると言うパフォーマンス込みで、自分の目や手の届かない所をなくし、お客に対応できるようするための策になっている。
撮影当時、85歳、2020年現在は90歳を超えてもなお二郎が握っている。もちろん仕入れや仕込みは息子や弟子がやっているが、それらを教えたのは、二郎自身である。自分がやろうと思った事に没頭し、あくまでも職人然とする姿は、いかにも日本の職人を思わせる。そして、その技術は、後世に受け継がれていく事だろう。
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