映画「カラオケ行こ！」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
カラオケ行こ！の紹介：2024年日本映画。漫画家・和山やま原作の同名漫画を綾野剛の主演で実写映画化した音楽コメディ作品です。合唱部部長を務める中学生がヤクザから歌を教えてほしいと頼まれ、次第に奇妙な友情が育まれていく過程が描かれます。本作はYOSHIKI率いるロックバンド「X JAPAN」の代表曲『紅』が物語のカギを握る重要な位置づけとなり、主題歌はガールズボーカルグループ「Little Glee Monster」による『紅』のカバーとなっています。
監督：山下敦弘 出演者：綾野剛（成田狂児）、齋藤潤（岡聡実）、芳根京子（森本もも）、橋本じゅん（小林）、やべきょうすけ（唐田）、吉永秀平（銀次）、チャンス大城（尾形）、RED RICE（湘南乃風）（峯）、八木美樹（中川）、後聖人（和田）、岡部ひろき（松原）、坂井真紀（岡優子）、宮崎吐夢（岡晴実）、ヒコロヒー（和子）、加藤雅也（田中正）、北村一輝（祭林組組長）ほか
この解説記事には映画「カラオケ行こ！」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
岡聡実は森丘中学校の合唱部部長でソプラノ担当の男子中学生。しかし、変声期に差し掛かっていた聡実は思うように歌えないという悩みを一人で抱え込んでいました。合唱コンクールの常連校である森丘中学校は3位となり、合唱部副顧問の森本ももは健闘を称えたものの聡実たちは納得できずにいました。この合唱コンクールの様子を何者かが聴いていました。
聡実はもも先生が置き忘れてしまったトロフィーを取りに行くことにしましたが、その時突然見知らぬ男から「カラオケ行こ！」と誘われました。聡実は男の誘いを断り切れずに結局カラオケ店へ行くことになりました。
男は名刺を出し、成田狂児と名乗りました。狂児は自分はブラック企業に勤めているとごまかしましたが、実は狂児は暴力団・祭林組の若頭補佐であるヤクザでした。聡実は狂児がヤクザであることを知って萎縮しましたが、狂児は思わぬ提案をしてきました。それは何と、祭林組組長の誕生日までに聡実に歌を教えてほしいというものでした。
祭林組組長は毎年の誕生日に恒例行事としてカラオケ大会を開くのですが、最下位になると組長自ら入れ墨を彫るというものでした。組長は絵心もなく、部下の望まない入れ墨を入れることから部下たちは毎年この時期になると戦々恐々としていたのです。危機感を覚えた狂児の耳元に聞こえてきたのは、聡実ら合唱部のコンクールでの美しい歌声だったのです。
狂児は聡実に歌を聞いてもらってアドバイスして欲しいと頼み、自身の十八番であるX JAPANの「紅」を歌いました。しかし、聡実は終始裏声で気持ち悪いと率直に感想を述べ、その日は何とか帰らせてもらうことにしました。
翌日、狂児は聡実がカラオケ店に置き忘れた傘を持って学校にやってきました。聡実は仕方なく合唱部用の練習冊子を狂児に渡しました。再びカラオケ店に呼ばれた聡実は、狂児が冊子を読みながら真面目に練習していることに驚きました。聡実は狂児に、出せる音域に合わせた楽曲を選ぶべきだと助言しました。
その一方で、聡実は時針の声変わりのことを部員の誰にも打ち明けられず、練習にも身が入らなくなっていました。同じソプラノ担当の部員・和田は聡実にやる気がないと見なしましたが、やがて聡実は練習にも顔を出さず、映画部に行って映画を見る機会が多くなっていきました。
聡実は狂児のカラオケに付き合ううちに奇妙な友情が芽生えつつありました。狂児は聡実の提案を受けて自分の音域にあった曲を歌いつつ、「紅」の冒頭の英語詞部分を関西弁で和訳したりしていました。狂児は歌詞の意味を知って感慨深くなり、聡実はもしかしたら狂児には女がいたのではないかと思いました。
ある日、聡実の評判を聞いた祭林組のヤクザたちがカラオケに押しかけ、聡実に歌の教えを乞うてきました。聡実は内心怯えながらもヤクザ一人ひとりの歌を聴き、時にはつい「カス」と言ってしまい狂児が仲介に入る場面もありましたが、一人ひとりに的確なアドバイスを授けていきました。
それからしばらくして、合唱部の練習に来ない聡実を連れ戻しに和田が映画部にやってきました。和田がビデオデッキを壊してしまったため、聡実は仕方なく中古のデッキを買いに“ミナミ銀座”へ出かけました。ここはヤクザの多い街で、聡実はひょんなことからヤクザの一人に絡まれましたが、たまたま居合わせた狂児に助けられました。
祭林組のカラオケ大会と森丘中学校の合唱祭は同じ日に行われることが明らかになりました。聡実は狂児に声変わりのことを打ち明けました。聡実の両親は聡実にお守りを2個渡し、聡実はそのうちのひとつを狂児に渡すことにしました。しかし、合唱部の練習に参加しようとした聡実は和田からサボっているのに納得できないと言われ、副部長を巻き込んで口論となりました。
たまたまその様子に出くわした狂児は「聡実君は合唱しかしてないと思ったのに、ちゃんと青春してるじゃん」と冷やかし、激怒した聡実はお守りを投げつけてもう練習に付き合わないと言い放ってしまいました。
合唱祭当日。聡実は会場に向かう途中で交通事故の現場に遭遇しました。車と車の衝突で、衝突された車は狂児の車であり、顔までは確認できなかったものの男が救急車で搬送されていくのを見た聡実は狂児ではないかと動揺しました。
聡実はそのまま会場入りしたものの、どうしても居ても立っても居られず、「歌えない」と伝えて祭林組のカラオケ大会が開かれているスナックへと向かいました。そこには祭林組の組長をはじめ多くのヤクザがおり、組長は「アイツ（狂児）は地獄に行った」と告げました。
聡実はそれでもカラオケを続けようとする組長やヤクザに憤り、組長はそんな聡実にマイクを渡して歌うよう促しました。聡実は思いを込めて「紅」を全身全霊で歌い、ヤクザたちは拍手を送りました。その時、死んだと思われていた狂児が姿を表し、聡実の歌を褒め称えました。組長の悪い冗談で、狂児は死んでもおらず怪我もしていませんでした。聡実は思わず涙を流しました。
この日以来、聡実は狂児と連絡を取らぬまま卒業を迎えました。果たしてあれは幻だったのか・・・聡実は狂児の面影を探しにミナミ銀座に向かいましたがどうしても見つかりませんでした。その時、聡実は狂児の名刺を見つけ、改めて狂児との日々を思い起こしました。
以上、映画「カラオケ行こ！」のあらすじと結末でした。
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