キセキ あの日のソビトの紹介:2017年日本映画。4人組音楽グループのGReeeeN。彼らの代表曲である「キセキ」が誕生した秘話を映画化した青春ドラマ。GReeeeNのプロデュースを手掛けてきたジンと、弟でリーダーのヒデ。彼らが家族や仲間と衝突しながらも、音楽を志し突き進む姿を描きます。
監督:兼重淳 出演:松坂桃李(ジン)、菅田将暉(ヒデ)、忽那汐里(理香)、平祐奈(結衣)、横浜流星(ナビ)、成田凌(クニ)、杉野遥亮(ソウ)、早織(ふみ)、奥野瑛太(トシオ)、野間口徹、 麻生祐未、小林薫、ほか
映画「キセキ あの日のソビト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キセキ あの日のソビト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
キセキ あの日のソビトの予告編 動画
映画「キセキ あの日のソビト」解説
この解説記事には映画「キセキ あの日のソビト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キセキ -あの日のソビト-のネタバレあらすじ:起
メタルバンド“ハイスピ―ド”でボーカルをつとめる兄のジン(松坂桃李)。一方、彼の弟のヒデ(菅田将暉)は、医大を目指して浪人中です。医師の父(小林薫)と明るい母親(麻生祐未)に育てられた二人。
ある日、ライブを見に来たレコード会社の担当者・売野(野間口徹)に、デビューの話を持ち掛けられたジン。その日家に帰ると、厳格な父親は「いつまで音楽なんてくだらないことをするんだ!」と怒鳴り、ジンに殴りかかります。日本刀を持ちだし「せいばいしてやる!」と切りつけようとする父親。そこへ電話があり、父親は病院へと向かいます。ジンは家を出て、一人暮らしを始めることにしました。
一方、予備校と実家の往復だけの生活を送るヒデ。たまに行くCDショップで働く理香(忽那汐里)と付き合い始めます。この頃から自分の学力に限界を感じていたヒデは母親に相談しますが、「あなたは頭がいいんだから大丈夫よ」と励まされます。昔から歯の弱い母親が「いい歯医者さんいないかしら?」と言うのを聞いて、歯医大を目指すことを決めたヒデ。その夜、歯科大を目指すと父親に報告しました。実は薄々ヒデの成績では医学部は無理ではないかと心配していた母親。ヒデが自分のためにも歯医者になると決めたことが嬉しくて、母親はホッとします。
そんなある日、デビューしたジンは雑誌に取り上げられます。それを見せるために実家に帰ったジンですが、父親は「くだらない!」とまたも怒鳴ります。「ただのお遊びに過ぎない!」と言われ、ジンはヒデに「本当に歯医者になりたいのか?」と尋ねます。父親とジンが言い争うのを聞いて、たまらなくなったヒデは「僕は歯医者になります…」と言うしかありませんでした。
キセキ -あの日のソビト-のネタバレあらすじ:承
父親の反対を押し切って音楽の道に進んでいるジンですが、なかなか思うようにいきません。レコード会社の売野からは曲を作りなおすよう命じられ、「自己満足でいいなら世間に出す必要はない!」とまで言われてしまいました。怒ったバンドメンバーのトシオ(奥野瑛太)は売野に殴りかかろうとしますが、それを止めるジン。
季節は冬になり、試験を受けたヒデは、はれて歯科大に合格し母親は大喜びします。春になり、大学に通うヒデ。ナビ(横浜流星)やクニ(成田凌)、ソウ(杉野遥亮)と出会い、学生生活を満喫します。そんな時、ヒデはジンが実家に残したギターを手にして弾き始めました。後にナビやクニ、ソウたちと“グリーンボーイズ”を結成します。
その頃、自分のやりたい音楽と求められるものとのギャップに苦しむジンの姿がありました。仲間たちとぎくしゃくし始め、メンバーのトシオは「こんなの自分たちがやりたかったことじゃない!」と愚痴をこぼします。しかしジンは、売れなければ意味がないと励まします。我慢が限界に達したトシオはついに「今日で辞めるわ…」と言って、ハイスピードを脱退します。
ついに、グリーンボーイズの初ライブが開催される日がやってきます。そこにはヒデの彼女である理香(忽那汐里)の姿がありました。グリーンボーイズの曲が始まると、観客は一斉にわき立ちます。ヒデたちを見る観客の中には、トシオとジンの姿もありました。グリーンボーイズが歌う曲は、ジンがアレンジしたものです。「あいつら才能あるんじゃね?」と、トシオはジンに話し、ライブ会場を去ろうとします。ジンはトシオに本当にバンドを辞めるのか尋ねます。すると「身の丈に合ったことをしようと思う…」と、トシオは笑顔で去っていきました。
キセキ -あの日のソビト-のネタバレあらすじ:転
ライブが終わり、ヒデは理香にどうだったか尋ねます。すると「鳥肌が立った!」と言われ喜ぶヒデ。しかし、あくまでも音楽は趣味だとヒデは自分に言い聞かせます。
後日、レコード会社の売野のもとをジンが訪れます。ジンが必死で売野に頭を下げて、グリーンボーイズのデビューへとこぎつけました。デビューできると知ったナビたちは舞い上がります。しかし、あくまでも音楽は趣味と冷静なヒデ。
その後ジンはプロデューサーとして裏方に回ることにし、ヒデが歌詞を書いてジンの家で練習を重ねて再びデモテープを売野に持ち込みます。CDデビューが決まり、母親は舞い上がりますが、ヒデの心配の種は厳格な父にありました。ジンは「父親には内緒にしておけばいい」と言い、そのため、顔を出さずにCDデビューしようと考えます。
売野は顔を出さずに売り出すことはできないと断りますが、ジンの必死な説得で何とか顔を出さずにデビューが決まりました。グループ名がグリーンボーイズから「GReeeeN」に改められ、ロゴも出来上がり、順調にデビューに向けて進みだします。レコーディングスタジオを借りられない彼らは、ジンの部屋のクローゼットで録音。そしてついに新曲「道」が、デビュー曲としてリリースされました。
その曲を病室で聞く一人の少女・結衣(平祐奈)がいました。彼女の担当医師はヒデの父親です。幼い頃から心臓が悪く、救急搬送された結衣は、静かにGReeeeNの曲に耳を傾けます。
キセキ -あの日のソビト-の結末
ジンは自動車の整備工場で働くトシオの元を訪れます。自分は縁の下の力持ちとして徹することにしたと打ち明けるジン。
デビューを果たしたヒデですが、学業がおろそかとなっていたため、GReeeeNの活動を終わりにしようとします。父親から「今何が大事がしっかり考えろ!」と叱られたこともあり、理香に音楽はいったん辞めようと考えていることを伝えます。すると、「ヒデは何がしたいの?」と聞かれます。つい、きつい口調でヒデは言い返してしまい、理香は黙って帰っていきました。
その後、理香から言われた言葉が胸に刺さり、勉強していても何も頭に入らないヒデ。悩んだ末に「音楽はもう終わりにする…」と伝えますが、ジンは「続けたくても続けられないやつがいるんだよ!お前ひとりで決めてんじゃねーよ!」と怒りを爆発します。「お前には才能あるんだから、続けろよ…」とジンから言われ、しばらく考えたヒデはジンに音楽を続けたい旨を伝えました。
ジンは病院にいる父親に、ヒデが音楽をすることを認めてほしいと頭を下げに行きます。しかし、「人の命を救えるのは医者だけで、音楽では救えない。」と言い切る父親。ジンは「心の医者になり、誰かを救って見せる。」と告げるのでした。
ヒデはナビたちと再び練習を始めます。そしてついに「キセキ」がリリースされ、オリコンで一位になりました。
その頃、「キセキ」を気に入り病室でずっと聞いている結衣の姿がありました。ヒデの父親は彼女に声を掛けます。結衣はヒデの父親にGReeeeNの曲を聴かせて、「この曲いいです!私、生きたい…」と告げます。そして、心臓に人工の弁を付ける手術をすることを決めた結衣。
久しぶりに理香に会ったヒデは、自分たちの曲が売れて多くの人に聞いてもらえたことが嬉しく、音楽をしたいという気持ちが溢れていると説明します。理香はヒデの歌が好きだと伝え、二人は仲直りするのでした。
その夜、ヒデは父親に音楽がやりたいと頭を下げます。音楽合宿に行く日、父親は「GReeeeNって知ってるか?おまえも彼らのような曲を作れるようになれ。」とヒデとジンに声を掛けました。その後、歯科医として活躍するヒデやナビたちの姿があるのでした。
以上、『キセキ -あの日のソビト-』のネタバレあらすじと結末でした。
「キセキ あの日のソビト」のレビュー・考察
映画を観終わった後、まず思ったのが結局「ソビト」って何だったの? ということでした。小説を読むと、あっさり、謎が解けました。素人=(ソビト)つまり、「あの日の素人」ということでした。「空人」という解釈もあって、チャレンジャーを表す造語だそうです。「キセキ」はドラマ「Rookies(ルーキーズ)」の主題歌にもなってますね。予告CMでは、一切言及されてないと思われるけど「GReeeeN」の結成・ブレイクまでの物語。そして、全員が歯医者さんという2足のわらじの物語。そもそも「キセキ」だけで、ファンの人なら気づけたのでしょう。興行収入は他が300館上映に対し、150館で2位という大健闘。おかげでパンフレットも売り切れ中。上映館数も来週から増えるようだし、じきに増刷されることでしょう。個人的には、シンケンレッド(松坂桃李さん)とフィリップ(仮面ライダーW:菅田将暉さん)の共演で、東映の犬吠崎の波しぶきではじまるだけでも色々面白かったりはしたのですが、CD不況の世の中、顔出ししないアーティストが登りつめるまでのサクセスストーリーは、色々面白かったです。映画では描かれてませんが、「GReeeeN」の4人は歯医者さんなので、東日本大震災の検死にも参加されていたりして、どちらの仕事もおろそかにしてないという生き方も凄いなと思ったり。ただの夢物語じゃなく、そこに至るまでは挫折や障害があり、それでも想いを貫けるのか。決して人間、成りたいものになれるわけでなく、それでも辿り着ける場所はある…。2人の父親を演じる小林薫さんが、「深夜食堂」のマスターと違って怖いw 今時、あんな暴力的な父親いるかな? と思いつつ、ラストでホロリ。
続いて、より詳細なネタバレあらすじを解説します。
爽やかな良い映画です。
大ヒットする曲ばかり作る歯医者さんGReeeeN。
どうして歯医者と兼業なのか?顔を出さないのは他の理由?きっとファンじゃなくてもみんなが疑問に感じていた理由が描かれています。
家族映画でもあり、青春映画でもあり、イケメン目の保養映画でもあります。