傷物語II 熱血篇の紹介:2016年日本映画。西尾維新のベストセラー小説「物語」シリーズの前日譚を描いた劇場版アニメ3部作の第2弾「傷物語II 熱血篇」。吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを助けたことによって吸血鬼になってしまった男子高校生・阿良々木暦が人間に戻るため、過酷な戦いに挑む様子を描く。
総監督:新房昭之 監督:尾石達也 声の出演:阿良々木暦(神谷浩史)、羽川翼(堀江由衣)、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(坂本真綾)、忍野メメ(櫻井孝宏)、ドラマツルギー(江原正士)、エピソード(入野自由)、ギロチンカッター(大塚芳忠)ほか
映画「傷物語II 熱血篇」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「傷物語II 熱血篇」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
傷物語II 熱血篇の予告編 動画
映画「傷物語II 熱血篇」解説
この解説記事には映画「傷物語II 熱血篇」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
前回「I鉄血編」のあらすじをおさらい
高校2年生3学期の終業式後に、校門で、偶然、スカートが風にめくれ、羽川翼のフリルのパンツを見てしまった阿良々木暦。その羽川から吸血鬼の噂を聞いた帰り、羽川に似た眼鏡委員長のHな写真集を買いに出かけた暦は地下鉄入口で血だまりを発見してしまいます。血痕を辿ると四肢が切断された吸血鬼キスショットが助けを求めていました。あまりの恐ろしさに逃げ出す暦でしたが、赤子のような泣き声が耳から離れず、求められるまま血を与え、失血死してしまいました…そのはずでしたが、何故か目覚めた暦は、春休みの校舎で目を覚まします。
悪い夢だったのかもしれません。バイブ音に気づき、携帯を取り出すと双子の妹たちからのメールと着信履歴は100件以上、慌てて帰ろうと屋上に飛び出た暦は突然燃え出します。熱さと苦しさのあまり落下して燃える暦を受け止め助けたのは金髪の幼女でした。それは、四肢をなくしたキスショットが暦の血で変化した姿でした。うっかり日光を浴びると燃え上がり消滅してしまう夜や闇の中でしか存在できない吸血鬼の眷属になった暦が元の人間に戻る為には、キスショットの四肢を3人のヴァンパイアハンターから取り戻さなければいけません。でも3対1では勝ち目がありません。「なら1対1の対決をしてくれるよう交渉をしてあげよう」と持ちかけてきた金髪アロハの怪しい男、忍野メメ。果たして、暦は3人を倒し、キスショットの四肢を取り戻せるのでしょうか?
傷物語II 熱血篇のネタバレあらすじ1:VSドラマツルギー
嵐の中、直江津高校の校庭でにらみあう2人の男。1人は2mの長身で長髪で筋骨隆々、吸血鬼の特徴である耳がエルフか人外のように尖っています。バケツにたまった水に雨が降り注ぎ、あふれ出ています。
神谷浩史 VS江原正士 VS入野自由 VS大塚芳忠 傷物語 「Ⅱ熱血篇」(「Ⅱ熱血篇」の背景は白地に青丸。前回の「Ⅰ鉄血篇」は白地に赤丸、日の丸でした。)
何故か回想シーンが始まりました。幼女になったキスショットを膝枕して暦は第1回目の対戦相手であるドラマツルギーの情報を聞いています。でも、得られた情報は、ヴァンパイアハンターなのに、ヴァンパイアということでした。仕方ないので暦は合気道の本をパラパラとめくっても、しっくりこないので、野球の本を見て投球フォームを練習するのでした。何故か、どちらの本もチョンマゲ姿の町人が書かれていました。そこを羽川が通りかかります。羽川は親しげに話しかけてきます。暦は、まだ羽川が家に居場所がなく、寝る直前まで街を徘徊していることを知りません。それを知るのは、2カ月先。銀の毛並みの障り猫を埋葬するゴールデンウィークのことです。羽川は無神経に言いました。「吸血鬼に会ってみたいから」。それは、暦の逆鱗に触れました。そして心無いことをいいます。「お前といても楽しくない。楽しそうに見えたのは、お前の財産目当てだったから。」羽川もいいます。「何か気に障ったならゴメン。後、私の家、そんなにお金持ちじゃないよ。」「とにかく帰れ。顔も見たくない。優等生が劣等生に優しくしてやって、優越感か? 内申書のためか知らないが、人を惨めな気分にしないでくれ。後、勝手に人の携帯を触るな」そう言って、羽川が前日入力してくれた、家族以外唯一のアドレスを、羽川に見えるようにして削除しました。羽川は振り返らず逃げるように走り去りました。「これで僕の人間強度が強くなった」。そう、暦は嘯きます。高校1年生の1学期まで、暦は両親が警察官ということもあり、正義感と義侠心の塊のような少年でした。でもクラスメートの老倉育の自業自得とはいえ、登校拒否が人と関わることを極端に恐れるようになったのです。
そして、再び、嵐の中。ドラマツルギーとの対戦場面に戻ってきました。暦はシャドーボクシングで威嚇します。でも、プロは違います。ドラマツルギーの一蹴りで、暦の左腕は、肩から切断されました。何が起こったか分からない暦は、左腕の消失を認識すると、水溜まる地面を転げまわってのたうつのです。間髪入れず、ドラマツルギーは地面にクレーターができるような拳を振り下ろすのです。それは交わしました。暦は逃げ出しました。追いついてきたドラマツルギーは、暦を捕まえ、ガラス張りの校舎に叩きつけました。その反動で、暦は逃げ続けます。そして、気づきました。左肩の切り口から小さな手が生えてきていたのです。暦は逃げるのをやめました。そして、左腕を隠し、次の瞬間、右手で左手を引き抜きました。ノースリーブです。腕は再生しても、服はそのままです。再び逃走を始めました。いえ、今度は助走の為でした。屋上まで駆け上がり、追いかけてきたドラマツルギーの死角から、背後を狙い、合気道の腕ひしぎで左手をねじ上げました。でも、これは試合ではありません。殺し合いなのです。ドラマツルギーは両腕を剣に変え、暦の両腕を切断しました。
再び絶叫する暦を、なおも切断使用と追いかけてくるドラマツルギー。暦は、両足と肩だけでブリッジのように叫びながら逃げます。そのうち、両腕が生えたので、4つ足をフルに使ってブリッジで逃げ切り、グラウンドに飛び降りました。目当ては、体育倉庫でした。そして、引っ張り出してきた野球のボールをドラマツルギーに投げつけます。硬球とは言え、ドラマツルギーの肉体にはポコン程度。ピンポン玉が当たった程度のダメージもありません。しかし、次の瞬間、顔や身体に穴が開きだしました。砲丸投げの鉄球を投げ始めたのでした。そして、ドラマツルギーが無様に地面に倒れた時、暦は左腕を天に上げ、プルプル震えていました。ドラマツルギーは言います「参った」。暦は言います「何の冗談だ?」 そう言った暦は左手で、巨大なローラーを持ち、今にも振り落とそう待ち構えていたのでした。ドラマツルギーはさらに言います。「キスショットの眷属であろうと、経験値で勝てると思った。だが、その再生能力と怪力で勝機はなくなった。 さらに、そのローラーでつぶされると、2~3日は再生できない。負けだ。」ドラマツルギーはプロハンターなので、割に合わない仕事とみて、あっさり降参しようとしているのですが、暦にはそれが信用できません。「分かった。こう言った方がいいか? 命だけは助けてくれ。もう2度と手は出さん。右足も返そう」ドラマツルギーは去りました。やっと、暦もローラーを下しました。いつしか雨もやんでいました。でも、それで終わりではありませんでした。羽川が見ていたのです。
傷物語II 熱血篇のネタバレあらすじ2:友達になってください
暦「は、羽川、何でいるんだ? 帰ったんじゃないのか?」 翼『阿良々木くん、今のは?』 暦「俺がお前に近づいたのは、お前の財産目当てって言っただろ? 帰れよ」 翼『だから、私の家はお金持ちじゃないって、阿良々木くんに本心じゃない酷いことを言わせてごめんね。』 暦「じゃー、お前のダカラ目当てだ」 翼『ダカラ? 清涼飲料水の?』 暦「ダカラじゃない身体だ」 翼『阿良々木くんが、何か秘密を抱えて、私を遠ざけようとしてるのは分かる。でも私は、阿良々木くんの力になりたい。友達になりたいの』 暦「じゃ、もう一回パンツ見せてくれたら、友達になってやるよ」
暦は最低なことを言いました。今度こそ嫌われて羽川は帰ると思いました。でも、それでひるむ羽川ではありませんでした。音楽は「ツァラトゥストラはかく語りき(「2001年宇宙の旅」でお馴染み)」月と地球の影から太陽が昇ってきます。たくしあげたスカートから見えたのは紐パンでした。そして、さらに「ブラウスも脱いだ方がいい?」と聞きます。暦は駆け寄って謝罪しました。「心にもないことを言ってごめんなさい。友達になってください。」
こうして、3月31日の夜は終わりました。翌4月1日の夕方、忍野メメがボストンバックを持ってきました。直江津高校指定の学習カバンのようです。でも中身は勉強道具ではありません。ドラマツルギーが約束を果たし、キスショットの右足を返したのです。キスショットはピョンピョン飛び跳ねて、忍野から奪おうと必死です。仕方ないので、忍野が渡すと、一口で食べてしまいました。でも、ハイヒールを履いた足の形が両頬にくっきりと出ています。「食事中じゃ、出ていけ」と追い出されてしまった2人。暦は忍野に疑問をぶつけます。それはドラマツルギーとの戦いのさ中、暦の腕は瞬間再生したのに、何故キスショットの腕は再生しないのか?ということでした。それだけではありません。暦の切断された腕は、すぐ血の池に変わり消えたのです。何故、再生せず、ドラマツルギーに奪われていた足は原型を留めているのか? 忍野は煙に巻きます。「どうした? 阿良々木くん、何かいいことあったのかい?」 羽川のパンツを見て友達になったとは言えません。だから違う質問をします。「腕がちぎれてもすぐ生える…僕は本当に人間に戻れるのか?」忍野は韜晦し続けます。「酷いな。阿良々木くんは、君の命の恩人を疑うのかい?」
そうこうしているうちに、キスショットの食事は終わったようです。そこには中学生くらいの姿になったキスショットがいました。でも、満腹で眠くなったようです。夜になり羽川がやってきました。羽川も学生かばんを持ってきていました。でも、中身は着替えです。暦が頼んだのでした。カバンを開けるとブリーフが入ってました。愕然とする暦でしたが、羽川は気にしません。「トランクスも入っているから」 仕方ないので、暦は上着だけ着替えることにしました。
服を脱ぐと贅肉が一切ない筋肉質な身体が見えました。ピースマークのネックレスは何故か外しません。思わず、羽川は近寄って観察します。「阿良々木くん、以前より身体が引き締まってない?」寝ぼけてるキスショットが上半身を起こして答えます。「当たり前じゃい。吸血鬼化によって、代謝が高くなり、
余分な脂肪は全てエネルギーになるからの」そう言って、また寝ます。羽川がプニプニ触られるのが恥ずかしくなった暦は、「羽川は、他の男の身体を見たことがあるのか?慣れてるみたいだけど?」 羽川は好奇心のあまり、自分が大胆なことをしてることに今更ながら気づき、飛び退きます。そして壁際の椅子までたどり着くと、袋に入った本に気づきます。再び、寝ぼけたキスショットが解説します。「ワシに血を吸われてる間も大事そうに抱えていたから回収してやったわい。感謝するといい、我が従僕よ。バタン、グー」 その間に羽川は、袋を開け、自分によく似た眼鏡委員長のあらわな写真集を見てるのでした。「おやー? 確か、阿良々木くんは、本屋の帰りに吸血鬼に襲われたと言ってたような… おやおや…」 暦は返す言葉もありません。暦をいじめあきた羽川は「じゃ、教室の掃除でもしようか」教室という割には丸テーブルがあり、学食のような部屋です。暦は言います。「いいよ。寝るだけに借りてる部屋だし」そんなことをしている間に、次の対戦相手であるエピソードとの対決の日が近づいてました。
傷物語II 熱血篇のネタバレあらすじ3:VSエピソード
キスショットからのアドバイスは「知らん。忘れた」というものでした。それでも暦がしつこく聞くと、キスショットは右手で側頭部を貫き、脳みそをかき回すのでした。そして「思い出した」(後の展開から言えば、キスショットは、この時点で400年ぶりに南極から日本まで大ジャンプしたばかりで、エピソードとの記憶は、四肢を奪われた時の記憶しかないはずで、血を失ったことで、記憶も多少失っているのかもしれない。)
ともあれ、キスショットが思い出したのは、人間と吸血鬼から生まれたヴァンパイアハーフということで吸血鬼を恨んでいると言う情報だけでした。これまた、何の役にも立たない情報です。でも、実は重要な情報を含んでいたのです。
4月4日夜、階段の上で待ち構えていると、エピソードが巨大な十字架を背負ってやってきました。「ドラマツルギーの旦那、あんな吸血鬼になりたての小僧に負けるなんて、超うける。後遺症が残らない程度に殺してやるよ。化け物」 小僧なんて言ったエピソードでしたが、実はまだ生後5年でした。それなのに、暦より大人びて見えます。いや、言動や顔には幼さが残っているのかもしれません。暦は言い返す気にもなりません。エピソードが巨大な十字架を投げました。暦は交わし損ねました。左肩をかすりました。そこから青白い炎が燃えはじめ、物凄い激痛です。暦は気づきました。「十字架だと?」暦は吸血鬼なのです。ヴァンパイアハーフのエピソードは半人半鬼であるため、人間の血で十字架をもてます。しかし、吸血鬼の眷属である暦は十字架に触れることすらできません。逃げるしかできません。そして、エピソードは、瞬間移動で追い詰めます。羽川は気づきました。「阿良々木くん、相手は霧よ。霧だから…」 最後まで言えませんでした。巨大な十字架が右腹部をかすめたのでした。羽川は人間です。だから十字架に浄化されることはありません。でも、金属製の鈍器が高速でぶつかれば別です。腸をまき散らし、大量に出血しました。致命傷です。そして、エピソードは吸血鬼だけでなく、人間も憎んでいたのでした。だから、部外者だろうと、吸血鬼同様、たった5歳のエピソードを強制成長させた対吸血鬼の兵器にした憎い人間である以上、容赦はしなかったのです。暦は駆け寄りました。言葉にも出来ず、ただ声を漏らすのみです。息も絶え絶えな羽川は言いました。「コラ、しっかりしろ。阿良々木くん。相手は霧だから…」また最後まで言えませんでした。そして、それは遺言でした。
暦は咆哮し壊れました。そして、陸上競技場まで走りました。そして、土煙を起こします。エピソードも追いかけてきますが、霧が土煙に触れると…。暦は言います。「霧は水。ならばホコリに触れれば…」 姿を現したエピソードの首をへし折らんばかりに締めました。エピソードは気絶しましたが、羽川を失った暦は、息の根を絶つまで離す気はありませんでした。そこに、忍野が現れて肩を叩きました。メメ「阿良々木くん、君の勝ちだ。それ以上やると死んでしまう」 暦の怒りの矛先がメメに変わりました。胸倉を包んで言います。暦「でも羽川が」 メメは落ち着いて、暦の手を払って、アロハの着衣の乱れを直します。「ああ、委員長ちゃんか。気の毒だったね。でも契約外だ。僕の交渉は3人とだけ。それ以外は別料金だ。あの3人との交渉だって300万円、委員長ちゃんは…」 暦「だったら、300万円払えばいいんだろ」 メメ「毎度。少しは頭を使いなよ、阿良々木くん。君の不死身は何のためにあるんだい?」
暦「あ」
暦は、キスショットのように右こめかみをえぐりました。そこからこぼれる鮮血が羽川の傷を癒していきます。でも、それでも足りないので、心臓に手刀を差し込み、大量の血を注ぎこんだのです。傷はふさがりました。そして、白魚のようなお腹の上で、愛おしそうに頬ずりするのでした。気づいた羽川が「やめてくれない」と懇願しても、「もう少しこのままで」と、動こうとしないのでした。激闘と出血で疲れていたのかもしれません。
傷物語II 熱血篇のネタバレあらすじ4:新学期、学校で待ってくれ
キスショットは、エピソードから取り返した左足を食べ、さらに大きく、高校生くらいの肉体になって寝てました。一糸まとわぬ姿をカラスが飛んで隠しています。目を覚ますとドレス姿で、暦の前に現れました。全盛期ほどではないにしても、身長だけならは、165cmの暦にも引けを取りません。それでも、魔力はほとんど回復していないようです。結局、暦が最後のギロチンカッターとも戦う必要があるようです。
翌日ではないのかもしれません。何故なら、暦は、昼間は動けないはずだから、曇りであっても同じでしょう。恐らく、夜でも稼働している工場地帯のせいで、その対岸のススキが生い茂る川原も明るかったのでしょう。積み上げられた鉄骨の上に座る2人。昔なら、ドラえもんなら土管が積み上げられていたかもしれません。最近、そんな光景を見ないので、時代的な演出の変更でしょう。羽川はサンドイッチを用意して「トマト入りだよ」と勧めるのですが、暦は食べません。それでいて、吸血衝動もないようです。代わりに性衝動だけは残っているようです。仕方なく、コーラを渡しました。この数日、暦は何も食べてないはずなのです。羽川はダイエットコーラでした。
「ああ、太らない身体が羨ましい。」 暦は飲むかと思ったら、浜辺で水かけ遊びをするカップルのように、よく振って、コーラをまき散らしました。その飛沫を浴びまいと羽川は逃げます。戯れがひと段落すると、暦は言いました。「羽川、もう、ここには来ないでくれ。これ以上、傷つかないでくれ。羽川が傷ついた時、僕は壊れてしまいそうだった。僕は、吸血鬼で、再生能力があっても、あいつらの前に立つのは怖い。なのに、何も持ってない羽川は、強いな。聖人か? 僕は、お前の自己犠牲がが怖いよ」羽川は答えました。
「自己犠牲じゃないよ。自己満足。私ほど我儘で、自分勝手な人間はいないよ。でも分かった。もう私に出来ることはないみたい。」暦は言いました。「ある。新学期、あの教室で待ってくれ。僕は必ず登校して、羽川と学園生活をするんだ。」(どうやら、直江津高校では、1年での理系・文系の選択以後は、2年から3年になる時、クラス変えはないらしい。)
「うん、分かった。新学期に返してね。」そう言うと羽川は、スカートの中に手を突っ込み、紐パンを脱ぎ、手渡しました。暦はフリーズしてましたが、高々とパンツを握った手を振り上げて、こう言いました。「絶対返さない。これは阿良々木家代々の家宝にする。そして返さない代わりに、恩を必ず返す。羽川、お前が困った時、絶対駆けつける。何もできないかもしれないが、そばにいる。」 羽川「いいから絶対返しなさい。」(暦の約束は、ゴールデンウィークと、3年の2学期が始まって1週間後に果たされることになります。)
そして、やや動きづらそうに後ずさりしながら羽川は言いました。「阿良々木くん、私が、これから、この危険極まりない格好で、防御力が全くないスカートで帰ることに比べれば、今からギロチンカッターさんという人に勝って、新学期、学校に登校するなんて訳ないよね。」 暦も答えました。「ああ、絶対勝って登校する。」
傷物語II 熱血篇の結末:VSギロチンカッター
学校に戻り、教室で余韻に浸っている暦の元に、忍野が駆け込んできました。「すまん阿良々木くん。やられた。委員長ちゃんをさらわれた」 暦は詰め寄ります。「どうして羽川が? いや、僕はどうすればいい?」それに対する忍野の助言は非情な一言でした。「阿良々木くん、人間であることを諦めろ」
かくして、最後の対戦相手、ギロチンカッターは、ヴァンパイアハンターでしたが、ただの人間でした。一番怖いのは人間。力がないために、策で、しかも奸計で、怪異の王である吸血姫キスショットの眷属に人質作戦をしかけてきたのでした。パンチを履いてない羽川は、ギロチンカッターに首を掴まれ、虫の息です。暦には何もできません。暦「それでも人間か」 翼「阿良々木くんダメ」 ギロチンカッターは余裕です。「高校生の青臭い友情ごっこには付き合ってられないので、開始の合図で両手を上げて降参してください。では3、2…」 その時、おかしな回想シーンが入ります。忍野の「阿良々木くん、人間であることを諦めろ」のセリフと共に、車道を爆走する暦。2トン以上ある車が木の葉のように吹き飛ばされています。
そして、暦が胸の高さまで手を持ち上げた時、暦の指が伸びました。10本の指は枝のように細分化し、ねじれ巨木のようになっていきます。羽川をあっという間に助け、そして、ギロチンカッターは、巨木の上で磔刑になっています。巨木を構成したままの伸びた指を他所に、暦は両腕でしっかりと羽川を抱きかかえてました。そして思うのです。「僕は本当に人間に戻れるのか?」
戦いを振り返ってみれば、吸血鬼のドラマツルギーは、動物が強いものには絶対服従するように、吸血鬼として暦に圧倒的な強さを見せつけられたので、負けを認め、半吸血鬼のエピソードも所詮、精神年齢が5歳のガキで、単なる弱い者いじめとなりさがり、最後の人間ギロチンカッターは、人外の力を行使して、吸血鬼として暦は生き残ったのでした。もはや自分は人間ではない。そう阿良々木暦が悩むのも無理はないことでした。
以上、傷物語II 熱血篇のあらすじと結末でした。
傷物語「Ⅲ冷血編」:予告
傷物語「Ⅲ冷血編」。イメージカラーは白。暦「死んでくれ我が主人」 キスショット「死ぬがよい我が従僕」。キスショット「うぬは儂だから助けたのではない。弱っていれば、誰でも助けたのじゃ。」羽川「阿良々木くん、私のノーブラオッパイを揉み揉みしてくれませんか?」 2017年1月6日(金)公開予定!
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