まほろ駅前狂騒曲の紹介:2014年日本映画。直木賞作家三浦しをんの人気作「まほろ駅前シリーズ」の第3作目となる同名小説を映画化した作品。まほろ町で便利屋を営む多田と同級生の行天。腐れ縁の男二人組が様々な事情を抱える依頼人達のために奔走する様をユーモアとペーソスを交えて描いた人間ドラマです。
監督:大森立嗣 出演:瑛太(多田啓介)、松田龍平(行天春彦)、高良健吾(星良一)、真木よう子(柏木亜沙子)、麿赤兒(岡)、本上まなみ(三峯凪子)、奈良岡朋子(曽根田菊子)、新井浩文(飯島幸三)、ほか
映画「まほろ駅前狂騒曲」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「まほろ駅前狂騒曲」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
まほろ駅前狂騒曲の予告編 動画
映画「まほろ駅前狂騒曲」解説
この解説記事には映画「まほろ駅前狂騒曲」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
まほろ駅前狂騒曲のネタバレあらすじ:起
多田啓介はまほろ駅前で多田便利軒という便利屋を営んでいます。同居人の助手行天晴彦は多田の中学時代の同級生であり、二人はもう二年も苦楽を共をしています。大晦日の夜多田便利軒に一本の電話がかかってきます。それは行天の元妻である三峯凪子からの依頼でした。研究のため一ヶ月ほどアメリカの研究施設に行くことになった凪子は、娘のはるの預け先に困り、多田を頼ってきたのでした。凪子と行天の結婚は子供をもうけるためだけの偽装結婚だったため、はると行天の間には血の繋がりはあるものの親子として対面したことすらありません。多田は子供嫌いな行天にははると共に生活するなど無理だと断わろうとしますが、なんとか行天を説得してほしいと凪子から頼まれてしまいます。多田は生後間もなく我が子を失った上妻とも別離しており、なんとか凪子の力になりたいと思い始めていきます。そして自分の姪っ子を預かることになったと嘘をついて行天を説得し、はるを迎える準備を始めます。
まほろ駅前狂騒曲のネタバレあらすじ:承
一方まほろ町では無農薬野菜を栽培し、食の安全を訴えかけるHHFAという団体が勢力を拡大していて、まほろ市に本拠を置く暴力団岡山組にも彼らの噂は広がっていました。多田はまほろ市の裏社会で暗躍する星良一からこの団体の本性を暴いてほしいと依頼されます。HHFAの農場に潜入した多田と行天は彼らが無農薬を謳いながらも農薬を使用して野菜を栽培している証拠を掴みます。一方多田は刑事の早坂から行天がHHFAの前身である天の声教団の信者であったと聞かされます。さらにHHFAの代表で天の声教団の教祖の息子である小林ととても仲の良い間柄であったことから、行天には十分注意するよう警告されてしまうのでした。いよいよはるが便利軒にやってくる日が来ました。しかしはるが行天に本名を名乗ってしまったことから、多田の嘘はすぐにバレてしまいます。三人の共同生活が始まりますが、行天ははるを拒絶し続けます。彼は子供の頃天の声教団の信者であった母から虐待を受けていたトラウマを抱えており、人と深く関わることを恐れているのでした。
まほろ駅前狂騒曲のネタバレあらすじ:転
ある夜多田はデートの約束があると嘘をつき、行天とはるを二人きりにする作戦に出ます。狼狽する行天でしたが、はるは彼にもうすっかり心を許していて、行天のそばで安心したように眠り始めるのでした。ある日多田と行天はHHFAの会員である田村由良という少年から助けて欲しいと頼まれます。由良はHHFAで過酷な肉体労働を強いられていました。行天は多田の留守中にはるとともに農場に乗り込み、由良を連れ出すことに成功します。しかし三人が乗り込んだバスには偶然にも代表の小林が同乗していて、行天と小林は思いがけない形で再会を果たすのでした。さらに間引き運転に反対する老人達によってバスがハイジャックされてしまいます。小林はHHFAで一緒にやり直さないかと行天を誘い、さらにはるを神様の子供にしないかと言い出します。激昂した行天が小林を殴ると、小林もナイフを振り回して応戦します。二人の喧嘩をやめさせようとした由良が持っていた拳銃を暴発、その弾が運悪く行天の腹に命中してしまうのでした。
まほろ駅前狂騒曲の結末
事件を聞きつけた警官たちによってバスはあっという間に包囲されていきます。腹を撃たれ瀕死の行天は小林に自由になってやり直すべきだと語りかけます。小林もまた幼き頃から教祖であった親に支配され、苦悩を抱えながら生きてきたのでした。バスを降りた小林は怪我人がいるから早く医者を呼んでくれと叫びますが、警察は小林をバスジャック犯だと思い込んでいます。由良とはるに支えられながら行天もバスを降りてきますが、力尽きてその場に倒れこんでしまいます。行天の元に駆け寄ろうとした小林は警官に肩を撃たれてしまうのでした。その場に駆け付けた多田は意識を失っていく行天を抱き留めると、行き場の怒りを爆発させるのでした。その後行天と小林は奇跡的に一命を取り留め、HHFAも解体されました。そしてはるが家に帰る日がやってきます。はるは入院中の行天に別れを告げにきますが、行天は去っていく娘と対面する勇気がありませんでした。その後行天は多田の前から姿を消してしまいます。サクラが散り始めたころ、仕事をしている多田のもとに行天がふらっと現れます。二人はタバコを一本吸うと、いつものように便利屋の仕事に戻っていくのでした。
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