ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―の紹介:2018年日本映画。アニメーション製作会社「スタジオポノック」が贈る、3話の短編からなるオムニバス作品『ポノック短編劇場』第1弾です。米林宏昌監督による『カニーニとカニーノ』、百瀬義行監督による『サムライエッグ』、山下明彦監督による『透明人間』の3編から構成されています。
『カニーニとカニーノ』監督:米林宏昌 声の出演:木村文乃(カニーニ)、鈴木梨央(カニーノ)、てらそままさき(トト)、佐々木優子(カカ)ほか 『サムライエッグ』監督:百瀬義行 声の出演:篠原湊大(シュン)、尾野真千子(ママ)、坂口健太郎(パパ/医者)『透明人間』監督:山下明彦 声の出演:オダギリジョー(透明人間)、田中泯(盲目の男)
映画「ちいさな英雄」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ちいさな英雄」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―の予告編 動画
映画「ちいさな英雄」解説
この解説記事には映画「ちいさな英雄」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―のネタバレあらすじ:カニーニとカニーノ
ここは手付かずの自然が広がる川の底。擬人化されたカニのカニーニ(木村文乃)と弟のカニーノ(鈴木梨央)は父トト(てらそままさき)と共に川魚を捕まえて生活していました。かつては母や他の兄弟たちと大家族で暮らしていた一家でしたが今や3匹だけとなり、天敵である大型魚から逃れるように川底の洞窟で暮らしていました。
そんなある日、行方不明になったままの母カカ(佐々木優子)の夢を見ていたカニーノは外に出てしまい、探しに向かったトトは木の根っこにしがみついているカニーノを発見しますが、折からの悪天候で水流は勢いを増しており、トトはカニーノを助けた直後に水流に飲まれて行方不明になってしまいました。
やがて季節は夏から秋へと移ろい、カニーニは泣きじゃくるカニーノを連れてトトを探す旅に出発、獰猛な大型魚の目を掻い潜って水辺に上陸、アライグマの群れに遭遇しながらもトトを探して回りました。やがてある川のほとりにトンボの羽を見つけた2匹は早速水中に潜ってみると、そこには重傷を負って岩陰に隠れているトトの姿がありました。2匹が近づこうとしたところ、そこに巨大な魚が襲い掛かってきました。あわや3匹は魚に食べられそうになったその時、魚は水鳥に襲われて食べられ、3匹は命拾いしました。やがて元の住処に戻った3匹は密かに生き延びていたカカと再会、そして生まれたばかりの数匹の兄弟と対面を果たしました。そして時は流れ、成長したカニーニとカニーノは親元から巣立ち、新たな旅に出ました。
ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―のネタバレあらすじ:サムライエッグ
生まれつき重度の卵アレルギーを持つ少年・シュン(篠原湊大)は、ママ(尾野真千子)に連れられて病院のアレルギー検査を受診しましたが、途中で激しい腹痛に襲われてしまいます。
ある日、歯磨きをしていたシュンは下の葉が抜けたことをママとこれから出勤するパパ(坂口健太郎)に伝え、抜けた歯をマンションの部屋から外に投げ捨てました。シュンの元には河口湖の自然教室へ行く話がありましたが、シュンは行くべきか行かないべきか悩んでいました。ママはシュンとの辛く過酷なアレルギーとの闘いの日々を振り返っていました。
学校の給食を食べられず、いつもママ手作りの弁当を作ってもらっているシュンはママにも自然教室に弁当を持ってきてほしいと頼みますが、ママは非現実だとして拒否しました。そんなある日、ダンサーを目指すママはオーディション会場にシュンを連れて行きますが、シュンは思わずクッキーを食べそうになり、ママはシュンを止めるためオーディションを断念せざるを得ませんでした。
ある日、野球の練習を終えたシュンは道端でハトの死骸を見つけ、家に戻るとつい冷蔵庫にあったアイスクリームを口にしますが、原材料には卵が使われていました。シュンは母に電話をすると薬を持って家を飛び出し、強いアレルギー反応に苦しみながらもハトの死骸を思い出し「絶対に死なない!」と強く思いました。シュンは幸いにも近所のおばさんに助けられ、ママによく頑張ったと励まされながら救急車に乗り込みました。ママは卵アレルギーを克服すると誓ったシュンの抜けた歯が生え変わろうとしているのを見て喜びました。シュンは学校で飼われているニワトリの卵にマジックペンで“サムライ”の絵を描きました。
ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―のネタバレあらすじ:透明人間
とある古いアパートに暮らす透明人間(オダギリジョー)はいつものように目覚まし時計に起こされ、トイレに入り、服を着てメガネをかけ、リュックサックと消火器を持ってスクーターに乗って出勤しました。
透明人間は自動車ディーラーに勤めているのですが、接客はいつも普通の人間である同僚の役目であり、憧れの女性社員にも気付いてもらえません。
帰る途中、スクーターが故障してしまった透明人間は近くのコンビニに入ろうとするも自動ドアは認識してくれず、他の客と同時に入るとATMから金を引き出そうとしますがこちらも反応してくれません。なけなしの金でパンを買おうとしても店員は振り向いてくれず、仕方なく透明人間は外に出ますが、体重がほとんどないに等しい彼は風に飛ばされないための“重石”代わりである消火器を手放してしまい、折からの強風に飛ばされ、街中をさまよった末に工事現場のツルハシを重石代わりにして難を逃れました。
雨に打たれながらうなだれる透明人間の元に、一人の盲目の男(田中泯)が盲導犬を連れて現れました。犬はどうやら透明人間に反応しているらしく、男は透明人間に「お前さん、こんなところで何してるのかい?」と尋ねながらパンを渡してくれました。男が去った後、透明人間はパンを食べていると、道路にベビーカーが転がっており、その背後には暴走するトラックが迫っていました。透明人間は何とかスクーターのエンジンをかけるとベビーカーを助けに走り、風に飛ばされそうになりながらも何とか赤ん坊を救いました。傷を負った透明人間は必死で赤ん坊をあやすと、赤ん坊はまるで彼が見えているかのように喜んでくれました。生きる気力を取り戻した透明人間は、またいつもの日常に戻っていきました。
以上、映画「ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―」のあらすじと結末でした。
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