魍魎の匣(もうりょうのはこ)の紹介:2007年日本映画。京極夏彦の小説シリーズ『百鬼夜行』シリーズ第2弾であり、第1弾『姑獲鳥の夏』(2005年公開)に引き続いて映画化されました。となる同名の長編推理・伝奇小説を映画化したサスペンスです。2008年にはテレビアニメ化もされており、2019年6月には橘ケンチ(EXILE、EXILE THE SECOND)の主演で舞台化も決定しています。
監督:原田眞人 出演者:堤真一(中禅寺秋彦)、椎名桔平(関口巽)、阿部寛(榎木津礼二郎)、荒川良々(安和寅吉)、田中麗奈(中禅寺敦子)、清水美砂(中禅寺千鶴子)、篠原涼子(関口雪絵)、田村泰二郎(妹尾)、原田遊人(根路銘半次郎)、秋本つばさ(神子上マチ子)、吉沢季代(美女丸梅若)、マギー(鳥口守彦)、堀部圭亮(青木文蔵)、寺島咲(柚木加菜子)、谷村美月(楠本頼子)、黒木瞳(柚木陽子)、宮迫博之(木場修太郎)、宮藤官九郎(久保竣公)、柄本明(美馬坂幸四郎)、笹野高史(今出川所長)ほか
映画「魍魎の匣」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「魍魎の匣」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
魍魎の匣の予告編 動画
映画「魍魎の匣」解説
この解説記事には映画「魍魎の匣」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
魍魎の匣のネタバレあらすじ:起
太平洋戦争の混乱の最中、榎木津礼二郎(阿部寛)はたまたま出くわした久保竣公(宮藤官九郎)と共に洞窟へ逃げ込み、久保はその中に“魍魎(もうりょう)”に憑りつかれていた少女のバラバラ死体を発見しました。
終戦から7年後の1952年、東京。近頃は少女のバラバラ殺人事件が世間を騒がせていました。相手の記憶を見る能力を活かして私立探偵となった榎木津は今出川所長(笹野高史)の紹介で、秘書の安和寅吉(荒川良々)と共に映画女優の柚木陽子(黒木瞳)の元を訪れました。
陽子の14歳になる娘の加菜子(寺島咲)が失踪したとのことで、陽子は加菜子の祖父で財閥の主の柴田の遺産相続を巡って、弁護士の増岡則之(大沢樹生)が柴田から陽子と加菜子の監視を命じられていた雨宮典匡(右近健一)という人物に加菜子を匿うよう命じたと証言し、加菜子の居場所を突き止めてくれるよう榎木津に依頼しました。
しかし、雨宮いわく加菜子は目を離した隙に行方不明になったということで、実は加菜子は親友の楠本頼子(谷村美月)と行動を共にしていました。しかし、そんな二人を謎の男二人組が狙っていました。
魍魎の匣のネタバレあらすじ:承
この10時間前、売れない小説家の関口巽(椎名桔平)は親しいカメラマンの鳥口守彦(マギー)から世間を騒がしている美少女ばかりを狙った連続殺人事件の話を振られました。その後、関口が出向いた出版社には新進の怪奇作家となっていた久保の姿がありました。その後、出版社には殺害された少女のものと思われるバラバラの手足が送り付けられ、関口と鳥口はたまたま居合わせた記者の中禅寺敦子(田中麗奈)と共に事件の謎を追うことにしました。
やがて三人は、警察から入手した資料などから、最近流行している箱に“穢れ”を閉じ込めるという新興宗教“深秘御箱教会(通称:御箱様)”の信者名簿と行方不明者のリストが一部合致していたことから、一連の事件の裏には御箱様が絡んでいるのではと疑念を抱き、その正体を暴こうとしました。
時系列は再び加菜子と頼子に戻り、二人は男二人組に襲われそうになりましたが、そこに久保が現れて男たちを射殺しました。加菜子と頼子は汽車で逃げようと駅へ向かいましたが、頼子が加菜子のニキビをつぶそうとし、加菜子は誤ってホームから転落、汽車に撥ねられて重傷を追ってしまいます。
汽車に乗っていた青木文蔵刑事(堀部圭亮)が加菜子を病院に運び、青木刑事は陽子の大ファンであり、この日も映画館で彼女の映画を観たばかりの相棒の木場修太郎刑事(宮迫博之)にも捜査協力を求めました。一方、陽子は加菜子を延命すべく、かつて旧日本軍の研究施設だった巨大な箱のような建物“美馬坂近代医学研究所”に来ていました。
魍魎の匣のネタバレあらすじ:転
榎木津、関口、敦子、鳥口は、敦子の兄で古書店“京極堂”を営む中禅寺秋彦(堤真一)の元を訪ねました。中禅寺たちは連続殺人事件、加菜子の遺産相続問題、そして御筥様との関連性を暴き、榎木津は戦時中のあの日、久保が少女の遺体が入っていた箱の中の魍魎を食べていたことを思い出しました。
榎木津は久保の自宅に潜入、大量の箱と少女の切断された腕などを発見しました。箱の中には手足を切断された頼子が入っていました。その時、榎木津は久保に襲われ、最期の力を振り絞った頼子に助けられました。榎木津との格闘で深手を負った久保は研究所の中に入りました。
一方、中禅寺は御筥様の本部に乗り込み、御筥様の教主・寺田兵衛(大森博史)を言葉巧みに問い詰め、インチキを暴き出すことに成功しました。実は、寺田は久保の実の父親であり、美馬坂近代医学研究所の所長である美馬坂幸四郎教授(柄本明)と繋がりがあったのです。中禅寺はかつて美馬坂教授と同じ部署で働いたことがあり、面識がありました。
美馬坂教授は戦時中、不死身の兵士の研究をしており、久保は美馬坂教授の弟子だったことも明らかになりました。そして戦後も研究を続けていた美馬坂教授は研究費用を手にするため加菜子が相続するはずの遺産を狙っており、寺田に新興宗教を隠れ蓑にした荒稼ぎ方法を伝授する代わりに実験用として久保に少女たちを殺すように命じていたのです。
魍魎の匣の結末
その頃、研究所では美馬坂教授が手足を失いながらも生き延びていた加菜子を実験体として研究を続けていました。やがて久保の手足が発見され、誰しもが久保は死んだものと思いましたが、中禅寺は久保がまだ生きていると断言しました。
久保が美馬坂教授の研究所にいることを知った中禅寺、榎木津、関口、敦子、青木刑事、木場刑事たちは真実を突き止めるため研究所内に潜入しました。そこで一同は美馬坂教授が陽子の義理の父であり、何と加菜子は美馬坂教授と陽子の間に生まれた子供だという禁断の関係を知ることとなりました。
美馬坂教授は研究の完成を急ぐなか、建物内を探し回っていた榎木津は魍魎となった久保を発見しましたが、箱はオーバーヒートを起こして大爆発を起こし、加菜子と美馬坂教授、久保は崩れゆく建物の中へと消えていきました。
数ヶ月後、関口の妻・雪絵(篠原涼子)は中禅寺の妻・千鶴子(清水美砂)に旅行中に出会った人物の話をしていました。その人物とは陽子と加菜子の監視役だった雨宮であり、彼が所持する箱の中には手足を失いながらも生き伸びていた加菜子が不敵な笑みを浮かべていました。
以上、映画「魍魎の匣」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する