MR.LONG/ミスター・ロンの紹介:2017年日本,香港,台湾,ドイツ映画。『ポストマン・ブルース』『天の茶助』などのSABU監督と『グリーン・デスティニー』『レッドクリフ』などの台湾の実力派俳優チャン・チェンがタッグを組んだハートウォーミング・バイオレンス映画です。日本での仕事に失敗して逃亡した台湾の殺し屋が、彼を迎え入れた田舎町の人々との交流を通じて人間らしさを取り戻していく様を描きます。
監督:SABU 出演者:チャン・チェン(ミスター・ロン)、青柳翔(賢次)、イレブン・ヤオ(リリー)、バイ・ルンイン(ジュン)、有福正志(平助)、諏訪太朗(忠雄)ほか
映画「MR.LONG/ミスター・ロン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「MR.LONG/ミスター・ロン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
MR.LONG/ミスター・ロンの予告編 動画
映画「MR.LONG/ミスター・ロン」解説
この解説記事には映画「MR.LONG/ミスター・ロン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
MR.LONG/ミスター・ロンのネタバレあらすじ:起
台湾・高雄。札束とパスポートを持って集っていたチンピラたちの前にプロの殺し屋ミスター・ロン(チャン・チェン)が現れました。ナイフ使いに長けるロンは素早くチンピラたちを仕留め、次の仕事先である東京・六本木に向かいました。
渡された写真とパスポートだけを手掛かりに標的の台湾マフィアをとあるクラブにて見つけたロンでしたが、マフィアと組む日本のヤクザに捕まり、麻袋に詰められて袋叩きにされました。とどめを刺されようとしたその時、賢次(青柳翔)という男が「俺の女を返せ!」とヤクザに詰め寄り、ロンはその隙に逃げ出して停車中の配送トラックに乗り込み、その場を離れることに成功しました。賢次はヤクザに撃たれて命を落としました。
ロンが辿り着いた先はボロ家ばかりが立ち並ぶ寂れた北関東のとある田舎町でした。そこでロンはまだ8歳の少年ジュン(バイ・ルンイン)に助けられ、傷の手当や衣服、野菜などの食材を提供してもらいました。ロンはそれらの食材を廃屋で調理し、ジュンに食べさせたところ台湾語で「美味しい」と喜んでもらえました。ジュンの母リリー(イレブン・ヤオ)は元々台湾人なので台湾の言葉が話せるということです。そんなリリーは覚せい剤に溺れており、ロンはジュンへの恩返しのつもりで半ば強制的にリリーから覚せい剤を取り上げて薬抜きをさせました。
MR.LONG/ミスター・ロンのネタバレあらすじ:承
ある雨の日、ロンの前に近所の住民が現れ、自宅の台所まで連れて行くとロンに料理を作らせてみました。やがてロンの料理の腕前は町中の評判となり、ロンは日本語がわからないながらも少しずつ住民たちと交流を持つようになっていきました。
住民たちはロンに使わなくなった家財道具や衣類などを提供、更には家の修繕やゴミ出しまで手伝ってくれました。やがてロンは屋台を作ってもらったことをきっかけに、神社の境内で屋台を出して料理を提供するようになりました。ジュンはいつも手伝ってくれており、ようやくクスリの抜けたリリーもまたロンの作る料理に舌鼓を打ちながら健気な我が子を見つめていました。
ロンが屋台を出してから数日。ロンの料理は更に評判を呼んで行列ができるようになり、ロンは住民の一人から温泉旅館の宿泊券をもらってリリーやジュンと一緒に旅行に出かけることになりました。ロンは旅行を通じてリリーやジュンと親睦を深め、やがてロンたち3人は親子のような間柄となっていきました。
MR.LONG/ミスター・ロンのネタバレあらすじ:転
(本作ではリリーの過去の回想も描かれます)
リリーは出稼ぎのため日本を訪れ、ホステスとして働いていました。給料支給日、当時運転手をしていた賢次だけが車に傷をつけた罰として給料を貰えなかったので、リリーはこっそり自分の給料を少し分けてあげました。それがきっかけでリリーと賢次は恋仲となり、やがてリリーは賢次の子(ジュン)を身籠ったのですが、店を牛耳るヤクザから賢次は売り物に手を出したことでこっぴどく制裁を受けることになりました。隙を見て店から逃げ出したリリーは一人でジュンを出産したのですが、生活費を稼ぐために売春に手を染め、客のヤクザからクスリを打たれてしまい、以来薬物依存症に陥って当時住んでいたアパートを追い出され、ジュンと共にこの町に流れ着いたのです。
リリーはロンのおかげで薬物依存から脱することができ、これまで人を殺める生き方しかできなかったロンもまたジュンとリリーのおかげで少しずつ人間らしさを取り戻していきました。しかし、そんな幸せな日々も長くは続きませんでした。
MR.LONG/ミスター・ロンの結末
ある日、ロンがジュンとリリーと外出していると、何とかつてリリーをクスリ漬けにしたヤクザがいました。リリーはロンとジュンに忘れ物をしたと嘘をついて急いで家に逃げ帰りますが、彼女を追ってきたヤクザは彼女を脅し、リリーをレイプして覚せい剤を打ちました。そしてヤクザはロンの屋台に向かい、誰かに電話をすると去っていきました。
家に戻ったロンは、首を吊っていたリリーを発見しました。全てを察したロンはジュンの目を伏せると、大勢がかりで屋台を壊すヤクザの仲間たち、そして以前殺り損ねた標的の台湾マフィアの一味と対峙しました。ロンはナイフを手にしてヤクザやマフィア一味を全員抹殺しましたが、これまでロンを慕ってきたジュンや町の住民たちはロンの真の姿を見て衝撃を受けました。ロンは住民たちに何も語らずに町を離れ、台湾に戻って再び殺し屋課業に戻りました。
そんなある日、ロンの前に見たことのある人々がやってきました。それは、ロンをわざわざ台湾まで追いかけて来たジュンや町の住民たちでした。ロンはジュンを抱きかかえると泣き笑いの表情を浮かべました。ロンはジュンを引き取り、この台湾で育てることにしました。
以上、映画「MR.LONG/ミスター・ロン」のあらすじと結末でした。
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