二十六夜待ちの紹介:2017年日本映画。佐伯一麦の同名小説を原作とする作品。記憶を取り戻せない男と震災によってすべてを失った女。孤独を抱える二人は何かに引き寄せられるかのように激しい恋に落ちていきますが…。井浦新、黒川芽以共演による官能的なラブストーリーです。
監督:越川道夫 出演者:井浦新(杉谷)、黒川芽以(由実)、天衣織女(由実の叔母)、鈴木晋介(由実の叔父)、鈴木慶一(大沢)、諏訪太朗(木村)、ほか
映画「二十六夜待ち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「二十六夜待ち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
二十六夜待ちの予告編 動画
映画「二十六夜待ち」解説
この解説記事には映画「二十六夜待ち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
二十六夜待ちのネタバレあらすじ:起
福島県いわき市。東日本大震災で被災し、すべてを失った由実(黒川芽以)は叔母の営む工務店に身を寄せています。無気力な日々を送っていた由実はある日、町で小料理店のパート募集の張り紙を目にし、さっそく店を訪ねます。
店主の杉谷(井浦新)は人出が足りないのですぐに来てもらえると助かると話し、由実は即採用となりました。翌日から店で働きだした由実は、福祉課の職員である木村(諏訪太朗)ら常連客からも気に入られ、仕事にやりがいを見出し始めます。
店主の杉谷は腕のいい料理人ですが、とにかく無口で自分のことは何も話したがりません。杉谷には東北訛りがないことから東京出身なのではないかと由実は推測しますが、出身地を聞いても答えてはもらえませんでした。
二十六夜待ちのネタバレあらすじ:承
仕事にも慣れてきた頃、由実は杉谷に頼まれ、夜の時間帯も店を手伝うことになりました。ある晩、木村が幼馴染の大沢(鈴木慶一)を店に連れてきて、酔った二人は地元の民謡を歌って盛り上がります。
営業終了後、由実が店の二階で片づけをしながら故郷の民謡を口ずさんでいると、そこへ杉谷が入ってきます。由実が、歌を歌ったりすることはないのか?と尋ねると、杉谷は自分はよそ者だからとだけ答えます。杉谷の手は震えていました。そしてこわごわと由実の頬に触れるとキスをします。由実も杉谷を受け入れ、二人は抱き合いますが、行為の最中で杉谷は突然頭を抱えてうずくまってしまいます。
二人はその後も何度も肌を重ね合わせますが、なかなか結ばれることができません。由実は杉谷が抱える孤独を理解したいと思っていましたが、杉谷は深く介入されることを恐れます。
二十六夜待ちのネタバレあらすじ:転
ある晩、杉谷は自分が死んでいるのか生きているのか分からなくなると由実に漏らします。由実は杉谷が過去の記憶の一切を失っていることを知ります。
八年前のある晩、いわき市の山中で保護された杉谷は、板前の技術を持っていたことから、木村の助けを借り今の店を始めるに至りましたが、果たして自分は何者なのかという不安に常に苛まれてきました。
由実と杉谷は半同棲生活をし、夫婦のような暮らしを始めますが、由実は杉谷の心の闇には触れることができずにいました。ある日、由実は杉谷から過去の手掛かりを掴むため東京へ一緒に行かないかと誘われます。由実は躊躇しますが、たまには羽根を伸ばしてみたらどうかと言う叔母の言葉に背中を押され、東京行きを決めました。
二十六夜待ちの結末
上野へやってきた二人、その晩小料理屋でフグの薄造りを食べます。杉谷はフグのさばき方を鮮明に覚えていました。杉谷は過去の記憶は取り戻すことはできませんでしたが、由実はいわきに来てからの八年間分の記憶はしっかりと溜まっているのだから、それでいいのではないかと杉谷に語り掛けます。
その夜、二人は結ばれました。ホテルから窓の外を見ると二十六夜の月が輝いていました。杉谷は昔の人々は二十六夜待ちと言って月の中に弥陀・観音・勢至の三尊が現れると信じ、この月を崇めたらしいと由実に説明します。
そしてこんな時間にこんな月を眺めていたような気がすると呟きます。由実には薄っぺらい月がお皿のように見えました。あのお皿に何を乗せたい?と杉谷に問うと、杉谷はフグの薄造りを並べてみたいと返します。由実は今度店でもフグの薄造りを出してみようと語り掛けるのでした。
以上、映画「二十六夜待ち」のあらすじと結末でした。
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