人数の町の紹介:2019年日本映画。借金取りに追われ、暴行を受けていた哲也がポールという男に助けられます。哲也はポールの言うがままついて行くと、フェンスに囲まれた広い土地にある大きな建物に連れて行かれます。そこには多くの人がいて、少しの作業を指示通り行えば、衣食住そしてSEXまで自由にできます。緑という女性と仲良くなった哲也は、緑を探して入所してきた紅子と出会った事で、二人でここから逃げ出す計画をします。中村倫也主演の謎の町を描いたミステリー作品です。
監督:荒木伸二 出演者:中村倫也(蒼山哲也)、石橋静河(木村紅子)、山中聡(ポール)、立花恵理(末永緑)、橋野純平、植村宏司、菅野莉央、松浦祐也、草野イニ、川村沙也、柳英里紗、ほか
映画「人数の町」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「人数の町」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
人数の町の予告編 動画
映画「人数の町」解説
この解説記事には映画「人数の町」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
人数の町のネタバレあらすじ:起
顔にアザをつくった鉄也が、黄色いつなぎを着た髭面のポールに「お前はもう自由だ」と言われています。事の起こりは、借金取りに追い込まれて暴行を受ける哲也を助けたのがポールでした。ポールは「居場所はあるのか?行くか?」と誘います。いわれるがままバスに乗って着いたのは、フェンスに囲まれた広い敷地にある大きな建物でした。
入り口でポールから首筋に何かを打ちこまれ、アナウンスに従いロッカーに向かいます。揃いのパーカーを着ると、部屋の鍵を持って部屋に入ります。そして置いてあるバイブルを読みます。バイブルにはこの中でのルールが記されています。黄色いつなぎを着た人達はスタッフで『チューター』と呼ばれ、パーカーを着た哲也たちは『デュード』と呼ばれます。
部屋でバイブルを読んでいると、プールがあることを知ります。水着を着てプールに向かうと、若い女性から部屋の番号を書いた紙を渡されます。よくわからずプールサイドに座ると、隣の女性・緑に男たちが部屋の紙を渡しています。
なんだろう?と哲也が緑に聞いてみると、「部屋の番号を渡されると、日暮れになってから部屋でSEXしようという合図なの。SEXは自由よ」と言われます。話を聞いていると、もう一人から紙を渡されます。
夕方、哲也はある女性の部屋を訪ねます。SEXが終わると哲也は慌てて服を着ます。「どうしたの?」と聞く女性に、「次の人が待ってる」と答えます。女性は「SEXは義務じゃないのよ。OKだったら行くのよ」と言います。
人数の町のネタバレあらすじ:承
翌日、哲也はこの話を緑にすると「信じたの?」と笑われてしまいます。「毎日乾パンだと飽きてくる」と哲也が話します。緑は「知らないの?」と言って食堂に連れて行きます。そこにはモニターがあって、食べ物を絶賛する書き込みをすると、何でも食べられるようになっています。哲也も見よう見まねで書き込み、食べ物を口にします。
しばらくすると「ディスリタイムです」のアナウンスが流れます。今度は批判した食べ物がいくらでも食べられるのでした。隣の男に話を聞くと、「全て賞味期限切れだ」と言われ、食べるのをやめました。そしてSEXはお互い了解済みなら自由で、妊娠は禁止という事を知ります。
翌日、緑に誘われてバスに乗って外に出ます。衣食住を与えられる代わりの、野外作業でした。他人になりすまし、選挙会場で決められた人に投票します。次は新装開店の店に並ばされ、店内の様子や食べ物をSNSに投稿します。
その店内で哲也は緑に部屋の紙を渡します。緑は受け取らず落としてしまいます。するとメガネをかけた女性が哲也に部屋の紙を渡し、哲也は落ちた自分の紙を拾ってその女性に渡します。
宿舎に戻ると、哲也はメガネの女性の部屋を訪ねます。女性はSEXをしようとせず話し始めたのです。「私は人を殺した。ここへは娘と来た」と言いました。翌朝、女性は子供だけの部屋を見せ、その中にいる自分の娘を「可愛いでしょう」と言って教えます。
その後、哲也は緑と男二人に連れられ「フェンスを越えよう」と言われます。そして3人はフェンスを越えます。哲也がフェンスから遠ざかると変な信号音が鳴り、激しい頭痛に襲われます。その音は首筋に埋め込んだものから、逃げられないように発せられているのでした。
人数の町のネタバレあらすじ:転
木村紅子の部屋に、妹の夫が「緑がいなくなった、知ってるだろう」とやって来ます。紅子は、緑と娘のももまでいなくなったことを知り、二人は夫からDVを受けていたことを思い出します。
そのころ哲也らは、野外作業でクラブハウスの前にいました。ポールから道具の使い方を教わり、全員がクラブハウスに入っていきます。テレビのニュースでクラブハウスで起こったテロ事件の映像が流れています。その中に妹の緑を見た紅子が病院を訪ねます。
病院側は「テロの被害者は全員退院しました」と言います。紅子は近くにいた黒いスーツの男が気になり話を聞きます。すると「自分を見失うかもしれないが、それでもいいか?」と言われて了承すると、男はバスの乗り場所を書いた紙を渡します。
紅子は乗り場で契約書にサインをしてバスに乗りこみます。着いたのは哲也がいる施設でした。緑を見つけた紅子が詰め寄ります。「ももは元気なの?」と聞くと緑は「元気よ」と言いながら、居心地の良いここから帰る様子を見せません。
懸命に説得する紅子でしたが、逆に緑に変態パーティーに連れていかれ「新人よ、仲間に入れてやって」と紅子を馬鹿にしたのです。
このやり取りを見ていた哲也が紅子に話しかけます。紅子が「妹の緑を連れ戻しに来たの」と言います。哲也は紅子を子供ルームに連れて行きます。そこにはももがいて、紅子は安心します。
一人で逃げようとした紅子に哲也が付いて行きますが、途中で信号が鳴って頭痛に襲われて引き返します。哲也が「ここにいれば何不自由ない生活が出来る」と説得しますが、紅子は「何も感じない」と言いました。
哲也は「信号のスイッチが入る黒い機械を盗んで、ここを出よう」と言います。しかし紅子は、外の作業でデモ中に逃げ出そうとします。哲也がバスに連れ戻し、紅子に「好きです、愛してます」と告白したのです。
人数の町の結末
深夜、哲也が思いつめた様子で「ももを連れてここを出よう」と紅子に言います。紅子は哲也にキスをします。警報機を鳴らしてチューターたちを部屋から追い出すと、黒い機械を盗み、ももを連れて逃げ出します。
フェンスを越えても信号は鳴らず、遠くへと歩きます。しかし機械の電池が切れると信号が鳴りはじめ、哲也と紅子は倒れ込みます。そこへ女性チューターがやって来て、信号を止めて車に乗せます。「あなたたちは別に抵抗もしなかったから、帰って今まで通りに人数としてやって」と話します。『人数』という言葉を聞いた哲也がチューターを殴り倒し、車を奪います。
紅子のアパートに戻ると、見知らぬ人が住んでいます。そして役場に行くと紅子の戸籍がありません。コンビニで食べ物を盗み海辺に行きます。ももが波打ち際で遊んでいると、哲也に信号が鳴り頭痛に襲われます。紅子は急に腹が痛み出し苦しみます。
どうにか車に戻った哲也は病院に向かいます。看護師が「母子手帳を見せてください」と言いました。紅子は妊娠していたのです。哲也が看護師に呼ばれると、ポールがやってきます。ももと話した後、戻ってきた哲也に「戸籍がなかったら何も出来ないでしょう」と言います。
「僕の戸籍はどうしたんだ」と聞く哲也に、ポールが「別で使ってます」と答えます。ポールがバスの紙を渡し「場所は違うがルールは同じです」と言います。「僕は行かない、家族がいるんだ、自分たちの力で生きていく」と言いました。
綺麗な部屋で川の字で寝ていた哲也が目覚めます。ネクタイを締めていると、お腹の大きくなった紅子が起き「もう行くの?」と言います。部屋にはあの黒い機械が2台置かれています。チューターになった哲也は、新入りの青年に「お前はもう自由だ」と話すのでした。
以上、映画「人数の町」のあらすじと結末でした。
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