劇場版 奥様は、取り扱い注意の紹介:2020年日本映画。あの最強奥様がスクリーンに帰ってきた――。2017年に綾瀬はるかと西島秀俊のダブル主演で放映されたテレビドラマ『奥様は、取り扱い注意』がまさかの映画化。綾瀬はるか演じる凄腕の元特殊工作員と西島秀俊演じる公安の人間、互いに正体を隠して夫婦生活を送っていた二人。本作は衝撃の幕切れとなったテレビドラマ最終回のその後を描きます。
監督:佐藤東弥 出演者:綾瀬はるか(伊佐山菜美/桜井久美)、西島秀俊(伊佐山勇輝/桜井裕司)、鈴木浩介(矢部真二)、岡田健史(岩尾珠里)、前田敦子(三枝礼子)、みのすけ(横尾義文)、セルゲイ・ヴラソフ(ドラグノフ)、浅利陽介(小林大吾)、やしろ優(小林果穂)、鶴見辰吾(神岡恭平)、六平直政(五十嵐晴夫)、佐野史郎(浅沼信雄)、檀れい(坂上洋子)、小日向文世(池辺章)ほか
映画「劇場版 奥様は、取り扱い注意」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「劇場版 奥様は、取り扱い注意」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版 奥様は、取り扱い注意の予告編 動画
映画「劇場版 奥様は、取り扱い注意」解説
この解説記事には映画「劇場版 奥様は、取り扱い注意」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
劇場版 奥様は、取り扱い注意のネタバレあらすじ:起
某国の特殊工作員・伊佐山菜美(綾瀬はるか)は中央アジアのとあるアジトに潜入、敵と激しい銃撃戦を繰り広げました。敵を片付けた菜美でしたが、これは菜美を誘き寄せるための罠であり、菜美は自分を兄の仇と付け狙うロシアの諜報員ドラグノフ(セルゲイ・ヴラソフ)に襲われました。激闘の据え、菜美はドラグノフの左目に怪我を負わせると、ヘリコプターに乗って脱出しました…。
海辺の地方都市・珠海市に暮らす桜井久美(綾瀬はるか)はこのような夢を見ていました。久美は高校教師の夫・裕司(西島秀俊)と幸せに暮らす専業主婦でしたが、久美は過去の記憶を失っていました。どうやら久美はテレビゲームの影響で夢を見ているようであり、定期的にカウンセリングに通っている精神科医・三枝礼子(前田敦子)からはゲームを止めるよう助言されていました。
珠海市の沖合の海底には次世代のエネルギー資源であるメタンハイドレートが大量に眠っており、街は市長の坂上洋子(檀れい)が主導する採掘賛成派と、「珠海の自然を守る会」が主導する反対派に二分されていました。近々行われる市長選には現職の坂上市長の他に「珠海の自然を守る会」リーダーの五十嵐晴夫(六平直政)が立候補を表明していました。
メタンハイドレートの研究に携わっていた北原教授は数日前から謎の失踪を遂げていました。坂上市長を支援する新エネルギー源の調査会社社長の横尾義文(みのすけ)は裕司の勤める高校の改修費を寄付するなどして周辺に便宜を図っていましたが、裕司の同僚で坂上市長の元夫である矢部真二(鈴木浩介)は反対派に回っていました。
つい最近、「珠海の自然を守る会」の事務所に何者かが侵入し、データを探し出そうと室内を荒らし回っていました。
劇場版 奥様は、取り扱い注意のネタバレあらすじ:承
今から18ヶ月前。菜美は夫の勇輝(西島秀俊)と幸せに暮らしていましたが、勇輝は警視庁警備局公安部の人間であり、正体を伏せたまま菜美を監視していました。ある時、菜美と勇輝は互いの正体を知ってしまい、勇輝は菜美に銃口を向け、発砲しました。(これがテレビドラマ最終回のラストシーンです)
勇輝が撃ったのは菜美ではなく、家に侵入していた複数人の外国人工作員でした。菜美と勇輝は協力して工作員たちと戦いましたが、その際に工作員が撃った弾が菜美の頭をかすめました。倒れた菜美は病院に搬送され、命に別条はないものの今までの記憶を全て失っていました。
勇輝は上司の池辺章(小日向文世)から次の任務として、珠海市沖のメタンハイドレートの調査を行うグローバルマネーホールディングス社の不自然な金の流れを調査するよう命じられました。勇輝は高校教師の“桜井裕司”に扮して珠海市で潜入調査をすることになり、菜美も“桜井久美”として同行させることになりました。池辺は菜美の記憶が戻っても、公安の協力者にならなければ勇輝の手で始末するよう命じられました。それ以降、勇輝は常に久美(菜美)の動向を彼女に取り付けたGPSと家中に仕掛けた隠しカメラで監視しているのです。
グローバルマネー社の社長・浅沼信雄(佐野史郎)は公安の読み通りロシアにメタンハイドレートの調査費を横流ししていました。浅沼は横尾を通じて、行方不明になっている北原教授が残したデータの回収と坂上市長の再選を目論んでいました。更には採掘反対派はチンピラたちによる暴力や不可解な事件に見舞われていました。
久美(菜美)も危うく「珠海の自然を守る会」事務所に突っ込もうとしたトラックに轢かれそうになりました。この際、久美(菜美)は自分を助けようとしてくれた岩尾珠里(岡田健史)という男と知り合いました。警察はただの事故として処理しましたが、五十嵐や矢部は明らかに賛成派による嫌がらせだと断言していました。矢部は元妻の坂上市長は嫌がらせをするような人物じゃないと考えていました。
勇輝は公安の上司・神岡恭平(鶴見辰吾)から反対派に潜入するよう命じられました。一方、久美(菜美)は岩尾が経営するダイニングバー「Change」に招かれ、いつか自分の夢を持ちたいという夢を語りました。岩尾はコスプレを趣味としていました。帰宅した久美(菜美)は自分が将来海の見える丘にカフェを構え、自分と裕司(勇輝)、そして子供の三人で楽しく過ごしているという絵を描きました。
劇場版 奥様は、取り扱い注意のネタバレあらすじ:転
久美(菜美)は岩尾から網元料理を教えてもらい、やがて岩尾の店を手伝うようになりました。久美(菜美)は裕司(勇輝)に以前描いた絵と同じ海の見える丘に連れて行ってもらい、将来店を持ったら「Mar de Memories」(ポルトガル語で“思い出の海”という意味)と名付けると決めました。
そんなある時、久美(菜美)はチンピラに襲われている五十嵐を助けようとし、殴られた際に記憶を取り戻しました。久美(菜美)を監視していた裕司(勇輝)が二人を助けましたが、久美(菜美)は裕司(勇輝)には記憶が戻ったことを黙っておくことにしました。久美(菜美)は「記憶が戻らなくても、過去を捨ててあなたとの今を大事にしていく」と裕司(勇輝)に語り、裕司(勇輝)もまた「過去を捨てる必要はない。君は君のままでいい」と返しました。
五十嵐は度重なる妨害に一時市長選への立候補を取りやめようかとも考えました。五十嵐らは警察に何度も訴えても相手にされませんでした。実は浅沼と横尾は助っ人としてあのドラグノフを呼び寄せていました。
久美(菜美)はすっかり岩尾の店の人気者となっていました。時を同じくして、反対派を襲おうとしていたチンピラたちが黒ずくめの謎の人物に撃退されていました。反対派の妨害が止んだことを矢部から教えてもらった裕司(勇輝)は、黒ずくめの人物が女ではないかという噂が流れていることを知り、もしかしたら菜美ではないかと疑いました。その頃、帰宅した久美(菜美)はテレビのバラエティー番組で、左胸に鉄筋が貫通しながらも心臓や血管が無事だったという人物の特集を見て感心していました。
勇輝は「珠海の自然を守る会」事務所の前で張り込んでいると、矢部を襲おうとしたチンピラが例の黒ずくめの人物に退治されたところを目撃しました。黒ずくめの人物の正体は何と岩尾であり、かつての矢部の教え子で空手部だった岩尾は、客からの情報で警察は横尾に買収されていると裕司(勇輝)に伝えました。
その夜、裕司(勇輝)は矢部から、北原教授が隠しているデータの件についての話を聞かされました。そのデータとは、珠海市沖のメタンハイドレートは10年で枯渇するというものであり、賛成派にとって有利なデータでした。データは調査船内に隠されているのです。
翌朝、久美(菜美)は裕司(勇輝)に誘われ、海の見える丘に行きました。久美(菜美)は地面に自ら考案した店のロゴを置きました。その夜、勇輝は外国人工作員たちに取り囲まれ、菜美を殺して一人でデータを持ってくるよう脅されました。
劇場版 奥様は、取り扱い注意の結末
調査船の出航前日。船内では民間人も参加できる「出航記念パーティー」が開かれました。坂上市長や横尾らも出席し、矢部と共に船内に入った勇輝はパーティーを抜け出してデータの隠し場所を探し始めました。
その頃、久美(菜美)は三枝のセラピーを受けていました。その時、久美(菜美)の元に電話があり、ロシア語で「お前の大事な人を殺してやるので、お前も苦しめ」と告げられました。実は三枝も公安の人間であり、菜美が実は記憶を取り戻していることに気付くと室内に公安の者たちを呼び寄せました。菜美は公安の者たちを倒すと、結婚指輪を捨てて調査船に向かいました。
その頃、調査船内ではデータを見つけ出した勇輝が外国人工作員たちに取り囲まれていました。工作員たちを率いるドラグノフの目的はデータではなく、兄の仇である菜美を誘い出すことでした。その時、黒のスーツに身を固めた菜美が現れ、勇輝に既に記憶を取り戻していたことを伝えました。勇輝はなぜ公安の協力者にならなかったのかと問うと、菜美は「私がなりたかったのはあなたの奥様」と答え、二人は抜群のコンビネーションで次々と工作員たちを倒していきました。
その頃、矢部は坂上市長に会い、勇輝がデータを回収しに向かっているので採掘は中止してほしいと頼んでいました。そこに現れた横尾は坂上市長に開発計画書へのサインを迫り、二人を拘束しましたが、矢部と坂上市長は隙を見て逃走しました。
菜美・勇輝と工作員たちの闘いで手榴弾が使われ、爆発音を聞いた来客たちは次々と逃げ出していきました。菜美と勇輝はドラグノフとの闘いに挑み、菜美とドラグノフは採掘用の巨大やぐらのエレベーターに乗って格闘しながら頂上まで辿り着きました。
菜美は死闘の末にドラグノフを気絶させました。階段で上ってきた勇輝が菜美を止めようとした次の瞬間、ドラグノフは現れた神岡に撃たれました。神岡はかねてから菜美の動向をマークしており、「ロシア人(ドラグノフ)に情報を流して浅沼を上手くハメた」と共闘を持ちかけましたが、菜美は「私はアンタを誘き寄せるための囮」と拒みました。やぐらには池辺や公安の者たちが駆け付け、神岡を取り押さえました。実は神岡は複数の敵に情報を流しており、ドラグノフと浅沼を手のひらで転がしていたのです。
池辺は公安の者たちに菜美も捕まえるよう命じましたが、菜美は勇輝を人質に取ると「今の私のことを愛している?」と問い、「愛しているなら、私を撃って」と銃を渡しました。勇輝は「愛している」と答えると菜美の胸を撃ち、菜美は海へと転落していきました。菜美の死を確信した池辺は勇輝に「よくやった」と声をかけ、撤収を命じました。
3ヶ月後。再選を果たした坂上市長はメタンハイドレート開発の中止を宣言しました。浅沼は悪事が露見して逮捕されました。勇輝はひとり海が見える丘に佇みながら、菜美を撃った時のことを思い出していました。あの時、菜美は左胸の急所を外した位置に店のロゴマークをつけており、このマークを撃つよう指示していたのです。
その頃、菜美はポルトガルの海辺のカフェにいました。左胸には銃撃の傷跡が残っていました。あった。自分を追う者たちの存在に気付いた菜美は、不敵な笑みを浮かべながらサングラスをかけて颯爽とその場を後にしました。
以上、映画「劇場版 奥様は、取り扱い注意」のあらすじと結末でした。
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