れいわ一揆の紹介:2019年日本映画。『ゆきゆきて、神軍』の原一男監督が、れいわ新選組から2019年の参議院議員選挙に立候補し「子どもを守り未来を守る」のスローガンを掲げて全国を馬と共に旅した安冨歩の選挙運動に密着したドキュメンタリー映画。山本太郎代表をのぞく、れいわ新選組全候補者がこの作品のために原監督のインタビューに応じた。
監督:原一男 出演者:安冨歩、辻村千尋、渡辺照子、大西つねき、三井義文、蓮池透、野原善正、木村英子、舩後靖彦、山本太郎、ほか
映画「れいわ一揆」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「れいわ一揆」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
れいわ一揆の予告編 動画
映画「れいわ一揆」解説
この解説記事には映画「れいわ一揆」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
れいわ一揆のネタバレあらすじ:起・公示まで
2019年6月18日、東京大学東洋文化研究所教授・安冨歩から原一男に「原一男さんが、映画を作って下さるなら、(参議院議員選挙に)出てもいいかなぁ」というEメールが届く。
1年前、原一男のネットde「CINEMA塾」のゲストとして安冨は招かれた。当時、女性服を着る「女性装」で知られる安冨は東松山市長選挙に立候補して、馬を使ったりチンドン屋を出したりといったユニークな選挙運動を展開していた。原はそのときにもう一度安冨が選挙に出るなら記録映画にしたいと言っていた。原とプロデューサーの島野千尋は、安冨の自宅近くの会員制牧場に安冨を訪れる。安冨によると山本太郎から彼が代表を務めるれいわ新選組からの出馬を依頼するメールが来たと言う。原はその場で山本に映画への協力を依頼する電話をして了解を得る。
公示の7日前、安冨はメイクを終え、れいわ新選組事務所で山本代表と話をしてから立候補者たちの記者会見に臨む。ここで安冨は、『子供を守る』ということを政治の原則にしようと選挙戦を通じて訴えると、記者たちを前に語る。
公示日の5日前。安冨はYouTubeを通じて献金のお願いをする。安冨は馬と共に選挙運動をしようと考えているが、そのためには少なくとも500万円の寄付が必要だった。
公示の2日前。れいわ新選組は街頭記者会見を行う。新宿では自由民主党が先に街宣を始めていた。大きな街宣カーの上から丸川珠代、世耕弘成、三原じゅん子が演説し、下では支持者の聴衆と自民党に批判的な聴衆がののしりあう。自民党の街宣が終わるとれいわ新選組のボランティアが準備を始める。山本太郎代表以下の候補者はビール箱に上って支持を訴える。
そして公示前日、れいわ新選組ボランティアの集いで候補者が初めて一堂に会する。会場には、障害をもつ当事者として立候補した木村英子の30年来の友人も来ていた。30年前は引っ込み思案だった木村がこんな場に出るとはと、介助者を通じてインタビューに答える。壇上で候補者たちが順にスピーチをし、安冨の番が来る。馬をレンタルするための寄付金が300万1109円その時点で集まったことを報告する。
れいわ一揆のネタバレあらすじ:承・選挙戦前半
公示日の2019年7月4日、れいわ新選組の選挙運動は、公明党の現状を批判して山口那津夫代表の出る東京選挙区に立候補した沖縄の創価学会員、野原善正の遊説から始まる。夕方には秋葉原駅前に候補者が集まって街頭演説会が行われる。終了後は希望する支持者たちとの写真撮影会が延々と続いた。
開票まで後16日。阿佐ヶ谷の住宅地に安冨と共に選挙を戦う馬の牧場が作られる。安冨は街頭演説に向かうが選挙たすきの「あゆむ」という文字を正しい「あゆみ」に直さなければならなかった。そして安冨は道行く子供たちに話しかけるのだった。
開票まで後14日。阿佐ヶ谷に都内で安冨のパートナーとなる馬、ユーゴンがやってくる。安冨はユーゴンと共に遊説を始め、ユーゴンの歩くところ厩務員がついて行って馬糞を片付ける。開票13日、12日前も安冨はユーゴンといっしょに歩く。ミュージシャンの片岡祐介も安冨と同行し音楽で選挙運動を盛り上げる。
開票11日前には安冨は北海道にいた。ここではヤムという馬が片岡と共に安冨のパートナーになる。美瑛では小学生たちは休み時間に馬に触りに来るのだった。
開票まで後9日。安冨は再びユーゴンと東京にいた。だが東京駅前からユーゴンは追い出され、ユーゴンも機嫌が悪い。安冨は馬が草を食む東京駅前だったら素晴らしいと考える。
その日の午後、れいわ祭が品川駅前で開催される。女優木内みどりが司会をし、候補者が次々とスピーチをする。安冨には片岡と田崎健の演奏がつく。ここでも「子供を守る」ことを安冨は訴える。祭は山本太郎代表の熱いスピーチで終わる。
れいわ一揆のネタバレあらすじ:転・選挙戦後半
開票日まで8日。安冨は片岡の演奏と共に演説し歌う。次の日は選挙前最後の日曜日。銀座では安冨は丸川珠代派の運動員から候補者と認識されない。この日はマイケル・ジャクソンの「スリラー」に合わせてダンスグループが街頭で踊る(ただし映画では楽曲使用料がかかるので「スリラー」は流されず効果音だけが聞こえる)。安冨は「スリラー」のゾンビたちは子供の頃に子供時代を奪われた大人であるという解釈を語る。そしてこの日でユーゴンが東京を去るので、阿佐ヶ谷ではお別れ会が開かれた。
次の日、安冨たちはユーゴンと共に愛知県に現れる。そして次の日は沖縄にいた。辺野古基地建設場ゲート前で、基地反対運動のリーダーの一人である山城博治と並んでスピーチする。沖縄ではビアンコという馬が安冨といっしょに歩く。平和運動家の知花昌一に、戦中の住人集団死があったチビチリガマへ案内される。
開票三日前には安冨は湯布院にいた。ここではこぶしという馬が同行する。豊かな自然のある湯布院は安冨にとって未来の日本のモデルである。その日の夕方安冨は神戸に飛び、渡辺てる子候補者といっしょに演説する。
翌日、安冨は母校京都大学の門の前で、(講義棟はずっと奥にあるのに)授業の邪魔だと言う警備員と口論になりながら演説をする。兵庫県西宮市に移り、「子供たちの天国を作ろう」と呼びける。
その日の夕方、新橋ではれいわ祭2が開かれ、安冨や渡辺もそこにいた。舩後候補者の応援に来た二人が、彼らの言いたいことばを見つける妙技を披露するそれぞれの介助者を通じてスピーチをする。祭は山本代表による野原善正応援の演説で最高潮に。
投票日前日、安冨は大阪にいる。堺東駅前での演説では、生まれ故郷堺市の美しい田園風景が無個性な住宅街になり、母校の文化財と言える校舎も取り壊されてしまったことを思い、涙を流す。そして最後に馬のユーゴンと共に通天閣を目指す。人間らしく生きること、子供を守ることを訴える。
れいわ一揆の結末:投開票日とその後
れいわ新選組の開票センターに候補者や応援の人々、マスコミが集まる。午後8時に開票番組がテレビで始まり、舩後靖彦と木村英子の当確が早々と出る。しかしその勢いは続かない。深夜に候補者の記者会見が始まるが、次第に、れいわ新選組を選挙戦中にほとんど取りあげなかったマスメディアが批判されるようになる。淡路島から来たと言う支持者の女性が記者たちに向かって彼らの志を問いかけるのだった。
日付が変わり、東京選挙区の野原に続き山本の落選が確実になる。山本は、政党要件のなかった自分たちが2議席とったのだから負けではないと言い、全国の支援者に感謝する。
2019年8月1日、当選した舩後と木村が初登院し、山本は夜、新宿で「衆議院選挙で100人の候補者を立てたい、政権交代をめざしたい」とスピーチをぶつ。
2か月後、安冨は長野県の牧場にいた。カメラを前に、子供たちからもらった多くの励ましのメッセージを紹介するのだった。
以上、映画「れいわ一揆」のあらすじと結末でした。
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