ルームロンダリングの紹介:2017年日本映画。TSUTAYA CREATORʼS PROGRAM FILM2015で準グランプリFilmarks賞を受賞した企画の映画化作品。自殺や殺人のあった部屋、いわゆる“事故物件”に住み込んで、無かったことにする“ルームロンダリング”。それを仕事にしている人づきあいが苦手な女子、御子(みこ)が出会う幽霊たちとの面倒くさくも心暖まるストーリー。主演はモデルとしてデビューし近年は女優として活躍する池田エライザ。小さい頃に父を亡くした片桐監督の思いを反映させたこじらせキャラをキュートに演じています。
監督:片桐健滋 脚本:片桐健滋、梅本竜矢 キャスト: 池田エライザ(八雲御子)、渋川清彦(春日公比古)、健太郎(虹川亜樹人)、光宗薫(千夏本悠希)、木下隆行(警官・野口)、つみきみほ(御子の母)、渡辺えり(御子の祖母)、オダギリジョー(御子の叔父・雷士悟郎)ほか
映画「ルームロンダリング」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ルームロンダリング」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ルームロンダリングの予告編 動画
映画「ルームロンダリング」解説
この解説記事には映画「ルームロンダリング」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ルームロンダリングのネタバレあらすじ:起
OLの悠希は帰宅して玄関の中に入った途端、押し入った何者かに押し倒され背中を包丁で一突きにされ殺されてしまいます。
“ルームロンダリング”。それは孤独死や自殺、殺人などでわけあり物件となった部屋に一定期間住み込み、クリーンな空き部屋に浄化させる仕事。親からもらった大切なアヒルのライトを抱えた八雲御子は、新たな事故物件に住むために胡散臭い不動産屋の悟郎に連れられ一軒のアパートにやってきました。
実は御子は5歳の時に事故で父親を亡くし、その後母親が失踪。母方の祖母と暮らしていたのですが、御子が18歳の時にその祖母も他界。その葬式に「クソババア、何で死んだ?」と怒鳴りながら乱入してきたのが悟郎だったのです。騒然とする会場で御子は「泣くな。笑え。」という祖母の声を聞きます。そして悟郎によってそこから連れ出されたのでした。
ルームロンダリングのネタバレあらすじ:承
アパートに荷物が運び込まれ御子がくつろいでいた時、何やら気配を感じて浴室をのぞくと浴槽の中にパンクファッションの男がうずくまっていました。彼女が幽霊を見ることができるとわかった男は御子の周りをうろつき、かまってほしい様子。御子は極力関わらないように過ごし、外に出かけてしまいます。
公園で御子は、幼なじみの幽霊はぐむを呼び出し話しかけます。カニの扮装をしたはぐむは小学生の時に死んでしまったので、酒やタバコそれに女の子とも付き合いたかったと現世にやり残したことだらけ。二人はそんな他愛もない話をいつもここでしているのでした。
一方不動産屋の悟郎はパスポートの偽造や立ち退きのためのいやがらせなどいろいろとアブナイ仕事をしています。今日も殺人事件のあった物件のルームロンダリングを依頼されますが、御子のメンタルを心配してなかなか承諾しません。家族である御子を大事に思っている悟郎に、その家族のために金が必要だろ?と男はたたみかけます。渋々仕事を請け負った悟郎は、すぐに引っ越すことを電話で御子に伝えました。
御子はパンク幽霊公比古と打ち解け、彼が死んだことを後悔していることを聞き、彼の心残りであるデモテープをレコード会社に送るという約束をして別れを惜しむのでした。
ルームロンダリングのネタバレあらすじ:転
OL悠希が刺殺された部屋に引っ越してきた御子。「殺してやる」とブツブツ言いながら背中に包丁が刺さった状態で現れた悠希の幽霊は、御子に犯人を捕まえろと迫ってきます。面倒くさくなってネットカフェに避難した御子はそこで、彼女がコスプレイヤーだったことを知ります。そしてやたらと御子のことを気にかけてくる隣人の虹川亜樹人が犯人なのかと怪しんでいましたが、悠希によると彼は犯人ではなくストーカーが犯人で顔もわかっていると言います。
そんなある日、悠希の部屋に突然公比古が現れます。どうやら彼はカセットテープに憑いているらしく、約束を果たしていない御子を責め始め、公比古と悠希、二人の幽霊につきまとわれ嫌気がさした御子は部屋を出ていってしまいます。
公園ではぐむに「いつまでも俺に依存するな」と突き放され、フラフラと歩いていると線路脇で這いつくばって何かを必死に探す幽霊を見かけました。掲示板の上にあったミニカーを差し出すと「20年間下ばっか見てたから…」と深々と感謝のお辞儀をするその姿に御子は何かを感じ、走って家に戻り、しょんぼり肩を並べた公比古と悠希に「二人ともごめん!」と謝るのでした。
ルームロンダリングの結末
悠希の証言に基づいて犯人の似顔絵を描く御子。亜樹人が警官を呼び、この絵の男が犯人だと告げますが、何故か突然殴られてしまいます。実はこの警官こそが犯人で、コスプレイヤーの悠希にバカにされた恨みから殺したのだと白状したのです。亜樹人を救うため、御子は悟郎たちも巻き込んで部屋に突入して彼を救いました。
後日、御子は悟郎に連れられ母に会いに行きます。母は御子を捨てたのではなく、御子と同じように霊が見える能力があったため施設に入っていたのだと言います。かつて家族が住んでいた場所で再会した二人。ぽつぽつと言葉を交わし、やがて御子は母に向かって走り出します。しかし、その体を御子は通り抜けてしまいました。母は既に亡くなっていたのです。力を呪う御子に、「この力のおかげでこうして会えた」と母は微笑みます。「あなたは強く生きられる」と。
墓参りをする御子に悟郎はすべてを話します。いろいろな幽霊の話を聞いているうちに自分を見失い施設に入ることになってしまったと。そして祖母の葬式の時、祖母の幽霊から、二人きりの家族になってしまうのだからお前が御子の面倒をちゃんとみるように言いつかったそうです。そして悟郎はひそかに、御子が行きたがっていた美大進学のための費用を貯めていたのでした。
御子はまた新しい家に引っ越します。亜樹人と歩きながら、「二人は生きてる」と微笑み合うのでした。
以上、映画「ルームロンダリング」のあらすじと結末でした。
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