曲馬団のサリーの紹介:1925年アメリカ映画。サーカスで働く芸人というよりは詐欺師に近い男が、年ごろになるまで育てた孤児サリーを祖父母の元に送り届けようと考えるが…。既に舞台で有名コメディアンであったW・C・フィールズが、主演したブロードウェイ・ミュージカルPoppyでの役を再び演じたサイレント・コメディー映画。サリーを演じるのは、以前のD・W・グリフィス監督の作品を飾ったメアリー・ピックフォード、リリアン・ギッシュ、メエ・マーシュ、ブランチ・スウィートらに比べて儚げな顔立ちの、この時期のグリフィスお気に入りのキャロル・デンプスター。
監督:D・W・グリフィス 出演者::キャロル・デンプスター(サリー)、W・C・フィールズ(マッガーグル)、アルフレッド・ラント(ペイトン・レノックス)、アーヴィル・アルダーソン(フォスター判事)、エフィー・シャノン(フォスター夫人)、ほか
映画「曲馬団のサリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「曲馬団のサリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
曲馬団のサリーの予告編 動画
映画「曲馬団のサリー」解説
この解説記事には映画「曲馬団のサリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
曲馬団のサリーのネタバレあらすじ:起・サリーとパパ
ニューヨーク郊外に近いコネティカット州、グリーン・メドウのフォスター判事は、娘とサーカス芸人の結婚を許さず娘を勘当しました。
5年後、判事の娘にはサリーという女の子が生まれていましたが、既に夫は死に、彼女自身も重い病気でした。サーカスでもっとも親しくしているマッガーグルにサリーを託して亡くなります。マッガーグルはフォスター家に娘の死を手紙で知らせましたが、サリーの存在については何も書きませんでした。
サリーは美しい娘に成長します。マッガーグルを「パパ」(pop)と呼んで慕い、他に家族は知りません。マッガーグルはサーカスに人を呼び込む芸人(他に、人の財布をすったり、インチキ商品を売ったり、トランプ賭博でイカサマをしたりしています)で、サリーはそのアシスタントをしています。
ある日、サリーが自分のテントで別の芸人に襲われ、間一髪マッガーグルが助けるという事件が起きます。マッガーグルは年ごろになったサリーのことが心配になります。サリーを母親の実家に託した方がいいのではないだろうか。
曲馬団のサリーのネタバレあらすじ:承・サリーの母親の故郷へ
マッガーグルはサリーを連れて、徒歩と汽車の無賃乗車でグリーン・メドウに着きました。都会からの人口流入により、地主だったフォスター家は大金持ちになり、昔の質素な家ではなく大きなお屋敷に住んでいました。
グリーン・メドウでは今、恵まれない孤児たちのための募金を目的とする年一回のカーニバルが開催中。マッガーグルもそこで仕事をすることにします。散歩していたサリーは、カーニバル会場の側に住み、カーニバルの実行委員でもある、フォスター家と友人のレノックス氏の息子、ペイトンと知り合います。
ショーで働く人々を蔑んで毛嫌いするフォスター判事はペイトンとサリーが親密にしているのを見て憤慨。警察にマッガーグル父娘を監視するように指示します。
曲馬団のサリーのネタバレあらすじ:転・フォスター家の屋敷のサリー
マッガーグルとサリーはフォスター家の屋敷の前まで行きますが、判事は立ち入り禁止の庭に入るなと言うばかりでマッガーグルの話を聞こうとしません。頑固なひどい年寄りがお祖父さんであることは、サリーに教えないことにします。
カーニバル開催期間ももうすぐ終わり。ペイトンは深夜の会場でサリーと遊具に座っていますが、父レノックス氏がやってきて、やくざもののマッガーグルの娘と仲良くするなと言います。パパを侮辱されたサリーは怒り、息子はサリーと結婚したいと言い出します。
カーニバル最終日の前夜、フォスター家で開かれるカーニバル実行委員会主催のチャリティー舞踏会の余興に、サリーも招かれてダンスを披露します。舞踏会が終わった後フォスター家を去りかねていたサリーにフォスター夫人が声をかけます。私もダンスが好きなのよ。
お互いに肉親であると知らずに二人は仲良くなります。昔娘のためにピアノを弾いたように、フォスター夫人はサリーのダンスのためにピアノを弾くのでした。
曲馬団のサリーの結末:法廷のサリー
レノックス氏は息子をサリーから引き離そうと、用事をこしらえてペイトンを町の外に使いに出します。警察はマッガーグルがトランプを使った賭博で客から金を巻き上げようとしている現場を押さえます。マッガーグルは逃げましたが、パパを助けようとしたサリーが逮捕されます。
フォスター判事の法廷に立たされたサリーは、父親の名は?ときかれて「マッガーグル」と答え、母親の名は?ときかれて「パパが私のただ一人のお母さんです」と答えるのでした。判事はサリーを感化院に送ろうとしていました。サリーは廷吏を振り切って法廷の窓から逃亡しますが連れ戻されてしまいます。
一方、マッガーグルはギャングのアジトのある森に迷い込んでしまいます。サリーが逮捕されたことを知りますが、ギャングたちは彼らの秘密を知りすぎたマッガーグルを解放しません。でも、見張りをだまして逃げたマッガーグルはギャングたちとのカーチェイスの末法廷に到着し、サリーがフォスター判事の孫であることを明かします。
フォスター夫人は傍聴席で驚きの声を上げます。マッガーグルも賭博でなく「古い軍隊のゲーム」をしていたことになり無罪放免。新聞でサリー逮捕を知ったペイトンもかけつけました。
サリーを肉親の元に送り届けたマッガーグルは一人去って行こうとしますが、サリーが追い付いて引き留めます。判事もマッガーグルと握手をかわします。やがて、マッガーグルはこの町で不動産業に転職するのでした。
以上、映画「曲馬団のサリー」のあらすじと結末でした。
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