佐々木、イン、マイマインの紹介:2020年日本映画。高校時代に人気者だった佐々木。そんな彼を皆がはやし立て、佐々木は裸になり踊りだす。楽しかった思い出も、やがて大人になり忘れてしまい、毎日を目的もなく過ごして年を取った主人公・石井が日々に足掻いていると、佐々木からの一報が入ります…。
監督:内山拓也 出演:藤原季節(石井悠二)、細川岳(佐々木)、萩原みのり(ユキ)、遊屋慎太郎(多田)、森優作(木村)、小西桜子(一ノ瀬)、河合優実(苗村)、井口理(吉村)、鈴木卓爾(佐々木正和)、村上虹郎(須藤)、ほか
映画「佐々木、イン、マイマイン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「佐々木、イン、マイマイン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
佐々木、イン、マイマインの予告編 動画
映画「佐々木、イン、マイマイン」解説
この解説記事には映画「佐々木、イン、マイマイン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
佐々木、イン、マイマインのネタバレあらすじ:起
石井悠二(藤原季節)は部活を辞め、勉強も身に入らずダラけた生活をしていました。そんな時、石井はクラスの人気者の佐々木(細川岳)と意気投合し、仲良くなります。
お調子者の佐々木は皆から「佐々木、佐々木」とはやし立てられると、女子の前でもお構いなく服を脱ぎだします。
いつも両親の帰りが遅い佐々木の家を、溜まり場として過ごしていましたが、やがて受験が近づき、そうは遊んでいられなくなりました。そして三学期になり、佐々木が姿を現さなくなります。
実は佐々木の父親が亡くなったからだと聞いて、登校してきた佐々木に皆気を使います。石井たちもいつものようにエールを出来ず、佐々木自身のパフォーマンスもキレのないままギクシャクし、そのまま卒業式を迎えるのでした。
佐々木、イン、マイマインのネタバレあらすじ:承
石井は大学には行かず、地元を出て一人暮らしをします。夢だった俳優を目指すものの、それだけでは生活できないのでアルバイトをしています。佐々木とはずっと連絡をとってなかったのですが、地元に帰省した時に偶然佐々木と再会しました。
つい最近まで沖縄にいたと言う佐々木。傷害事件を起こしたり、パチンコで生計をたてたりと破天荒な暮らしぶりです。大人になりたくないし働きたくもないと平然と話す佐々木は、高校生の頃から何も変わってないようです。
恋人のユキ(萩原みのり)とは惰性で同棲し、アルバイトの仕事も嫌々やっている石井。石井のアルバイト先に、飛び込みで営業にやってきたのは高校時代に共に佐々木と遊んでいた旧友の多田(遊屋慎太郎)でした。
仕事後に飲みに行った2人、石井は惰性で生きている事を打ち明けると、今は結婚し苦労しながらも生きているという多田から、厳しい言葉が飛んできます。その言葉に我に返った石井は、恋人ユキともきちんと向き合えてなかった事を反省し、後輩俳優の須藤(村上虹郎)に連絡し、芝居の役を紹介してもらいます。
佐々木、イン、マイマインのネタバレあらすじ:転
それはテネシー・ウィリアムズの戯曲をアレンジした「ロンググッドバイ」という舞台。主人公は売れない小説家で、長年住んでいたアパートを引っ越しする設定です。石井は自分が演じるならこの役しかないと心に決めていました。そして役を掴むことになります。
公演に向けて、石井は稽古に励んでいましたが、ユキは次の引越し先を見つけ石井のアパートを出る準備をしています。結局2人はもとに戻る事はありませんでした。そんな中、佐々木から連絡が入ります。
石井が電話に出てみると、知らない女性からの電話でした。それは苗村(河合優実)という女性で、佐々木とはカラオケボックスで出会い、それがきっかけで佐々木の家に出入りするようになったそうです。
佐々木、イン、マイマインの結末
彼女の話では、佐々木は末期ガンを患っていたと言います。佐々木は延命治療を一切拒み、自宅で療養していましたが先日亡くなったそうです。石井は親友の死に、涙を流し悲しみました。
翌日に佐々木の葬式が行われると聞いた石井は、引っ越しをキャンセルし、ユキの運転で佐々木の家に向かいました。葬儀は遠方に住む佐々木の親戚たちが執り行いましたが、石井や多田ら高校の友人や苗村が参列しただけでした。
石井たちは高校時代の佐々木との楽しかった思い出を思い出します。もしかしたらまたエールを送れば、また起き上がり全裸で踊りだすのではないか、そんな気になった石井たちは「佐々木!佐々木!佐々木!」と、出棺していく佐々木に向かい、あの日のようにエールを送って見送るのでした。
以上、映画「佐々木、イン、マイマイン」のあらすじと結末でした。
久々にすごい日本映画の登場でした。予告編を見ると、高校生が裸になってみんなの手拍子によって踊るおちゃらけ青春映画だと思いましたが、なかなか深い人生映画でした。人は孤独で、その孤独な魂は人と出会い、輝きを放ちます。