生理ちゃんの紹介:2019年日本映画。手塚治虫文化賞短編賞を受賞した小山健の同名漫画を二階堂ふみと伊藤沙莉のダブル主演で映画化したコメディ作品です。女性にとって避けて通れない“生理”をテーマに、様々な女性たちの等身大の様々な悩みをコメディタッチで描いていきます。
監督:品田俊介 出演者:二階堂ふみ(米田青子)、伊藤沙莉(山本りほ)、松風理咲(米田ひかる)、須藤蓮(山内裕)、狩野見恭兵(北村ゆきち)、豊嶋花(久保かりん)、藤原光博(渋谷誠)、岡田義徳(久保勇輔)ほか
映画「生理ちゃん」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「生理ちゃん」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
生理ちゃんの予告編 動画
映画「生理ちゃん」解説
この解説記事には映画「生理ちゃん」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
生理ちゃんのネタバレあらすじ:起
クリスマスイブの夜。女性ファッション雑誌の編集者・米田青子(二階堂ふみ)の職場は締め切りに追われて大忙しでした。
そんな時、雑誌のコラム担当者との連絡が取れなくなってしまい、後輩の山内裕(須藤蓮)が上司の渋谷誠(藤原光博)にどうにかしろとまくしたくられているのを見た青子は、自らコラム担当者に掛け合ってみると名乗り出ました。青子はこの日は恋人の久保勇輔(岡田義徳)と待ち合わせしていたのですがキャンセルすることになり、久保はそんな青子に「頑張って!」と優しく励ましました。
これから青子が外に出ようとしたその時、彼女の前には月に一度出現するピンク色の異様な物体、その名も“生理ちゃん”が現れました。青子は今はそれどころじゃないと“生理ちゃん”を振り払おうとしましたが、“生理ちゃん”はお構いなしに付きまとってきました。
翌朝、疲れ果てた青子のお腹の上には“生理ちゃん”が重くのしかかっていました。そんな青子の元に山内から電話があり、例のコラム担当者は雑誌を降板したいと言っていると伝えてきました。青子は今すぐ行くと告げましたが、“生理ちゃん”は注射器を持って立ちはだかってきました。結局、青子は“生理ちゃん”を背負って出社することになり、青子が渋谷から説教されている時にも“生理ちゃん”は目の前でアロマを焚いてわざと眠気を誘ってきました。
渋谷は代わりのコラム担当者候補として「晴れた日には遮光カーテン」というブログを運営している“煮え湯飲み子”なる人物に目を付けており、青子はすぐに“煮え湯飲み子”の連絡先を探すよう命じられました。青子は同僚に“生理ちゃん”について相談したところ、「それを言い訳にしてはいけない」とたしなめられました。
そんな青子たちのやり取りを、このビルの清掃員・山本りほ(伊藤沙莉)がゴミを片付けながら見つめていました。
大学受験を控える青子の妹・ひかる(松風理咲)と恋人の北村ゆきち(狩野見恭兵)は模擬試験の会場へと急いでいました。ところが、ひかるの前に立ちはだかったのはあの“生理ちゃん”でした。結局ひかるは模擬試験を散々な結果で終え、青子に慰められました。ひかるは「社畜なんだから栄養つけてね」などと言いつつ、青子にクリスマスプレゼントとしてドーナツをご馳走してくれました。
友人から結婚したというハガキを受け取った青子は、ひかるから「いつ(久保と)結婚するの?」と訊かれ、まだその予定はないとはぐらかしました。しかし、ひかるからアタックすべきだとアドバイスされた青子はまんざらでもない様子でした。
生理ちゃんのネタバレあらすじ:承
仕事を終えたりほは、同僚からの飲みの誘いを断って帰路に就こうとしていました。そんなりほの前にも“生理ちゃん”が出現していました。実は“煮え湯飲み子”の正体はりほであり、りほは掃除がてら会社内の人間模様などを事細かに観察してはスマホで毒舌たっぷりの文章を打ち込んでいました。そんな時、りほは山内からゴミ捨てを頼まれ、その際に初めて名前で呼んでもらえました。
りほはどうせ自分は一生独身だし老後のために金を貯めたいからという理由で実家で両親と同居していました。未だにフリーター暮らしを続け、マンガと古いファミコンゲームを好むオタク気質のりほの前にも容赦なく“生理ちゃん”が現れては部屋を散らかしていきました。
数日後、青子は久保とレストランで食事をしていました。食事が終わり、青子は久保にプロポーズされましたが、青子は久保が2年前に死別した妻との間にもうけた娘で今年11歳になるかりん(豊嶋花)のことを考えるとどうしても踏み切れませんでした。
青子はその後も生理に悩まされていました。生理のせいで恋人とも関係を持てないことを嘆いた青子は男も1年に1回くらいは生理になればいいのにとすら思いました。やがて生理が終わり、役目を終えた“生理ちゃん”は青子からつらくないかと訊かれ、「仕事ですので」と返してその場を立ち去っていきました。
その1ヶ月後、“生理ちゃん”はひかるの元にやってきました。ひかるの家にゆきちが訪れ、一緒に勉強を始めましたが、今度はゆきちの元に白いコンドームのような物体“性欲くん”が現れました。自分の本心を悟られたくないゆきちは慌てて部屋を飛び出していきました。
生理ちゃんのネタバレあらすじ:転
青子は久保やかりんと共にパンケーキの店で食事をしていました。かりんはスマホをいじってばかりで青子と向き合おうともせず、敵意をむき出しにするばかりか久保にも母が死んでまだ2年しか経っていないのに再婚するのかと責め立てました。自身も母を亡くしており、父に男手ひとつで育てられた青子はかりんの気持ちが理解できると久保に伝えましたが、それでもかりんと打ち解け合えないままでいるところに容赦なく“生理ちゃん”がやってきました。
その頃、りほの元にも容赦なく“生理ちゃん”やってきました。生理に耐えながら仕事をこなすりほに山内が声をかけ、“煮え湯飲み子”の正体はりほであることを知っていた山内はぜひとも降板したコラム担当者の後任として雑誌のコラムを書いてほしいと頼みました。自分の正体がバレたことに動揺するりほは逃げるようにその場を離れましたが、りほの勤務先の清掃業者から自宅の場所を聞き出した山内はトイレを借りたいとの口実でりほの自宅に上がり込みました。
山内は、りほがブログで描いているキャラをシールにしてスマホに貼っているのを見て、彼女こそが“煮え湯飲み子”だと気づいたと明かし、りほと山内は意気投合してメールアドレスを交換し合い、改めて外で会う約束をしました。
待ち合わせ当日、りほはおめかしをして待ち合わせ場所に向かいましたが、山内は女性スタッフを連れてやってきました。これがデートではなかったことに落胆したりほは逃げるように立ち去り、“生理ちゃん”に「私のところへ来たって意味ないから」と辛く当たりました。
後日、山内は改めてりほの元に向かい、「僕とデートしてくれませんか」と申し出てきました。突然の告白に驚くりほは“生理ちゃん”に相談し、“生理ちゃん”は「デートくらい行けば?」とアドバイスしました。りほは山内は遊びのつもりだろうと思っていましたが、実は山内には小さな物体“童貞くん”がついていました。
生理ちゃんの結末
青子はどうにかしてかりんの心を掴もうとしていましたが、かりんは相変わらず青子に対して冷たい態度を取り続け、しまいには自分のスマホの待ち受け画面が母親であることを明かしました。ショックを受けた青子は深く落ち込み、無理に結婚などしなくてもいいのではないかとも考えました。
そんなある時、渋谷が娘の弁当と間違えてキャラ弁を持って来たことにヒントを得た青子は、キャラ弁を作って久保の家に持っていきましたが、かりんは「他人のあんたが勝手に入ってくんな」と言うと弁当をひっくり返してしまいました。
すっかり自信を無くしてしまった青子は、父にどうして再婚しなかったのか尋ねてみると、父は青子とひかるを育てるのに必死だったので再婚なんて考えたこともなかったと答え、青子たちがいるだけでも十分だったからと語りました。
父の答えに満足し、すっきりした青子の元に久保から電話がかかりました。それはかりんが初潮を迎えたということであり、久保はどうしていいのか分からないと訴えてきました。自分が初潮を迎えた時の父の反応を思い出した青子は生理用品やスポーツドリンクなどを買ってかりんの元に向かい、かりんはこの時初めて青子に「ありがとう」と感謝の意を伝えました。
青子は久保に、どうして結婚したいのか訊くと、久保は「かりんにも新しい母親が必要だ。僕はかりんのためだけに生きているわけじゃないから」と返しました。自分の父の考えの方にシンパシーを感じていた青子は、久保との結婚を思い留まる決意をしました。
それから1年後。久保と破局した青子は未だに独身のままでしたが、中学生となったかりんとはすっかり友情を育んでいました。一方、雑誌のコラム担当者となったりほは自分の担当編集者となった山内と交際しており、不器用ながらもデートを重ねるなど心の距離を縮めていました。
ひかるは無事に試験に合格して大学生になりましたが、ゆきちは浪人生となっていました。ひかるは家族がいない隙を見計らってゆきちを自宅に誘い、“性欲くん”と行動を共にしていたゆきちは“童貞くん”に別れを告げましたが、運悪くひかるの元に“生理ちゃん”が訪れようとしていました。
時を同じくして、パンケーキの店で親交を深めていた青子とかりんの元にも“生理ちゃん”がやってきました。青子とかりんは「また来た」と言いつつも“生理ちゃん”を迎え入れました。
以上、映画「生理ちゃん」のあらすじと結末でした。
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