映画「少女」の紹介:2016年日本映画。幼い頃からの親友同士の由紀と敦子。二人は共に女学校に通いその日々を暮らしていた。ある日由紀は以前から書いていた小説を完成させる。しかしふと目を離した隙に紛失、数日後一人の教師が新人賞を受賞したとして発表した小説がまさしく由紀の書いた小説だった。その頃一人の生徒が新たに学校に転校してくる。彼女は由紀と敦子に囁く。親友の死を見てしまった。それが少女達の心に火をつけた。原作者は「告白」で数々の賞を受賞した湊かなえ。
監督:三島有紀子 出演:本田翼(桜井由紀)、山本美月(草野敦子)、真剣佑(牧瀬光)、佐藤玲(滝沢紫織)、児嶋一哉(小倉一)、稲垣吾郎(高雄孝夫)、ほか
映画「少女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「少女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「少女」の予告編 動画
映画「少女」解説
この解説記事には映画「少女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画「少女」のネタバレあらすじ:小説
その学校の生徒は全員が女の子だった。それも気品があり礼儀正しいいわゆる”お嬢様”というものだった。しかし中身は高校生、やっていることは他の学校に通う生徒となんら変わらなかった。その学校に通う由紀には友達と呼べる者は少なかった。ただ一人敦子という存在を除いては。二人は幼い頃からの親友でいつも一緒に行動していた。そして同じぐらい学校の人間に対して嫌悪感を抱いていた。ある日由紀は以前から書いていた小説を完成させた。数十枚、数百枚に及ぶその小説は由紀にとっても満足の物だった。しかしある日その原稿は紛失してしまう。確かに鞄に入れていたはずの小説が消えてしまった。それから数日後一人の男性教師が小説で新人賞を取ったと生徒達の前で発表する。そこにはもちろん由紀の姿もあった。そして小説の最初のページを皆にプリントアウトして配った。それはまさしく由紀の書いた、そしてある日忽然と姿を消したあの小説だった。
映画「少女」のネタバレあらすじ:嘘
ある夜由紀は誰もいない職員室に忍び込んだ。持ち出したのは一台のパソコン。あの男性教師の物だ。パスワードの解除は簡単だった。そして由紀の目的のものはすぐに見つかった。パソコンの中から出てきたのは猥褻な動画。由紀は何を考えているのか不適な笑みを浮かべる。夜の屋上で怪しくパソコンを見る姿を敦子が見ているとは知らずに。その数日後、男性教師が停職処分になった。内申書が流失した、という噂を由紀は耳にする。敦子にはあの小説の内容が頭から離れなかった。あれはまるで自分をモデルにしたような、そんな気がしてならなかったのだ。敦子は足が悪かった。学校では片足を引きずりながら歩き体育の授業も休んでいた。しかしそれはフリだった。由紀にも知らせていなかったが以前ケガをした足は既に回復していた。だから由紀と別れ家の近くまで着いた頃には足を引きずる真似をしなかった。その方が都合がいいのだと思っていた。敦子は学校でいじめを受けていた。
映画「少女」のネタバレあらすじ:転校生
ある日由紀のクラスに一人の転校生がやってきた。その少女はいつからか由紀と敦子の後を付いてくるようになる。そんなクラスに一つのニュースが入った。それはかつて騒動を起こした男性教師の死亡のニュース。そしてそれを聞いた転校生の紫織は由紀と敦子にある話を始める。かつての親友の死を見てしまった。それが紫織の持つ過去だった。しかしそれは物体に過ぎない本当の死を感じるには死ぬ瞬間を見なければいけない、由紀はそう言い残し二人を置いてその場から去った。それからというもの由紀の頭の中は死でいっぱいになった。死を見たい死ぬ瞬間を見たい、と。その頃から由紀と敦子の間に不穏な溝が出来始めた。そしてそこに入り込んだのは紫織だった。しかし彼女は敦子にあることを強いる。それは痴漢の冤罪。紫織はそうして男から金を奪っていた。一度や二度ではなかった。そしてたった一度敦子もそれに加担してしまう。そしてその現場を由紀に見られてしまう。
映画「少女」のネタバレあらすじ:夏休み
二人の溝が埋まらないまま学校は夏休みに突入した。そして生徒はそれぞれの場所で夏の間ボランティアを行うことになった。敦子が行く先は老人ホーム。そこで一人の男性の手伝いをすることになる。その男性は敦子に辛く当たった。時には暴言にも近い言葉を浴びせられた。敦子はその男性職員の噂を耳にする。詳しい話ではないが前科があるという話だった。ある日敦子がホームの廊下を掃除機をかけている時一人の老人が大福を喉に詰まらせて倒れてしまう。敦子は慌てて掃除機のノズルを外しその老人の口に突っ込んだ。幸いその老人は入院することになったが大事には至らなかった。その日の帰り敦子は男性職員と共に帰った。そして二人は心を開き合った。噂を耳にはしていたが敦子にはどうでもよかった。その日から彼は敦子に気をかけてくれるようになる。
映画「少女」のネタバレあらすじ:怒り
由紀はというとある病院にボランティアに行くことになる。彼女が見るのは難病を持つ子供達。しかし由紀に付き添う女性があまりにも綺麗事を並べ過ぎ彼女は一日で辞めると言い出してしまう。それを止めたのは二人の少年だった。まだ小学生ほどの二人は先ほどの由紀の絵本の読み聞かせにひどく興奮していた。なんせ由紀は子供達の前で因果応報や地獄へ落ちろ、などの言葉を連呼していたから。そんな話に興味を持った二人の少年と友達になった由紀は地獄に関する書物を持ってくることを約束する。家に帰り今ではホームにいる祖母の寝室を漁ると出てきたのは一つの棒だった。それは由紀の心と手の甲に深く傷をつけた物だった。祖母に傷をつけられてから彼女はひどく恨んだ。それは今では死んでほしいと願うまでに。そして由紀は台所でその棒に火をつけた。因果応報、地獄へ落ちろと。その後すぐ由紀のもとに一つの連絡が入る。ホームにいる祖母が倒れたと。少しの期待を持ち駆け付けるも残念なことに祖母はまだ生きていた。
映画「少女」のネタバレあらすじ:願い
由紀は二人の少年の内一人、昴にある相談を持ち掛けられる。もうすぐ手術がある彼の願い、父親に会うこと。彼の手術は成功率7%だった。彼の願いを叶えるため由紀は走った。しかしその行方を掴むことはできなかった。そんな時由紀に一人の男性が近づいた。中年のどこにでもいるような男性。彼は由紀の探している人物を知っているかもしれないと話す。そして探してみる代わりに夜にある場所で落ち合うようと持ち掛けた。それは彼曰くギブアンドテイクということだった。頭を抱えた由紀はある青年に相談。それは少し前に知り合った男の子で由紀に好意があったのか彼女といつも一緒にいた。彼に相談を持ち掛けようとしたその前に彼はある話を始める。それは先日電車に男が飛び込むのを目撃したという話。その男は飛び込む寸前細かく破いた紙を持っていた。彼はその紙のいくつかを拾っていた。それはかつて由紀が書いた小説の断片、あの男性教師が盗んだ原稿だった。由紀はもっと面白いものを見せると言った、そして代わりにその紙をもらおうとした。
映画「少女」のネタバレあらすじ:父親
モデルルームの中の一つの家、それが由紀の待ち合わせの場所だった。男は先に来ており強引に関係を迫った。その一部始終は青年により録画された。服を脱がされる寸前に青年の助けが入ったおかげで由紀は事なきを得た。しかしその録画に子供のようにはしゃぐその青年とは以来会うことは無くなった。敦子は由紀に会いたくて会いたくて仕方が無かった。夏の間ほとんど会うこともメールのやりともなくそれは次第に敦子の中で限界を迎えていた。そして敦子は由紀の家へと向かった。そして由紀の母親に聞かされた病院へと向かいその姿を待った。しばらくすると由紀の姿が向こうから現れた。そこには見覚えのある男性の姿があった。敦子の手伝う男性職員だった。彼こそ由紀の探していた昴の父親だった。それは感動の再会になるはずだった。久しぶりの親子の再会。父親も息子も喜びに涙を流す、そういう決まりだった。しかし突如男性職員が腹を抑えながら倒れてしまった。昴の手には一本のナイフ。彼は母さんを苦しめた、と呟いていた。
映画「少女」の結末:二人
男性職員は昔痴漢の冤罪に会っていた。もちろん彼は主張した。しかしそれで裁判が長引くほど妻と息子を苦しめた。そして二人は父親の元を去った。病室での惨劇を見た由紀は途端に過去の記憶が蘇った。祖母に傷つけられ血を流した過去。そして我を忘れ泣き叫んだ。敦子はすぐに看護師を呼んだ、そして泣き叫ぶ由紀を連れ病室を飛び出した。足は隠さずひたすら走った。それはまるで昔の二人だった。そして辿り着いた街を見下ろす丘の上で二人は改めてお互いの存在を確認した。腹を刺された男性職員は大事には至らなかった。そして息子はそっと父親に寄り添い二人は固く手を握った。数日後数々の淫行が世に知れ一人の男性が逮捕された。それは紫織の父親だった。その事実は瞬く間に学校中に広がり紫織がいじめのターゲットとなった。そして彼女はクラスの人間全員に遺書としてメールを送り橋から身を投げた。
以上、映画少女のネタバレあらすじと結末でした。
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