4番目の男の紹介:1979年オランダ映画。不可解な死の連鎖に巻き込まれた男の恐怖を描くサスペンス・ドラマ。アルコール中毒を抱えるカトリック教徒の作家ジェラルドは、講演した町で美容院経営者クリスティンと出会う。誘われるまま関係を持ったジェラルドだったが、クリスティンが過去3人の男性と結婚し、その全員を事故で亡くしていると知った。偶然ではないと感じたジェラルドは、クリスティンの現在の恋人ハーマンに4番目の被害者にならないよう警告する。しかしハーマンは耳を貸さなかった。果たして「4番目の男」になるのはハーマンなのか、それともジェラルド自身なのか。
監督:ポール・ヴァーホーヴェン 出演者:ジェローン・クラッベ(ジェラルド・リーブ)、レネ・ソーテンダイク(クリスティン・ハルスラグ)、トム・ホフマン(ハーマン)、ドルフ・デ・ヴリーズ(ブライズ医師)、ジールト・デ・ジョング(リア)ほか
映画「4番目の男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「4番目の男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
4番目の男の予告編 動画
映画「4番目の男」解説
この解説記事には映画「4番目の男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
4番目の男のネタバレあらすじ:現実と悪夢
オランダ、アムステルダム。熱心なカトリック教徒でアルコール中毒者の作家ジェラルド・リーブは、講演のためフラッシングの町に向かおうとしていました。駅で魅力的な若い男性を見つけたジェラルドは、不審がって逃げる彼を追いかけます。
男性はケルン行きの電車に乗ってしまい、ジェラルドは肩を落として見送りました。フラッシング行きの電車に乗ったジェラルドは、同じ車両に座る女性をじっと見つめます。壁に飾ってあるホテルの写真に吸い込まれる幻覚に襲われ、気付くと写真は真っ赤に染まっていました。女性の荷物からトマトジュースが溢れたようです。
フラッシングの駅に到着したジェラルドの背後から棺が下ろされました。飾られたリボンには「最愛のハーマン」と書かれています。そこへ講演の依頼主であるブライズ医師が迎えにやって来ました。
会場に到着し、登壇したジェラルドは自分をずっと8㎜フィルムカメラで撮影している女性に気付きます。彼女の名前はクリスティン・ハルスラグ。町で美容院を経営しているそうです。彼女がジェラルドのために用意したというホテルは、電車で見たあのホテルでした。絶句するジェラルドをクリスティンは自宅に誘います。
誘いに乗ったジェラルドは、クリスティンの家で濃密な一夜を過ごしました。クリスティンの隣で眠るジェラルドは奇妙な夢を見ます。並木道を歩いていると、青い服の女性に出くわしました。彼女は持っていた花束の陰から大きな鍵を取り出し、建物の中に入って行きます。ジェラルドがついていくと、大きな動物の肉が3つ吊るされていました。
4番目の男のネタバレあらすじ:写真の男
翌朝。クリスティンに着替えを用意して貰ったジェラルドは、彼女が夫ヨハンを事故で亡くしたことを聞かされます。クリスティンは人の世話を焼くのが好きで、ジェラルドはパラダイスだと喜びました。
しかし関係を続けるつもりはなく、すぐにアムステルダムへ帰る予定です。ジェラルドは店に出るというクリスティンについて行き、髪を切って貰いました。隣の席に座る女性が世間話を始め、何にしろ警告は聞くべきだと言います。
住居部分に戻ったジェラルドは、クリスティン宛の手紙を見つけました。どうやらクリスティンにはハーマンという恋人がいるらしく、写真も一緒に入っています。写っていたのは、昨日ジェラルドがアムステルダムの駅で追いかけた男性でした。
水着姿の写真に性的欲求を覚え、どうしてもハーマンを手に入れたくなってしまったジェラルド。そこで彼はクリスティンに惹かれている振りをして、ハーマンに会えるまで留まることにしました。
ジェラルドは手相を占えると嘘を吐き、ハーマンの存在を言い当てます。驚いたクリスティンはハーマンのことを色々と話し、近いうちに引き合わせると約束しました。ジェラルドは密かに大喜びします。
4番目の男のネタバレあらすじ:クリスティンの過去
翌日。クリスティンから連絡を取ると、ハーマンはすぐに会いに来ることになりました。彼は酷く嫉妬深いので、ジェラルドは小説執筆のために滞在しているだけの作家ということにします。クリスティンがハーマンを車で迎えに行っている間、ジェラルドは酒を呑みながら帰りを待っていました。
幻覚に導かれたジェラルドは、3本の8㎜フィルムを見つけます。フィルムにはそれぞれ「ヨハン」「ヘンク」「ジェイ」とタイトルがついていました。中身は全てホームビデオでしたが、それぞれに違う男性と結婚式を挙げるクリスティンの姿が映っています。
つまり彼女は、過去ヨハン、ヘンク、ジェイを相手に3回も結婚していたのです。ジェラルドはショックを受けつつ、自分も彼女に撮影されていたことを思い出しました。
夜、目を覚ましたジェラルドはシャワーを浴びるハーマンをじっと見つめます。案の定ハーマンはジェラルドを敵視していました。ジェラルドは鍵穴からクリスティンとハーマンのセックスを覗き、自慰に耽ります。
4番目の男のネタバレあらすじ:4番目の被害者
翌日。仕事があるというクリスティンから車を借りて、ジェラルドとハーマンはドライブに出かけます。その途中、夢で見た青い服の女性を見つけたジェラルドは、慌てて彼女の後を追いかけました。しかし墓地に到着したところで女性を見失ってしまいます。
直後に突然の雷雨に見舞われたジェラルドとハーマンは、屋根のある墓で雨宿りをすることにしました。ジェラルドはハーマンを抱きしめセックスに誘います。ハーマンも興味津々のようでした。その時ジェラルドは、墓に納められた3つの骨壷を見つけます。そこには「クリスティンの愛する夫達」と書かれていました。
クリスティンが以前結婚した3人は、全員が死亡していたのです。動揺するジェラルドに、ハーマンはクリスティンの不幸は町中が知っており、皆彼女に同情していると話しました。しかしジェラルドはそんな偶然など有り得ないと考え、クリスティンが3人の夫を殺害したのだと喚き散らします。
そして自分かハーマンのどちらかが、4番目の被害者にされるだろうと。ハーマンは3人とも事故死だったと反論し、自分とクリスティンの間を裂くために言っているのだろうとジェラルドを詰ります。恐慌状態のジェラルドは、一刻も早くアムステルダムへ帰ろうと考えました。
ハーマンは駅まで送ると言い、ジェラルドを車に乗せます。車を走らせていると、「最愛のハーマン」の棺を乗せた霊柩車を追い抜きました。直後に交通事故に遭い、ハーマンは死亡してしまいます。
4番目の男の結末:聖母マリアの救い
病院に担ぎ込まれたジェラルドは、ブライズの診察を受けました。ショック状態に陥ったジェラルドは、クリスティンのことを蜘蛛だ魔女だと喚きます。そして自分がクリスティンの魔の手から逃れられたのは、聖母マリアが救ってくれたからだと呟きました。電車や美容院、夢に現れた青い服の女性の正体は聖母マリアだったのだと。
そこにクリスティンが現れ、ジェラルドは彼女を殺そうと暴れます。自分を押さえつける人々の中に、聖母マリアの顔を見つけたジェラルド。彼女は病院に勤めるリアという名の看護師でした。
リアの声に安心し、ジェラルドは深い眠りに落ちます。彼はそのまま精神科に回されることになりました。クリスティンが1人悲しみに暮れていると、1人の男性が声をかけて来ます。彼は家まで送ると言ってくれました。クリスティンが男性に「あなたを撮影したいわ」と告げ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「4番目の男」のあらすじと結末でした。
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