海よりもまだ深くの紹介:2016年日本映画。台風のおかげで、売れない小説家の良多(阿部寛)が、母と元妻と息子と久しぶりに家で過ごす。その中で、自分がかつて思い描いた未来と現在の違いを見つめて、新たなる日常に向けて歩き始める物語。『海街diary』の是枝裕和監督が阿部寛と樹木希林とのタッグを組み、なかなか大人になれない男の姿を描く感動の家族ドラマ。「海よりもまだ深く」というタイトルはテレサ・テンの「別れの予感」の歌詞が由来。
監督:是枝裕和 出演:阿部寛(篠田良多)、真木よう子(白石響子)、小林聡美(中島千奈津)、リリー・フランキー(山辺康一郎)、池松壮亮(町田健斗)、吉澤太陽(白石真悟)、橋爪功(仁井田満)、樹木希林(篠田淑子)、ほか
映画「海よりもまだ深く」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「海よりもまだ深く」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
海よりもまだ深くの予告編 動画
映画「海よりもまだ深く」解説
この解説記事には映画「海よりもまだ深く」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「海よりもまだ深く」のネタバレあらすじ:起
篠田良多(阿部寛)は、売れない小説家の中年男。かつては、妻・響子(真木よう子)と息子・真悟(吉澤太陽)がいたが、非現実的な夢を追いかけ続けていることを理由に離婚された。現在は、小説のネタ探しを理由に、興信所のアルバイトをしているが、働いた金をギャンブルに費やすだけで何年も小説を書けていない。良多は借金まみれで、日々の生活もままならないので、年老いた母親の淑子(樹木希林)や家庭を持つ姉の千奈津(小林聡美)から金の援助を頼むことが多々ある。団地の狭いアパートに1人住む年老いた母・淑子は、良多が不安定な生活を送っているのを不安に思っている。
「海よりもまだ深く」のネタバレあらすじ:承
良多の唯一の自慢は、数十年前に獲った文学賞だけだ。その1冊だけが出版されている。楽しみは、月に1度、息子の真悟と会えること。しかし、最近はギャンブルが負け続けて、養育費が払えないため、元妻の響子から「真悟には会わせない」と言われて、へこんでいる。また良多は、元妻の響子にも未練があり、もう一度夫婦をやり直したいと今でも思っている。そんな元妻に、最近付き合っている男がいることが発覚する。良多は、探偵業の後輩に協力してもらい、相手の男の素性を調べる。その相手の男は、自分と違って年収1000万円以上のビジネスマンだと知り、落胆する。そんな良多にも、父親としての意地があった。息子・真悟に会うために、興信所のお客さんから代金をだまし取ったり、優しい後輩から借りたりして、お金を用意する。
「海よりもまだ深く」のネタバレあらすじ:転
台風が接近する日だが、外はまだ晴れている。響子と真悟に会いに行く。夕方までの約束で、真悟とショッピングに出かける。良多は工面したお金で、真悟に野球のスパイクを買ってあげる。良多の身体は大きいが、ケチな性格なため、展示しているスパイクに傷をつけて、安く値引きさせるという買い方だが、真悟は気づいてない。真悟との別れの時間が刻一刻と迫りくる中、良多は真悟を、年老いた母・淑子の住む団地のアパートに連れて行って、そのまま泊まらせようとする策を思いつき、実行する。外の天気は、台風接近により大雨になっている。母・淑子の助けも借り、真悟はアパートに1泊したいと言う。それに良多は喜ぶ。良多と距離を置きたい元妻の響子は、真悟を迎えにアパートにやって来る。響子は怒っているが、母・淑子の人柄により、響子も泊まっていくよう言いくるめられる。良多は、久々に家族で過ごせることに喜ぶ。
「海よりもまだ深く」の結末
夜中、台風の中、良多は真悟とともにアパートの前にある公園に遊びに行く。公園の雨風が凌げる場所で、お菓子を食べて、将来についての話をする。良多は、真悟と将来についての話をする中で、かつて夢見ていた未来と、現在の自分が大きくかけ離れていることに気付く。自分のやるべきことが少しわかり始める良多。その後、響子もやって来る。そこで、前に進もうとしない自分のふがいなさに、けじめをつけようと思うのだった。翌日、良多は質屋へ行く。そこで、生前喧嘩ばかりしていた父が、良多の小説を密かに周囲の人たちに自慢し、小説を配り歩いていたことを知る。良多は、父親に認められていたことを知り、何か肩の荷がおりる。吹っ切れた表情の良多は、響子と真悟と別れて、新たなる日常に向けて歩き出すのだった。
以上、映画「海よりもまだ深く」のネタバレあらすじと結末でした。
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