ワイルド7の紹介:2011年日本映画。1969年から1979年にかけて漫画雑誌『週刊少年キング』に連載された漫画を原作にした映画です。キャッチコピーは「悪を撃ち抜け、愛を守り抜け」で、「ワイルド7」とは「法では裁けない悪党を、裁判にかけずに殺すことを許された超法規的警察組織」のグループ名で、様々な分野からスカウトされた7人のアウトローたちで構成されています。メンバーには、それぞれオートバイを与えられ、それに乗り悪党を追撃するという実写アクション映画です。
監督:羽住英一郎 出演:瑛太(飛葉大陸)、椎名桔平(セカイ)、丸山隆平(パイロウ)、阿部力(ソックス)、宇梶剛士(オヤブン)、深田恭子(本間ユキ)、中井貴一(草波勝)、ほか
映画「ワイルド7」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ワイルド7」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ワイルド7の予告編 動画
映画「ワイルド7」解説
この解説記事には映画「ワイルド7」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ワイルド7のネタバレあらすじ:1.プロローグ:「ワイルド7」とは…
「人は所詮無力。指の隙間から砂がこぼれ落ちるように、大切なものは全て消え去る。誰とも関わらず、一人生きていくと決めた。一匹でしか生きられないランブルフィッシュのように…いや、生きているのかすら、分からない」というある男の言葉から、この物語は始まります。「ワイルド7」とは、「悪党には悪党をぶつける」という提言を検事総長・成沢守にした草波勝警視正が指揮する「超法規的警察組織」でした。そのメンバー7人は全て選び抜かれた犯罪者たちでした。セカイは、男性を撲殺した後に少年院に入り2年後に脱獄、警官2人を撲殺・拳銃強奪した無期懲役犯でした。パイロウは、独学で爆弾作りを学び連続爆破魔となり、警官2人を爆殺した無期懲役犯でした。ソックスは、元天才詐欺師で、闇カジノ界のギャンブラーとして有名で、マカオでカジノを任されたが店の金に手をつけマフィアに追われ、中国で追手を射殺した無期懲役犯でした。オヤブンは、昔は某広域指定暴力団の組長で、若頭時代に当時の組長の仇討ちのために単身敵方の組に殴りこみ組長ほか5人を殺した男でした。ヘボピーは、幼少期に両親が行方不明となりグレた時期もありましたが更生して工場で働いていたが、自らの過去を知られ即刻解雇された腹いせに社長を殺害し工場を爆破した男でした。B・B・Qは、私生児として生まれ養父母に育てられましたが、ある日養父母に地上げを迫る暴力団員を刺殺し少年院に入ったが、出所後、彼を恐れた養父母との乖離で絶望し猟銃乱射・家屋放火後に逃亡した男でした。そんないずれ劣らぬ凶悪犯のリーダー的存在の飛葉大陸は、恋人に絡んできたヤクザ3人を殺害し、銃刀法違反・公務執行妨害を加えた無期懲役犯でした。
ワイルド7のネタバレあらすじ:2.ワイルド7、出動!
ある日、能面を被り36名を人質に銀行強盗が入りました。警察側は犯人側の逃走要求を飲み対応、現場にはSWATほか多数のスナイパーたちが、犯人が出てきたところを狙っていましたが、犯人は人質全員の顔に麻袋をかけ、誰が犯人か人質なのか分からないようにしてきました。しかも、犯人は輸送車に乗り込むと、人質を数名射殺し、逃走、警察はこれ以上打つ手はありませんでした。その頃、ワイルド7に出動命令が下されました。犯人たちを追う大型トラックの中から出てきたのは、7台のバイク集団でした。彼らは犯人たちの車を発見すると、トラックでその車を突き飛ばしました。パニックになり発砲する犯人たちの銃弾を、7台のバイクに乗った彼らは華麗なハンドル捌きでかわすと、犯人2人を射殺しました。残った犯人3人に、飛葉は「お前ら、全員対峙する」と言うと、他のメンバーが犯人を蜂の巣にしました。ワイルド7が立ち去ったその現場に、「ワイルド7」の存在を追い続けていた東都新聞社社会部記者・藤堂正志は、これはワイルド7の仕業だと確信していました。しかし、藤堂の部下・岩下こずえは半信半疑でした。
ワイルド7のネタバレあらすじ:3.謎の女性・本間ユキ
ある日、事件が発生、ワイルド7に出動命令が出ました。メンバーたちが犯人を追い詰めあと一歩のとき、謎のスナイパーが現われ、犯人を射殺してバイクで逃走していきました。「またあいつか」と、ワイルド7の飛葉はスナイパーを追跡しましたが、バイク好きの者たちが集結する埠頭のあるクラブで見失ってしまいました。飛葉は、その店で黒髪の美しいある女性と出逢いました。結局、謎のスナイパーを見失い、アジトに戻った飛葉たちを待っていたのは、指揮官・草波警視正でした。彼はメンバーたちに「いつでも刑務所に戻してやると言いたいところだが、あいにくここまでの組織に引き上げるまで金と時間がかかっている。まだまだ採算は取れていない。マシンはマシンらしく、生きていればいい。人並みに存在理由など考えるな」と冷たい言葉を残して去っていきました。飛葉はあのクラブで遭った女性が気になっていました。ある日、飛葉はバスに乗る彼女を見つけ、「俺に一度会ってるな。高速の上で」と声をかけました。「これって、新手のナンパ?」とその女は答え、立ち去ろうとしましたが、彼女はバイトに遅れそうだと言い、飛葉にバイト先まで送らせました。それは埠頭のレストランでした。彼女はそこでウェイトレスをしていました。飛葉はそのレストランでワインを飲み過ぎ、目が覚めたとき、彼女の家で寝ていました。彼女は酔っぱらって飛葉が呟いていた「守らなければならないものなんて、何一つない。大切なものなんて、どうせ守れはしない」という言葉に興味を持ち「何があったの?」と彼に尋ねると、飛葉は「4人殺した」とだけ答えました。彼女は本間ユキという女性でした。飛葉は彼女に自分の名前を教えると、彼女の家を出ていきました。飛葉はアジトに戻ると、謎のスナイパーの映像を繰り返し見ていました。するとセカイが飛葉に「俺たちだって、少しは世の中のためになっていい。守りたい大切なものって、誰にだってあるだろう」と言いました。飛葉はそういうセカイに「あんた、大切なもの、守れたことあるのかよ?」と言い返しました。
ワイルド7のネタバレあらすじ:4.公安調査庁情報機関(通称:PSU)
ある日、米軍と秘密裏に作られた特殊な殺人ウィルスが輸送中に強奪されるという重大事件が発生しました。急遽、事総長・成沢は、草波警視正を公安調査庁情報機関(通称:PSU)に連れて行きました。厳重なセキュリティーを通過し、草波は情報分析部門統括者・桐生圭吾と出会いました。桐生は草波の経歴やワイルド7を作ったことも知っていました。犯人たちの要求は現金2億ドル、要求が受け入れられなかった場合、飛行船からウィルスを散布するというものでした。既に時限装置はセットされ、爆破予想時刻は3時ちょうど、約4時間半後でした。桐生の話では「強盗にあった時間から対応を協議しているうちに、報告が遅れた。有効なワクチンなどは極少量で、米国のメーカーに手配しても間に合わない」という逼迫した状況でした。草波も桐生も要求を飲んだとしても飛行船の爆破が回避できる確証はないという点で一致していました。草波はワイルド7の出動を命じました。PSUで指揮をとっていた草波は、監視カメラで不審車両を1台発見、セカイ、B・B・Q、ソックスを急行させるが、車内には犯人たちがワクチンを接種した跡だけが残っていました。そこは大勢の人たちが行き交う、大きなショッピングモールでした。その中から犯人を特定するのは至難の業でした。桐生は、緊急事態のときだけに自分にしか操作できないシステムを稼働させました。それはありとあらゆる監視カメラの映像から、その行き交う人の顔からあらゆる個人情報にアクセスすることができるシステムでした。それは国民には知られてはならない国民全員をPSUが監視するというシステムでした。
ワイルド7のネタバレあらすじ:5.謎のスナイパー・本間ユキの過去
パトロールをしていた飛葉は、1台のバイクに乗った人物を見かけました。それはあの謎のスナイパーでした。一方、セカイは、事件の臭いを嗅ぎつけ現場に来ていた藤堂記者と部下の岩下こずえを見つけ、こずえが電話をしている瞬間に、藤堂を物陰に連れ込み、「あの娘を連れて、東京から離れろ」と厳命すると去っていきました。PSUから犯人と思われる人物が空港行き電車のコンコースにいることが判明、草波はすぐにワイルド7たちに急行するように指示しました。政府は犯人側の要求を飲み、お金を指定口座に振り込んだが、時限装置は解除されませんでした。草波は隊員たちに、犯人を殺さずに時限装置を解除するように命令しました。飛葉が犯人たちを目撃したとき、背後からあの謎のスナイパーがバイクで犯人たちに発砲しながら、突入してきました。コンコースは銃撃戦の修羅場となりました。飛葉は謎のスナイパーを助け、ヘルメットを脱がせると、それは本間ユキでした。ユキは落ちていた銃を持ち、犯人たちに向けました。飛葉はユキの間に立ち、「誰も撃つな」と命じました。ユキは犯人に向けて「そいつは私の家族を殺した。私から全てを奪った男。邪魔する奴は殺す」と言うと、事件装置を解除できる唯一の犯人を撃ち殺しました。しかし、その男は防弾チョッキを着ていて、死んではいませんでした。隊員たちは時限装置の解除を命じ、時限装置を解除させました。ユキはかつて、犯人たちの爆破で家族全員を失った復讐をしていたのでした。飛葉に近づいたのも、飛葉の行くところに犯人たちがいると思ったからでした。
ワイルド7のネタバレあらすじ:6.黒幕は桐生
事件は解決しました。しかし、草波は「ウィルスが盗難にあった時点で直ぐに報告があれば、貨物船の乗組員は死なずに済んだと思いますか?」と桐生に尋ねました。桐生は「わかりません。ただひとつ言えるのは、15人もの命を平気で奪える悪意が、この世の中には存在するということです」と答えると、部屋を出ていきました。草波は桐生を不審に思いました。ワイルド7のアジトでは、草波がある情報を隊員たちに報告していました。それは、この事件の前にそのウィルスのメーカーの株を大量に購入し、事件公表後、その企業株価が一時的に急騰し頃合いに、一気に売りさばいて約20億の大金を手にしているということでした。しかし、犯人は全員死にました。この情報を知っており、生き残っているのはただ一人、PSUの桐生でした。草波は桐生を調査した結果、桐生はその地位を利用し、こうした事を何度も繰り返し、巨万の富を得ていたことを突き止めました。飛葉はこの桐生は「俺たちが対峙しないといけない野郎だ」と言いました。
ワイルド7のネタバレあらすじ:7.桐生圭吾という男
桐生が出席したあるパーティに、草波はワイルド7と共に潜入しました。草波は桐生に、単刀直入に桐生のした事で犠牲者が出たことを告げました。桐生は悪びれることもなく「私はその何千倍、何万倍の命を救っている。その功績にふさわしい報酬を得ているだけです。…私には切り札があります。…私は国民には知られてはならない国家の最重要機密を握っている。…あらゆる企業の秘密、政治家のスキャンダル…など、この国のあらゆる情報を私はつかんでいる。…私は国や全ての組織から守られているんです。…あなたのしている事に何の意味があるんです。…悪が滅びることはありませんよ。…悪と共存して生きていくしかないんですよ」と答えると、立ち去っていきました。飛葉は一人、桐生を追いました。桐生は飛葉を待っていました。桐生は飛葉の過去を語り、今、復讐に燃える本間ユキに心を惹かれていることを語り、挑発しました。桐生に飛びかかろうとした飛葉を、セカイが止めに入りました。桐生はセカイのことも調べあげていました。セカイの娘が新聞記者の藤堂の部下・こづえであることを知っていました。桐生はセカイも挑発しました。草波はパーティ後、検事総長・成沢に「桐生くんが手にしているパンドラの箱は絶対に開けてはならない。…残念だか、これ以上、君を庇うことはできない」と言われ、囚われてしまいました。その頃、警察はワイルド7のアジトにSWATを送り込んできました。しかし、アジトには誰もいませんでした。ニュースでワイルド7は、緊急指名手配犯とされてしまいました。
ワイルド7のネタバレあらすじ:8.作戦発動、標的はPSU情報分析部門統括・桐生圭吾
ニュースを観たユキは、家を抜け出し、飛葉のバイクで逃走しました。飛葉はユキに復讐するのは終わりにしろと説得しました。しかし、ユキは止めようとしませんでした。飛葉はユキを眠らせると、ワイルド7で桐生を対峙するために行きました。囚われていた草波はワイルド7に「これより作戦を発動する。標的はPSU情報分析部門統括・桐生圭吾。但し、狙いは桐生一人、他の者は絶対に殺すな」と命じました。ワイルド7は「国家」を相手に戦う決意をしました。PSUにはSWATなど厳戒態勢がひかれていました。ワイルド7の大型トレーラーがPSUの建物に横付けされ、まずロケット砲を一発お見舞いすると、トレーナー内から銃を乱射、各自、バイクで発車して、あらゆる手段でPSUに乗り込みました。次々に突破され近づいてくる彼らの様子を見て、桐生は職員全員を避難させ、ワイルド7にセカイの娘を人質に投降・降参を命じました。しかし、それは桐生のワナでした。しかし、ワイルド7はそれを知りつつも、囚われていた藤堂記者と岩下こずえを助け出しました。執拗に攻撃してくるSWATに苦戦するワイルド7の中で、セカイは気を失った娘の頭を優しく撫でた後、何とか娘・こずえを守りたい一心で身を呈し、盾となり、満足そうに息絶えました。
ワイルド7のネタバレあらすじ:9.ワイルド7は愚かだが、最も人間らしい
メンバーは各人ひとり一人が、仲間の“盾”になりながら、飛葉は最終ターゲットの桐生まで、なんとか辿り着きました。桐生まで辿りついた飛葉は、セキュリティー装置に狙われる中、桐生に銃を向けました。しかし、そこに飛葉の銃を撃ち、現れたのは草波でした。草波は桐生に「今回、公になった私のデータを修正してもらいたい。…壊れた処刑マシンに用はない」と桐生の仲間となったふりをしました。そして草波は、油断した桐生を銃で殴り、機密情報を操作し、闇社会の全情報を世界にバラまき、闇社会の人間から桐生を狙わせるようにし向けました。そして、草波は桐生にワイルド7のことを「俺が集めた連中はな。愚かだが、最も人間らしいいい男たちだ」と言いました。桐生は雄叫びを上げて、泣き崩れました。
ワイルド7の結末:10.エピローグ:新たなメンバー
マフィアに狙われた桐生圭吾は、数日後、惨殺死体として発見されました。セカイの墓参りに訪れた飛葉に、草波が現れました。草波は「本間ユキが出頭してきた。…悪党対峙が許されているのは、お前たちワイルド7だけだ。生きる場所が他にない、お前たち7人だけだ」と言って去りました。セカイを亡くして6台となり疾走するバイクの集団の背後から、1台の新たなるバイクが猛追してきました。そして、その集団の中に入り込みました。それは本間ユキでした。ワイルド7はまた、7人で悪党対峙に向かいました。
うーん、原作は大好きなんだけどこれを映画化するのは難しいんじゃないかな。アニメならともかく実写ではねえ…
とにかく、ワイルド7のメンバーがカッコよくない。特に飛葉。チームリーダーで原作では一番格好いいのに、もうちょっとイケメン俳優を使え!と言いたい。まあ、飛葉も含めてワイルド7メンバーのキャラクターが強烈過ぎて演じられる俳優がいないんじゃ無いかと思うけどね。
ある意味現代版『必殺仕事人』なので、悪い奴らはどんどん処刑して欲しい。現実世界ではそんなこと出来るわけが無いんだから。