ズートピアの紹介:2016年アメリカ映画。ディズニーの長編アニメ映画。「アナと雪の女王」を上回るオープニング興行を獲得した超ヒット作品「ズートピア」。ウサギの警察官ジュディとキツネの詐欺師ニックが動物の街ズートピアを駆け回る!行方不明事件を無事解決できるのか?そして動物たちの心の中にある本当の問題とは?
監督:バイロン・ハワードリッチ・ムーア 日本語吹替声優:ジュディ・ホップス(上戸彩)、ニック・ワイルド(森川智之)、ボゴ署長(三宅健太)、ドーン・ベルウェザー副市長(竹内順子)、ベンジャミン・クロウハウザー(高橋茂雄/サバンナ)、レオドア・ライオンハート市長(玄田哲章)ほか
映画「ズートピア」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ズートピア」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ズートピアの予告編 動画
映画「ズートピア」解説
この解説記事には映画「ズートピア」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ズートピアのネタバレあらすじ:1
肉食動物も草食動物も共に暮らす世界。ジュディは前向きなウサギの女の子。努力の末、ウサギ初の警察官となり大都市ズートピアに赴任します。ズートピアでは肉食動物が14人も行方不明となる事件が発生していますが、「小さくて何も期待されていないウサギ」に言いつけられた仕事は駐車違反の切符を切ること。それでも腐らずに仕事をしますが、キツネの詐欺師ニックに騙されたりと散々。ですが、警察のバッジをかけて行方不明のカワウソ、オッタートンを探す事件を請け負います。ジュディに与えられた猶予は48時間。情報を得る為ニックを巻き込みズートピアで手掛かりを探します。
ズートピアのネタバレあらすじ:2
そして「オッタートンが突然凶暴化した」情報を突き止め、そのオッタートンに襲われたというリムジン運転手の黒ヒョウ、マンチャスを訪ねます。マンチャスは「夜の遠吠え」とキーワードを教えてくれますが、突然オッタートンと同じく凶暴化してしまいます。かろうじて逃げ出したジュディとニック。捕えたはずのマンチャスも何者かに連れ去られてしまいます。「夜の遠吠え」は「オオカミ」を指す言葉だと思ったジュデは、オオカミが警護する建物に乗り込みます。
ズートピアのネタバレあらすじ:3
そこで見たものは、ズートピアで行方不明になっていた14人の肉食動物。彼らは本来の野生の姿に戻っていたのです。そして、そこに現れたライオンハート市長を逮捕し、ジュディは一躍時の人となります。しかし、記者会見でジュディは肉食動物への不信感を煽るようなことをつい述べてしまい、逮捕劇の最中でお互い信頼しあっていたはずのニックも離れていってしまいます。ニックには「キツネは狡猾な肉食動物だという決めつけ」だけで夢を壊された苦い過去があったのです。ライオンハート市長は「野生化した原因はわからず、隔離していただけだった」と言いますが、ズートピアの住人達の間には肉食動物への不信感が漂い始めます。
ズートピアのネタバレあらすじ:4
「ズートピアをバラバラにしたいわけじゃない」と自分の存在と発言に罪悪感を感じたジュディは警察をやめ田舎に帰ります。そこで、ふと「夜の遠吠え」と呼ばれる花がどんな動物でも凶暴化させることを知ります。この花が本当の事件の手掛かりだと感じたジュディは、ズートピアに戻り、ニックに謝罪し、再び二人で事件を追いかけることにします。そして、花を買い占め人々を凶暴化させていたのは羊であり、首謀者は失脚したライオンハート市長の後釜に座った現市長のベルウェザーであることを突き止めます。
ズートピアの結末
ベルウェザーは自分が「羊」だというだけで軽んじられることに我慢できず、肉食動物を陥れズートピアに草食動物中心の世界を作ろうとしていたのです。ニックに「夜の遠吠え」の銃弾を撃ちこみ凶暴化させようとしますが、ニックの機転により逆に証拠を掴み、ベルウェザーを逮捕します。凶暴化を治す薬も開発され、騒動は収まります。「現実は厳しい、けれど、夢をおいかけることは悪いことじゃない。」警察学校の卒業でスピーチするジュディ。その姿はどこからみても立派な警察官です。そこにはキツネ初の警察官となったニックの姿もあります。二人はコンビを組み、今日も事件解決に向かうのでした。
以上、映画ズートピアのあらすじと結末でした。
「ズートピア」感想・レビュー
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この映画には確かに「悪役」が存在しますが、じゃあその悪役は絶対悪か?というわけではなくズートピア全体に蔓延る「差別と偏見」の加害者・被害者のひとり。それはもちろん主人公のジュディや、パートナーであるニックも同じく、悪意が無くとも偏見を持ち差別をします。悪役は最後に捕まりましたが、だからといってズートピアの偏見と差別が無くなるわけではありませんし、ジュディとニックのこれからも平穏無事ではない…それでもこの2人の絆ならきっと乗り越えられる。そんなふうに思えました。
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夢を追い続けて警察官となったウサギのジュディ、夢を諦めて詐欺師となったキツネのニック。そんな対照的な二匹が主役の、笑いあり涙ありミステリーあり!な子供も大人も楽しめる映画です。
ですがこの映画最大の見どころは、動物たちの理想郷ズートピアに隠れた差別と偏見の描写。
かつて肉食動物と草食動物は食う者と食われる者の関係であり、そういった意識がどの動物たちにも色濃く残っているのです。ジュディとニックの活躍ににわくわくハラハラしながらも様々なことを考えさせられる作品でした。
主題歌のTry everything(トライ・エヴリシング)も必聴です!聴くと元気が出ますよ! -
ストーリー、設定、世界観、アニメーション、演出など、どれをとっても素晴らしい作品です。特に、作品に込められたメッセージは深いものがあります。
この作品は、例を挙げれば「『夢を信じる勇気』にエールを送る」と紹介されるように、一見すると、女性で、かつ草食動物であるウサギでありながら、夢を追い続けて警察官となったジュディの苦難と成長の物語です。
もちろんそういうこともしっかりと描かれています。しかし、他方で、動物を人間に例えた作品には往々にして人間社会の風刺という側面があります。本作でも人間社会における差別と偏見について描かれているのがわかります。主人公であるジュディに焦点を絞っても、彼女に対する女性だからという性差別や草食動物のウサギだからという種族差別(≒人種・民族差別)が描かれる一方で、ジュディ本人が見せる駐車違反の仕事に対する偏見や肉食動物であるニックに対する逆差別も描かれています。
ここには、人間ならだれしもが差別や偏見の被害者となり、そして、加害者ともなり得ることが描かれています。それを自覚して自分とは異なるひとのことを認めること、その重要性が説かれています。いやはや、とてもよくできた作品だと思います。万人におすすめです。
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うさぎを飼っているので、うさぎの主人公のジュディがとにかく可愛くてかっこよくて魅了されました。草食動物に対する差別や偏見、と思いきや肉食動物に対する偏見もストーリーに出てきて、差別や偏見に対して改めて考えさせられる内容でした。そして信じ続けて頑張っていれば夢は叶うということを教えてくれる作品でした。主人公ジュディとキツネのニックとの付かず離れずな関係も少しもどかしく微笑ましかったです。
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一見すると正反対に見える、ウサギの警察官ジュディとキツネの詐欺師ニックが協力しながら事件を解決していく様子に感動しました。特に、ケンカした二人が仲直りするシーンで、にんじん型のペンの録音機を使ってニックがジュディをからかう様子が可愛らしかったです。
動物の世界をモチーフに書かれていますが、この映画の中では差別主義について表現されていると感じました。大人も子どもも一緒に楽しめる名作だと思います。 -
誰もが子供の頃は純粋にやりたい事やなりたいものが沢山あったけど、だんだんそれらに適正が存在する事に気付き始める。適正とはどこからやってきて誰が決めたものなのか。差別や偏見をテーマに描かれた映画ですが、かつて目指していたものがあった大人にこそ見てほしい作品です。
この作品を観終わって感じたことは、本当に秀逸な作品だなということでした。
子供が観れば、可愛い動物たちが暮らす世界で、小さなウサギの主人公が奮闘する楽しいストーリー。
大人が観ると、無意識に誰しもが差別や偏見を持っているよねというメッセージを汲み取ることができる、ハッとさせられるストーリー。
誰が観ても楽しくて、隠されたメッセージが分かるともう一度観たくなる、そんな名作です。