108~海馬五郎の復讐と冒険~の紹介:2019年日本映画。劇団「大人計画」を主宰する松尾スズキが監督・脚本・主演を務めたオリジナル作品です。妻の不倫をSNSで知ってしまった脚本家の男が彼女に復讐すべく、煩悩と妻のSNSについた「いいね!」の数と同じ108人の女性を抱く計画を立てるのですが…。
監督:松尾スズキ 出演者:松尾スズキ(海馬五郎)、中山美穂(海馬綾子)、大東駿介(聖矢)、土居志央梨(あずさ)、栗原類(道夫)、LiLiCo(エイドリアン)、福本清三(海馬の父)、乾直樹(ドクタースネーク)、宍戸美和公(堀切すみれ)、堀田真由(赤井美月)、村杉蝉之介(プロデューサー)、オクイシュージ(演出家)、岩井秀人(糸井)、酒井若菜(スナックのママ)、坂井真紀(海馬マリ)、秋山菜津子(砂山美津子)ほか
映画「108 海馬五郎の復讐と冒険」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「108 海馬五郎の復讐と冒険」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
108 海馬五郎の復讐と冒険の予告編 動画
映画「108 海馬五郎の復讐と冒険」解説
この解説記事には映画「108 海馬五郎の復讐と冒険」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
108~海馬五郎の復讐と冒険~のネタバレあらすじ:起
そこそこ名の知れた脚本家の海馬五郎(松尾スズキ)は、7年前に元女優の妻・綾子(中山美穂)と再婚しました。それからというもの、五郎は浪費癖のある綾子のために本業の脚本家としてはもちろん、雑誌のエッセイ連載などの仕事にも追われていました。
そんなある日、五郎は自ら脚本を執筆した映画「踊る精神科病院」がミュージカル化されることとなり、オーディションに審査員として参加しました。参加者の演技を辛口批評する五郎に若手女優の赤井美月(堀田真由)が二人きりで話がしたいと持ちかけ、五郎はこの時初めて綾子がSNSをやっていることを美月から知らされました。
綾子のフェイスブックには「女優を辞めて7年。私は今、恋をしている。コンテンポラリーダンサーと」「あなたは私のパンドラの箱を開けた。それだけ。大丈夫、あなたと生きるの」などといった文言と共に“ドクタースネーク”(乾直樹)と名乗る若い男性ダンサー『ドクタースネーク』の写真も載せられていました。五郎は綾子にこのことを問い詰めようとしましたが、綾子は開き直った表情で左腕に入れたドクタースネークの名前入りのタトゥーを見せてきました。
まさかの妻の裏切りに衝撃を受けた五郎は、妹のマリ(坂井真紀)が営むバーで長年の友人である糸井(岩井秀人)と砂山美津子(秋山菜津子)を相手に愚痴をこぼしました。五郎とマリの父(福本清三)は高齢と体調の悪化で入院生活を送っており、父の面倒をみているマリは五郎にたまには父のところに顔を出せと突っつきました。
そんな五郎は糸井と美津子に綾子との離婚を考えていると打ち明けたところ、糸井は離婚したら財産の半分は財産分与で綾子に渡ってしまうのではないかと指摘しました。五郎の資産は現在およそ2000万円、もし離婚となる半額の1000万円が綾子の手に渡るというのです。納得がいかない五郎はどうせ持っていかれるくらいなら前もって資産を減らしてしまおうと思いつきました。
108~海馬五郎の復讐と冒険~のネタバレあらすじ:承
五郎はまず前妻のエイドリアン(LiLiCo)と引きこもりの息子・道夫(栗原類)に会いに行き、養育費を一括して支払うことで話を付けました。その額は300万円です。
帰宅した五郎は残り1700万円をどう使おうかと考えていたところに美月から綾子のフェイスブックを見たかとのメールが届きました。五郎が確認してみると、何と綾子とドクタースネークのツーショット写真が掲載されていました。衝撃を受けた五郎は不倫関係にある美津子を自宅に呼びつけ、セックスをしながら残る金の使い道を考えました。そこで綾子への復讐として五郎が思いついたのは、1ヶ月以内に1000万円を使って、綾子のフェイスブックについている「いいね!」の数と同じ108人の女を抱くことでした。
五郎は早速風俗に通い始めましたが、どうしても風俗嬢のプレイに満足できないばかりかちまちま金を使っているだけに過ぎないと考え始めました。そこで糸井に相談した五郎は高級風俗なら料金は1回につき10万円だと教えられ、ネットで調べた料金15万円の高級風俗嬢・あずさ(土居志央梨)を部屋に呼ぶことにしました。
あずさを待っている間、五郎の元にマリから電話がありました。それは父の見舞いに行ってほしいということ、そして綾子のフェイスブックに関する話でした。五郎は綾子のフェイスブックを見てみると、今度は綾子が函館のホテルでドクタースネークと一緒に過ごしている写真がアップされていました。五郎は怒りのあまり妄想を立てました。
それはホテルで綾子と揉みあいとなり、カッとなった五郎が綾子を殴り倒したところ、綾子は1匹の蛇に姿を変えて五郎の元から去っていくというものでした。それから五郎は自分が綾子にプロポーズした時のことを思い出していました。
108~海馬五郎の復讐と冒険~のネタバレあらすじ:転
やがて五郎の自宅にあずさがやってきました。五郎は早速ベッドであずさを抱きましたが、どうしても綾子のことが頭をよぎって集中できませんでした。五郎はあずさから、あずさの愛人でホストの聖矢(大東駿介)を紹介されました。ところが、星矢に会いに行った五郎は星矢のホストクラブの客とあずさとのトラブルに巻き込まれてしまい、通りかかった美月に助けてもらいました。
五郎はマリの店で美津子と会い、自宅に連れ帰って玄関で行為に及んでいる最中に父が危篤だと知らせにきたマリに見られてしまいました。五郎と美津子はショックで“合体”が解けなくなってしまい、そのままの状態で病院に駆け付けるとマリ、エイドリアン、道夫と共に父の最期を看取りました。
その後、別の病院で美津子との“合体”を解いてもらった五郎は、今度は綾子がドクタースネークと、仲睦まじく登山に興じている写真を目にしました。
結局、資産の残高はろくに減らないまま半月が経過していきました。焦った五郎は再びあずさを呼んで抱きましたが、一瞬だけ綾子の姿が脳裏に浮かびました。五郎に相談を持ちかけられたあずさは力になると約束、高級デートクラブの仲介者でもある星矢は五郎に次々と女を紹介していきました。
星矢に言われるがままに次々と女を抱いていく五郎は次第に路地裏やトイレの中でも行為に及ぶなどエスカレートしていきましたが、こうしている間にも綾子とドクタースネークが…と思っているうちに五郎の体力も限界に近づいていきました。
108~海馬五郎の復讐と冒険~の結末
五郎は200万円を投じてカラオケパブを借り切り、糸井を呼び出すと「女を抱くのを手伝ってくれ」と頼みました。糸井も言われるがままに女を抱きますが、まだ残金が目標金額に到達していませんでした。
五郎は益々体力が衰弱していき、見かねた美月が自宅を訪れました。またしても綾子とドクタースネークがお揃いの指輪をしている写真を見せられた五郎は深く絶望し、つい美月とも関係を持ってしまいました。ただし、五郎は美月は金で抱いたのではないので108人にはカウントしないことにしました。
とうとうミュージカルの稽古をも休みにしてしまった五郎はスタジオに大量の男女を集め、乱交している様を撮影するという行動に出ました。「こんなんじゃまだ足りない」と思いながら自ら女を抱き、会場全体にヌルヌルのローションを垂れ流しては乱交の光景を見守っていた五郎でしたが、その真っ最中に五郎のスマホに綾子からビデオ通話がかかってきました。五郎から壮絶な光景を見せられた綾子は、自分が五郎を深く傷つけてしまったことに気付きました。
マリの店で、美津子が働き始めます。
それから数日後。五郎はマリの店で、星矢から女が50人待っているといわれる“女島”に行こうという話をしていました。五郎はこれで目標の108人を達成できると思ったその時、五郎はマリからスマホアプリを見せられました。
そのアプリ「スネークと妄想結婚アプリ」とは、スマホで自分の顔写真を撮影するとドクタースネークとのツーショット写真と合成できるというものでした。これで綾子は実は浮気をしていなかったことが判明したのですが、結局五郎は星矢と共に船に乗って“女島”へ出発してしまいました。その時、船上の五郎に綾子から電話がありました。
綾子の腕のタトゥーは実はシールであり、綾子はドクタースネーク本人とは一度も会ったことも会話したこともありませんでした。このまま老いていく自分に不安を感じた綾子はスネークのアプリで妄想恋愛を楽しみ、アプリの中でささやかな“冒険”をしていたのです。
結果としてその“冒険”が五郎を傷つけてしまったことに気付いた綾子は五郎に「どうしたいの?」と訊きましたが、五郎はもはやどうしていいのかわからず無言で立ち尽くすのみでした。そんな五郎の目に、“女島”は着実に近づいていました。
以上、映画「108~海馬五郎の復讐と冒険~」のあらすじと結末でした。
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